Tangle Tower(タングルタワー)- 感想と作品解説【レビュー】

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©SFB Games Limited 2021

 

 

基本情報

 

タイトル Tangle Tower(タングルタワー)
対応機種 Steam,Nintendo Switch, 他
販売 SFB Games Limited
開発 同上
発売日 2019年10月22日(Steam版),2021年10月7日(Switch版)
対応言語 日本語,英語,フランス語,ドイツ語,イタリア語,スペイン語,アラビア語,韓国語,オランダ語,ロシア語,中国語 (簡体字),ポルトガル語,中国語 (繁体字),トルコ語

青字:Steam版のみ)

備考 IARCレーティング:7+(恐怖を引き起こすコンテンツ)

 

作品概要

 

「Tangle Tower」(タングルタワー)はイギリス・ロンドンのインディーゲームスタジオSFB Gamesが販売、開発を行うゲーム作品。

本作はポイント&クリックベースの推理アドベンチャーゲーム。屋敷タングルタワーで発生した殺人事件の解決に、探偵Glimoireと助手Sallyの2人組が立ち向かっていく。

 

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SFB GamesはTom Vian、Adam Vianの兄弟2人を中心にクリエイティブな活動を行っており、これまで主にスマートフォンをプラットフォームに数々のゲームをリリース。過去には、Nintendo Switchにて2017年より任天堂から配信中のDL専用タイトル「いっしょにチョキっと スニッパーズ」(「Snipper Clips Plus」)の開発も手掛けている。

また、本作主人公である探偵Glimoireを主人公としたゲーム作品として、シリーズ前作にあたる「Detective Glimore」があり、同じくSFB Gamesが開発及び配信。こちらはスマートフォン、及びSteam、Mac、LinuxなどPCプラットフォームのみのリリースとなっている。

 

リンク:SFB Games(official)

リンク:Tom Vian(X(Twitter))

リンク:Adam Vian(X(Twitter))

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン インタラクト(方向指定)、(モーションスタイル操作時↑入力で)カーソル起動、中央に戻す
Lスティック カーソル操作
Lボタン インタラクト
ZLボタン インタラクト
-ボタン ポーズメニュー

 

JOY-CON(右)
Rスティック カーソル操作
Aボタン インタラクト
Bボタン キャンセル/戻る、インタラクト
Yボタン インタラクト
Xボタン インタラクト
Rボタン インタラクト
ZRボタン インタラクト
+ボタン ポーズメニュー

本作ではタッチ、モーション、コントローラーの計3タイプの操作スタイルが用意されている。上記表の補足となるが、『コントローラー』スタイルでの操作時は、方向キー及び+&ーを除いた全てのボタン効果が”インタラクト”で一律化している。

最も、本作のコントロール設定には切り替えの概念自体がなく、初めから3タイプ全てに対応可能な操作システムとなっており、Joy-Conの持ち方やプレイスタイルを途中で変えても順応する設計となっている。

 

遊び方

プレイヤーは探偵Grimoireと助手のSally2人の視点で、Tangle Towerで発生した事件の調査へと挑んでいく。

「操作方法」の項目でも記した通り、本作では従来通りのコントローラー操作に加えてジャイロセンサーによるモーションコントロールでのプレイにも対応。

携帯モードでのプレイ時に限り画面タッチ操作も可能と、3通りの操作スタイルを交互に組み合わせて遊ぶこともできる。

基本的な操作はスタンダードなポイント&クリック方式によるもので、LまたはRスティックで調べたい場所に指の形をしたポインターを持っていき、コントローラーの各ボタンを押すことで確認が可能だ。(※タッチモードでのプレイ時は画面内の対象を直接タッチ)

この操作は調査パートに限らず、随所で登場するパズルパートにもそのまま適応される。どんな手がかりでも見逃さないように、色んな箇所を徹底的に調べていこう。

 

ゲームシステム

 

Tangle Tower内の移動

画面左下の方向キーアイコンをクリックすることで、場所移動することができる。

スタート地点である湖のほとりを経て、調査が進むに連れて侵入可能なエリアは少しずつ増えていく。

Tangle Tower内には住人を始めとする事件の関係者が続々登場するので、徹底的に聞き込みを行おう。

 

事情聴取

各登場人物と最初の挨拶を終えた後に、事情聴取を行うことができるようになる。

質問可能な項目は、「初めての会話」「自分自身について」「昨日のアリバイ」などの全5種類。相手毎に質問内容が変わるといったことはなく、誰が対象でもこの組み合わせとなる。

ロックされている項目については、各人物毎に事件の調査がある程度進んだタイミングで表示されるようになる。

 

パズルパート

特定の対象を調べると、パズルが登場することがある。

画面上部のルール説明に目を通し、仕掛けを操作して正解へと導こう。

ただし、パズルの中には、条件を満たしていないと挑戦できないものが一部存在するので注意。

 

