©2023 Assemble Entertainment GmbH. Developed by Grimbart Tales. Published by Assemble Entertainment GmbH. All rights reserved.
基本情報
タイトル | Itorah |
対応機種 | Steam,Nintendo Switch |
販売 | Assemble Entertainment |
開発 | Grimbart Tales |
発売日 | 2022年3月22日(Steam版),2023年4月21日(Switch版) |
対応言語 | 日本語, 英語, フランス語, イタリア語, ドイツ語, スペイン語, ポルトガル語, ロシア語, 韓国語, 中国語 (簡体字), 中国語 (繁体字)
Nintendo Switch 2(日本語・国内専用)では日本語でのみプレイが可能。ただし、一部ソフト内で言語を変更できる場合有り。 |
備考 | IARCレーティング:7+(恐怖を引き起こすコンテンツ、暴力(軽度)) |
作品概要
「Itorah」(イトラー)はドイツのラインラント=プファルツ州に拠点を構えるゲームディベロッパーGrimbart Tales製作によるゲーム作品。パブリッシングを務めるのは同じくドイツ、ヴィースバーデンのAssemble Entertainment。
本作のゲームジャンルは2Dスタイルの探索型アクションゲーム。プレイヤーは地上最後の人間イトラーを操作して、奇妙な仮面の種族達が生きる世界での冒険を繰り広げていく。
2Dアクションゲームとしては極めて上質な圧巻のアートビジュアルが見所の一つで、中南米モチーフの世界を舞台に描かれるステージグラフィックは息を飲む程の美しさを誇る。風や雨、時には嵐と、冒険を通じて変化する迫力ある天候の演出も必見だ。なお、表題の「Itorah」は操作キャラクターである少女の名前”イトラー”をそのまま示したものであると思われる。
リンク:Grimbart Tales(X(Twitter))
リンク:Assemble Entertainment(X(Twitter))
操作方法
(※Nintendo Switch版)
JOY-CON(左) | |
上下左右ボタン | 移動 |
Lスティック | 移動 |
Lボタン | 回復、【地図を開くメニュー中】ページ切り替え |
ZLボタン | |
-ボタン | 地図を開く |
JOY-CON(右) | |
Rスティック | 見渡す(カメラ操作) |
Aボタン | 決定 |
Bボタン | ジャンプ |
Yボタン | 斧で攻撃、(NPCの前で)話す |
Xボタン | |
Rボタン | 【地図を開くメニュー中】ページ切り替え |
ZRボタン | 斧を投げる |
+ボタン | ポーズメニュー |
ゲームシステム
イトラーの基本アクション
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移動
(← or →) |
ジャンプ
(B) |
段差降り
(↓+B) |
---|---|---|
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回避
(A) |
スプリント
(移動中ZR長押し) |
スロープ滑り
(坂の上で↓長押し+ZR) |
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|
攻撃
(Y)(※上下方向にも対応) |
回復
(L) |
クリティカル攻撃
イトラーの攻撃は全て斧を使ったものとなっているが、立ち攻撃に限り一定確率で振りかぶる直前に斧が一瞬光る時がある。この直後に繰り出される攻撃はクリティカル効果を伴い、命中時の威力が普段よりも高い一撃へと昇華される。
クリティカル攻撃の発生条件は特に定まっておらず、予測のつかないタイミングで偶然発生するというケースがほとんどだが、着地直後に通常攻撃を行った際に発動する事が多いといった傾向が見られる。
専用演出による溜め動作が間に入る関係で普通の攻撃と比べて発動が一瞬遅れるため、すぐ近くにいる相手に繰り出した場合はこちらが一方的にダメージを受けて潰されがち。近距離戦を挑む場合はこの点を把握して、相手との間合いに注意したいところだ。
習得可能な特殊アクションの一例
イトラーは冒険の進行を通じて、数々の特殊アクションを身につけることができる。ここではその一例として、斧をブーメランのように投擲するアクションを紹介。
