ゲーム作品紹介:シャンティ ~海賊の呪い

基本情報

シャンティ ~海賊の呪い

 

機種:ニンテンドー3DS(フラッシュメモリカード)
発売:インターグロウ(日本版)
開発:WayForward
CERO:B(12歳以上推奨)
プレイ人数:1
発売日:2015年11月17日
価格:4,000円(税込)
すれ違い通信対応:なし
ゲームジャンル:2Dアクション

 

 

北米発 「シャンティ」というアクションゲームシリーズ

 

昔ながらの馴染み深い画面構成且つ爽快なアクションと最低限のボタン操作で楽しめるように設計されたシンプル操作が特徴の探索型2Dアクションアドベンチャー。
ジーニーと人間のハーフの少女、シャンティを操り宿命のライバルである女海賊リスキィ・ブーツのサポートを受けながら七つの島を舞台に「悪のかたまり」を集める大冒険を繰り広げる。

「Shantae」(シャンティ)は処女作が北米版ゲームボーイカラーのみのリリースであり、2作目はゲームボーイアドバンスにてリリース、そしてニンテンドー3DS向けタイトルとして販売された本作「シャンティ ~海賊の呪い」はシリーズにして今回で通算三作目となるが、本シリーズの日本国内向けローカライズ、及び販売はこれが初となる。後にsteamやPS4などマルチプラットフォームでのプレイが可能にこそなっているが、シリーズ全体の経緯を思うと任天堂携帯ゲーム機向けにリリースしてきたシリーズというイメージが強い。時代とゲームハードの変遷を経てプラットフォームこそ変わりはしたが、シリーズを通してのゲームイメージは損なわれていない。
 

失った能力を少しずつ取り戻していく 成長型横スクロールACT

 

シリーズ前作の展開から魔力を失ってしまったことで、普通の少女とほぼ相違ない能力にまで落ちてしまったシャンティ。
そんな彼女に唯一残された武器は自身にとってもチャームポイントともなる長い髪の毛による突き刺し攻撃。序盤はこの髪の毛攻撃を中心に戦っていくことになるのだが髪の毛自体の長さは一定でキャラ前方にしか伸びず、チャージアタックやリーチが伸びるといったような概念は一切ないため、まずはこの基本攻撃に慣れる必要が出てくる。

敵キャラクターによっては普通に飛び道具攻撃を行ってくるものもいたりするので、攻撃手段が髪の毛だけの内はやや心もとないが、宝石との交換によって強化を行うことが出来る他、各ステージ攻略中さまざまなキーアイテムを入手することで髪の毛よりも更に威力の高いキック、ピストルによる射撃、剣による下突き攻撃、多段ジャンプも兼ねた下方への攻撃も可能な大砲― といったバリエーション豊かな攻撃手段を少しずつ増やしていくことができる。これらは習得後、全てほぼワンボタンのみで行えるアクションなのでとても直観的にプレイできるはずだ。3DS版ではキーアイテムによる攻撃の操作説明はタッチ画面のキーアイテム項目で簡単に確認が可能なのも嬉しい。

 

スカットルタウンを拠点に6つのステージで大冒険


ゲームスタート地点であるスカットルタウンを拠点として、計6つのステージを攻略していくのがゲームの目的となる。スカットルタウンでは冒険中に獲得した宝石と交換で技の習得やメイン武器の髪の毛の強化や、回復アイテムを始めとした各消耗品の購入、無料でライフ回復が可能なハーブ温泉、など道中攻略にかかせない便利な施設が一通り揃っている。各ステージへはタウン内でリスキィ・ブーツの協力を得て船による移動が可能。ある程度宝石が貯まったら一度タウンに戻ってキャラ強化に充てていくのが順当な進め方となるだろう。

各ステージにはライフの最大値を増やすことができるハートスクイッドや呪われたカクルバットから回収可能な闇の魔法がそれぞれコレクション要素の一部として散らばっており、この2つはあらかじめステージ選択画面でステージ別にいくつ回収したかを確認できるようになっている。特に総数も多く、ライフ最大値を伸ばす効果のあるハートスクイッドはステージをくまなく探索するためのファクターとしても大きく機能していると言えるだろう。

 

