A Dream About Parking Lots(ドリーム・アバウト・パーキング・ロッツ)- プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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基本情報

 

タイトル A Dream About Parking Lots
対応機種 itch.io,Steam,Nintendo Switch,PlayStation 5,Xbox Series S|X
販売 Interactive Dreams(itch.io版,Steam版),Take IT Studio!(各種コンソール版)
開発 Interactive Dreams
発売日 2025年3月14日(itch.io版)2025年3月15日(Steam版),2025年7月31日(各種コンソール版)
対応言語 日本語, 英語, フランス語, イタリア語, ドイツ語, スペイン語, ポルトガル語, 韓国語, 中国語 (簡体字), 中国語 (繁体字)

(※青字はコンソール版のみ対応)

Nintendo Switch 2(日本語・国内専用)では日本語でのみプレイ可能。ただし、一部、ソフト内で言語を変更できる場合有り。

備考 IARCレーティング:3+
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作品概要

 

「A Dream About Parking Lots」(駐車場に関する夢)はメキシコのゲームスタジオInteractive Dreamsが開発、販売を手掛けるゲーム作品。Nintendo Switchなど各種コンソール版のパブリッシングをポーランドのゲームスタジオであるTake It Studio!が担当。

本作は一人称視点で展開するウォーキングシミュレーター。プレイヤーは夢見る人物の視点となり、セラピストとの対話と並行しながら駐車場が舞台の夢世界を彷徨い続けていく。

 

開発元のInteractive Dreamsは公式ページにて、”ストーリー重視のゲーム作りに特化したスタジオ”である事を公言しており、本作もそのコンセプトの下に制作された作品の1つとして数えられる。今作以外にも「The Bridge」、「Swann’s Song」といった作品がitch.ioやSteamで配信中。

今作「A Dream About Parking Lots」はInteractive Dreams初のマルチプラットフォーム配信タイトルとなっており、後発にあたる各種コンソール版では既存の英語とスペイン語に加え、新たに日本語を始めとする計10言語への対応版となった。

 

リンク:Interactive Dreams(X(Twitter))Official Site

リンク:Take It Studio!(X(Twitter))Official Site

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン 移動
Lスティック 選択肢を選ぶ
Lボタン
ZLボタン
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック カメラ操作
Aボタン 選択肢の決定
Bボタン
Yボタン キーの操作
Xボタン 乗車
Rボタン
ZRボタン
+ボタン メニュー画面

 

 

ゲームシステム

 

Lスティックを駆使して駐車場を歩き回ろう

プレイヤーはゲーム内会話に登場する人物、”夢見る人”の視点となり、彼の夢の中に登場する駐車場を散策していく。

ゲームの目的は何らかの理由で”特定の車を探し続けている”という彼の願いを叶えるべく、多数の車両の中に1台だけ存在する目当ての車を探すことにある。

Lスティックの移動、Rスティックのカメラ操作を駆使して自由に駐車場内を歩き回ってみよう。

 

散策と同時にセラピストとの対話が進行

本作におけるゲームパートは散策のみとなっているが、進行に併せてセラピストとの対話がテキスト形式で随時展開していく。

各テキストはBボタンで1ページずつ進行する仕様で、自分のペースで読み進めることができる。ただし作中にはバックログ機能は搭載されていないので、うっかりと読み飛ばしてしまわないように気を付けたいところ。

また、会話の最中には時々上画像のように選択肢が登場することがある。方向ボタンの上下で選んでAボタンで決定しよう。

 

スマートキーを操作して目当ての車の位置を特定しよう

各シーン進行中、Yボタンを押すことでスマートキーの操作を行うことができる。

ただ単に使ったところでこれといった変化は見られないが、目標となる車が近くにある場合は操作時に何処かからクラクション音が聴こえてくるので、音が聴こえた近辺を手掛かりに探索を行うと良い。

 

使用時にもしもパッシングの光が見えたら、目的の車が点灯している証拠となる。該当車両に近寄った状態でXボタンを押して乗車することで、シーンクリアを経て次のシーンへと移動する。

 

ゲームプレイの大まかな流れ(まとめ)

