Ringlorn Saga(リングローン・サーガ)- プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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Upscale Studio™

 

基本情報

 

タイトル Ringlorn Saga
対応機種 Steam/Nintendo Switch
販売 Graverobber Foundation(Steam版),Upscale Studio(Switch版)
開発 Graverobber Foundation
発売日 2022年11月8日(Steam版)/2024年7月25日(Switch版)
対応言語 英語,日本語,ウクライナ語*

(*e-shop商品ページ内の対応言語には表記なし)

備考 IARCレーティング:7+(暴力(軽度))
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作品概要

 

「Ringlorn Saga」(「リングローン・サーガ」)はウクライナのゲームディベロッパーGraverobber Foundationが開発、販売を手掛けるゲーム作品。NintendoSwitch版ではイギリスのUpscale Studioがパブリッシングを担当。

本作のゲーム内容はトップダウンスタイルのフィールド型アクションRPG。プレイヤーはバッテンベルク王国の若き王子ゲルハルトとなり、隣国への出征の際に消息を絶った父・ウィルヘルム王の行方を捜す冒険の旅に出る、といった内容になっている。

 

往年のPCゲーム「ハイドライド」をリスペクトしたとされるゲームデザインは、特にクラシックPCゲームファンの関心を惹くインターフェース&ゲームビジュアルとなっている。MSXのインスパイアを受けた8bit風のグラフィックやサウンドにも注目だ。

 

リンク:Graverobber Foundation(X(Twitter))

リンク:Upscale Studio( X(Twitter))

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン 移動
Lスティック
Lボタン
ZLボタン
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン モードの変更
Bボタン 攻撃のタイプを変更
Yボタン 魔法の変更
Xボタン 魔法の使用
Rボタン ヘルプ表示
ZRボタン
+ボタン ポーズメニュー

Rボタンの「ヘルプ」では、操作確認のみが可能となっている。

 

画面の見方

 

インターフェース上の各項目説明

①:装備中の武器 ⑦:攻撃力(現在値)
②:装備中の盾 ⑧:防御力(現在値)
③:プレイヤーorターゲットキャラ ⑨:レベル
④:ライフゲージ ⑩:経験値(累積)
⑤:パワーゲージ ⑪:所持金
⑥:生命力(現在値) ⑫:現在選択中のモード
  ⑬:現在選択中の攻撃のタイプ

1つ目の魔法習得後は、⑤の下に魔法使用時に必要となる「魔力」示す「MP」ゲージが、⑬の下に選択中の詠唱魔法を示す「SPELL」の項目がそれぞれ追加される。詳しくは後述。

 

ゲームシステム

 

モードの切り替え

操作キャラクターであるゲルハルトはATTACKDEFFENCEの2つのモードを持っており、任意のタイミングでAボタンを押すことで自由に切り替えることができる。現在選択中のモードは画面右側のMODE項目から確認が可能だ。

各モードの特徴として、ATTACK選択中は攻撃特化となる反面DEFと自動回復速度が1/2に低下、DEFFENCE選択中は防御特化となり、ダメージ軽減と安定した速度での自動回復効果が表れる一方でSTRが1/2に低下する。状況に応じて使い分けていこう。

 

なお、NPCに話しかける際にモードをATTACKのままにしていると警戒されてしまい、必要な情報を得る事ができない。非戦闘区域にいる時や敵のいる地域でNPCを発見した場合は、必ずDEFFENCEのモードに切り替えてから話しかけるように。

 

近接戦闘のコツ

本作における近接攻撃は、敵ターゲットに向かって方向ボタンで体当たりを行うだけ、という単純明快なものとなっており、同時に全編における基本的な戦い方となる。攻撃が命中すると一時的にPWRゲージが限界まで下がると同時に、STR値が著しく低下。どちらもすぐに最大値まで回復はするが、高威力の攻撃は連続で行えない仕様となっている。(※上画像)

 

また、本作の攻撃には、SLASHSTABBASHの計3種類の型(タイプ)がある。交戦時は相手毎に最もダメージが通るタイプにBボタンで切り替えながら戦う必要があり、例えば序盤の敵であればSLIMEにはSLASHが、SPIDERにはBASHが最もダメージが通るようになっている。

このように相手によって攻撃モードとのダメージ相性があるので、交戦時は常に意識しておきたいところだ。ただし、同名モンスターであっても体色や装着武器の違いによって弱点相性が変化している場合もある。交戦後は相手の特徴と一緒に相性も覚えておこう。

 

魔法について

魔法の習得後、画面右側のインターフェース上にMPゲージとSPELLの項目がそれぞれ追加される。十分なMPゲージを確保している状態であればXボタンで発動が可能だ。2種類以上の魔法を習得している場合は、Yボタンで切り替えを行い使用する魔法を指定。

