ウィッチェ(Wicce) - プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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©2021 Alpheratz* All rights reserved. Published by CFK.

 

基本情報

 

タイトル ウィッチェ(Wicce)
対応機種 Steam,Nintendo Switch 他
販売 CFK
開発 Alpheratz*
発売日 2016年5月5日(Steam版),2021年6月3日(Switch版)
対応言語 日本語, 英語, フランス語, ドイツ語, ロシア語, 韓国語, 中国語 (簡体字), 中国語 (繁体字)

Nintendo Switch 2(日本語・国内専用)では日本語でのみプレイ可能。ただし、一部、ソフト内で言語を変更できる場合有り。

備考 IARCレーティング:12+(恐怖)
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作品概要

 

「ウィッチェ」(「Wicce」)は韓国のインディーゲーム開発者Alpheratz*氏によって製作されたゲーム作品。パブリッシャーをCFKが担当。

本作はストーリー要素を備えた全3章構成の2Dプラットフォーマー。お使いに行かせてから帰らない娘の行方を探すため、魔女の母親が森を出て死の病の蔓延る町へと繰り出していく。

 

計3つから成る各チャプターでは、ルート分岐や収集用アイテムなどの要素が散りばめられている。同開発者の前作タイトル「ネバエ(Nevaeh)」同様、キャラクターデザインを含めた作中の大半の部分をAlpheratz*氏が手掛けており、手描きのイラストがそのままゲームになったようなビジュアルによる滑らかなプレイ感が特徴の1つだ。

 

リンク:Alpheratz*(X(Twitter))

リンク:CFK(X(Twitter))

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン 移動
Lスティック 同上
Lボタン
ZLボタン
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン (長押し)飛行
Bボタン ジャンプ、ダブルジャンプ/(しゃがみ中)スライディング/キャンセル
Yボタン 通常攻撃、(長押し後、離す)チャージ攻撃
Xボタン
Rボタン
ZRボタン
+ボタン ポーズメニュー

 

プレイヤーのアクション

 

ジャンプと滑空

Bボタンでジャンプ発動。空中時、任意のタイミングでBボタンをもう一度押すとダブルジャンプとなる。

また、落下中に上方向を入力したままBボタンを押しっ放し状態にすることで落下速度が軽減し、ゆっくりと降りることができる。

 

通常攻撃・溜め攻撃

立ち、しゃがみ状態からYボタンで箒による打撃が発動。打撃は連続押しによって最大3段階の連続技へと派生する。連続技は空中でも何度か繰り出すことが可能で、限界数まで打ち込んだ時点で落下状態へと入っていく。

また、ボタン長押しでチャージ状態に入り、およそ2秒以上貯めた後にボタンを離すと、前方正面に巨大な光球を撃ち込む事が可能。通常攻撃と比べて威力は何倍も高く、敵や地形を貫通するので道中、ボス戦両面において非常に頼もしい攻撃法となっている。積極的に組み込みんでいこう。

 

スライディング

しゃがみ中、Bボタンでスライディングが発動。移動距離自体は短いが、小刻みな連続入力によって低姿勢を保った素早い移動が可能。

スライディングアクション自体に攻撃判定は伴わないので、その点については要注意。

 

飛行アクション

空中ではAボタンを長押し中、正面前方へ一定距離を箒に乗って飛行する事が可能。また、空中ジャンプと上手く併用することで僅かながら飛距離を延ばすこともできる。

飛行中は全身に攻撃判定を伴い、一部の敵を相手にダメージを与える事も可能。ただし、鍾乳石のようなダメージ判定を伴うオブジェクトに接触した際は、逆にこちらがダメージを負ってしまう事がある。

 

ただしこのアクションには注意点もあり、上画像のようなオブジェクトの周辺で飛行を使った場合は、そちらに吸い寄せられる形で軌道が強引に捻じ曲げられてしまう。

吸い寄せられている間もボタンを離さずに飛行を続け、上記のオブジェクトに魔女を重ねると暫くの間その場に留まった状態となる。この効果によってオブジェクトが一時的に足場の代わりとなり、その場からジャンプを使って別の方向へと飛び移る事も可能。

 

ゲームシステム

 

体力ゲージと残機について

魔女の体力ゲージは画面右下の楕円型ゲージと数字で表され、最大値は200で固定。ダメージを受ける毎に赤い液体の残量が減っていき、0になると残機が1つ失われてしまう。

