Copyright ©2020 Published by Merge Games, Developed by Still Running. All rights reserved.
基本情報
タイトル | Morbid: The Seven Acolytes |
対応機種 | Steam,Nintendo Switch,PlayStation4,Xbox Series S|X |
販売 | Silver Lining Interactive(Steam版,PS4版),Merge Games(Switch版,XBS|X版) |
開発 | Still Running |
発売日 | 2020年12月3日(全プラットフォーム) |
対応言語 | 日本語, 英語, フランス語, ドイツ語, スペイン語, ロシア語, 韓国語, 中国語 (簡体字)
※Nintendo Switch 2(日本語・国内専用)では日本語でのみプレイ可能。一部、ソフト内で言語を変更できる場合有り。 |
備考 | CEROレーティング:D(17歳以上対象)(暴力) |
作品概要
「Morbid: The Seven Acolytes」は、フィンランドを拠点とするディベロッパースタジオStill Runningが製作を手掛けるゲーム作品。イギリス・マンチェスターのSilver Lining Interactive、及び一部プラットフォームにおいてMerge Gamesがそれぞれパブリッシングを務める。
本作は2DトップビュースタイルのアクションRPG。プレイヤーは戦士ストライヴァーを操作して、悪神ガハールに支配された7人のアコライト達を救済する事が目的となる。
ソウルライクをベースにしたゲームシステムに加え、異形の怪物、ゴア描写演出、正気度システムなど、ラヴクラフトを意識した狂気的な世界観が特徴のダークファンタジー作品となっている。
リンク:Morbid The Game(X(Twitter))
リンク:Merge Games Publisher(X(Twitter))
リンク:Silver Linning Interactive(X(Twitter))
ストーリー
(※Still Running公式サイト内、タイトル紹介文より要約)
あなたは生き残った最後のストライヴァーにして、7人の侍者を討伐する義務に縛られた獰猛な戦士である。 ガハールと呼ばれる古代の神々に憑依された侍者たちは、それぞれ強力な怪物へと姿を変えてしまった。
自らを侍者の肉体へと縛り付けたガハールは、彼らの身を介してモルニアを征服。人々を隷属させ、国に呪いをかけた。 こうして、かつての王国モルニアは今では廃墟と成り果ててしまったのだ。
ガハールは生ける神として崇められ、7人の侍者は呪われた手下たちとともに王国を支配している。 だが、それでも希望は未だ残されている。 優秀なストライヴァーの出現は、侍者の討伐とガハールの追放を成し、モルニアを救いだしてくれる事だろう。
|
操作方法
(※Nintendo Switch版)
JOY-CON(左) | |
上下左右ボタン | (左右上)ショートカットに登録したアイテムの使用
(下)ディブロムの石を使用 |
Lスティック | 移動 |
Lボタン | パリィ |
ZLボタン | 忍び足モード、(長押し)スニーク |
-ボタン | インベントリ表示 |
JOY-CON(右) | |
Rスティック | カメラの操作 |
Aボタン | 特殊攻撃 |
Bボタン | (長押し)ダッシュ、(2回押し)ドッジロール |
Yボタン | 攻撃 |
Xボタン | アイテムを拾う |
Rボタン | 攻撃 |
ZRボタン | 銃撃
(インベントリ中、アイテム選択時に長押し)アイテムを装備 |
+ボタン | ポーズメニュー |
プレイヤーのアクション
通常攻撃と特殊攻撃
通常攻撃はYボタン、大攻撃にあたる”特殊攻撃”はAボタンでそれぞれ発動。一部の飛び道具は、各種攻撃をタイミング良く当てることで打ち消しが可能。
どちらの技も装備武器によってモーションや攻撃タイプが変化するだけでなく、威力や速度、スタミナ消費量等にも違いがあらわれる。基本的にどの武器で冒険を進めるのもプレイヤーの自由だが、手持ちのバリエーションが増えてきたら色々と試してみて、自分にとっての最適な一本を模索してみるといいだろう。
銃攻撃
Lボタン長押しで構え、ボタンを離すことで発砲。待機中は照準カーソル(上画像の赤い円)が表示されるので、Rスティック操作でエイムを行う。
