イヌカリ – 欺瞞の追跡(Nintendo Switch) ― プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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基本情報

 

タイトル Inukari -Chase of Deception-(イヌカリ – 欺瞞の追跡)
対応機種 Steam/Nintendo Switch
販売/開発 Red Deer Games/Einzelartig Games
発売日 2021年3月19日(Steam版)/2022年3月17日(Switch版)
対応言語 英語
備考 セーブデータ数:3

※日本語非対応

Nintendo Switch版の「デラックス版」はデジタルサウンドトラック(単品版110円)とのセット商品

 

作品概要

 

「Inukari -Chase of Deception-」(「イヌカリ – 欺瞞の追跡」)はドイツのゲームデベロッパーEinzelartig Gamesが製作を手掛けるゲーム作品。コンソール版のパブリッシャーはRedDeer Gamesが担当。

オリジナルはSteamでPC用ダウンロード専売ゲームとして2021年より配信中の同名作品で、日本では翌年3月17日よりNintendo Switch版が配信開始となった。

ゲーム内容はシンプル操作の2Dプラットフォーマー。森の守り手である狐の少女イヌカリを操作して広大なステージをスピーディーに駆けていく、疾走感溢れるプレイ体験が本作のウリの1つだ。

 

ストーリー

 

(本編プロローグより要約)

 

 

何かよくない事が起こってしまった時、神様が願いを聞き届けてくれるという場所がある—

この世の中にはそんな都市伝説が伝えられている。

 

現代において、神々と自然はその本来の意味が失われ

その結果、人はバランス良く生きることをすっかり忘れてしまい、世界は苦しみに満ちていった。

 

 

「自然や精霊達に対する人の信仰が弱くなっている」

大老カメウトは人が暮らす世界の変化をその身に感じ取っていた。

 

 

人間の願いから生まれた自然界の守護神達は、人々の信仰によってこそ生きてゆくことができる。

人と神— お互いを想い合う絆の力は、今世界に起こっている変化によって失われつつあったのだ。

 

 

この変化の原因は人間にあるのは明らかだった。しかし、だからと言って見過ごすことは出来ない

カメウトは世界に起こっている異変の調査役として、森の守護者である狐の少女、イヌカリを呼び寄せるのだった—

 

 

 

 

アクションゲーム部分をプレイする上では特に問題はないが、本編内に登場するキャラクターの台詞をしっかり追いたい場合は若干の英文読解力、もしくは任意の翻訳作業が必要となる点には要注意。

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン 移動
Lスティック 移動
Lボタン
ZLボタン バックダッシュ
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック (倒している方向に)攻撃
Aボタン 決定
Bボタン ジャンプ
Yボタン 剣攻撃
Xボタン 羽根手裏剣(※習得後以降で使用可能)
Rボタン
ZRボタン 剣攻撃
+ボタン ポーズ&メニュー呼び出し

冒険開始初期のイヌカリは能力を失っているため、いくつかのアクションが使えない。失われている能力は特定のワールドボスを倒す事で取り戻すことができる。

最初から使用可能なアクションは剣攻撃、ジャンプ、バックステップ、壁密着の4種類。能力を取り戻すごとに、操作の自由度も上がっていく。

 

イヌカリのアクション

 

「Inukari -Chase of Deception-」のゲームシステムは作品概要でも記した通り、シンプル操作系の2Dプラットフォーマー。

本作の特徴の1つは操作キャラであるイヌカリの初速から走行中まで機動力に溢れるスピーディーな移動速度で、ステージ構成に慣れてくるとパルクールアクションのようにずんずんステージを突き進んでいく心地良さを味わうことができる。

 

剣攻撃

 

立ち状態での剣攻撃は正面前方に繰り出す一方、空中での剣攻撃は前方正面わずかに斜め下に繰り出す軌道となっており、見た目通りイヌカリの真下よりも斜め下をカバーする攻撃判定となっている。

イヌカリの剣攻撃のリーチはこちらも見た目通りのものとなっていてかなり短く、一撃で倒せない相手に攻撃を加える際は特に範囲に気をつけないと勢い余って敵と接触してしまいやすい。