「解き方が分からない…」という場合でも、各パズルの初回失敗以降にヒント機能が使えるようになっている。

機能を使用する毎にGrimoire、もしくはSallyがヒントを最大3種類まで出してくれるので、これを手がかりにして再び挑んでみよう。

 

推理

調査がしっかりと進んでいた場合、特定の場面でGrimoireが推理を行うパートが登場することがある。

このパートでは、画面内に並ぶ人物名や物証と、それらを繋ぐテキストを下の選択肢から選んで文章を完成させなくてはならない。

 

一度推理に入ると中断ができず、正解に辿り着くまでモードを終了することができないが、正しい推理に至ることで調査を新たな段階へと進めることができる。

間違えた際のペナルティは一切ないので、正しい組み合わせを目指して何度もチャレンジしてみよう。

 

プレイ後の感想

「Tangle Tower」は、そのタイトルの響きからは少々イメージし辛いが、内容自体は至極真っ当なミステリーアドベンチャーだ。

メインスタッフはTomとAdamの2人の兄弟を中心にした、たった数名だけという小規模開発のインディータイトルではあるが、淡い色彩が魅力的な水彩画風の背景イラストに加え、立ち絵に滑らかなアニメーションを伴うポップなキャラクター群、更に全編英語ながらもフルボイスに対応と、その仕様はかなり豪華。

文字を極力廃し、シンプルな絵でまとめ上げた各種ボタンを始めとしたUIデザインも丁寧な作りで、操作感も含めた触り心地の良さは見事の一言だ。

 

見所は探偵Grimoireと助手Sallyによる”バディらしさ”に溢れた洒脱なやり取りだ。

設定上の肩書きこそ探偵と助手となっているが、多分にジョークの交じる会話から関係性はかなりフランクなものと窺える(仮にもロマンス的なものを期待してる方には、生憎とそういったやり取りは作中一切登場しないので悪しからず)。

対象1つ調べるだけでもプレイヤーの期待の斜め上を行く反応を返してくれたりと、名(迷?)コンビ振りを披露してくれる2人ではあるが、ポップなキャラクターデザインとキレキレな会話によって殺人事件を背景に抱えた作中に漂いがちな重い空気を、僅かながら中和する、といった製作側の狙いも少なからずあるのかもしれない。

 

初回プレイにおけるクリアまでの総プレイ時間は、現場を右往左往しながらおよそ7~8時間程度といったところ。

ミステリーアドベンチャーゲームとして、長過ぎず短過ぎないボリュームに収められている。

上記の所要時間には、本作随所に登場するパズルパートで手間取るかどうかによって前後するところもあるが、こちらに関しては「レイトン教授」シリーズのような頭の体操といった問題揃いで全体的に難易度は低い。

「生憎とパズルは苦手…」といったプレイヤーでも、該当シーンでは一度間違えると画面右上にヒントアイコンが表示されるようになっている。

このヒント機能は試行中のパズルについてGrimoireとSallyの会話が繰り広げられるといった形式になっており、解法に関する直接的な言及を避けつつ絶妙な加減でフォローをしてくれる。機能における制限は一切ないので、詰まった際には積極的に活用していくといいだろう。

 

調査パートに関してはミスリードのような要素は一切廃されているため、アドベンチャーゲームを遊んでいる際に陥りがちな「調査に行き詰まってゲームが進まなくなる」といった場面にはまず当たることはないだろう。

ゲームオーバーやストーリー分岐といった要素がない造りのため、マルチエンドを期待する方には物足りなさを感じるポイントもあるかもしれないが、入門用ミステリーゲームとして見るのであれば最適な一作と言える。

時折挿入される各種パズルに挑みながら、入念なポイントクリックと事情聴取によって、犯人の尻尾を必ず掴むことができるはずだ。Grimoire達と一緒に、事件の真相を解き明かしてみよう。

 

果たして、Freyaを殺害した犯人は一体誰なのか?

そして、事件の舞台であるTangle Towerに隠された秘密とは?

良質なミステリアドベンチャーゲームをお求めの方は、SFB Games渾身の一作「Tangle Tower」を是非お試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) .0

 

良い点

  • 滑らかにアニメーションする各登場人物の立ち絵
  • 非常に丁寧なローカライズ(※キャラクタ―名は日本語設定時も英語表記のまま)
  • 設定画を中心とした、充実のギャラリー要素

 

惜しい点

  • バックログ機能が搭載されていない
  • パズルパートを除けば、選択肢の総当たりでクリアできてしまうため、自身で推理したいというプレイヤーには物足りなさを感じる場合も
  • 各登場人物と出会うことで順次、対象キャラの設定画を閲覧可能になるが、開くタイミング次第ではネタバレを喰らう可能性がある

 

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