魔女の残機数は3固定で作中に1UP要素は一切なし。残り人数はミス直後に挿入される花びらの散る演出によって表現され、全ての花びらが散り落ちるとゲームオーバー。リトライ時は現在進行中チャプターの最初からとなる。

 

薬草の使用

薬草を1つ以上所持している場合、Xボタンを押す事でその場で使用し、ライフを50回復する事が可能。薬草の使用は地上、空中、被弾時を問わずどんなタイミングでも行えるので、残り体力に不安を感じた時はすかさず使用するクセを付けておくといいだろう。

 

薬草は最大で20個まで所持が可能で、宝箱や敵から出現した際に余剰分はその場に残された状態となる。ゲーム開始直後は入手機会はそこまで多くないが、ミスやゲームオーバー後も所持数はそのままとなる仕様により、ゾンビアタックを繰り返すことで手持ち数を増やす事は容易だ。

また、各チャプターの特定の場所には薬草を販売する露店が存在している。価格は1つ辺り500金で、所持金が続く限りは好きなだけ購入が可能。入り口前には目印となる看板が設置されているので、手持ちが不安な時は見逃さないようにしよう。

 

壺と宝箱

 

各チャプターのステージ内に点在する壺、宝箱は攻撃を当てる事で開封が可能。金塊や薬草などのアイテムが手に入る。

特に象牙色の箱(上画像右)には魔女の家に飾ることができる調度品などの希少品が入っており、他の2つと比べて取りにくい場所にある事も多く発見が難しい。

 

村人の救出

村人は画面内に姿を確認した直後から救出時間のカウントが始まり、足元に表示される水色のゲージが全てなくなると力尽きて消滅してしまう。

注意すべきは魔女の攻撃は村人にも適用されるという点で、うっかり一撃でも命中してしまうとその時点で村人は息絶えて消滅してしまう。村人の近くでは攻撃系アクションの発動はなるべく避けよう。

 

毒状態に注意

緑色の枝のような形状をしたエネミーは気配に気づいた途端にこちらに向かってゆっくりと飛んでくる習性を持っており、接触した場合は魔女が毒状態となってしまう。

 

毒状態は時間経過によって回復するが、効果中は継続ダメージを負う事になり、特に敵との交戦中は危険な状況に陥る悪因となり易い。薬草を使う事で即時回復が可能なので、もし毒状態になった時には迷わず使用する事を推奨。

 

石碑について

各チャプター内に1つ、石碑が設置された場所を発見することがあり、周辺で結界を張る魔物を全て追い払うことで、石碑にかけられた封印の解除が可能となる。

 

石碑の近くに立って上ボタンを押すとコマンド入力画面へと切り替わる。画面上に浮かぶ魔法陣の外周には矢印のマークが割り当てられており、各方向に対応するボタンをタイミングよく順に押していく事で解除が完了。時計の針が全て回り切ってしまうまでに一つずつ落ち着いて入力していこう。

 

各封印はトゥルーエンドを見る上で重要な要素の1つとなるので、石碑が設置されたエリアを各チャプターで念入りに探してみよう。

 

ボスバトル

各チャプターの中間地点と最後ではデモシーンの後にステージボスとの一騎打ちが展開。相手の攻撃をかいくぐりながらダメージを負わせていき、体力ゲージを全て削ることで勝利となる。

そのままボス本体に攻撃を撃ち込むのも有効だが、ステージ内に時々投げ込まれるシャレコウベを攻撃で弾き飛ばして対ボス用のダメージソースとしての活用が可能。一度にまとめて当てれば大ダメージを加えるチャンスだ。

 

また、各チャプターの道中で封印用の呪文を習得している場合は、ボスに止めを刺した後にカットイン演出とコマンド入力シーンが挿入。制限時間内に画面上に表示されるコマンドを正しく入力する事で封印成功となる。各ボスはこの演出無しでも普通に倒す事が可能だが、上記一連の儀式はトゥルーエンドに近付くための条件の1つとなっている。

 

魔女の家について

ある程度ゲームを進めた後に「最初から」を選択、あるいは一度ゲームをクリアした後の「最初から+」メニューを選んでゲームを新規で開始した際、シーン冒頭の魔女の家から出発する場面で自由に操作することができる。

