カリーンの剣 ~PC黎明期のテイストを感じられるディスクシステム用ロールプレイングゲーム

 

 

タイトル カリーンの剣
対応機種 ファミリーコンピュータ ディスクシステム
販売 スクウェア
開発 クリスタルソフト
発売日 1987年8月11日

 

アリタニアを救う鍵、魔術師グラドリフを捜す戦士の旅。スタンダードな見下ろし型のアクションRPG

 

 

「カリーンの剣(つるぎ)」はスクウェアソフトから販売されたファミリーコンピュータ ディスクシステム用のロールプレイングゲーム。

ゲームメーカー「スクウェア」(現スクウェア・エニックス)がディスクシステム用タイトルを展開していたプロジェクト「DOG」内のソフトとしてリリースされ、開発はPCゲーム「夢幻の心臓」シリーズなどを輩出したクリスタルソフトが手掛けている。

 

本作「カリーンの剣」はオーソドックスな見下ろし型画面構成のRPGで、画面の端に移動する事でエリアが切り替わる一画面固定タイプのフィールドが特徴。

戦闘システムにはモンスターオブジェクトに接触することで発生するシンボルエンカウント方式を採用しており、成長システムは敵を倒すことで経験値(EXP)やお金(GOLD)を獲得、EXPが一定値に到達するごとにレベルアップといったごくごくスタンダードなものになっている。

ストーリー

怪物の出現により平和を脅かされつつある王都アリタニア。

この脅威に対抗できうるのは強力な魔力を持つという大魔術師グラドリフのみ。

国王よりグラドリフの捜索という勅命を受けた1人の戦士の冒険が、今始まろうとしていた―。

 

アクティブタイム制の戦闘システムは直感操作可能な設計。強力なモンスター群を相手に、一戦たりとも気は抜けない

 

 

以下では本作での操作方法と、戦闘システムについて紹介していこう。

 

 

操作方法

 

十字キー キャラクターの移動、(メニュー展開時)カーソル移動
STARTボタン ポーズ機能
SELECTボタン アイテム選択メニュー開閉
Aボタン コマンド呼び出し、決定
Bボタン 選択中のアイテム使用、(コマンド呼び出し時)選択中の項目をキャンセル

 

操作体系はファミリーコンピュータ作品の一般的なRPG向けなものにまとまっていて特に複雑さはなく、手探りプレイでもすぐに覚えられる操作システムになっている。

 

戦闘シーンにおいての武器による攻撃は敵のシンボルターゲットに向かって方向キーを倒すだけ― といったもので非常に手軽だが、本作の戦闘はこれだけで延々戦っていくのは困難。詳しくは後述するが、ゲーム進行ごとに入手可能な各種アイテムの使い方が非常に重要となってくる。

 

ステータス画面での各パラメーター

 

NAME キャラクターの名前。セーブデータ作成時に名前入力が可能
LEVEL プレイヤーのレベル。EXPを稼ぐことでレベルアップ
HP ヒットポイント(生命値)。現在HP値と最大HP値
MP マジックポイント(魔力値)。現在MP値と最大MP値
GOLD 所持金(ゴールド)。バトルに勝利したり、所持品売却時に獲得。
STR 力(Strength)。レベルアップで上昇。
DEX 素早さ(Dexterity)。レベルアップで上昇。
DP ダメージポイント(Damage Point)。武器装着で増減。
AC アーマークラス(Armor Class)。防具装着で増減
WEAPON 装備中の武器
ARMOR 装備中の鎧
SHIELD 装備中の盾

 

 

「DP」と「AC」は装備品の更新で、それ以外のパラメーターは基本的にレベルアップで少しずつ上昇していく。

攻守に関しては装備の更新が特に変化が大きいので、上位のものに買い替える上では購入費用分しっかり稼いでいきたい。

 

 

戦闘システム

 

 

「カリーンの剣」の戦闘システムは他作品に例えると「イース」(日本ファルコム)の初期シリーズに近く、敵ターゲットへの直接の体当たりや特定アイテムの装着時に使用可能な魔法による攻撃で敵を倒していくといったものになっている。

 

ただし体当たりによる攻撃の優位性はそれほど高くはなく、敵対象と比較してこちらのレベルや装備品の性能が不足している場合は競り負けてしまい、一方的にダメージを受け続けるといったパターンに陥り易い。たった2~3体に囲まれるだけで驚くほど簡単にやられてしまうので、なるべく1vs1の状況で戦って少しずつ戦力を削いでいくのが基本となる。

 

なお、本作の戦闘において逃走による戦闘離脱といったシステムはなく、一度開始された戦闘では現れたモンスターを殲滅する以外に生き残る術はない。一度に出現するモンスターは毎回1種族だが、単体で登場することもあれば7~8体も登場する場合もあったりとランダム性が強く、囲まれると生存率が大きく下がってしまう。

 

フィールドでのエンカウントに関しては、倒しやすい相手をシンボルの姿から選別していく事で少なからず生存率は高まる。無理のない戦力差のバトルを繰り返しながらEXPやGOLDを堅実に稼ぎ、装備の充実とレベルアップをしっかり積んでいきたい。

 

 

 

中盤以降を有利に進行するためのポイント

本作において魔法効果を持つアイテムを使用するために必要なパラメーターとなるMP(マジックポイント)は、5秒に1ポイント自然回復するシステムになっている。

(後半で手に入るクエストアイテム”てんしのぞう”を所有することで、回復ペースが1秒に1ポイント回復へと劇的に変化する)

