Lacuna (Switch)-プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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基本情報

 

タイトル Lacuna
対応機種 Steam/Nintendo Switch
販売 Assemble Entertainment(Switch版)/(Steam版はToge Production,Neon Doctrineが販売を兼任)
開発 DigiTales Interactive
発売日 2021年5月20日(Steam版)/2021年12月23日(Switch版)
対応言語 日本語,ドイツ語,韓国語,ロシア語,中国語 (簡体字),中国語 (繁体字),英語
備考 IARCレーティング:16+(激しい言葉づかい,アルコール/タバコの使用)

 

作品概要

 

「Lacuna」はドイツのゲーム開発チームDigiTales Interactiveによって開発されたゲーム作品。Steam及びNintendo Switch版においてはAssemble Entertainmentが販売を担当。

ゲーム内容はCDI捜査官ニールの視点で描かれる調査と推理、2つを主軸に据えたプラットフォーマー方式のアドベンチャーゲーム。緻密なピクセルアートで描かれるSFテイストの効いた世界観と、社会問題や格差にスポットを当てた海外ドラマのような重厚なストーリーが本作最大の魅力ポイントだ。

 

あらすじ

 

(本編オープニングより要約)

 

10年経っても元妻との出会いは不思議な感じがする。彼女に未練があるせいかもしれないし、世界が戦争の危機に瀕しているせいかもしれない。

あの日なぜ、キャサリンに会うことに同意したのかさえ分からない。俺の頭は、まだ仕事のことでいっぱいだった。

 

俺の部署は、ガーラが長い間注目してきた最も重要な人物の警護を担当していた。

ドロビアの外務大臣、ジョセフ・バニーだ。彼と大統領との交渉結果が何であれ、この先何世代にもわたって惑星間の関係を変えることになるかもしれない。

なのに、俺はここで娘に電話をかける頻度について、さも一大事であるかのように元妻と言い争っていた。

 

 

1840年、太陽系の惑星ガーラ。

CDIの捜査官ニール・コンラッドは、貿易サミットに参加予定であるドロビアの外務大臣の警護任務を任されていた。

 

仕事一筋でこれまでやってきた彼は、家庭を顧みる機会には恵まれず

離婚以来、別居中の元妻キャサリンや娘ローラとの関係に悩みを抱えていた。

 

そんな折、同僚ゲイリー・ロングから受けた一本の電話により、事態は急変を迎えていく―

 

 

 

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン 移動
Lスティック 移動、(押し込みで)ハイライトの切り替え
Lボタン
ZLボタン (調査モード中)調べる対象を切り替える
-ボタン セルメニューの表示

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン インタラクト、テキストを読み進める、UI確認
Bボタン UI戻る
Yボタン 調査切り替え
Xボタン テンキーを開く(※要求される場面限定)
Rボタン
ZRボタン (押しながらLスティックや方向キーで)走る、(調査モード中)調べる対象を切り替える
+ボタン 一時停止(メニュー呼び出し)

本作にはアクションゲーム的な要素はないため、進行自体は自分のペースでじっくりと進めることができるが、会話の際に登場する選択肢の場面では回答の制限時間が設けられている(設定から時間制限のオンオフが切り替え可能)。

 

ゲームシステム

 

以下で「Lacuna」のゲームシステムを紹介していこう。

 

セーブについて

本作では基本的に、ストーリー進行によって場面が切り替わる”エリア移動”のタイミング毎にゲームデータが自動で上書き保存される形となっており、セーブデータは3つまで作成可能ながらも、任意のタイミングによるセーブはできない。進行状況を記録したい場合でも、画面右上に「セーブ中」と出る場面まで進めないといけない点には要注意だ。

 

ニュースのダウンロード

街中で見かけることができる”壁面情報紙”で更新があった場合は、近くでAボタンを押せばニュースのダウンロードができる。

一見、調査と関係なさそうな内容なものも出てくるが、いずれのニュースも調査の手がかりへと繋がっていく重要なファクター。こまめにチェックしておこう。

 

煙草

本作ではゲーム要素の1つとして「喫煙」アクションがあり、画面上にタバコのアイコンが表示されている場面でAボタンを押すとタバコを吸うことができる。

ポスト癌となった時代(おそらくは医療の進化による成果だと思われる)、という作中の設定もあり、本作では喫煙によるリスクはほぼないものとして描かれている。セルメニュー上で吸った累積本数を確認できる以外はアクション実行によるゲーム上の影響はこれといってないが、作中のハードボイルドな雰囲気を彩る上ではいいエッセンスとなるアクションだ。ここぞ、という場面では是非ゲームプレイに取り入れてみよう。