失われたMPは敵を一体倒す毎に少量を回復。またHP同様に時間経過でも極微量ながら回復する。魔法は種類を問わずいずれも1度使用する事でMPゲージを一気に失ってしまうため、基本的に連発はできない事は覚えておこう。

 

死亡時のペナルティ

冒険中、敵の攻撃を受け続けてHPが0になった時点で”生と死の狭間”(上画像)エリアへと飛ばされる。ここを訪れる毎にNPCである”GRIM REAPER(死神)”との会話を経て、ペタル村のアデルが管理する宿屋から復活することができるようになっているが、この際、ペナルティとして僅かながらのEXPを失ってしまう点に注意しよう。

基本的に瀕死状態でしか訪れることのないエリア空間なのだが、冒険を進めていく内にちょっとした変化が見られる事も…?

 

アイテム

 

以下では登場アイテムをリスト形式で紹介。

(※注釈内の「+(数値)」は、武器はATTACKモード中、盾はDEFFENCEモード中の反映値となります)

ダガー。初期装備
ショートソード。+5
カッター。+10
グレートソード。+18
ブラッドソード。+28
ラウンドシールド。初期装備
ヒーターシールド。+3
テンプラーシールド。+6
ロイヤルシールド。+16
スカルシールド。+26
ランタン。ダンジョンに入るために必要
十字架。特定の敵を倒す際に必要
シャベル。土が盛り上がった場所を掘り返すことができる
書物。一部の魔法の習得に必要となる。使用後は失われる
塔のカギ。塔の扉を開くカギ。使用後は失われる
バンパイアのカギ。館の扉を開くカギ。使用後は失われる
城のカギ。城の扉を開くカギ。使用後は失われる
英雄の指輪。STRが上昇
首飾り。DEFが上昇
傷薬。HPが0になった際に自動で一定量を回復。消耗品。
道具袋。不要になった装備品を収納。雑貨屋で袋ごと買い取ってもらえる。

 

詠唱魔法

 

以下では本編でゲルハルトが習得可能な詠唱魔法をリスト形式で紹介。計5種類

STUNNER 敵の動きを少しの間止めることができる
BLADE DANCE 魔法の刃で敵を切り裂く
SHIELD 攻撃や魔法から身を守る。エリアを切り替えると効果は失われる
HEAL HP、MPの自然回復速度が2倍になる。エリアを切り替えると効果は失われる
FLASH 画面内の敵全体に大ダメージを加える

 

いずれの魔法もMP総ゲージ量の半分以上~ほぼ全部を失うため常用が難しく、基本的に出番は緊急時に限られる。命を落としそうな状況に陥った際には迷わず使っていこう。

 

セーブについて

 

本作のセーブはオートセーブ仕様となっており、村や各施設への出入りを介したエリア切り替え時に自動保存が行われる。

ただしオートセーブとは別に、手動によるセーブも一応可能となっている。やり方は+ボタンでポーズメニューを開き、「セーブする」を選択するだけ。

オートセーブは比較的頻繁に行われるため、作中で進捗状況の記録忘れといった事態は起こりにくいが、念には念を入れてこまめにセーブしておくことをおススメ。

 

冒険のヒント

 

交戦時はなるべく相手の側面か背面を狙おう

敵との戦闘では背面、もしくは側面から突撃することで安全且つ一方的に相手にダメージを加えることができる。特に背面からの攻撃はダメージが大きくなるので、可能な限り狙っていきたい。

一方、正面からぶつかった場合は、こちらの攻撃を高確率でガードされてしまうのでなるべく避けたいところ。また、複数の敵に前後を挟まれると2体からの挟撃によって非常に危険な状態に陥ってしまう。狭い場所に入らないのが一番の対策だが、万一状況に陥った際は、どちらか一体を素早く潰して退路を確保することに努めよう。魔法を習得しているのであれば、迷わず使って早期撃破に努めたい。

 

岩型の魔物「???」は冒険序盤はスルー

岩に擬態した”???”という表記名のモンスターが、比較的弱いモンスターに混じって偶にフィールドに登場することがある。

このモンスターは序盤の段階においては桁違いの強さを持っており、レベルが足りていない内はまともにダメージを与えられないばかりか攻撃を一撃でももらえばあっさりと葬られてしまう。倒したところで特別な報酬がもらえるわけでもないので、序盤は一切手を出さずにスルーするが望ましい。

 

ゴールドが手に入る場面は限られる

本作では敵を倒してもお金(GOLD)は一切手に入らない。所持金が増える機会は、ショベル入手後に特定のポイントで土を掘り返す、もしくは宝箱から入手するかのどちらかのみとなっている。

