徒然ゲーム紹介「Shinobi 3D」

基本情報

Shinobi 3D

 

機種:ニンテンドー3DS(フラッシュメモリカード)
発売:セガ
開発:Griptonite Games
CERO:B(12歳以上推奨)
プレイ人数:1
発売日:2011年11月17日
価格:5,229円(税込)
すれ違い通信対応:〇
ゲームジャンル:2D忍者アクション

 

セガの人気シリーズ「忍 -SHINOBI-」のDNAを受け継ぎ
蘇った硬派2D忍者アクション。
ジョー・ムサシの祖先、ジロー・ムサシ vs 宿敵ZEEDの
戦いの火蓋が幕を開ける。

手裏剣、八双跳び、斬撃、鎖鎌―
多彩なアクションを駆使し、全8ステージを突破せよ。

 

セガのACTゲーム「忍 -SHINOBI-」シリーズの歴史

 

1986年、SYSTEM16基板で開発されたアーケードゲーム『忍 -SHINOBI-』が登場。
忍者をゲームのファクターとして据えた作品は今でこそ多数存在はするが、"近代を舞台に戦う忍者"という設定のゲーム作品は比較的希少で、その後メガドライブ用タイトルとしてリリースされた『ザ・スーパー忍』で2DACTゲームとしての本シリーズはほぼ完成された感はある。

今回紹介する『Shinobi 3Dは』2002年にリリースされたプレイステーション2用タイトル『Shinobi』から9年ぶりのシリーズ最新作。ただし、2Dアクションとして見る場合さらに遡り、1995年セガサターンで発売された『新・忍伝』以来。実に16年ぶりの2Dアクションとしての新作となる。ビジュアル的な面ではPS2の『Shinobi』のイメージを継いでおり、シリーズ本来のスタンスであった2DACTへの回帰を果たすと同時にPS2版の血統でもある作品と言って差し支えなさそうだ。

 

ムサシ一族と犯罪組織ZEEDの因縁 戦いの幕が再び―

 

犯罪組織ZEEDとの宿業は、今は遥か戦国時代にまで遡り
ジョー・ムサシの遠き祖先である、朧流忍者の若き当主 ジロー・ムサシは
ZEED忍軍からの襲撃を受ける。
敵の本陣を叩くべく、雪山に向かったジローは
青い光の大爆発に巻き込まれた衝撃により、時空を超え、
西暦2056年のZEEDアイランドへと導かれた―。


前述どおり"現代を部隊に戦いを繰り広げる忍者"という本シリーズならではのテーマは今作においても健在で、往年のファンにとってはジョー・ムサシやZEEDという単語を聞くだけでも、当時を思い起こさせるには十分なものと言えるだろう。
なお今作は海外で携帯ハードメインに多数のアクションゲームをリリースしている
アメリカのGriptonite Gamesが開発を手掛けており、ゲーム全体の雰囲気を始めこれまでの日本発売シリーズの旧作とはややテイストは異なるが、アクションゲームとしての内容では過去のシリーズに引けを取らないより濃密な仕上がりとなっている。

 

歴代シリーズを踏襲しつつ、新たなアクションも追加された操作システム

 

『shinobi 3D』は全8ステージで構成された基本横スクロールタイプの2DACTゲーム。スタンス的には2Dではあるが、3Dグラフィックを駆使したビジュアルと3DSの立体視機能によって、随所で変則的にズームアウトするカメラワークが本作の特徴の一つ。朧龍忍術後継者のジロー・ムサシを操作し、ZEED達を蹴散らしながらステージボスを目指していく、スタンダードなステージ攻略型アクションだ。

ジロー・ムサシのアクションはキーとボタンの組み合わせによって多彩に変化する。

遠距離には手裏剣、近距離の相手には忍者刀による斬撃といった忍シリーズお馴染みの戦術は勿論、「ザ・スーパー忍」から加わった、ジャンプ最頂点からの八双跳び(2段ジャンプ)や、その体制から放射状に眼下へと多数の手裏剣を放つ八双手裏剣も健在。
さらにはスライディング移動、鎖鎌を使ったワイヤーアクション、ジャンプ中から真下への急降下攻撃(金剛落し)、刀を使った斜め上空への斬り上げ、ジャストタイミングでLキーを押す事で敵のほとんどの攻撃を防ぐ事が出来る防御 等、これまでのシリーズで既出の基本的操作は踏襲しながらも十字キー(スティック)との組み合わせで繰り出せるアクションが多数追加され、様々な局面に対しての対応の自由度がより増した。

 

鉄壁の敵配置デザイン 突破のカギはトライ&エラー

 

一方本作の各ステージデザインは敵の配置から地形トラップに至るまで計算されたものになっており、アクションにはそれなりに自信はあるといったプレイヤーでも初見クリアは中々困難であろうと思しき場面もちらほら見られる。
イージー~ベリーハードまで4段階ある本作の各難度の違いは主に被ダメージ量、残機数、コンティニュー制限、敵の配置数に見られ、最低難度のイージーに至っては残機は無制限。まずはこの難度で各ステージの敵や攻撃、地形のパターンを覚えるのがクリアへの近道となるだろう。