自分で吸ったり相手に提供したりすることでタバコの本数は次第に減っていくが、各エリアに設置された自販機での購入によって再び増やすことができる(本作には通貨の概念はなく、1本でも消費していればノーコストで補充可能)。吸った本数の累積は、セルメニューの「ホーム」から確認が可能だ。

 

調査&ハイライトモード

Lスティックを押し込むことで、調査可能な対象に注目する「ハイライトモード」へと切り替わる(オンの状態でもう1度押し込むとオフ)。オンの間は調べることができる対象は特別な色で縁取りされるようになり、特に縁が青い対象からは「調査モード」使用中に新たな手がかりの発見が可能。

見つけた手がかりはセルメニューの「手がかり」から確認できるので、エリア毎になるべくメニュー内の「?」の項目を全て埋めることを目標に調査を進めていこう。

 

セル

「Lacuna」の舞台となる1840年のガーラでは、市民は一様に「セル」と呼ばれるデバイスを用いている。

現代で言うスマートデバイスのようなコンパクトなOS端末で、CDI捜査官であるニールの場合は、自身のコンディションやこれまでに集めたニュースアーカイブやメール、手掛かりなどをここで自由に確認、閲覧することができる。

各テキスト内では特に重要なキーワードはオレンジ色で記される(※表示をオプションでオフにすることも可能)ので、事件の調査の上では重点的に記憶しておこう。

 

シートの作成と提出

ストーリー進行時、情報収集の際に捜査官や一般人からセルを通じて「シート」を送信されることがある。

送られてきたシートはセルメニューを開き、「シート」の項目からその内容を確認。システムとしては選択問題方式の答案用紙のようなもので、ゲーム進行中、提出を促されたタイミングで回答後に「提出」を押せば送り主へと送信が完了する。

 

役割的にはプレイヤーがストーリーを正しく理解しているかどうかのクイズを兼ねているところも多く、同時にストーリーに重大な分岐をもたらすゲームシステムの1つでもあり、この回答の正否によってニールや周囲の人物たちの運命も変化していく。

ニュース、メール、用語集など、セルメニューに含まれる各アーカイブで、シートの内容に関連しているものを徹底的に目を通し(特にオレンジ色で書かれた部分)、正しい答えを導きだそう。

 

また、ストーリーの進め方によっては得られるはずだった証言や、調べられるはずだったポイントなどが表れない場合もある。正しいエンディングに辿り着くためには、基本的に単独捜査は厳禁。組織内の人員との連携やドロビア市民の信頼を得ながら、事件の真相へと立ち向かう必要がある。

 

キーワード

 

「Lacuna」の世界観において、特に重要なキーワードを以下で5つピックアップしていこう。

より詳しい内容についてはゲーム内セルメニューの各項目から、新たなアーカイブを入手するに連れて知る事ができるのでそちらを別途参照。

(※以下の解説はゲーム内で登場する各用語をアーカイブの説明を頼りに筆者側で要約したものであり、公式なものではありません)

 

ガーラ 本作の舞台であり、太陽系において人類の起源となった惑星。

近隣の惑星ドロビアの民の入植によって総人口は大きく膨れ上がったものの、貧困格差などの社会問題が見られ、一部の入植者からは独立を強く求める声も。

ガーラの現トップ・ロバートセン大統領の方針がガーラ人による専制であることから、ドロビア出身者にとっては圧政となり得る。

ドロビア サヴィアン教の信徒が多く住む惑星。

ガーラはこの星に第一セクターと呼ばれるコロニーをかつて建造したが、40年前に起こった第二セクター建設時の事故以降、新たにコロニーを作ることが禁じられてしまう。

国交40周年の記念式典も兼ねた「惑星間貿易サミット」には、ジョセフ・バニー外務大臣が参加予定。

第二セクター事件 宇宙コロニー化の歴史の中で最大最悪として知られる事故。

1800年、ガーラによってニュージョランで建造中だった第二セクターの地下トンネル内で爆発が発生。脱出に遅れた数千人が巻き込まれ、命を落とす。

ガーラはこの件で責任を追及され、以降、ドロビア内にコロニーを新たに造ることを永久に禁じられた。

CDI ガーラ中央情報局(The Central Department of Intelligence of the Gharian State)。

ニールやゲイリーが務める連邦内の司法組織。局長リアム・キャンベルが内部をまとめ、司法長官(エミリア・ソーン)が監督を務める。

サヴィアン教 サヴィアン(救世主)信仰を方針とするドロビア民族主義の宗教団体。

信奉者の大部分はドロビア出身者だが、一部ニュージョランにも存在している。

組織の中には「サヴィアン戦線」なる過激派が一部存在する。

 

