Ocean’s Heart ― プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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©Max Mraz

 

基本情報

 

タイトルOcean’s Heart
対応機種Steam/Nintendo Switch 他
販売Nordcurrent
開発Max Mraz
発売日2021年1月21日(Steam版)/2022年2月10日(Switch版)
対応言語日本語,フランス語,ドイツ語,スペイン語,ロシア語,中国語 (簡体字),ポルトガル語,英語
備考IARCレーティング:7+(暴力(軽度))

 

作品概要

 

「Ocean’s Heart」(オーシャンズハート)はゲーム制作者Max Mraz氏が開発を手掛けるゲーム作品。リトアニアのゲームスタジオNordcurrentが、各プラットフォーム版においてパブリッシングを担当。

本作のゲーム内容はトップダウンスタイルのアクションRPG。海賊の襲撃と共に行方を晦ました父マロウの足跡を追い、ライムストーン島出身の勇敢な少女ティリアが、海洋に浮かぶ島嶼群を舞台に冒険の旅へと向かう。

 

UIやグラフィックを一目見ただけでも伝わる通り、今作は「神々のトライフォース」や「夢を見る島」を彷彿とさせる典型的な”ゼルダライク”タイトルとなっており、16bit調の色鮮やかなピクセルグラフィックや島から島へと広範囲に展開していく舞台など、2D系アクションゲームのツボを抑える要素が満載な点に注目だ。

 

リンク:Max Mraz( X(Twitter))

リンク:Nordcurrent(X(Twitter))

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン
Lスティック移動
Lボタンメニュー移動
ZLボタン
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン前転/(調べられる対象の前で)インタラクト
Bボタン剣攻撃/キャンセル
Yボタンアイテム1
Xボタンアイテム2
Rボタンメニュー移動
ZRボタン
+ボタンポーズメニュー

 

画面の見方

①魔力②ライフ
③アイテム1④アイテム2
⑤所持金

 

ティリアのアクション

 

剣攻撃

剣入手後に使用可能となる。Bボタンで発動。

木の実の成った茂みを初めとしたフィールド上の特定のオブジェクトを取り除いたり、敵の一部の遠距離攻撃を叩き落すといった役割も兼ねており、判定も広いため攻守の両方を担う武器となる。

サンゴ鉱石があれば、鍛冶屋を通して強化することができる。

 

アイテムを使用する

メニュー画面からショートカット登録したアイテムを対応ボタンを押すことで即時の使用が可能。

アイテム1(左アイコン)はYボタン、アイテム2(右アイコン)はXボタンにそれぞれ対応している。

使用アイテム毎に魔力を一定量消費したり、弓矢のような専用の弾が必要となる消耗型(矢自体は道中で補充可能)のものもあるので注意が必要だ。

 

ジャンプ/飛び降りる

橋の上などの特定の地形の先端で向かい側方向にキーを入力し続けると、ジャンプや飛び降りで移動することができる。

ジャンプの飛距離はおよそ1~1ブロック半程度だが、道がない場所を発見したら試してみよう。

 

持ち上げる

茂る草などのフィールド上の一部オブジェクトはAボタンで持ち上げが可能で、もう一度押すと前方へと投げつけることができる。

ただし、持ち上げられるのは一度に一つずつで、アクション自体も隙が多く、戦闘用途に使うには不向きなアクションでもある。

障害物を取り除くという視点で見る場合は剣で一度に刈り取る方が手っ取り早いことが多い。

 

つかむ

ブロックなどの一部オブジェクトの正面に立ち、Aボタンを長押し中に対象を掴むことが出来る。

掴んだままの状態で各方向キーLスティックを入力すると、対象が動く場合も…?