後述するバックダッシュとうまく組み合わせて、適切な間合いで立ち回るよう心掛けたいところだ。

 

ジャンプ

ジャンプはBボタンで発動。本編が進むことで、空中でもう一度ボタンを押すことで繰り出せる2段ジャンプも習得する。

空中での剣攻撃や下記で紹介している壁密着などのアクションにも派生が可能で、本作の過酷なステージやボスバトルを切り抜ける上で特に重要なアクションだ。

 

壁密着/壁滑り

壁面に密着した際、わずかにスティックを壁方向に倒していると壁に張り付き、スティックを離してもその状態を維持できる。

壁に張り付いた状態から下方向にスティックを倒すことで、壁に張り付いたまま滑り降りる事も可能。周辺にいる敵の攻撃回避のための位置調整などに上手く活用しよう。

 

バックダッシュ

ZRボタンを押す事でバックダッシュが発動。

地上、あるいはジャンプ中や落下中などあらゆる状況で発動可能で、緊急回避にはもってこいのアクション。実用面では勿論のこと、上手く使えればスタイリッシュに立ち回ることも出来る。

 

羽根手裏剣

Xボタンで羽根手裏剣を前方正面に一直線に発射する。

羽根手裏剣は羽根のアイコンで残り発射可能数が表記されるスタック制で、連続で最大3発まで撃つことが可能。残り発射可能数は1発分毎に、時間経過で回復する。(※ボスラッシュモードでは回復しないので注意が必要)

最初の大ボスであるForestステージの「Unknown」を倒すことで獲得、と習得タイミングは本編序盤からある程度ズレこむが、その分強力で最後まで頼もしい性能を発揮する。

3発全て撃ちきった後にはクールタイムが発生するものの、弾数自体は時間経過で回復するため、実質無制限。ここぞというところでどんどん活用していこう。

 

 

ゲームシステム

 

以下では本作のゲームシステムについてポイントとなるものをピックアップして紹介していこう。

 

コイン

ステージ随所に多数配置されているコインは取る事でスコアアップの効果がある。(1枚辺り5pts)

本作においてのコインの用途は得点加算のみで、無理にステージ内の全てのコインを回収するような必要性はないが、ワンアップを積極的に狙いたい場合は可能な限り回収しておくと良いだろう。

 

モンスター化した生物達

異変の影響で自然界の動物達は、モンスターへと姿が変えられてしまっている。森の守護者であるイヌカリの力で浄化して、元に戻してあげよう。

各モンスターを剣や羽根手裏剣で攻撃、倒す事ができれば無事に元の姿へと戻っていく。モンスターを浄化する事でスコアアップが図れるので、ワンアップを積極的に狙う場合は片っ端から相手にしていこう。

 

ワンアップ

スコアが一定量に到達するごとに残機が1つ増える。(基本的には1,500ポイント毎に1機増えるようになっているが、正確な値は回を重ねる毎に少しずつズレていく模様)

本作では残機を全て失った場合はステージ選択画面まで戻り、進行中だったステージに再チャレンジする場合も最初からやり直しとなってしまう。残機の重要性は極めて高いので、なるべく余裕を持たせておこう。

 

チェックポイント

各ステージの道中に点在する狐の石像に触れることで中間ポイントを更新。万一やられても最後に接触した狐の石像から復帰することができる。

像から像までの区間は比較的長い事も多いので、見かけた時には用心のためにしっかりと触っておこう。

 

 

追加ゲームモード

ストーリーモードをクリア後、新たに2つのゲームモードが追加される。

 

SPEED RUN

レベルを選んでクリアまでのタイムを計測するタイムアタック的なモード。

残機、スコア、チェックポイントなどの機能はストーリーモードと同等なので攻略に上手く利用しよう。

 

BOSS RUSH

ストーリーモードにも登場した各レベルのボス戦、全6パートが連続で展開。最終ボスを倒すまでのタイムを計測する専用モード。

スコア要素はなく、残機は4固定。一応コンティニュー機能も搭載されているが、Nintendo Switch版では不具合により現在機能していない。

 