弾数は画面左上のインジケーター「AMMO」と表示された枠内で確認が可能で、最大数は冒険を通じて拡張する事も。なお、失った弾数はアイテム「クロムビのガスボンベ」で補充可能な他、エリアの切り替え時にも最大値まで回復する。
パリィ
Lボタン押しでパリィアクションが発動。短い時間のみ発動することができ、ボタン長押しによる防御姿勢の維持は不可能。
敵の攻撃に対してタイミングよくLボタンを押すことで相手の隙を作り、攻撃を叩き込むチャンスが生み出せる。
強固な敵を楽に倒す上では有用となるが、瞬間的な防御効果である事から失敗時のリスクも大きい。使いこなせないようであれば無理には狙わず、相手の攻撃を避ける事に意識を集中させるといいだろう。
ダッシュ移動と回避(ドッジロール)
移動中にBボタンでダッシュが発動。そのままLスティック操作に入ることで移動が走り移動へと変化。敵の気配がある間の走行は、スタミナが持続的に失われる状態となる。
任意の方向にLスティックを入力したままAボタンで、ドッジロール(前転回避)アクションが発動。1回辺りの消費スタミナはわずかだが、連続使用時はゲージ切れに注意。
スニーク/忍び歩き
Lボタン長押し中はストライヴァーが低姿勢を取ると同時にスニーク状態に入る。スニーク中の移動は足音を消したしゃがみ歩きとなり、通常移動や走り移動に比べて敵に見つかり辛くなる。
また、スニーク状態から不意打ちを仕掛けることで普段より大きなダメージを与えることが可能となっている。反面、ボス戦のような遮蔽物のない場所では効果はないに等しい。
ゲームシステム
インジケーターの見方
①:脳波ゲージ(経験値) | ②:体力ゲージ(ライフ) |
③:耐久力ゲージ(スタミナ) | ④:正気度メーター |
⑤:現在のディブロムの石所持数 | ⑥:現在の弾薬所持数 |
経験値について
敵を1体倒す毎に経験値が増加する。今作において通常画面上での経験値は『脳波ゲージ』(※下表左側)によって示され、アイコン上に描かれた脳本体を覆う脳液の量が次のレベルまでの差分を表す形となっている。
経験値が貯まることで脳液が少しずつ溜まり、これが一杯になるとスキルポイントを1つ獲得する事が出来る。
また、現在経験値のより詳細な情報は-ボタンで開くインベントリ画面上の『XP』項目にて数値による確認が可能となっている。(※下表右側)
![]() |
![]() |
インジケーター上の脳波ゲージ | インベントリ画面 |
正気度メーターについて
インジケーターに備わる縦長縦長のゲージ(上画像)はストライヴァーの正気度を示しており、このパラメーター要素は戦闘面にいくつかの影響を及ぼす。
魔物の討伐や敵の攻撃被弾を経て徐々に紫色の部分が減っていき、黒部分の比率が高まってくるとプレイヤー側に不利な効果が増えてくるようになる。以下のような効果が発動。
・画面周囲に触手のエフェクトが表示され始める
・アイテムによる体力回復量が減少 ・経験値獲得ボーナスが低下 ・ストライヴァーの与ダメージと被ダメージが増加 ・倒した敵が直後に”スペクター“となって蘇る現象が起こり易くなる |
正気度が著しく低い状態下にいる場合、敵を倒した際にその場で出現する事がある『スペクター』(亡霊)は、普段の姿よりも攻撃力が高く危険な存在だ。
フィールドに登場する一般モンスターから生じたスペクターについては無理に相手をする必要はないので、状況によっては逃げた方がいい場合もある。
アイテムスロット
アイテムのショートカットスロットにアイテムをセットする場合の手順を以下で紹介。
まずは-ボタンを押してインベントリを展開。インベントリが開いている際に、ZRボタンを長押しする事でショートカットスロットメニューがポップアップ式に表示されるので、登録したいアイテムを選択しながら左、上、右の中からセット先のスロットを示す方向ボタンを選ぶことでセットが完了。
慣れない内は操作に戸惑い易い点に加えてインベントリメニュー展開中もゲーム内時間は動き続けるため、周囲に敵がいる場所での実行は困難となる。そのため、設定時は比較的安全な状況で実行するのが望ましい。
ディブロムの石
「ディブロムの石」はソウルシリーズで言うところの「エスト瓶」に該当する体力回復アイテムで、方向ボタンの下を押すことで即時使用することができる。
一般的な消費アイテムは画面左下のアイテムスロットの内、上、左、右の3方向に自由に登録できるのに対し、ディブロムの石のスロットは”下”で固定されている。
消費したディブロムの石は、祭壇メニューの「瞑想」を通じて最大値まで復旧。最大所持数は冒険を通じて随時、アップグレードによる拡張が可能となっている。
体力回復効果を持つ他のアイテム候補として「粗末なお粥」、「ラザロの花」といったものが存在するが、これらはどちらも持続系効果のアイテムにつき、回復に時間がかかってしまう。
