基本情報
エレクトリシャン
機種:ファミリーコンピュータ ディスクシステム(ディスクカード)
発売:ケムコ
開発:Synapse Software
プレイ人数:1
ディスク仕様:両面(A/B面)
発売日:1986年12月26日
価格:2,600円
ゲームジャンル:アクション
■原作はPC黎明期のアタリコンピューター向けソフト
電気工事屋のリチャード・ライトを操作して、大停電に見舞われたアメリカを舞台に
ビルの配線を修理し、電力の回復を目的とするアクションゲーム。
1ワールドにつき、ビル面と下水道面の2面構成から成っており、全8ワールド。
ワールド8クリア後はワールド1から2周目が始まるループゲーム形式だ。
ディスクシステム版はリメイク作品で、オリジナルとなるのはAtari社の8bitコンピューター向けゲームとして開発された同名タイトルだ。
■ビルの電力回復を目的としたトップスクロール面
ビル面での目的はステージ内の配線(ケーブル)を全て繋いで、電力を回復させる事だ。
プレイヤーは高層ビル内を舞台に、ケーブルの断線箇所を1つずつ繋いでいかなければならない。
左右にはステージ両脇のハシゴに沿うように1本ずつ縦長のケーブルがあり
この途中で途切れている箇所を左右に開通させることで修復は完了し、通電状態となる。
Bボタン長押し操作によって、各階に点在する途切れた配線の両端を1つ残らずドンドン繋いでいこう。
緑色の状態ではまだ電気が通っていないので、要注意。
ライトは一定の高さ(2フロア分以上)から落下したり、特定の敵に触れるとミスとなる。
ハシゴと各フロア間は微妙に離れているため、ジャンプによる飛び移りが必要となるが
本作のジャンプ軌道は独特なため、慣れない内は落下によるミスが頻発しやすい。
そのため本作に於いては落下死が主な死亡要因となりやすく
ハシゴからビルへ、ビルからビルへと飛び移る際は慎重な操作が必要だ。
また、ビルエリアでは随所に妨害を行う敵キャラクターが登場。
敵の種類も先のステージに進むほど少しずつ種類が増していくが、中でも
数秒間行動不能になる巣を展開する蜘蛛や、配線を伝って来る電流などは特に警戒したい。
修復を終えて通電状態になった部分の配線は、色が緑からオレンジに変化する。
通電状態になった配線は以後、敵が触れるだけで黒コゲになる強力な武器としても機能するようになる。
敵に対しては避ける以外の対抗手段をもたない本作においては、非常に頼もしい。
そうして全フロアの配電を完了させると、1Fに扉が出現。
扉から外に出ることでステージクリア達成だ。
■ビルの入り口を目指し下水道を進むサイドスクロール面
下水道面では横スクロール形式に切り替わると同時に、ゲームルールも
進行可能なルートを確保しながら、ビルの入り口に辿り着く事 といったものに変化する。
下水道ステージでは地上、地下一層、地下二層、下水道と層が4つに分かれており
各層は随所に設置されたハシゴで繋がっている。
中段の二層では暗闇が展開しており、左右に進んでいくと時々進行不能な壁やパイプに突き当たることがある。
下水道ステージではBボタンによる懐中電灯の灯りで前方を照らすことができるので、これを駆使して通行可能なルートを探りながら進んでいこう。
この下水道ステージでもやはり敵キャラは登場する。
基本的には姿を見つけたら避けていく、といった方法が基本となるが
懐中電灯がそのまま弱点となり、灯りを当てるだけで撃退できる敵もいるので
先のステージでは上手く攻略に組み込んでいくと良い。
■有効?罠? ピンキリ効果のアイテム群
ライトが敵に対抗する手段は、基本的にジャンプによる踏み付けや回避以外にはないが
本作では各ステージにて特定のタイミングでアイテムが出現することがある。
ビルエリアの場合は1フロアの配線を終えて、通電状態になると同時に泥棒が出現することがある。
泥棒は画面右から左へと一直線に駆け抜けていくが、画面外に逃げる前に
上手く触る事が出来ればランダムで1つアイテムを落としていく。
下水道ステージでは一定間隔で赤い服のギャングが出現。
動きも性質も泥棒と同じで、こちらも触る事でアイテムを1つ落としていく。
アイテムは数種類あり、その効果も残機を増やすことができるものから、機動力が向上するものなど。
後者は一見強力な効果に見えるのだが、ジャンプ力や移動力が高まることで返って
天井に頭をぶつけたり、歩幅の感覚が平時と違うため返って落下ミスを起こし易くなる。
以上の使用感も理解した上で戦略的に使う事ができるのならば攻略の要となるだろう。
■敵スピードを3段階に調整可能
ビル→下水道 と順に攻略する事で1ワールドクリア
(ワールド8はビルエリアのみ)となるが、先に進むに連れてビルのフロア数が
拡張される上に、敵配置も嫌らしくなり少しずつ難度が上昇していくため
全ワールド攻略は容易ではない。
なお本作ではステージ開始前に敵のスピードを3段階から選べるようになっており
実質、難易度変更システムとしての機能を果たしている。
速度を上げればより手ごわい難度となるので、自分の腕に合わせた調整でチャレンジしてみよう。
■対応プラットフォームが極めて限られる本作 復刻は?
本作は全体的に派手さはなく、1面ずつじっくり攻略するタイプのゲームではあるが
敵に囲まれないような立ち回りや、ギリギリ地点からのジャンプが要求される場面が多く、アクション性は高め。
取り分けジャンプ操作の感覚に慣れるまでは前半面でも手ごわく感じるだろう。
貴重な海外産クラシックゲームタイトルの1つとして興味のある方には是非…
と言いたいところではあるのだが、現状国内のゲームコンソール版は
ディスクシステム以外では登場していない。
バーチャルコンソール、もしくはリメイクによる復刻に期待したいところだ。