以上で紹介してきたように、ゲームプレイ時の大まかな流れ自体は極めてシンプルで、各ステージの目的は「駐車場の散策」、「選択肢に回答しつつテキストを読む」、「スマートキーを駆使して目的の車を探す」のたった3点に終始している。

 

ゲーム内では必要最小限な操作説明しか確認できない事から、プレイ開始時点ではとっつきにくい部分もある点は否めないが、ひとまずは、この不思議な駐車場の夢の世界をゆったりと歩き回ってみるのも選択肢として悪くない。散策とテキストを読み進めていく合間にスマートキーの効果を理解することで、自然と要領が掴めてくるはずだ。

 

プレイ後の感想

一人の夢を見る人物の視点となり、セラピストとの対話と並行しながら夢世界の駐車場をひたすら散策する―、本作「A Dream About Parking Lots」はそんなルールを伴う何とも奇妙なウォーキングシミュレーターだ。

作中でプレイヤーが散策する事になる夢の世界にはいくつかのロケーションが用意されているが、表題がストレートに示している通りそのいずれもが駐車場に限定されており、全世界の駐車場好き(?)にはたまらないはず。

 

ゲーム部分に関しては特に捻りのないステージ形式のウォーキングシムで、全編を通して駐車場内に停められた無数の自動車の中から、目当てとなるたった一台の車をプレイヤー自らの手で探し出す事が作中での目的。

目標の車が駐車されているポイントは各ステージ毎に固定されてはいるが、先に進むに連れて派手に散らばった瓦礫や林立する樹々なども障害物と化し、まるで巨大な迷路のような空間となってプレイヤーの前へと立ち塞がる。

 

肝心の車探しにおいてはYボタンによるスマートキー使用時の反応が唯一の頼りとなるのだが、このキーの仕様についてもひとつ難点がある。それは状況次第では音の鳴るポイントで辺りをいくら探してみても、目的となる車のパッシングを視認することができない場合があるという点だ。

と言ってもこの状態は決してバグというわけではなく、厳密にはスマートキーが与えることができる”ヒントの限界”とステージに仕掛けられた巧妙な罠の合わせ技によるもの。

 

その好例となるのが作中のステージ2に該当する『夢 No.7』で、ここでは音の鳴る方角だけを頼りにしているといつまで経っても見つけることができないといった罠が仕掛けられている。恐らく本作プレイヤーの内の何名かが、進め方に迷う事になる最初のステージとして挙げられるだろう。

本作特有の迷路に悩まされ、一向に駐車場の夢から抜け出せずにいる― という方は、一見、通れなさそうな場所でもきっちりと探ってみるなど、念入りな散策を以てゴール(車)へと辿り着いてみてほしい。

 

商品ページの紹介文に記載がある通り、エンディングまでの所要時間は30~40分程度といったところ。

ウォーキングシムというゲームジャンルから言っても、作中の世界観に浸ることができるかどうかは評価の焦点となりそうだが、その点で言えば本作の独創性のある世界観は非常に魅力的な題材だ。

反面、今作はファーストパーソン視点の作品につき、画面酔いを引き起こしやすいという方はプレイ時はご注意頂きたい。

 

繰り返される夢の中での車探しとセラピストとの対話を通じ、その先で主人公はどのような答えを見つけ出すのか―?

ウォーキングシミュレーションジャンルに目がない、と言う方は本作「A Dream about Parking Lots」を通じて、駐車場の夢世界を存分に味わってみてはいかがだろうか。

 

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) .5

 

良い点

  • ローポリで描かれる夢空間を舞台にした独特な雰囲気のウォーキングシム
  • 30分~40分程度でクリア可能な短編作品
  • (Nintendo Switch版)日本語を始めとした計10言語に渡る字幕に対応

 

惜しい点

  • 操作説明が特定の場面にしか表示されず、プレイヤー側で任意に確認することができない
  • スマートキーの反応音だけを頼りにしていると、攻略に行き詰まってしまいがちなエリアが一部に存在する
  • 選択肢が頻繁に登場する一方で物語自体に分岐は存在せず、一度最後まで遊んだ後のリプレイ性は低め

 

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