この「魔女の家」エリアではプレイ中に回収したコレクションアイテムに応じて室内の調度品が追加されたり、ギャラリーやサウンド観賞などの特別な機能の閲覧が可能となる。作中に計8個存在する隠しアイテムの回収率は、画面左上に「Hidden n/8」といった形で表示される(上画像)。

 

また、室内NPCの黒猫はショップの役割を担っており、ゲーム内で入手した金と引き換えにコレクションアイテムの購入が可能となっている。未だ見つけていない隠しアイテム(Hidden)に関しては、探すのが面倒であればここで購入して済ませてしまうと良いだろう。

魔女の家は”2回目以降”の新規ゲーム開始直後のみ訪れることが出来る、という特殊な入場条件を持つ空間であるため、初周プレイ中はこの機能自体に気づかないという方も少なくはないだろう。コレクションアイテムの購入に加え、時にはゲームプレイの手を止めてBGMやイラストの観賞に浸ってみるのも悪くない。

 

プレイ後の感想

母親魔女が活躍する2Dアクションゲーム「ウィッチェ」。作中では同じAlpheratz*氏が手掛けた前作「ネバエ」(「Nevaeh」)の技法をある程度引き継いでいる部分が見られる。イラスト付きの吹き出しで展開する会話演出などは、前作にも見られたゲーム要素だ。

 

若干パズル色の強かった「ネバエ」からは一転、今作では真っ当な2Dプラットフォーマーといった作りになっており、全編の構成は計3つのチャプターとステージ数自体は少々短いが、主に道中の初見難易度の高さでボリュームバランスを補っている印象だ。

ステージ面では道中の地形デザインや敵配置を中心に所々で意地の悪い場面が顔を覗かせており、特に通常攻撃を何度か命中させないと倒せないモブ敵の高耐久性、入り組んだ地形やダメージ判定を伴う仕掛けの頻出が目立つなど、何度も挑んで攻略法を確立する必要がある。

 

中でも頭を抱える筆頭となるのが強力な致死性を持った毒沼(上画像)で、”表面に足が少しでも付いた時点で即死”という容赦のなさっぷりが目立つ。その厄介な仕様にも関わらず全ステージ満遍なく頻繁に登場する事から、攻略が確立するまでの間は死亡要因としても上位を占め易く、見かける度にうんざりしてしまう方も多いはず。

また、本作ではマルチエンド方式が採用されており、全編は短いながらも条件を満たしていない場合はトゥルーエンドへと辿り着くことはできない。村人の救出率や道中のルート選択は特に重要で、基本的に道を引き返すことができない一方通行なゲームシステムも相俟って、チャプター毎に1つ1つのエリアで丁寧な攻略がプレイヤーに求められる。

 

冒険の舞台の中心となる街に蔓延しているという罹った者を死へと至らしめる伝染病。そんな恐るべき病に苦しむ民を魔女が魔法で治療を施したという噂を受け、教皇庁は騒然となり始める。

「死の病、その一連の原因は魔女の力に拠るものに違いない」と、異端なる者の捕縛に目を光らせる法王は、魔女にとって最大の脅威となる存在だ。

娘を探し出し、無事に森の家へと帰還することが出来るか否か― 魔女母娘2人の運命の行方はプレイヤーの行動に委ねられている。

 

絵本的なビジュアル、シンプルな操作性、お手軽なゲームボリュームなどが本作の評価ポイントで、探索型2Dプラットフォーマーの入門用タイトルとして全体的なまとまりの良い一作となっている。

前作「ネバエ」をプレイ済みで、Alpheratz*氏の手掛けるテイストが気に入っているという方は、本作「ウィッチェ」の方も併せてお試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) .0

 

良い点

  • 滑らかな動作と、軽快な操作感で遊び易いシンプル操作のサイド2Dアクション
  • 絵本の世界のようなゲームビジュアル
  • 登場人物の会話が挿絵のみで展開する、国籍を選ばないゲームデザイン

 

惜しい点

  • 残機を全て失うとチャプターの最初からというシステム上、初回プレイでの各面クリアは容易ではない
  • 全体的に敵や地形の不意打ちが多いステージデザインでありながらカメラ操作機能がなく、画面外の様子を探ることができない
  • 敵の配置やボスの強さ以上に、地形トラップの1つである毒沼の効果があまりにも脅威的

 

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