緻密なドットグラフィックで彩られる映像美


国内で探索型2Dアクションと言えば「悪魔城ドラキュラ 月下の夜想曲」や「メトロイド」などが代表されるが、海外においてこうしたゲームジャンルはこれらのタイトルから起因してか"メトロイドヴァニア"と表現されることも多いようだ。
この手の探索型アクションアドベンチャーの作品は北米ではとかく多く観られるようだが、初作のゲームボーイカラー版から大事に培われた滑らかな2Dアクションのアニメーションは本作でも健在で、現代プラットフォームで生み出された今作に至ってはより洗練されたドットグラフィックへと昇華。スーパーファミコン時代のディズニー系アクションゲームを彷彿とさせる色鮮やかで丁寧に描き込まれたドットグラフィックは、21世紀となった現代でもなんら色あせることはなく、むしろ安心感に溢れたものであると再認識できる。

  

2DACTゲーム然とした各シーンを彩るBGMにも注目

 

シャンティ~海賊の呪いの注目要素として上述のように特にドット絵の美しさが評判に挙がりやすい本作だが、個人的に更に特筆すべきはアクションゲーム然としたBGMにあると感じた。
タイトル画面、セーブデータ選択画面、各ステージBGMに至るまで場面場面でマッチしたオリエンタル感を中心に据えたテイストのBGMが快適な操作感と相まってゲームプレイを盛り上げてくれる。ゲームミュージックファンにも納得の行く完成度で個人的にはサウンドトラックの販売が望まれるところだ。

 

手ごわい地形トラップが要因? やや高めの難度

 

アイテム探索は意地悪過ぎない程度のバランスにまとまっている一方で、全編を通しての難易度は特に後半はシャンティの能力も少しずつ増えている前提からか、意地悪な地形トラップも増えて歯ごたえが出てくる。
しかしそこは成長型のアクションゲーム。ライフ最大値アップを図れるハートスクイッドなどを道中で丁寧に集めてキャラクター強化を入念に行い、不意にライフ0状態に陥っても自動で全快してくれるオートポーションや多彩な攻撃アクションを繰り出すために欠かせない各種キーアイテムを駆使すれば突破できるはずだ。

 

ゲーム部分は丁寧、ローカライズはあと一歩な部分も

 

翻訳は比較的丁寧な反面、会話シーンにおいてところどころテキストの改行位置が雑なのが少々気になる点として挙げられる。またシリーズもの3作目が国内向け初ローカライズ作品ということもあり、時々旧作から登場しているキャラクター同士の会話シーンでは旧作に絡んだ台詞なども出てきたりと、シリーズ初プレイのプレイヤーは少々置いてけぼりを食らう内容の会話も一部目につく。

シリーズを通してもストーリー色が比較的濃い目の作品なのでこの辺りは興味があるならば旧作をプレイして補うのが手っ取り早いのだが、本シリーズは前述どおり毎回販売プラットフォームが異なってきたこともあり、特にシリーズの始まりとも言える1作目は現状復刻は一度も成されていない上にリリースも北米のみ、という厳しい条件が絡み実際に手に入れてプレイするのは容易ではない。元はゲームボーイカラー用タイトルということで国内向けにもバーチャルコンソール化などによる移植が待望される。

 

 

新作はマルチプラットフォームでプレイ可能な「シャンティ」シリーズ


当初国内では3DSでの販売だけかと思われた本作だが、その後正式にWii U/PS4でのDL版販売が決定。
また本国ではシリーズ新作「Shantae: 1/2 Genie Hero」が発表され、日本においても「海賊の呪い」販売後、引き続きsteam版が先行展開したシリーズ2作目「リスキィ・ブーツの逆襲」もWii U/PS4両機種へと移植が行われダウンロード専用ソフトとして現在配信中。

8bitや16bitリスペクトなゲーム作品が単発で頻出する近年ではあるが、そうした流れの中で単発作品としてではなく全世界単位で新たな2Dアクションシリーズの定番となるか否か― 現在進行形で2Dアクションゲームとしてシリーズ展開を積極的に行っている「シャンティ」は今後動向に注目したいシリーズである。

「海賊の呪い」においても2Dアクションゲームとして非常に丁寧に作られており、同ジャンルファンの期待を裏切らない完成度に仕上がっている。国内展開は実質シリーズ3作目からの発進という形にはなったが、良質なアクションゲームの片鱗は本作を手に取ってみることで存分に味わうことが出来るので、少しでも本シリーズに興味が出てきた方は是非。