作中でゴールドを使う機会自体はごく限られており、死亡時のペナルティで失われるといったことも起こらない。ただし、物語を進める上では一部の場面で必要となるので、所持額を増やすことへの意識は心の片隅に留めておこう。

 

精霊の像には寄付金が必要

魔法の習得に必要となる精霊の像はゲーム内の5箇所に点在しており、捧げ物としてそれぞれ1ゴールドが必要となる。ゴールドはある程度冒険を進めないと0から一切上がらないため、まずはどこかでまとまったゴールドを手に入れなくてはならない。

ちょうど同時期にはあるアイテムをゴールドで買い取る、といった問題も併行で進む段階となっているので、どちらを優先するのがいいか迷いどころだが、魔法という有用な力を新たに授かることからもまずは合計5ゴールドを使っての精霊像の巡礼を済ませておくのがおススメだ。

 

プレイ後の感想

「リングロード・サーガ」は旧世代PCゲームにおける、RPG「ハイドライド」シリーズへの愛情と、MSXシリーズのデザインを踏襲したリスペクトが込められた一作となっている。

かつてのセガのゲームハード、セガサターンのディープなファンにとってはその表題の響きから、過去に同社からリリースされたタクティカルRPG「リグロードサーガ」と誤認しそうな表題だが、生憎と関連性は一切ないのでご注意あれ。

 

本作の戦闘システムは攻守を織り交ぜた2つのモードの切り替えが要となっており、基本的にATTACKモード選択中に側面か後方から敵に向かって突っ込むだけ、という単調なアクション性だが、作中のキャラクターはNPCも敵も総じて移動速度が緩慢なので、容易に狙うことができる。ただし、相手毎に苦手とする攻撃タイプを3種類から選んで切り替える、といった戦略要素も問われるため、闇雲に突っ込めばいいというわけでもない。

操作を覚える段階になる序盤ではレベル上げにも少々苦戦するものの、一度戦い方のコツを覚えれば冒険が進むほどに楽になっていく。手を抜いた戦い方をしない限りは誰が相手であってもやり合える反面、レベルが上昇する毎に場所を問わずにあらゆる一般モンスターが出没する仕様であることから、十分レベルがある状態で最初の村付近をうろついていたとしても気を抜けば簡単に死んでしまうという危惧もある。

 

操作性については良好で、比較的現代のゲームの基準に寄せた作りであるものと思われる。少なくとも、当時の低容量ゲーム時代のようなカクつきを伴う独特の挙動は感じさせない。また、全編のボリュームに対して比較的充実したテキスト量があり、作中の随所でNPC会話が挿入されることでストーリーに盛り上がりを見せてくれる。

一方でゲーム性については終始淡々としており、演出面でもかなり地味な印象を受ける。元々がクラシックゲームをモチーフに作られているだけにシステム、内容共にシンプルな分、多くを望むのは野暮というものだが、もう僅かばかりメリハリを効かせてみても良かったのでは、と感じる部分があった点は否めない。

 

なお、ニューゲーム時に選択可能なもう一つのゲームモード「転生の神殿」では操作キャラクターにボディスナッチ能力を搭載。対象を倒す毎に攻撃モードや詠唱魔法をその肉体へと丸ごと上書きする、というちょっとしたローグライク要素を含んだシステムになっており、様々な敵に乗り移りながらのゲームプレイによって本編とは一味違った楽しみ方が可能だ。

難易度的にはかなり抑え気味な本編に比べて、こちらは比較的やり応えもあり、本作が気に入ったという方には持ってこいなおまけモードとなっている。本編プレイ中に気分転換をしたい時やクリア後に挑むのにもってこいだ。

 

全体の難易度はかなり控え目で、クリアまでの所要時間は凡そ5~6時間程度といったところだ。物語ラストの一文では続編が製作される可能性も示唆されており、今後の展開に目が離せない。

特に初代「ハイドライド」のゲームデザインが好み、というプレイヤーには本作は強く刺さるはず。クラシカルなスタイルのRPGが好みという方は、本作「リングローン・サーガ」を一度お試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 7.5

 

良い点

  • クラシックPC時代のRPGを思い起こさせるゲームデザイン
  • 8bitスタイルのノスタルジックなグラフィックとサウンド
  • 5時間程度でクリア可能な手頃なゲームボリューム

 

惜しい点

  • 淡々と進行するゲーム展開や抑えめな難易度など、内容面では少々インパクトに欠ける
  • 全体的に暗い曲調のBGMが多い
  • 一部アイテムの説明がなく、実際に使用するタイミングまで効果を確認することができない

 

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