 

チャージアタック

Bボタン長押しでエネルギーをチャージ。大きく剣を振ると共に、前方およそ180°の範囲に広がる剣閃での大ダメージ攻撃を繰り出す。

威力は頼もしい反面、習得可能となるのはゲーム後半で、フルチャージまでにはそこそこ時間がかかる点や、壁や障害物の近くで使う際にモーション判定の無効化で発動がキャンセルされやすい、など少々使い勝手の悪さが目立つ。

基本的に狭い場所では活躍し辛いアクションなので、使いどころを見極めて使っていきたいアクションだ。

 

ゲームシステム

 

セーブについて

本作のセーブは“完全手動方式”となっている。

+ボタンでメニューを開いた後にまたはRボタンで機能メニューへと切り替え、「セーブ」を選択することで即時にセーブ完了となる。

タイトル画面に戻りたい場合は「やめる」を選択するとセーブ確認のメッセージと選択肢が表示。「はい」でセーブを実行してタイトル画面へ、「いいえ」を選ぶとセーブなしでタイトル画面へ移動する。

進行状況の保存を行いたい場合は、必ず上記どちらかの操作を行っておくのを忘れずに。

 

ライフについて

敵の攻撃を被弾、トラップに接触、水深の深い場所に侵入、等の際にティリアはダメージを負い、ライフを示すハートのストックが失われていく。

ライフの残量が最大値の1/3を切り始めた時点で、警告音と共に瀕死状態を表す画面エフェクトが発生。

ハートのストックが全て失われるとゲームオーバーとなり、リトライ時は各エリア入り口からの再開となる。

(※ただし、生命のエリクサーを所持している場合は、一定量回復後にその場で復活する)

 

本作におけるライフの回復方法には、”回復アイテムの使用”、”エリクサーによる自動復活”、”宿屋に泊まる(有料)”、などがある。

場所を問わず最も手軽に行えるのがアイテムの使用で、中でも「果実」は序盤から入手機会が多く、フィールドやダンジョン各所に点在する”赤い実の成る茂み”や”赤い装飾のツボ”(上画像)の中から1つに付き1個を確実に入手可能だ。

ただし、1個辺りの回復量はハート1/2個分と少々心もとないため、最大ストック数や一撃辺りの被ダメージ量も増加していくゲーム中盤以降では手持ち量に不安が残り兼ねない。

 

全編を通して、堅実に攻略を進めていても敵の攻撃を被弾し易いゲームバランスとなっているので、余裕を持って冒険をしたいのであれば「リンゴ」や「バーオークのパン」などの他の回復アイテムもなるべく多めに用意しておきたいところ。

また、ハートストックを増加する「命の器」発見時にも体力が全快する効果があるので、併せて覚えておこう。

 

魔力について

一部のアイテムを使用した際には、画面上部の魔力ゲージを一定量、あるいは全て消費する。

失った分の魔力は時間経過と共に少しずつ回復。あるいは魔法の回復薬を使えば即座の回復が可能だ。

 

クエスト

クエストにはメインクエストとサイドクエストの2種類があり、それぞれ詳細をクエストログから確認が可能。

進行状況に更新があった場合はクエスト名の先頭に黄色の「!」マークが点灯し、完了済みとなったものには緑色のチェックマークが示される。

サイドクエストは必ずしも全てをクリアする必要はないが、お金を中心とした各報酬をもらえるので達成しておいて損はない。余裕があればなるべく達成しておきたいところだ。

 

クラフト

薬屋などに設置されている「調合テーブル」(上画像)を使って、特定のアイテム同士を3種類組み合わせて別のアイテムを製造することができる。

 

材料となる対象アイテムはいずれもフィールドで採取可能な木の実や植物で、作りたいアイテム毎に材料の必要個数は一律固定となる。作成にあたって金額は一切発生しない。

作成可能となるアイテムは以下の8種類。

 

生命のエリクサーサンゴバナ×1、トキワサンザシの果実×3、ユウレイラン×1
魔法の回復薬マンサクの花×2、モンスターのはらわた×3、マンドレイクの根×1
石体の薬白マンドレイクの根×1、アンデッドの骨×3、モンスタージオード×3
烈刃の薬サンゴバナ×1、モンスターのはらわた×3、ゴボウの根×1
駿足の薬ユウレイラン×1、モンスターのはらわた×3、ラベンダーの花×3
エーテル爆弾マンドレイクの根×2、カモミールの花×2、ラベンダーの花×2
ソルトキャンドルアンデッドの骨×2、マンサクの花×2、モンスタージオード×2
シーカーアイ悪魔の目×3、トキワサンザシの果実×2、ゴボウの根×2

 

製作可能なものは薬品や化学反応を利用した道具であったりと、カテゴリとしては「錬金術」に近い内容となっている。

一部「ユウレイラン」などの希少なアイテムが必要なものもあるので、たくさん作りたいのであればフィールドで小まめに拾う習慣をつけておこう。

 