しかしいくらイージーで残機が使い放題とはいえ各ステージはかなり腰の入った難しさで、今の攻撃…分かってたのについつい敵の攻撃に当たりに行ってしまった― 
と、ステージデザイナーの仕組んだ巧妙な罠にかかる度に思わず歯噛みしてしまう…ワンミスの度にそんなほろ苦い悔しさを覚えることも少なくないだろう。
忍シリーズが全体的に高難度なのは旧作からの伝統ではあるが、中でも本作は輪をかけて難しい印象を受けた。
ただ実際には絶対クリアーできないといった無茶なバランスなのでは決してなく、パターンを覚えていく事で少しずつ攻略が可能な古き良き"覚えゲー"スタイルなのだ。

 

実績を始めとしたやりこみ要素も搭載。劇中の熱いサウンドも必聴。

 

また本作では他ユーザーとの共有こそできないが実績システムも用意されており、
それぞれ一定条件を満たす事で対応した称号と隠し要素のアンロックを獲得できる。
設定資料画や作中BGM、衣装、武器の見た目を変えるものから操作キャラそのものが変化するものまでその内容もバリエーション豊か。
さらにニンテンドー3DS用ゲームということですれちがい通信にも対応しており、本作ではすれちがい通信専用モード「すれちがいチャレンジマップ」の解禁に使われるが、利用できない環境でもゲームコインを貯めて引き換えで解禁する事も可能。
チャレンジマップは敵を倒すことよりも、制限時間内にアスレチックステージを攻略するといった目的が強い内容になっており、いずれも本編とはまた違った高難度と面白さを持っているので是非一度チャレンジしてみよう。

本作でサウンドプロデュースを手掛けるのは、メタルギアソリッドシリーズにも参加した日比野則彦氏。『Shinobi 3D』の楽曲は和要素を取り入れながらも重厚且つ疾走感溢れるサウンドがプレイに華を添え、戦いの本能を一掃掻き立ててくれる。
劇中の楽曲を堪能したいファンには本作のサウンドトラックも販売中なので、そちらも併せてお奨めしたい。

 

慣れて来ると攻略に中毒味が出てくる絶妙なステージデザイン

 
繰り返しとなるが本作は、2Dアクションゲームの中でもかなり高い難度を持っている。
始めはそのハードルの高さに、ゲームクリアを目標にしながら挫けるプレイヤーも多いかもしれないが「2Dアクションはそこそこ遊ぶけど、そんなに自信は…」というプレイヤーも4段階ある難度をイージーから順番に遊びこむ事で、確実に腕の上達を実感できるステージデザインが絶妙。
特に敵の攻撃に合わせてボタンを押す『防御』の使い方に慣れ、敵の攻撃を次々に弾き落としながらステージを突き進めるようになってきた頃には、本作の面白さは俄然魅力あるものへと昇華する。
上位の難度でもパターンを覚えれば乗り越えられる局面は多いので、ノーマルで全然歯が立たないと言う人はまずイージーを ハードが予想以上に絶望的だと言う人はその前にノーマルをやりこんでみて欲しい。

 

開発チームの愛か? 旧セガ作品へのオマージュがちらほら

 

頭からつま先まで硬派な印象の『Shinobi 3D』だが開発のセガへの愛か、はたまたお遊びか― 本編への直接的な絡みこそないが本作には随所に旧セガ作品へのオマージュとみられる要素がいくつか見られる。

例えばステージ1後半では氷漬けになったギリウス(『ゴールデンアックス』のプレイアブルキャラの1人)がカメオ出演キャラとして隠れていたり、各ステージクリア後のボーナスステージがアーケード版『忍 -SHINOBI-』のシステムのそのままアレンジだったりといった具合だ。特に必見はステージ5中盤の空中戦で、飛行中のF-14XX(『アフターバーナーⅡ』の搭乗機体)の機体の上を舞台に、BGMには同作内の「AFTER BURNER」を原曲のまま使用、といった演出が流れる中、ZEED軍との戦いを繰り広げるといったもの。実際なら「そんなバカな」ってシチュエーションではあるが、アクション映画を髣髴とさせるこのカッコよさはゲームというメディアならではの表現可能な演出だ。

 

高難易度の裏側に丁寧な作りを確かに感じる良質な2DACTゲーム

 

3D立体視に対応している反面、カメラ演出でステージが見づらい場面が一部あったり
ストーリーが本編中であまり詳しく語られないまま完結してしまう点など、気になる部分も一部見られる。
何より一見様お断りといわんばかりの突出した死にゲーっぷりはクセの強いところだが、連続する難所をトライ&エラーで少しずつ道中を攻略していく楽しみを見いだせた時に本作の、ひいては2Dアクションゲームの面白さを再認識できる。

今では人気作品も多数リリースされている3DSにおいてはその中に埋もれがちであまり目立つタイトルでないのは否めないが、シリーズファンならずとも歯ごたえある昔ながらの横スクロールアクションゲームを嗜む方には是非。