 

マルチエンディング

 

本作では選択肢による分岐、手がかりの回収度合などによって、複数のエンディングが用意されている。

 

ニールはCDIの捜査官として任務を続ける内、次第に強大な陰謀の渦へと巻き込まれていく。

コロニーの歴史を大きく揺るがし兼ねない事件の裏側に潜む真相を前に、その因縁の渦に飲み込まれてしまうのか?

それとも持ち前の切れ味鋭い分析力を駆使して厄災を事前に防ぎ、綺麗に物語を着地させることができるのか?

 

全ては、プレイヤーの情報収集と推理力、そして重要な場面における選択にかかっている。

 

プレイ後の感想

「Lacuna」ではSF的世界観を題材に、司法組織CDIの捜査官ニールの視点で海外ドラマのような重厚なストーリーが展開。

捜査に関してはゲームシステム上であらかじめ調査可能なポイントがごくわずかに絞られているため、脱出型ゲームによく見られる”総当たりによるポイント&クリック”のような煩わしさはない。また、1つの惑星が舞台ながら各シーン毎に随所に通行禁止制限が設けられているため、1エリア辺りの行動可能な広さはそこまでの大きさはなく、調査の上で迷わなくて済むようになっている。各場所での調査が終わった後は次の目的地に向かって電車で移動、というパターンを繰り返す形で調査は様々な区域へ広がりを見せていく。

 

本作のゲームボリュームは1周辺りの結末にたどり着くまでは数時間程度。”やり直しの効かない”ゲームシステムが特徴であると謳っているが、各パートで「タイトル画面に戻る」からのゲーム再開を駆使することで再びパートの最初からプレイすることが出来てしまう。裏技的、且つ若干本作のシステムに逆らったプレイとなるが、何周もプレイしたくなかったりどうしてもバッドエンドを回避したい、というのであればこのやり方で物語を進めていくのもアリだ。

しかし、それでもやはりプレイ上の利便性を僅かに残す上で”任意でのセーブ機能”は欲しい、と感じたことは否定できない。エンディング到達後に別の結末を見たいと思って新たに始める際に、再びチュートリアルも含めたプロローグ部から始めなくてはならない点は煩わしさを感じ、ここはスキップ可能ならば尚快適だったポイントでもあった。

 

提出した各シートの解答や、選んだ選択肢が果たして正しいものだったのか― 淡々とストーリーが進んでいく中、プレイヤーは同時に正しい道筋を辿れているのかどうか、スリリングな気持ちを抱えながら調査に臨んでいく。各シーンの転換点で随時挿入されるニールのモノローグが、ルートが分岐していることを示している場合もあるので、万一終幕が思わしくない結果となった場合は、次回プレイのヒントとして活かせることもあるだろう。

 

システム面では快適さに欠ける面も僅かにあるものの、骨太な社会派ドラマが展開する硬派なアドベンチャーゲームとして魅力的で味わい深い作品に仕上がっている。アニメーション作品「攻殻機動隊」や「PSYCHO-PASS」各シリーズのような、未来の世界を舞台にしたリーガルドラマタッチな物語を好む諸氏には特に相性が良い作品だと思われるので、嗜好の条件に該当するゲームファンは要チェックだ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 7.5

 

良い点

  • SF世界を彩る緻密なピクセルアートとジャジーなBGM
  • 極めて高い安定感を誇る丁寧なローカライズ
  • 移民、格差、テロなど多様な社会問題にスポットを当てた重厚なストーリー

 

惜しい点

  • 一方通行でやり直しの効かないセーブ方式&ゲーム進行は賛否両論となり得るポイントに
  • エレベーター内で特定条件下の際に、外壁を抜けて空中を歩ける状態になったまま進行不可になるバグを確認
  • (※Nintendo Switch版)会話履歴をチェックする際にカーソルを細かく上下できない影響で、スクロールするたびに数行程度の間隔が空いた形で読むことになる

 

 

 

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