装備の強化

各地の街や村の鍛冶屋では、装備の強化が可能。

対象となるのは剣、弓、防具の3種類で、剣と弓はそれぞれ1段階強化毎にサンゴ鉱石が1個必要となる。

 

防具の強化は段階毎に一定額のクラウンが必要な他、防具のみ特定アイテム入手による強化も可能となっている。

それぞれ攻撃力と防御力が向上するシンプルな強化内容だが、冒険が進む毎に定期的に鍛えておこう。

 

船で他の島へ移動する

島から島へと移動したい際は、冒険の途中で出会うことができるNPCのリリイを通じて船を出してもらおう。

リリイの船は、各地域特定のポイントにある桟橋から無償で利用可能だ。

 

航行が可能な地域は、地図更新によって反映された範囲でのみ可能となっている。

冒険が進む毎に移動先のポイントが追加されていくので、特に後半に入ればお世話になる機会は多くなるだろう。

 

光の矢(ワープボルト)

上画像のような石碑に向かって撃つと、自分の場所と石の場所をスワップ(入れ替え)することができる。

矢自体には地形を貫通する効果はないので、狙ったポイントに撃つ場合は直線状に障害物や壁がないことが重要となる。

またワープボルトは使用時にスタミナを消費するため、短時間に何回も撃つとあっという間に枯渇してしまう点にも注意。

 

アイテム

 

弓矢前方に一般的な矢を発射。鍛冶屋での強化が可能
爆弾爆弾を設置。爆発までにはタイムラグがあり、持ち上げて投げることも可能
デヴァナのバリア攻撃を無効化するバリアを展開。魔力を一定量消費
フレイルフレイルをその場で振り回す。先端の鉄球は高威力のダメージを伴う
ブーメラン平均的な性能のブーメラン。敵に命中すると一定時間動きを止めることができる
カラス羽のブーメランカラスの力によって強化されたブーメラン。より遠くまで飛ばすことができる
ヒマワリの槍前方に炎を伴った槍を突き出す。植物に命中すると燃え広がる。
ワープボルトのお守り特定のオブジェクトに対してスワップ効果を起こす光の矢を発射する。魔力を一定量消費
爆弾矢命中後に爆発を伴う矢を発射。
炎の矢炎を纏った矢を発射。魔力を一定量消費
ソルトキャンドル正面にソルトキャンドルを投げる。相手を貫通して飛んでいき、爆発を発生させる。
エーテル爆弾敵を一時的に動けなくさせる爆弾を投げつける
シーカーアイ敵を追尾して攻撃。障害物に接触すると跳ね返る。

 

果実ハート1/2個分のライフを回復(所持上限50)
リンゴハート2個分のライフを回復
バーオークのパンハート5個分のライフを回復
生命のエリクサーハート全回復、戦闘不能から復活
魔法の回復薬魔力を回復
石体の薬4分間受けるダメージを半減化
烈刃の薬4分間与えるダメージが1.5倍になる
駿足の薬30秒間移動速度が大きく上昇する

 

海鳥の涙周辺の敵に稲妻を落とす。強化する毎に対象数が増加。魔力全消費
ゼフィリンの嵐ティリアの周辺に嵐を発生させ、敵にダメージを与える。発動は遅め。魔力全消費

 

サンゴ鉱石武器、爆弾の強化用素材
ゴボウの根クラフトの素材
カモミールの花クラフトの素材
トキワサンザシの果実クラフトの素材
ユウレイランクラフトの素材
サンゴバナクラフトの素材
ラベンダーの花クラフトの素材
マンサクの花クラフトの素材
マンドレイクの根クラフトの素材
白マンドレイクの根クラフトの素材
モンスタージオードクラフトの素材
アンデッドの骨クラフトの素材
悪魔の目クラフトの素材
モンスターのはらわたクラフトの素材
アビサルハート

 

プレイ後の感想

「Ocean’s Heart」を実際に触ってみた感想としては、スクリーンショットの印象通りの極めて忠実なゼルダライク2DアクションRPGといったところだ。

タイトルに含まれた「Ocean」という言葉からも「海賊」、「船」、「灯台」と海を舞台にした物語には欠かせない要素が多数散りばめられており、”イカダを操作して広い海原を進む”といった要素こそ見られないものの、本家シリーズの中では「風のタクト」に最も雰囲気が近い世界観であると言えるだろうか。

