能仁寺(飯能市) ~日本名園百選に選ばれた蓬莱庭園がある名刹~

埼玉県飯能市の能仁寺に行ってきました。

目的は参拝と日本名園百選に選ばれている蓬莱庭園の鑑賞です。

アクセス

訪問時は駅からバスに乗って「能仁寺」に向かいました。

西武池袋線「飯能駅」北口から、国際興業バス名栗方面(中沢・間野黒指・西武飯能日高、)行きに乗車し「天覧山下」バス停で下車 をして徒歩数分で「能仁寺」に到着。

近隣交通機関からは

JR八高線「東飯能駅」から、県道28号経由で約2.0 km

 西武池袋線「飯能駅」から県道28号経由で約1.6 km

能仁寺(のうにんじ)

「能仁寺」は、埼玉県飯能市(はんのうし)飯能にある曹洞宗の寺院です。

山号は武陽山。

御本尊は毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)。

文亀元年(1501年)に武蔵国高麗郡加治(現在の飯能)の豪族・中山家勝が、曹洞宗通幻派の名僧「斧屋文達」を招聘して小庵を結んだのが始まりとされています。

 天正元年(1573年)家勝の子の中山家範が父の菩提を弔うため本格的な寺とし、その後の中山家・黒田家の菩提寺となります。

家範の子・照守は徳川家康に引き立てられ、徳川家康の庇護のもと寺院は大いに発展しました。

宝永2年(1705年)当時、常陸下館藩の藩主であった黒田直邦は13世住職の泰州廣基と供に、老朽化してきた寺堂を改築し、伽藍を完成させました。

飯能戦争

慶応4年(1868年)明治維新時の飯能戦争(戊辰戦争)では 、戦災を受けてしまいます。

明治時代の実業家であり渋沢栄一の従兄にあたる渋沢誠一郎は、幕臣たちで結成された彰義隊の頭取でしたが内部対立のため脱退。

その後、振武軍を結成し、「能仁寺」を本陣としました。

しかし官軍の攻撃によりあえなく敗走。

この時多くの民家や、本陣であった能仁寺も焼失します。

現在の本堂は、昭和11年(1936年)に再建されたものです。

その後も寺院は復興を続け、現在では、山門、位牌堂、大書院、鐘楼、大庫院が完成しています。

スポーツ寺

能仁寺の31世住職・萩野映明氏(1940年 - 2016年)は、報知新聞社でスポーツ部の記者を務めた後、1973年に能仁寺に入山し1991年に住職となりました。

新聞記者時代から続く親交により、長嶋茂雄氏、王貞治氏、原辰徳氏、太田誠氏、岡本綾子氏など名だたる名選手が寺を訪れています。

そのことから能仁寺は「スポーツ寺」の別名でも呼ばれました。  

境内の景観

まず参道から本堂前を歩き大書院に上がらしていただき、池泉鑑賞式の庭園を鑑賞しました。

山門

重厚な造りの仁王門をくぐって境内に入りました。

参道

参道には重量感のある、大きな石灯篭が立ち並んでいます。

能仁寺は紅葉の名所としても知られていますが、なるほど参道付近のモミジは紅葉していない時期ですら、なかなか風情がありました。

不動堂

開運と厄除けの後利益があるといわれています。

中雀門

本堂

本堂前

本堂前には開放的な空間が広がっていて「開山堂」や「鐘楼」が配されていました。

(本堂前の躍動的なオブジェは彫刻家の絹谷幸太氏の作品。「紅炎魂・コロナ」と命名されていました。)

開山堂

 鐘楼

この梵鐘は、人間国宝の香取正彦氏が鋳造したものだそうです。

休憩所 

 大書院

本堂北側に造られている池泉鑑賞式蓬莱庭園は、大書院で受付をしてから鑑賞します。

拝観料は300円。

大書院に入ってまず目にするのは建物南側に造られた、丸く刈り込まれた植え込みと重厚な石灯篭が特徴的な庭園です。

立派な庭園ですがこれは日本名園百選に選ばれている「蓬莱庭園」ではありません。 

(書院の南庭園の他にも、回廊からは趣のある景色が見られます。)

廊下を歩いて本堂北側に行くと、飯能市を代表する名園である「池泉鑑賞式蓬莱庭園」が広がっています。

池泉鑑賞式蓬莱庭園

「能仁寺」本堂の北庭は日本名園百選に選ばれている「池泉鑑賞式蓬莱庭園」になっています。

面積は約324坪。

作庭時期は桃山時代と推定されています。

背後にそびえる埼玉県指定名勝の第一号である天覧山の南斜面を取り入れ、背後に枯滝を組み、下部を池泉とした典型的な上下二段式庭園になっています。

(上下二段式庭園で上部にあたる 山の斜面には枯滝を中心とする石組がひろがり、下の池泉式庭園には亀島、鶴島、石橋、洞窟などが配されています。)

(池の周りには大きめの玉石が敷かれ、よく見ると玉石の中には飛び石が備えられています。)

(訪問時には気が付きませんでしたが 池の底部は全て20cm前後の玉石で固められているそうです。)

 (枯滝をはじめとする石組みや玉石の使い方などの手法の緻密さに京都にある庭園を彷彿とさせる格調の高さを感じます。)

そのまま廊下は本堂に続きます。

(本堂側から見た南庭。)

(本堂縁側からは露地も見ることができます。)

まとめ

本堂北側の「池泉鑑賞式蓬莱庭園」は、天覧山の斜面を活かし緻密な手法で造られている格調高い造形の庭園でした。

また本堂南側には広々として開放的な雰囲気の庭が広がっていて、爽やか気分で参拝が行えました。

基本情報 

所在地

埼玉県飯能市大字飯能1329

交通アクセス

JR八高線「東飯能駅」から、県道28号経由で約2.0 km

 西武池袋線「飯能駅」から県道28号経由で約1.6 km

料金

参拝は無料

「蓬莱庭園」の鑑賞は拝観料300円

訪問日

地図