Arrest of a stone Buddha ~70年代フランスを舞台に空虚な気持ちで、日常を繰り返す殺し屋の物語

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©yeo

 

 

基本情報

 

タイトル Arrest of a Stone Buddha
対応機種 Steam/Nintendo Switch
販売/開発 yeo(Steam版)/CIRCLE Ent.(Switch版)
開発 yeo
発売日 2020年2月28日(Steam版)/2020年5月21日(Switch版)
対応言語 日本語,英語,ロシア語,中国語(簡体字),フランス語,スペイン語(スペイン),スペイン語(ラテンアメリカ)
備考 CEROレーティング:C(15歳以上対象)(暴力)

 

作品概要

「Arrest of a stone Buddha」(「アレスト・オブ・ストーンブッダ」)はモスクワのディベロッパーyeoが開発販売を手掛けるゲーム作品。国内Nintendo Switch版ではCICLE Ent.が販売を担当。

1970年代のフランスを舞台に、プレイヤーは一人の殺し屋の視点で10月から11月までの1ヶ月間の日々を暮らすという内容で、ゲーム中は戦闘と日常の2つのパートを交互に繰り返していく構成となっている。本作の特徴の一つは一見でも伝わる非常に緻密なピクセルアートで、各シーン毎に様々な顔を覗かせるフランスの街並みは注目の要素だ。

 

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操作方法

本編アクションパートのチュートリアルも兼ねたオープニング。必要な操作は画面上に表示されるが、プレイヤーの最初の発砲を合図に敵が一気に襲ってくる展開となるためいきなり気が抜けない。以下では本作の操作方法をまとめていこう。

操作方法 Nintendo Switch版

JOY-CON(左)
左右ボタン 移動
上ボタン 戦闘パート:(発砲中、長押しで)高速連射
下ボタン 戦闘パート:(発砲中、長押しで)撃ってくる敵を狙う
Lスティック 移動
Lボタン
ZLボタン
-ボタン タイトルに戻る

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン 日常パート:テキスト送り、選んだ選択肢の決定/(自宅内で特定の時間に)睡眠薬を飲む

戦闘パート:発砲

Bボタン 戦闘パート:キック/(敵に密着中)銃を取り上げる/(敵に密着中、上を押しながら)腕折り
Yボタン
Xボタン
Rボタン 日常パート:(長押しで)ポケットに手を入れる

戦闘パート:狙う

ZRボタン
+ボタン ポーズ(一時停止)機能

 

「Arrest of a stone Buddha」では先述通り、日常と戦闘の2つのパートが登場するがそれぞれでアクションが異なり、ボタンを押した時の効果も変化する。日常パートのアクションのほとんどは、プレイヤー自身の手で演出を行う目的で用意されたものが多いが、戦闘パートのアクションはどれも重要度が高い。以下でしっかりと紹介していこう。

 

(戦闘パート)発砲

本作の敵を倒すアクションは銃に始まり、銃に終わると言ってもいいくらい、その撃退においては徹底して銃だけで突き進むことになる。

発砲はAボタンで行う。本作の銃には威力や射程距離といった概念はなく、引鉄を引けば百発百中、手前の敵からバタリと倒れていく。しかし、注意したいのは銃一丁辺りには弾数が定められており、この弾数は銃の種類によって変化する。拳銃ならばおよそ15発、ショットガンならばおよそ6発撃てば弾切れになる、という点を常に抑えておこう。

 

(戦闘パート)キック/銃の取り上げ

次々に大量に押し寄せてくる敵に対して、拳銃たったの一丁で対処などできるはずもなし。弾が無くなった銃は捨て、目の前の敵から素早く銃を奪い、新しい物と取り換えなければならない。

敵と密着した状態でBを押すと相手に対してキックを放ち、銃を取り上げることができる。本作の戦闘パートではこの銃を取り上げるアクションを駆使して、手元から武器を絶やさないようにしながらどんどん現れる敵を撃退していくのが課題となる。

 

(戦闘パート)腕折り

銃がないのに敵が目の前に迫ってきている…! そんな時は上を押しながらBボタンを押すと相手の腕を折って無力化することができる。「相手の腕を折る」という見た目通りのアクションに少々えげつなさも覚えるが、銃が手元にない時の緊急撃退技として覚えておこう。

 

また、派生アクションとして拳銃を既に一丁持っている状態で更に拳銃を持った敵から腕折りで奪うと、二丁拳銃スタイルへと変化する。弾数は一丁ずつ個別となっており、片方を撃ち尽くすと再び一丁の状態となる。一丁持ちの時よりも素早い射撃が可能となったり左右同時に撃つことができるようになるなど、二丁持ちならではの利点もあるので余裕がある時には狙ってみよう。

