Skautfold: Shrouded in Sanity - プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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©Red Art Games, Pugware. Licensed to and published by Eastasiasoft Limited. All Rights Reserved.

 

基本情報

 

タイトル Skautfold: Shrouded in Sanity
対応機種 Steam,Nintendo Switch
販売 Pugware(Steam版),eastasiasoft(Switch版)
開発 Pugware(SteamでのDev項目表記はSteve Gal)
発売日 2016年5月28日(Steam版),2023年6月1日(Switch版)
対応言語 日本語,フランス語,ドイツ語,イタリア語,スペイン語,英語(※Steam版は英語のみの対応)
備考 IARCレーティング:16+(激しい暴力)
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作品概要

 

「Skautfold: Shrouded in Sanity」は、イギリスのディベロッパーPugwareが製作及び配信を手掛けるゲーム作品。Nintendo Switch版のパブリッシングはeastasiasoftが担当。

オリジナル版となるSteam版は2016年に登場を果たしており、7年越しという長い歳月を経て、2023年6月初頭にNintendo Switch版が配信開始となった。

 

本作はソウルライク要素を取り入れた2Dスタイルの探索型アクションアドベンチャーで、「Skautfold」シリーズの第1作にあたるタイトルだ。

舞台は1897年の《大英天使帝国》。謎めいた洋館全域に立ち込めるという”怪しげな霧”の発生源の調査のため、主人公は単身”ベレライ邸”へと向かう。

仕込み杖と愛銃を駆使して、狂気に取りつかれた使用人たちを退けながら邸内を探索。やがて、その先で待ち受ける結末とは―

 

リンク:Pugware(開発者Twitter)

 

ゲームモード

 

タイトルメニューの選択項目が独特なため、以下で簡単に解説。

契約に署名する 新規ゲームの開始。
契約を履行する セーブデータをロードして再開。

最大スロット数は3

設定 各項目の設定を行う
四人の騎士団 作中に登場する4人の道中ボスから一人を選んで進行する専用モード。

本編初回クリア後にアンロック

初めて本作をプレイする場合や最初から遊びたいという場合は、「契約に署名する」を選んでゲーム開始。

本作はゲームデータ毎にセーブスロットが固定となり、セーブポイントに立ち寄った際は必ず同じスロットに上書き保存されるスタイルになっている。

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン (左右)移動
Lスティック (押し込みで)ランプのオン/オフ
Lボタン 銃の発砲
ZLボタン (長押し中)ガード
-ボタン ポーズメニュー

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン 決定、使用、インタラクト
Bボタン (長押し中移動で)走る
Yボタン 治癒(注入器の使用)
Xボタン 回避
Rボタン 軽攻撃
ZRボタン 強攻撃
+ボタン ポーズメニュー

 

プレイヤーのアクション

 

軽攻撃/強攻撃(近接)

Rボタンで軽攻撃、ZRボタンで重攻撃をそれぞれ発動。

軽攻撃の方が隙も少なく使い易い印象だが、威力重視で強攻撃一本に絞って立ち回っても十分に強い。各自で使い易い方で戦おう。

 

銃の発砲(遠隔)

Lボタンでハンドキャノンによる射撃を行う。1発毎に弾薬を1つ消費。

攻撃対象との距離が適切な場合、ロックオンカーソルが表示され、タイミングを合わせて発射する事で命中させやすくなる。

ただ本作では、銃自体が補助武器の域を出ず威力はかなり低い。この仕様をもってしても敵の撃退においてはイマイチ頼りない。戦いにおいては、仕込み杖による接近戦で臨むことを主体としよう。

 

ガード/パリィ

ZLボタン長押し中、ガードアクションが発動。状態維持中にRボタンで弾き攻撃(パリィ)へと移行する。

相手の攻撃のタイミングに上手く合わせた場合は敵を跪かせて無防備状態にもっていき(※一部の対象限定)、更にこの時密着してRボタンを押すことで、致命的な一撃を加えることが可能だ。

黒い執事など、高耐久の敵を簡単にねじ伏せたい時に重宝するアクションなので、是非覚えておこう。

 

回避

Xボタンを押すと、正面前方に前転回避を行う。(※四人の騎士団モードでは、各キャラごとにアクションが異なる)

敵の攻撃をかわす際に重宝するのは勿論、踏むとトゲがせり出すトラップ床の手前で使うと、無傷で通り抜けることができたりと、活躍の場は非常に多い。

このトゲ床はトーチ無しでは非常に見辛いため、何処に設置されているか不安な場所ではまずはトーチを点けておくことをおススメだ。

 

ゲームシステム

 