急速的な回復効果を実感できるのは、このディブロムの石をおいて他にない。体力ゲージが残り少なくてピンチ!という時は、迷わず方向ボタン下を押して使うクセをつけておきたい。
祭壇
エリア各所に点在する祠は登録ポイントであると同時に、登録済みである祠同士のショートカット移動、瞑想、祝福といったメニュー機能が利用可能となっている。以下では各機能を表形式で説明。
瞑想 | 体力ゲージ全快と共にディブロムの石が最大所持数まで復旧。また、全エリアの一般エネミーが一斉にリポップする
(※撃破済みの区間エネミーや媒徒、醜悪怪物は上記の対象外) |
---|---|
スタッシュ | 貯蔵棚にアイテムの収納が可能 |
祝福 | 祝福の管理、アップグレードが可能 |
クエスト | 現在進行中のクエストの確認が可能 |
移動 | 登録済みの祠へとエリアを跨いで瞬時に移動する |
マップ | 現在エリアのマップを表示(※要エリアマップの入手) |
モルビド・メナジュリー | モルビド・メナジュリー(百科辞典)の閲覧が可能
(※NPCマキシマス教授と同じ機能だが、討伐系クエストの報告は不可) |
ニューゲームプラス | 現在の状況からいくつかの要素を引き継いで新たな周回を開始
(※エンディング到達後に使用可能) |
戻る | 祭壇メニューを閉じる |
スタッシュ
祭壇メニューの「スタッシュ」ではアイテムの収納や引き出しが可能。インベントリよりも遥かに大きいスペースがあるので、持ち切れなくなったアイテムはここに詰め込んでおくことができる。
特に今作の武器は種類によって、横2×縦3のような嵩張るサイズのものが存在する。アイテムを片っ端から拾ってしまうプレイスタイルの場合、いざという時に武器が拾えないといった事態に陥り易い。スタッシュを活用して、こまめに整理整頓をしておこう。
祝福と祈りの彫像
祭壇メニューの『祝福』は入手した祝福の管理を行う機能で、各祝福の脱着とアップグレードの2種類が可能。
専用画面上部に並ぶカードの中から選び、下部の『祝福』用スロットに装着。スロット数は冒険の進行に伴い増やすことができる。
アップグレードは各祝福共に最大5段階まで行えるが、1段階の強化毎にスキルポイントが必要となる。一度アップグレードに割り振ったスキルポイントは戻せないので、選択は慎重に。
祝福は各地に点在する『祈りの彫像』に込められており、これを破壊することで新たな祝福が追加される。祝福には以下のようなものが存在する。
ヒーラーの祝福 | ディブロムの石使用時の回復効果がアップ |
---|---|
頑丈な祝福 | 体力ゲージがアップ |
回復の祝福 | スタミナの回復速度がアップ |
健康の祝福 | スタミナゲージがアップ |
ガンスリンガーの祝福 | 銃のダメージ量がアップ |
甲冑師の祝福 | 受けるダメージが減少 |
キノコの祝福 | 各種バフの効果時間が増加 |
学者の祝福 | 獲得経験値量がアップ |
マップについて
フィールドマップは各エリア毎に管理付けがなされており、エリア内のどこかに落ちている”地図”(上画像)を拾うことで初めて利用が可能となる。マップの確認は祭壇メニューの「マップ」でのみ実行可能。
今作のマップはイラストで記された広域図となっており、確認できる情報は矢印で示された他エリアへの入り口や祭壇の大まかな位置の2つ。プレイヤーの現在位置は示されないので要注意。
クエスト
冒険中はNPCとの会話を通じて、クエストを受け取る事がある。進行中クエストの具体的な内容は、祭壇メニューの「クエスト」でチェックが可能。ただし、機能的には概要をテキスト上で確認できるだけに留まっており、目標地点をマップ上で追えないといった不便な部分も見られる。
今作のNPCは一度しかしゃべらない台詞が多く、聞き逃してしまうとゲーム内で再確認できない情報が含まれている事もある。各人物の初回の会話内容は、なるべくしっかりと聞いておくのが望ましい。
ルーンについて
宝箱や敵のドロップから”〇〇のルーン”というアイテムが手に入ることがある。これは好みの武器に特定の効果を付与可能なエンチャント的な効果を持つアイテムで、種類や組み合わせを問わず武器1つにつき最大5回まで付けることができる。
ルーンは種類毎に銅色、銀色、金色の3タイプが存在し、右に行くほど1回辺りの効果幅も大きい。最大効果を求める場合は、なるべく金色のものだけを厳選して付与することをおススメ。
「間違えて付けてしまったルーンを取り外したい」、「最大回数までルーンの付与が終わってしまった武器を一からやり直したい」