 

 

日常パートについて

仕事のないオフの一日。特に宛てはないが、自室に居てもすることはない。街へと繰り出し退屈を紛らわせてみよう

 

映画館での一時。客の入りはまばらで繁盛してるとも思えず。スクリーンから流れる映像はいったいどんな内容なのか—

 

服屋でジャケットを購入。ハンガーにかけられたそれぞれの上着の前で上キーを押すとオリーブ、ホワイト、ブラックの3色から選ぶ事ができる。次の仕事に着ていくことができるので気分で選んでみるのも良いだろう。

 

薬屋では在庫を切らしている時に限り、睡眠薬を買う事ができる。それは血生臭い仕事を繰り返し、心の擦り切れた男にとって自らをこの世界に繋ぎとめることができる唯一のものだ。

 

郊外のアパートで一人暮らす恋人の部屋を訪ねてみる。果たして、彼女は男の空虚な心に一時の安息をもたらす存在であるのだろうか—

 

18:00以降、自分の部屋にいる時にAボタンを押して睡眠薬を飲むことで、強制的に翌日へと日を進めることができる。この儀式を済ませる事で、男は次の”仕事”が待つ「現実」の世界へと戻るのだ—

 

日常パートで使用できる色々なアクション

    

サングラスをかける、タバコを吸う/吸殻を捨てる、かけてあるジャケットを羽織る、時計を見る、etc

上記は下段で紹介している日常パート上で、特定のキー操作で繰り出す事ができるアクション。これらはいずれも特別な意味を持つものではないが、好きな場所、好きなタイミング、好きなシチュエーションで組み込んでみることで、殺し屋としてのロールプレイにより味わいをもたらすものとなる。作中の気分を盛り上げる上でも効果的だ。

 

 

プレイ後の感想

ここまで紹介してきたように本作「Arrest of a stone Buddha」では落ち着いたトーンの独特な空気が漂う70年代フランスを舞台に、マフィア映画のような世界にどっぷりと浸ることができる。やはり注目部分は市街地を始めフランスの街並みをピクセルアートによって徹底的に書き込まれたグラフィックで、この一点で本作に興味をもったプレイヤーも少なくはないはず。

アクションゲームとして本作を見た場合は余りにもシンプルな作りのシステムで、無尽蔵に出現する敵の殺し屋達は出現パターンのランダム性が強く、常に銃の残り弾数を管理しながら銃を奪う、撃つを繰り返しながら倒していかなくてはならない。銃撃戦においてはこちらに射程距離の概念がない一方、敵側もほぼそれに近い仕様となっているため、必然的に”撃たれる前に撃て”が基本となり非常に忙しない。

 

対する日常パートではいきなりパリの街中に放り出され、何を目的に動けばいいのかが一切示されないため最初は戸惑うかもしれない。次のシーンへと移るアクションは18:00以降に睡眠薬を飲み、自室で休むという一点のみなのだが、それさえも示されないのは難点ともなりうる。サングラスをかけたり、ジャケットを羽織ったりといった数々のアクションも全ては演出のために用意されたもので、使う必要性があるものでもない。重要なイベントというものも存在しないので、プレイヤーの思うままに動いていればゲーム自体はきちんと進行していく。

 

本編のボリューム自体は短めで、スムーズに進めておよそ3~4時間程度でクリアは可能。ゲーム性よりも世界観や雰囲気を重視したデザインで多分に人を選ぶ内容となっているが、映画タッチの演出やシーン構成が好きなプレイヤーは必見。サイドアドベンチャーゲームにおいてUIを限りなく撤廃したデザインのものは決して珍しくはないが、本作はその上で画的な魅力は非常に高い。良質なドットグラフィックを観たい方にとっても一見の価値ありな作品だ。

 

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 7.0

 

良い点

  • 絶妙なピクセルアートによる絵画の如き美麗な70年代フランスの街並み
  • シンプルなゲーム性ながら、テンポの良さと銃撃による爽快感が味わえる戦闘パート
  • さりげなさが詰まったアクションが複数用意された日常パートでは、戦闘時と異なるアプローチによる殺し屋の日常ロールプレイを楽しめる

惜しい点

  • 戦闘パートの難易度は冒頭から高めで、わずかでも気を緩めればすぐワンミスに。敵の出現に関してはランダム性が強く、パターンが悪ければ何度もリトライが必要
  • 一部の敵が画面外から半無敵のような状態で銃を撃ち続けるパターンが稀に発生し、対処不可能となる場合がある
  • 最低限の操作チュートリアルは受けられるが、日常パートに関してはプレイヤーに対して「何をすれば良いのか?」という説明がゲーム側から一切示されない

 

 

 

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