町や村の中だけでなくフィールドや戦闘中でも適用されるため、魔法アイテムを多用するようになり始めたら、この点を意識して枯渇する前にMPの節約を心掛けていこう。

 

HPやMPの回復手段として町や村などの各施設に有料で治療を施してくれるNPCがいるが、減少量に比例して金額が上がるため中盤以降の利用はコストが高くあまりオススメはできない。

有用な回復アイテムとして、中盤で手に入る作中のクエストアイテムの1つ“しろいアイドル”は、5MPと引き替えに10前後のHPをその場で回復してくれるといった効果をもつ。消耗品となるポーションに比べて一度入手すれば永久に使える唯一の回復アイテムということもあり、最後までお世話になることだろう。入手後は積極的に戦闘に取り入れて使って行こう。

 

 

病に伏せる王女、大魔術師の行方、封印されし剣― 戦士を待ち受ける過酷な長い旅

 

アリタニアに平和を取り戻すための戦士の旅の目的は次第に多岐に渡ってゆく。

ゲーム進行中、特に重要な場面を以下でピックアップして紹介していこう。

 

 

病に伏せるアリタニア王女。

快復のためには魔法の井戸の水、セリナの木の実の2つが必要となるようだが―

 

 

 

呪いにより湖に沈んだという街、ニルラグ。

銀でできたあのアイテムならばこの呪いを解く事ができるかもしれない。

 

 

 

森の中に佇む一見の小屋。(ゲーム内テキストでは”町”という扱いに)

住人によれば外の井戸は涸れていて、水が汲めないようだが…。

 

 

 

病から快復した王女は、その謝礼として白いアイドルを戦士に託す。

MPと引き替えに癒しの力を得ることができ、戦いがグッと楽になる魔法アイテムだ。

 

 

 

怪物たちの根城、暗黒の世界レンの中心にあるという洞窟が発する強大な魔力―

その力に打ち勝つ武器、カリーンの剣に纏わる話を耳にすることができた。

剣の封印を解くためには5つのアイドルと呪文の書が必要とのことだが…

 

 

 

 

国王を狙う暗殺者が衛兵に化け、アリタニア城内に潜んでいた!

なんとしても阻止せねば―

 

 

 

悪の根城があると噂される暗黒の世界「レン」へとついに足を踏み入れた。

この地の冒険を経て、果たしてアリタニアに平和を取り戻すことができるのか?

 

 

 

戦闘の高難度な面からもプレイのハードルは若干高めだが、ディスクシステムでは屈指のRPG作品

 

 

 

ここまで「カリーンの剣」を紹介する上で「バトルの難易度が高い」という面を殊更に強調してしまったが、実際軽い気持ちで触れてみると戦闘で中々勝てない…と嘆くことになるのは必至だ。

 

基本的に多数を相手に体当たり攻撃での肉弾戦による力押しの突破は現実的ではなく、適当に特攻をかけたところで2体以上から一斉に攻撃を受けると捌き切れず、ほぼ一方的にダメージを受け続けてあっという間に死亡、といったパターンに見舞われ易いため大変にシビア。

 

立ち回り方やアイテムの駆使次第では強さが1~2ランク上の相手であっても勝利すること自体は不可能ではなく、中盤以降は敵から入手できる経験値は過剰目なのでレベルアップのペース自体は非常に速いのだが、敵との戦力的なバランスはこちらが不利目という状況は最後まで崩れることはなく、むしろ終盤に向かうほど激化する。そのため本作のバトルは最初から最後まで一戦一戦が非常に緊迫したものとなっている。

 

特に屋内での通行は何処も等しく狭い通路が続き、モンスターシンボルにも簡単に接触してしまい易いため戦闘自体の回避が困難。一度に多数出現した場合でもこちらは常に単身での戦いとなる分、毎回多数の集団で出現しないことを祈ることになる。

 

中盤~後半にかけては途中で手に入る魔法アイテムの各種アイドルを駆使しつつ、MPの消費と時間経過による回復を繰り返して進めていくのが堅実な進行手段となる。敵の出現パターンの引きの運も左右する局面が多いので、小まめなクイックセーブ&ロードを有効活用すると良いだろう。必要に応じてあらかじめ各種ポーションも買いこんでおくことで、より生存率を高めることができる。

 

 

 

 

ゲームクリアを目指す上ではその道のりは困難で難易度的には激辛といってよいものになっているが、ディスクシステム用ロールプレイング作品としてはPCゲームライクな雰囲気も相俟って本格派な1本として挙げられる。

こういったゲームバランスゆえにエンディングに辿り着いた時の達成感は非常に大きいので、本作の踏破に関心が湧いてきたディスクシステムユーザーは是非ソフトを入手して挑戦してみてほしい。

評価

個人的スコア 5.5(10点満点中)

良い点

  • ロールプレイングゲームとしての作り自体は丁寧
  • ファミリーコンピュータとPCゲームの中間的なテイストを持ったこの当時ならではの味わいある作風
  • ディスクシステム用RPGとしてはフィールドが広大で、世界にボリュームを感じられる

惜しい点

  • プレイヤーが成長しても敵との戦力差がほぼ埋まらず、強くなったという実感をあまり味わえない
  • 逃走システムがないため、一目で戦力差がありすぎる戦闘に遭遇した場合は死を覚悟するしかない
  • フラグ回収後も同じセリフを言うNPCが一部存在し、現在のゲーム進行度が分かり辛い場面がある
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