子猫物語 The Adventures of Chatran ~映画「子猫物語」をアクションゲーム化。四季を巡るチャトランの大冒険

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©1986 PONYCA

©子猫物語製作委員会

 

基本情報

 

タイトル 子猫物語
対応機種 ファミリーコンピュータ ディスクシステム
販売/開発 ポニーキャニオン
発売日 1986年9月19日
備考 原作は同名映画作品の「子猫物語」。(畑正憲氏が監督、市川崑氏が協力監督をそれぞれ務めた)

公開日は1986年7月15日

 

作品概要

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「子猫物語 The Adventures of Chatran」は同名タイトル映画をアクションゲーム化したタイトル。原作はフジテレビ製作、配給東宝による1986年公開の映画作品(詳しくは備考の項目を参照)だ。

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(※映画の内容や詳細については本稿では割愛)

ゲーム内容は猫のチャトランを操作して、大自然を背景に12ヶ月間の冒険物語を繰り広げる横スクロールアクションとなっている。

 

操作方法

 

十字キー 移動/(下キー入力中)屈み動作
Aボタン ジャンプ(押し時間によって高度が変化)
Bボタン タマゴ投下(空中時。要タマゴ残数)
STARTボタン ポーズ(一時停止)
SELECTボタン

 

ステージ構成

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「子猫物語 The Adventures of Chatran」のステージは「JUN. DAY」(6月日中)を起点に、DAYとNIGHT(夜間)を交互に計12ヶ月を夏→秋→冬→春と進めていく計24面構成。

各ステージ共に制限時間内にゴールすることでステージクリア。最終面となる「MAY. NIGHT」のゴールにいる猫のシロ子に会う事がゲームの最終目標となっている。

 

攻撃アイテム

 

道中に登場する動物はいずれも触れるとワンミスとなるため、基本的には回避していく必要があるが一応攻撃用のアクションも存在する。

チャトランの各動物たちへの対抗手段としては以下のようなものがある。

木の実/雪玉で攻撃

 

木の実

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ステージ中随所に立ち並ぶ木の枝葉は足場となるのだが、この上に載ると衝撃によって載った箇所から季節に応じた木の実(冬は雪玉)が落下する。その際、落下物の真下にターゲットがいた場合は押しつぶして撃退する事が可能だ。

 

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地面に落ちた木の実は色褪せてすぐ消えてしまうが、消える前に回収する事で少量ながらボーナスが加算される。可能な範囲で手に入れてスコアアップを狙っていくのも良いだろう。

 

雪玉(DEC. DAY~FEB.DAY区間限定)

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冬場限定となる雪玉は地面に落ちた時点ですぐ壊れてしまい回収も不可能だが、真下にいる敵を押しつぶす事は可能だ。

このように枝葉はチャトランの貴重な敵への撃退手段となるアイテムを呼び出す手段となるが、運が悪いと木の実の代わりに動物が現れる場合がある。当然触れるとミスとなってしまうので、枝葉を揺らす場合は常に気を張っておこう。

 

タマゴで攻撃

 

白いタマゴ

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道中で枝葉を下からジャンプで小突いた際にタマゴが飛び出すことがあるが、これを回収するとジャンプ中Bボタン操作でタマゴを真下に投下する攻撃が利用可能となる。タマゴは大地に落下してしまうことで割れてしまう。落ちる前に上手く回収しよう。

 

ゴールドエッグ

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ホワイトエッグは獲得数分タマゴ攻撃が行えるようになる。(最大数は99) 対してゴールドエッグ(上画像)は回収後、ミスするまでの間は無制限にタマゴ攻撃が可能となる強力なアイテムだ。

ただしゴールドエッグは入手可能なポイントが極めて少ないので、一度手に入れたら以降のステージを一層慎重に進めて行くよう心がけていこう。

 

その他のアイテム

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枝葉から落下する木の実や果実を回収したり、敵キャラクターを倒す事でスコアが加算される。それに加えて、本作ではいくつかの1UP要素が存在する。

 

木の実/果実

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簡単なところでは木の実、果実を50個獲得毎に残機が1つ追加されるといった方法。集めた木の実については画面上部に獲得数が表示されるので確認がし易い。獲得数は次のステージへと持ち越すことができるので、どんどん手に入れていこう。

 

