弟切草

  

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商品情報

 

※今回はコンシューマー機向けに販売された2タイトルに絞っています。

 

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(スーパーファミコン版)

弟切草

機種:スーパーファミコン(ROMカートリッジ)

販売:チュンソフト(現:スパイクチュンソフト)

開発:同上

発売日:1992年3月7日

標準価格:8,800円(当時価格)

プレイ人数:1人

ジャンル:サウンドノベル

セーブデータ数:3

 

(プレイステーション版)

サウンドノベル・エボリューション1 弟切草 蘇生篇

機種:プレイステーション(CD-ROM)

販売:チュンソフト

開発:ネクセス

発売日:2001年4月12日

標準価格:4,800円(税込)

プレイ人数:1人

ジャンル:サウンドノベル

セーブデータ数:3

 

 

※以降の画面写真は特に指定のないものを除いて

 いずれもスーパーファミコン版のものとなります。

 

 

 

ビデオゲームの新たなジャンル「サウンドノベル」の

起源となったタイトル

 

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テキストと効果音で物語を綴る―

さながら"映像音声付の遊ぶ小説"といった

「サウンドノベル」という新たなジャンルを

ビデオゲームにて開拓したタイトルが本作「弟切草」だ。

 

弟切草の原作となるのはスーパーファミコン版で

同時に本作がチュンソフトのスーパーファミコン参入タイトル第1弾でもある。

 

サウンドノベルというジャンルがビデオゲームでガッシリと根付くのは

後に同社が発売した「かまいたちの夜」のヒット以降の事となるが

本格ミステリーが味わえたあちらに比べて、こちらは

一貫してサバイバルホラーものに特化した内容となる。

 

後に発売された同ジャンル作品に比べて利便性などの面では劣るものの

一作目にして、サウンドノベルとしての基礎は

既に出来上がっていると言っていい。

 

 

 

 

 

学生カップルが遭遇した洋館での奇妙な一夜の物語

 

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主要人物はプレイヤーの分身ともなる男子大学生の公平*と

そのガールフレンドである奈美の二人組。

(*:主人公の名前はプレイヤー側で任意に変更可能。

  公平というデフォルト名が付くのはプレイステーション版からで

  この名前は以降、小説版、コミカライズ版等の各種メディア版でも共通化。)

 

二人は夏のある夜、山道をドライブ中にブレーキが故障するといった

トラブルに見舞われたのを切っ掛けに、まるで運命に導かれるかのように

寂れた一件の洋館へと迷い込む―

 

 

 

 

 

文面のさりげなさに騙されてはいけない?

後のストーリー展開を左右する選択肢システム

 

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サウンドノベルというジャンルにおいて欠かせないシステムの1つが

選択肢によってストーリー分岐が発生するマルチシナリオシステムだが

先駆者である本作でも勿論採用されており、テキストの随所で選択肢が出現する。

 

 

弟切草での選択肢は基本どれを選んでも正解はなく、どういう選び方をしても

最終的に複数用意された何れかのストーリーに辿り着き

きちんと完結を迎えることができるが

まだ観ていないストーリーに辿り着きたい場合は

特に後半の選択肢を計画的に選んでいく必要が出て来る。

例えさりげない内容の選択肢でも、軽んじて適当に選んでしまった結果

想定外の結末を迎えるストーリーへと分岐してしまった―

といったこともしばしば起きるので、最後まで油断は禁物。

 

 

 

 

 

結末は一つではない。千変万化するストーリー展開

 

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洋館で巻き起こる不可解な現象の数々と遭遇する内、やがて

公平と奈美の二人はこの屋敷にまつわる過去と直面することになるが

その内容と結果は、これまで選んできた選択肢によって大きく変化していく。

 

一般的なサウンドノベルの醍醐味はまさにこの点であり

繰り返しプレイして、異なる選択肢を選んでみることで

前回とは違った新たなストーリーを体験することが出来る。

 

公平と奈美以外にも、洋館内でもキャラクター達は登場するが

マルチシナリオ形式によるストーリー分岐で、メインの二人を含めて

最終的にたどり着く物語次第でその役回りも大きく変わっていく。

新たに開始する毎に

「あの時はあんなことをしてたキャラが今回はこんなポジションで出るなんて…」

と新たな衝撃をもって楽しむことができるだろう。

 

 

 

 

クリアする毎に追加される新たな選択肢。

全てのシナリオを観た人にはご褒美も―?

