徒然ゲーム作品紹介:封神領域エルツヴァーユ

 

基本情報

封神領域エルツヴァーユ
機種:プレイステーション
発売/開発:ユークス
プレイ人数:1~2人
発売日:1999年1月14日
ゲームジャンル:対戦アクション
メディア:CD-ROM
ゲームアーカイブス版:未発売

 

プロレスゲーム製作において、日本では有数のゲームメーカー ユークスがアニメーション要素を導入し作り上げたオリジナル対戦アクション作品。
異なる世界、異なる時代より召喚された数々の登場人物がイハ・ドゥルカという共通の大敵を相手に、それぞれの思惑を胸に、戦いを繰り広げていく。


個性豊か、物語を彩る10人のプレイアブルキャラ


封神領域エルツヴァーユの登場人物達は
宇宙刑事、少年魔道師、若き陰陽師、格闘少女、ブレザー姿のJC戦士、…などなど豊かな個性で彩られた10人の操作キャラクター達が中心となる80~90年代のディープなアニメファンにはたまらないジャンルチョイス。
彼らが一同に介して戦いを繰り広げる本作は言ってみれば、アニメ作品主人公の異種格闘技戦、とも例えられる。

一人一人が『自分達が主役の番組単位』で登場しているだけに、それぞれの世界観及び設定も非常に細かく出来ている。
設定資料にあたるものは、ゲームオプション内で一定の条件を満たせば少しずつ解放されていくので、世界観をより深く楽しみたいプレイヤーはこちらも一度覗いてみよう。

そんな個性豊かな10キャラ(イ・ハ・ドゥルカは隠しキャラ)―
彼らの内から1人をプレイヤーキャラとして選択し、同キャラ対戦や最終ボスであるイ・ハ・ドゥルカ戦を含めた全10ステージを戦い抜くのが本作のストーリーモードの目的となる。


操作はシンプル、読みあい重視の対戦アクション


肝心のゲーム部分は読みあい重視の対戦アクションで、奥、手前へも移動できるバトルフィールドが舞台。
左右移動、ジャンプなどの基本的な移動に加えて十字カーソルと△の組み合わせ操作で、多彩な攻撃が繰り出せる。
これらは全キャラクター共通の操作になるため、対戦ゲームにありがちなキャラ間の必殺技コマンド入力の違いなどもなく「あのキャラはあの技が出しにくい…」
といった悩みも一切ないのは長所の一つと言えよう。
通常攻撃は間合いに応じて近接、遠隔と自動で変化。他作品でいう所謂『投げ技』に当たる"捕縛攻撃"についても同様で、間合い毎に演出の異なる捕縛攻撃を発動することができる。
捕縛攻撃自体はガード可能なので、慣れたプレイヤー相手には適当に狙ってもまず命中はしないものの、命中時の必殺技クラスの派手な演出は何れも一見の価値あり。
溜め操作によって3つまでストックできるパワークリスタルゲージを使った超必殺技はライフゲージと連動しており、残りライフゲージ量が少ないほど最大値まで即座に貯まりやすくなる仕組み。なので例え窮地でも一発逆転を狙えるチャンスが生まれやすい仕様だ。


30分ものアクション番組を遊ぶ感覚


本作の魅力として『アニメ作品を意識して』作られた徹底的にこだわった演出と、
アクションパートでのド派手なカメラワークが挙げられる。
まずストーリーモードにおいての一連の流れなのだが、

1:選択画面からプレイヤーキャラを一人選ぶ
2:新番組(第1話)予告デモ挿入
3:第1話=セリフシーン→1人目の対戦相手と戦闘開始
4:倒す→アイキャッチ挿入→セリフシーン→第1話終了
5:第2話予告デモ挿入
6:第2話=セリフシーン→2人目の対戦相手と戦闘開始

といった具合で、まるで30分ものの特撮やアニメ番組を自分の手でプレイ=放映している感覚を味わえるのだ。
上記を意識した演出は対戦中でも見られ、ダッシュ攻撃がかち合うとカメラワークが変化し、横一直線ににらみ合いながら並走する時代劇などでも見られるシーン(視殺戦)に切り替わったり、ダメージを追うごとに装甲や衣装、或いは束ねている髪がほどけたり、必殺技で止めを刺す場合、通常時よりもカットの多いいわゆるフィニッシュ版に変化、などの作り手のこだわりを感じる演出の数々が一戦一戦を熱い戦いへと盛り上げてくれる。


また、キャラ選択画面では操作キャラ決定時にキメ台詞を喋るのだが、使用頻度が高くなると、徐々に好感度が高いものへと変化していく。
おまけ程度の要素ではあるが、各プレイヤーのお気に入りのキャラ傾向が分かる目安ともなる面白い要素だ。


ヒーローアクションが好きな貴方へ

 

ゲームオリジナル素材を用いた上で、これほど強くいろんな視点から『特撮若しくはアクションアニメ演出』を意識した対戦アクションゲームはこれまででも他に類を見ず、
90年代ゲーム作品でも、一見の価値ありな作品である事は間違いない。

対戦アクションゆえ、勝ち負けを競うのは勿論なのだが、カメラワークやさりげない演出1つ1つにこだわって作られてる本作では 一試合を如何に"魅せる一戦"に仕上げるか―
そういう視点にこだわった対戦プレイを心がけてみるのも面白い。
ゲームが好きで、ヒーローアクション映像作品が好きで…、というその両方をこよなく好むようなゲームプレイヤーはお手元に是非。