魂の所持数は画面右下に表示される。主に敵から回収した際に増加。

銃の最大弾数やイースストーンとの交換などに必要となるので多く貯めていきたいところだが、プレイヤーのHPが0になるとその場に全額落としてしまい、回収が必要となってしまうので要注意。

 

魂の回収(タマシイ注入器の使用)

敵の撃退後、亡骸の近くでAボタンを押すと注入器を使って魂を回収することができる。

 

電気トーチの使用

屋外は五里霧中、邸内は明かりが一切ないという特殊な状況が影響し、全エリア共に見通しが悪い。視界を確保する場合は手持ちの電気トーチを活用しよう。

Lスティックを押し込むとトーチが点灯、限られた範囲を照らすことができる。(もう一度同じ操作で灯りを消すことができる)

 

ただし、電気トーチはバッテリー制になっているため、つけっ放しは厳禁。バッテリーは「Cal33」というアイテム名で敵がドロップすることがあるが、1回辺りの獲得量は極わずかなので無闇な消費は避けたいところ。

(※Cal33は入手時にインベントリに入るタイプではなく、画面左上のバッテリー残量が直接増えるアイテムとなっている)

どのエリアも幸い真っ暗闇というわけではないので、トーチはなるべく明かりが必要となりそうな場面でのみ使用するようにして、必要のない場面では切っておこう。

 

また、トーチには異形の者の姿を照らし出す、といった副次的な効果もある。

何気なく廊下を照らしてみると、そこには…。

 

イースストーン

邸内随所に現れる黒い執事を倒すことで、イースストーンというアイテムを1個確定でドロップする。

これはロビーなどにいる各NPCを通して、ダメージや最大ライフ量の増加にあてることができる素材アイテムで、1段階の強化につき3~4個が必要となる。

一方で、「四人の騎士団」モードでは必要個数がまた異なり、注入器の所持数増加に充てるのがメインの使い方となる。

 

敵を倒す際の注意点

扉付近に亡骸が出来た場合、Aボタンを押した際にエリア移動が優先されるため、注入器で魂を回収したりドロップしたアイテムを拾うといったことができなくなってしまう。

これは一般モブに限らずエリアボスであっても例外ではなく、最悪、大量の魂の回収チャンスを逃してしまう要因となり兼ねない。

事故を防ぐためにはなるべく、扉から離れた場所で戦ってとどめを刺すように意識した立ち回りを心がけよう。

 

四人の騎士団モード

 

本編クリア後に解禁される「4人の騎士団モード」では、道中ボスの4名のキャラ、レン、グレイ、ヒト、サラガットの中から一人を選んで進行する事ができる専用モードだ。

本モードには以下のような特徴がある

・選択キャラ毎に使用武器、軽攻撃、重攻撃、銃攻撃、回避などアクションが全て異なる

・HP、スタミナは各キャラ毎に固定で、強化は一切できない(※銃弾数や注入器の最大所持数は増加可能)

・攻略の流れは本編と同じだが、インタラクト操作の不可により、会話も含めたテキスト要素は大幅に省略されている

・特定の扉が開かない

 

レン

HP:200 スタミナ:200

軽攻撃:大鎌を前方に振るう(スタミナ消費量18)

重攻撃:真上にジャンプ、地上めがけて鎌を振り下ろす。(スタミナ消費量45)

銃:敵の頭上に死神を召喚、即死効果を与える。チャージで発動時間をズラせる。射程は無限。

回避:前方に大ジャンプ(スタミナ消費量25)

グレイ

HP:300 スタミナ:150

軽攻撃:最大で3連撃の斬撃を前方に放つ(スタミナ消費量18)

重攻撃:地面に剣を突き立て、周囲を燃え上がらせる(スタミナ消費量18)

銃:攻撃力強化?

回避:前方ダッシュ

ヒト

HP:200 スタミナ:200

軽攻撃:銃の発砲。連発可(スタミナ消費量18)

重攻撃:なし

銃:精密射撃。Lボタン長押し中、Lスティックでスコープの操作

回避:バックステップ

サガラット

HP:200 スタミナ:200

軽攻撃:発砲(スタミナ消費量10)

重攻撃:自分の分身を作って攻撃させる。威力特大。複数設置可能(スタミナ消費量40)

銃:なし

回避:前転宙返り(スタミナ消費量25)

騎士団各員は全体的に主人公よりも性能が強めに設定されている。使い勝手や威力面ではレンの銃やサガラットの重攻撃が頭一つ抜けており、適当に敵に向けて設置する感覚で使用するだけでも相手をあっさり倒すことが可能。

4人の中でも面白いのがヒトで、他3人の武器が刀剣タイプのものであるのに対して”通常攻撃が銃”という、唯一無二なスタイルになっている。

射程距離概念がほとんどない本作では、画面外から適当に撃っているだけで、敵との遭遇時には既に相手が倒れていた、などといったシチュエーションも。

 