 

 

弟切草は一度目、二度目のプレイで全てが判明するわけではなく

それは数あるストーリーの内のほんの一部を垣間見たという事に過ぎない。

新たなストーリーを楽しむ上では、前回選んだものとは

異なる選択肢を率先して選んでいくのが最も近道となる。

ただし本作は、ゲーム開始直後の冒頭テキストのパターンからしても数種類あり

この時点で毎回最初からのプレイでも展開が微妙に異なって来る。

 

繰り返しプレイすることで、どのシーンでどういう選択肢が出現するか

というのも次第に掴めてくるようになるので

中々違うストーリー展開が見られない…という場合は

選んだ選択肢や前後のテキスト等のメモを取るようにするのも

一つの攻略の手引きとなるだろう。

 

なお、基本的なストーリーを全て体験し終える

(各スタッフロールの最後に「完」の文字を観る)ことで

セーブデータ選択画面のしおりの色がピンクに変化する

いわゆる「ピンクのしおり」モードに突入。

これは若干のお色気要素も含め、更なるシナリオが追加されたおまけモードで

その後の同社のサウンドノベル作品でもこの要素は定番のものとなっている。

 

本編がいずれも比較的シリアスな内容だった反動か

ピンク~ではお色気やギャグ成分が多く含まれており

特にラストのオチは世界観崩壊も必至なほどの強烈さっぷり。

これについては賛否が分かれるところだが、本モードの追加シナリオ自体

おまけエピソードと割り切るのが良さそうだ。

 

 

 

プレイステーション版での追加要素(1)

奈美視点に切り替えられる

「ザッピングシステム」搭載

 

 

ここからはプレイステーションでのリメイク版となる

「弟切草 蘇生篇」での追加要素について触れていこう。

 

「蘇生篇」では新要素として、これまで公平オンリーだった視点に加えて

特定のポイントで奈美の視点でのプレイモードへと移動できる

「ザッピングシステム」(ZAP)を新たに搭載。

 

スーパーファミコン版では一切描写がなかった奈美の視点は

勿論、本作で脚本を手掛けた長坂秀佳氏による描き下ろし。

ザッピングシステム自体は同社のサウンドノベル「街」からの起用だが

あちらに比べて曜日時間などの細かいタイムテーブルが存在しない本作では

単に特定のキーワードからZAPする、といったシンプルなシステムに落ち着いている。

 

一旦切り替えた後は常時奈美の視点で進められる、というわけではなく

特定のところまで読み進めると、自然と

公平の視点へとZAPで戻るという設計ではあるが

奈美視点は劇中、かなり多くのポイントで切り替えることができるので

あらかじめスーパーファミコン版を遊びこんでいたプレイヤーならば

どこに追加されているのかをじっくり調べてみるのも

楽しみ方の一つとなるだろう。

  

 

 

 

 

プレイステーション版での追加要素(2)

選択肢の追加や、各ストーリー巻末に更なる展開が

 

 

 

また、プレイステーション版ではテキスト面の方も全体的に見直されている。

一画面内での表示文字限界数の拡張や、より多くの漢字が利用できるようになる等

細かい場面1つとってみてもスーパーファミコン版と見比べてみると

かなり大幅に書き換えられている。

 

テキストの背景に表示される画像の方も、随所に挿入されるムービー演出同様

VFX効果によるものに進化しており、原作版プレイ済みな方でも

プレイステーション版では新鮮な気持ちで臨むことができるだろう。

 

見直されたのはテキストだけでなく、特定の条件を満たす事で

各シナリオの結末に更なる補完パートが追加されたりと

プレイステーション版ならではの追加要素は実に豊富だ。

 

同様に選択肢の方にも新たなものが多数追加されており

特に「ピンクのしおり」モード解放後は、ほぼどこの分岐点でも

最終的に選択肢が4つや5つへと増えている状態になるほど。

元々原作の時点でも、全編通して登場する選択肢は多めだった本作だが

上記の改変が原因でプレイステーション版では

選択肢の数も異常な量へと膨れ上がってしまった。

 

前述通りおまけコンテンツ的な側面の強い

「ピンクのしおり」以降に追加される選択肢は内容もネタ的なものが多く

どれを選んでもその後の展開に大きな違いは見られものばかりなので

選ぶ場合はあくまでおまけ程度に思いながら選んでみよう。

 

 

 

 

 

「読む」から「遊ぶ」小説へ

サウンドノベル誕生となった記念すべき一作

 

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再三となるが「弟切草」はサウンドノベルというジャンルを切り開いた

第一号タイトルであり、同時にアドベンチャーゲームとしても

新たなタイプのものとして定着する切っ掛けを作った記念すべき一作だ。

 

ただ文章を読み解くだけでなく、随所に挿入される画や音を五感で味わいながら

本来の小説では味わえない「選択による物語の分岐」といった

ゲームならではのエッセンスが、上手く混ざり合って成立している

ジャンルと言えるだろう。

 

スーパーファミコン版、プレイステーション版共に

どちらも近代ハードでもダウンロード配信が行われているので

現在ではそちらで購入するのが手軽な入手方法となるだろうか。

 

サウンドノベル系の作品のプレイ経験があるけど

まだ遊んだことがない、といった諸氏にとっては

記念すべきタイトルとして、一度は体験して欲しい一作だ。