といった時にはルーンデストロイヤーというアイテムを使うことで付与効果の除去が可能となっている。ただし、一度付与したルーン各種は手元には戻ってこないので注意が必要だ。
プレイ後の感想
「Morbid: The Lords of Ire」は極めてダークな世界観で綴られるアクションRPGで、武器攻撃でクリーチャーを一薙ぎするだけでも周囲が血で彩られる強烈なゴア演出が大きな特徴だ。
物語としては勇敢なる戦士ストライヴァーが、王国モルニアを救うために単身で戦いを繰り広げるという王道的なもので、悪神ガハールの支配を受ける7人の侍者を全て討伐することがゲームの最終的な目標となる。
各種バフ効果を持った消耗系アイテム類に加え、好みの武器に最大5回まで付与が可能なルーン強化や、スキルポイントでのアップグレードが可能なセット型特性の『祝福』(上画像)、など、ストライヴァーの戦いに役立つ強化要素は多岐にわたる。
この内『祝福』については、各地に点在する”祭壇”を通してのみ管理や確認が可能となっているのだが、チュートリアルやマップ、百科事典といった一般的なゲーム作品で比較的標準的ともされる機能も上記同様に祭壇でないと利用できない点は、少々面倒と感じてしまう。
特徴の1つである「正気度」システムは専用ゲージの状態次第でプレイヤーを有利、あるいは不利な状況へと導いていく。魔物を無闇に倒しすぎたりダメージを負いすぎたり、と矢鱈滅多と戦いに身を置いていると、正気度が下がり悪い効果が見え始めるようになってしまう。
正気度が影響を及ぼすマイナス効果の中でも特に脅威的なのがスペクターの発生で、今倒したばかりの敵が更なる難敵となってゾンビのように蘇ってくる、という極めてスリリング且つ厄介なものだ。彼らは画面外へと遠く逃げてもかなり執拗に追ってくるため、囲まれてしまうと思わず死を覚悟したくなってしまう様な場面もあるかもしれない。
作中ではバリエーションはそう多くはないものの、冒険を通じて剣、打撃武器、槍などおよそ20種類弱の武器が登場。その性能や使い心地も各武器毎にまたハッキリと分かれている。
筆者の場合は途中からグリムリーパーという超重量武器ほぼ一本に絞って最後まで冒険を続けていた。リーチと威力に優れた高い制圧力を持つ大剣で、振り抜くまでが遅く慣れるまで若干扱いにくいが1周目攻略においては個人的に1,2を争う位におススメの武器だ。
勿論他の選択肢もあるし、どの武器を選ぶかは完全にプレイヤーの自由。ルーンを組み合わせることで最高の一振りを模索し、ニューゲームプラスモードで周回を重ねてどこまで戦えるかを突き詰めることも本作の楽しみの1つとなるだろう。
今作の時点でゲームシステムの各部分にソウルライク要素は多数見られるが、次回作にあたる「Morbid: The Lord of Ire」は2Dから3Dスタイルのアクションゲームへとシフトしたことで、既存のソウルシリーズへと更に寄せた作品に仕上がっている。
舞台は新たな地へと移しつつも主人公は引き続きストライヴァーが担当しており、3Dアクションが特段苦手でなければ本作プレイ後に是非続編の方にも触れてみて頂きたいところ。一新されたゲームデザインと併せて、新鮮な気分で臨めるはずだ。
ダークな世界観やゴア描写は大きく人を選ぶ部分ながらも基本的には”良質な作りの遊び易い2DアクションRPG”といった印象で、これらの要素を抵抗なく受け入れられる方であれば存分に楽しむことができるだろう。
これまでに何度もセールが行われている事から安価で入手できる機会も多く、取り分けソウルライクファンにおススメしたい1本。「Morbid: The Seven Acorytes」を是非お試しあれ。
評価
個人的スコア(10点満点中) | 8.0 |
---|
良い点
- 濃密な世界観で綴られるダークファンタジー
- ソウルライクなゲームシステムながらも、死亡時のペナルティは限りなく薄い
- ルーン装着育成システムにより、好みの武器をある程度自由に強化可能
惜しい点
- 各NPCが初回の会話を1度しかしゃべらないため、重要な情報を見逃すと読み返せない場合がある
- アイテム1種類につき10個までしか持てない関係で、こまめにアイテムを消費、整理する習慣がないと持ち切れなくなる状況が生まれ易い
- 祭壇の移動メニュー利用時の各到着地点が祭壇の設置場所と異なるため、ショートカット利用時に困惑しがち
©Red Art Games, Pugware. Licensed to and published by Eastasiasoft Limited. All Rights Reserved. 基本情報 &n[…]