上画像は使用対象の一人である”第一騎士”レンでのプレイ時のもの。

使用感は、リーチが異様に長い軽攻撃や敵に即死級のダメージを与える死神を付与する特殊攻撃(Lボタンで発動可能)が頼れる反面、重攻撃は異様に使い心地が悪い、といった具合でメインモードプレイ時とはまた違った立ち回りを求められる。

 

インベントリのアイテムが本編主人公のもののままになっていたりと少々ズレた部分も垣間見えるが、操作キャラのアクションが全く異なるだけでも新鮮な気持ちで臨むことができる。

いずれのキャラを選ぶにしても、本編クリア後に是非一度はプレイして見て欲しいモードだ。

 

四人の騎士団モードプレイ時の注意点

本モードでゲームをクリアした後、「New Game Plusモードで始めますか?」と聞かれた際に「はい」と答えると、本編モード同様に2周目が開始されるが、チュートリアルエリアに強制的に移動した後、そのまま外に出ることができなくなってしまう。

(※”NPCに対して話しかけることができない”という本モード独特の仕様が、その要因となっている)

これにより、現状では、騎士団モードで2周目をまともに遊ぶことが実質不可能となっている。

万一、選択肢でうっかり「はい」を選んでしまった場合は、新しくプレイし直すことをおススメしておこう。

 

プレイ後の感想

「Skautfold: Shrouded in Sanity」は、典型的なソウルライク系システムに、ベルトスクロールを彷彿とさせるライン制フィールドシステムを加えた2Dスタイルのサイドアクションゲームとなっている。

レーティング判定に「激しい暴力」の表記があることからも推察できるように、本作の敵を撃退する際の描写はドットグラフィック越しとはいえかなり攻めており、場面によっては猟奇的な光景が多々見られるため、血が苦手というプレイヤーにはこの時点で少しおススメし辛い。

 

陰惨な雰囲気を帯びる今作の世界観は、副題に添えられた「sanity」(正気)といった単語や、触手を備えた異形の怪物が一部で登場するなど、ラブクラフト的なテイストを少々匂わせており、ダークファンタジー好きには見逃せないポイント。

基本的に道中で立ち塞がる相手は正気を失った人間である場合がほとんどで、命と共にその魂を奪うという背徳的な行為がゲームシステムとして組み込まれている部分は、実に血生臭いものを感じさせる。

 

本作はゲームシステムにソウルライクの要素こそ含まれているものの、死亡したポイントに落とした魂の回収や、失った魂の復旧自体は比較的容易に行える点や、強化の機会が頻繁にあることからも攻略中においての緊張感は薄い。

広大な屋敷の各エリアは空間的な広さもあり、トゲ床のような不意打ちのダメージトラップはあれど、落下による即死といった意地悪なトラップは登場しない。また、視界の暗さという不安要素は一応あるが、これについてはトーチを計画的に使用していくことで大して気になる程度とはならない。

 

以上の点を考慮した上で単に1周目をプレイするだけであれば、ソウルライクタイプのゲームとしての総合的な難易度は、多くのプレイヤーにとってはむしろ控え目といった評価に落ち着くだろう。

(ただし、本編クリア後に選択可能な「New Game Plus」を介した2周目以降では、敵の耐久度が異常に上がるため、上記の限りではない難易度となっている点には注意)

 

正気と言う霧で覆われた邸宅を舞台に、主人公はある人物との契約の下、一つの任務を託される。

そしてその最中に訪れる、4名の騎士たちとの出会い。

任務の遂行のために、彼らと協力するか、それとも―

 

本作はプレイヤーの行動によって、その後のNPC達とのやり取りが若干変化する仕様になっているが、その結果により、果たしてどのような結末へと至るのであろうか?

是非「Skautfold: Shrouded in Sanity」を実際にプレイすることで、確認して見て欲しい。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 6.5

 

良い点

  • ダークファンタジー色の強いピクセルアート(※出血描写多め)
  • のんびり攻略でも全編数時間程度で終えられる、冗長過ぎないゲームボリューム
  • 道中ボスでプレイ可能な特殊モードの搭載(※初回本編クリアがアンロック条件)

 

惜しい点

  • 日本語設定でプレイ時、テキストウィンドウの各行ごとに最後の文字が見切れて表示されない
  • (メインモード限定)使い心地も含めて銃攻撃の存在感が薄く、ゲーム内で頼れる場面がほとんどと言っていいほど見られない
  • 扉付近で敵を倒した場合、亡骸が配置される場所次第ではドロップしたアイテムや注入器使用による魂の回収ができなくなってしまう

 

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