目玉マーク

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そしてもう1つの1UP方法は説明書では秘密として伏せられているが、上画像の”目玉マーク”(フジサンケイグループのシンボルマーク)のアイテムを獲得することで5,000点加算と同時にファンファーレが鳴り、残機が追加される。このアイテムについては出現法則がハッキリしないが、枝葉に向かって頭突きする事で稀に出現する場合がある。もしも見かけたらしっかり回収しておこう。

なお、チャトランの残機数については「09」が上限となっており、それ以上増えることはないので要注意。

 

チャトランの親友・パグ犬プー助

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枝葉を頭突きしていると、時々「H」「E」「L」「P」の4種類のアルファベットが描かれたタマゴが出現することがあり、これを4文字分揃える事でチャトランの親友、パグ犬のプー助がお助けキャラとして登場する。

 

プー助(サポートNPC)

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プー助は登場時に必ず画面左端から出現し、右方向へと向かって真直ぐに画面外まで駆けて行くといった行動を取る。移動速度はチャトランと等速で、プレイヤー自身がプー助に合わせて前進をしている限り、その分登場時間を長く保っておくことが可能だ。

 

プー助の注意点

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そして作中のあらゆる動物に対して無敵を誇るため、彼の前方に敵が現れてもそのまま触れるだけで退散させてしまうといった無双ぶりを発揮する。ステージボス扱いとなっているクマのブラッキー相手にも、彼の無双ぶりは例外なく適用され頼もしい事必至だ。

このように一見無敵に思えるプー助なのだが唯一弱点がある。それはプー助自体はジャンプを一切行わないということだ。この特徴のため進行方向に崖や水辺などが現れると、一直線に走るしか能がないプー助は問答無用でそのまま落下して画面外へと消えていき、出番はそこで終了となってしまう。

プー助を駆使する場合はあらかじめステージの構造を知っておき、最後の「P」の卵を登場させるタイミングを調整することが彼を上手く使うコツとなる。そろそろステージ終盤かな、というような場合は枝葉への頭突きには特に気を払っておこう。

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プー助の出現時にはもう1つ注意点がある。あらゆる動物に対して無敵を誇るという彼の特徴はチャトランにもそのまま適用される。つまり、チャトラン自身がプー助に触れるとミスとなってしまうという点だ。

作中では”チャトランの親友”という間柄な設定になっている分、この仕様には少し釈然としないものを感じるが、プー助登場時には彼にうっかり接触しないように気をつけたい。

 

プレイ後の感想

 

「子猫物語 The Adventures of Chatran」は画面構成やゲームシステムなどを見ても、任天堂の大ヒット作品「スーパーマリオブラザーズ」のオマージュが随所に散りばめられていると一目で分かる造りの作品だ。

ただ、いわゆる”Bダッシュ”操作による疾走感溢れるアスレチックアクションが作中のウリの1つだったあちらに対し本作のアクションは大人しめな印象で、基本はジャンプ操作をメインに各動物を上手く回避しながら道中を淡々と進めていくといった内容のゲームになっている。

 

チャトランが自らの身体を使った撃退手段をもたない分、アクションゲームとしては受け身な印象が強く、それが影響して淡々としたゲーム内容に映りがちなのは少し残念な点。また、プレイ中は展開の変化に乏しい内容であるにも関わらず、1年12ヶ月で構成されるステージを更に日中と夜間の2つに区切ることで、全24面という必要以上な長尺になっていることもプレイしていて惰性を感じてしまう一因だ。

一方で各ステージでは日中、夜間、四季といった景色の変化を楽しむことができる。夏場はヒマワリ、アジサイ、スズラン。秋場にはススキやキノコといった具合にステージ道中で植わっている野生の植物の違いなどの細やかな部分に注目したい。

 

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長い長い1年間、24ステージを突破して、チャトランを一目惚れの白猫シロ子と無事に巡り合わせることが出来るか否か― 自然を舞台にした長く過酷な彼の冒険の結末は、プレイヤーの腕に委ねられているのだ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) .5

 

良い点

  • 一見でサイドアクションゲームと判るスタンダードな画面構成
  • 四季毎に景色の変化を楽しめるステージデザイン
  • 当時においては希少な”猫を操作する”アクションゲーム

惜しい点

  • 単調なコードの繰り返しで構成されたBGMは、緩慢なテンポで進行するゲーム展開に更なる退屈さを助長する要素に
  • ヘルプキャラであるプー助は仕様が原因で、せっかく召喚しても全く役に立たずに退場する状況も
  • ファンシーな見た目に反して、難易度は比較的高い

 

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