 

本作は多言語に対応しており、日本語でプレイ可能である点は大変に有難いところ。

ローカライズのクオリティについては、少々遊びが少なく無難といった印象は残るものの全体的に丁寧で、改行位置がおかしいなどの気になる点もあるが安定感のある仕上がりとなっている。

モブとなるキャラクターも含めて全域を含めると作中の登場人物はかなり多いため、作中のテキスト総数はかなりの量となっていることは想像に難くなく、海外作品における翻訳担当者の労力にはいつも頭が下がる思いだ。

 

一方、いわゆる”本家”と比較してみると、本作には”些細な点が原因となって遊び辛さを感じる”といった部分が幾つか見られる。

果物やリンゴ等の摂取によるライフの回復に関しても、特定の茂みや樹木から刈り取る、アイテムメニューを開いて直接使用orショートカット登録後にボタンを押して使用、といった具合に、一手間が必要となる仕様には少々煩わしさを覚える。

 

遊び辛さを感じさせる点は戦闘のやり難さにも見られ、”装備品に盾がない”というのもその一つ。

無操作による直立状態で正面からの基本的な攻撃を手軽にガードすることができた本家に比べ、「Ocean’s Heart」での防御手段は”剣で攻撃を弾き落とす”、あるいは”敵弾を防御系の魔法で打ち消す”といった手段が必要となる。

「攻撃は最大の防御なり」と言わんばかりのこの仕様により、街や村以外の場所では常に敵の攻撃に手動で適切な対応の必要性に迫られる、といった緊張感が漂う。

 

盾がないという上記の仕様に加え、各エリアでの歩き辛さも本作の戦闘に難しさを感じてしまい易い一因ともなっている。

作中では全編を通して広陵としたフィールドエリアがほとんど見られず、冒険の序盤から入り江や浅瀬、半島などの入り組んだ地形を伴うマップが多い傾向にある。

それ以降の地域も屋外は森や山岳地帯、屋内は洞窟が中心になっていたりとあまり拓けた場所が少ないエリアが多数を占め、気持ちよく歩き回れるエリアは途中に登場する遺跡くらいだ。

 

他にもNintendo Switch版プレイ時の気になった不具合として、起動時間が長くなるとフレームレートとゲーム速度が一時的に著しく低下するといった現象を何度かに渡って確認している。プレイの継続自体が困難になるレベルでの遅延度合いなので、発生した場合は大人しく再起動をするのが対策として望ましいだろう。

 

筆者がプレイ中に気になった点を色々と列挙してみたがゲームの作り自体は丁寧で、極度の継続プレイを行わない限りは上述の遅延問題に遭遇するといった心配はない。

サイドクエストに加えてアイテムなどの探索要素もしっかりと用意されており、隅から隅まで遊ぶのであれば10~15時間を超えるゲームボリュームとなっている。

ゲームの目的にはメインクエスト進行という大筋こそあれど、故郷のライムストーンを離れた後は一部を除いてかなり広範囲なエリアを歩き回ることができるようになる。開通のために特定のアイテムが必要となる一部のルートを除けば、冒険の自由度自体は比較的高いと言えるだろう。

 

快適さの面で言うと気になる箇所はあるものの、少し異なるテイストを持った”本家の代わり”としてであれば、遊んでみる価値は大いにある。

“ゼルダライク”ジャンルに関心があるという方は、「Ocean’s Heart」を一度お試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中)8.0

 

良い点

  • 本家に忠実なゲームデザインによる高純度なゼルダライク
  • 16bit風の色鮮やかなピクセルグラフィック
  • 全編約10時間以上にわたるゲームボリューム

 

惜しい点

  • パッシブ発動で利用可能な防御アクションが存在せず、槍や弓矢といった遠隔攻撃可能な武器を入手するまでの間は戦闘が苦しい
  • パズル色は薄く、謎解きらしい謎解きは全編を通してほとんど見られない
  • ボス戦は多くの局面で力押しによる攻略が可能で、戦略性は薄め

 

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