 

プレイ後の感想

「Inukari -Chase of Deception-」はステージ攻略型のジャンプアクションといったゲームデザインで、シンプル操作でステージを駆け抜けていく楽しさは初期の「スーパーマリオブラザーズ」を彷彿とさせる内容で、ゲームクリア後でも時間を置いてまた繰り返しプレイしたくなる魅力を持っている。本編クリア後にはスピードランとボスラッシュの2つのモードで気になる場面だけをつまみ食い感覚で手軽にワンプレイ出来るのも嬉しい点だ。

ただし本作はその見た目によらず難易度はやや高めで、操作とゲームバランスに慣れるまでの間は即死要素の高い崖や地形トラップ、絶妙に配置された敵キャラクター、激しい攻撃を仕掛けてくるボス達に挑む内に屍の山が築かれてしまう。腕に自信がない場合は、まずはイージーモードでプレイしてみよう。

 

また、Nintendo Switch版ではオリジナル版からの最適化が上手くいっていないのか、現在ver.1.1.0において各ステージの特定の場面で極度な処理落ちが見られたり、ボスラッシュモードでコンティニュー画面に切り替わった際に、ゲームが進行しなくなる不具合などが確認されている。この辺りについては今後、アップデートにおいての修正に期待したいところ。

 

ボリュームは全編通して1時間ほどというお手頃サイズ。ゲームに慣れてくると、身軽なイヌカリを操作して広大なマップをテンポ良く駆けてゆくステージ攻略の楽しさをしっかりと味わえる一作となっている。2Dアクションゲームファンは是非遊んでみよう。

 

 

評価

 

個人的スコア 7.0(10点満点中)

 

良い点

  • シンプルなゲーム性に添った8bit風ピクセルアートと都会的でクールなBGM
  • 操作キャラクターであるイヌカリの軽やか且つ疾走感溢れる爽快な操作感
  • “自然に宿る神や精霊”の視点で展開する、”アニミズム”色の濃いストーリー

 

惜しい点

  • (Nintendo Switch版)ステージの特定箇所で一定度合いの処理落ちが発生したり、特定の条件下でキャラクターの挙動がおかしくなるなど、設計面で不安定な箇所が観られる
  • ステージが進むほどイヌカリが失われた能力を取り戻していく一方、それに沿って相対的にゲーム全体の難易度が下がっていく
  • 作中は難解な用語こそ登場しないものの、2022年現在、ストーリー部分も含めて日本語に対応していない

 

 

 

ステージ紹介

 

「Inukari -Chase of Deception-」の各ステージをスクリーンショットを交えてご紹介。

 

「Inukari -Chase of Deception-」のステージは全部で3つのレベルで構成されている。

数字上はたった3つとはいえレベル1つ辺りの攻略にかかる時間は比較的長めで、1区間ごとのマップもかなりの広さとなっている。

各レベルでは中盤に第1ボス、終盤に第2ボスがそれぞれ登場。第1ボスを倒すことで以降、レベルセレクト時に中ボス後のエリアからも開始できるようになる。

 

Forest

イヌカリが守る森のステージ。序盤ということで他ステージに比べ、そんなに難しい場面は登場しないが油断は禁物。

レベルボスの攻撃は避けにくく、最初のレベルのボスとは思えない強さとなっており、慣れるまで相当手強い相手と感じてしまうかも。バックダッシュを上手く駆使してみよう。

 

Hills

雪渓が美しい岩山を突き進む。特にミスが頻発し易いのが丸太を足場に滝を登っていく上記のシーン。足場が極めて狭いため、滑落に要注意。

レベルボスは5つある洞穴を通って別の穴から登場する。出現位置をよく見ておこう。

 

City

人間が暮らす都市。科学によって大きな発展を遂げ、自然の気配も神々への信仰も限りなく薄いこの場所で、イヌカリの旅はどう展開していくのだろうか—

レベルボスは2つのフェーズで展開する。第2段階は足場が不安定なため、相手に近づくのが難しい。羽根手裏剣を駆使してみよう。エンディングまであと一息だ。

 

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