使い方はまず、ZRボタン長押し中に表示される矢印(上画像)をRスティックで調節。角度指定後にボタンを離すことでその方向へと斧を投げつける、といった流れになっている。
発射方向を自由にコントロールできる点や長射程、基本ダメージの高さが相俟って全攻撃の中でも特に高い使い勝手を持つが、斧をキャッチするまでの間はイトラーが完全無防備となるなどのデメリットもある。相手や場面を選んで使っていかないと、簡単に潰されてしまうアクションとなっているので注意。
通貨とアップグレード
敵の撃退時や宝箱から入手可能な結晶体は今作における通貨の役割を持っており、その用途はイトラーの能力アップグレードの利用に限定されている。
アップグレードについては作中に登場する集落「チマリ」に担当NPCがおり、一定額の結晶体と共に以下の素材アイテムが1つ必要となる。
石化したエコー | 体力増加(HPゲージ拡張)
スタミナ増加(スタミナゲージ拡張) |
青白い羽根 | キュア強化(回復能力の強化)
キュア増加(使用回数の拡張) |
上記2つの素材は作中に登場する各エリアの宝箱に隠されている。探索時は取りこぼしのないよう、隅から隅まで念入りに探してみて欲しい。
特に優先したい強化は体力増加、キュア増加で、この2つを育て切る事で極力ゲームオーバーに陥ってしまうのを抑えることが出来るだろう。
地図とインベントリメニュー
プレイ中、-ボタンで地図を開くことができる。地図はズームイン/アウトに対応しており、ZRで拡大、ZLで縮小が可能。💀マークは落ちたらミスとなるポイント、赤い羽根のアイコンが次の目的地を示すマーカーを示している。
また、同メニューはインベントリメニューと繋がっており、LもしくはRボタンで切り替えが可能。インベントリメニューで行えるのは所有するアイテムや通貨額の確認のみで、アイテムには最大で10のスロットが用意されている。
ただし、アイテムに関しては基本的にどれも入手から早期に出番を迎えるため、全てのスロットが埋まった状態を拝めるタイミングは本編中にまず訪れることはないと思った方がいいだろう。
焚き火(セーブポイント)
セーブは各地域に点在する焚き火を通じて行うことができる。セーブ方式は「スロットにセーブ」(手動セーブ)と「クイックセーブ」の2種類。
(※オートセーブについては一部のボス戦突入時に自動的に行われるといった例外もある)
それぞれのセーブデータの読み込みについては、前者はタイトルメニューで「ロード」を選びセーブデータを直接選択、後者は「前回の続きから」を選ぶことで即時読み込みが可能となっている。
本作はプレイ中に不慮のトラブルが発生する可能性が高いため、なるべく手動とクイックによる二重でのセーブを行っておくことを推奨。(詳しくは「プレイ後の感想」にて)
プレイ後の感想
「Itorah」における注目ポイントは何を置いてもまずはゲームビジュアルの美麗さにある。細部に渡って描き込まれた背景の美しさは2Dアクションゲームのステージグラフィックとしても最上クラスのクオリティで、そのロケーションも大自然を前面に押し出した洞窟、森、湖、遺跡など、冒険の定番とも言える各舞台をたっぷりと投入している。
また、キャラクター造形についても疎かにしていない事が伝わり、プレイヤーキャラのイトラー、途中で出会う探検家アフイを始めとしたNPC達のちょっとした所作にも活き活きとした生命力を感じさせている。試しに操作の手を止めてイトラーの動作を眺めてみると、欠伸をしたり遠くを見渡すような動きを見せたりと、ニュートラル時のポーズパターンが幾つか用意されており非常に芸が細かい。
全編クリアまでの所要時間は9時間程度といったところで、探索型の2Dアクションゲームとしてはゴテゴテした感じはなく、シンプル且つオーソドックス。能力のアップグレードや冒険を通じて習得可能な特殊アクションといった成長要素も見られるが、いずれもコンパクトにまとめられていて決して複雑さは感じさせない印象だ。
反面、移動周りが不親切に感じられたのは少々気になった点で、特にファストトラベル機能の不在はエリア間移動時の不便さへとダイレクトに響いてくる。このため、新たなエリアではマップをよく確認して、特に能力アップグレードにまつわる素材アイテムについては極力取りこぼしのないよう探索を進めていく事が推奨される。
日本語ローカライズに関しては一貫して高い安定感が保たれており、ほんの2,3箇所程度の文字化けこそ見られたがテキスト総量からすれば十分に許容範囲として収まるレベルとなっている。これは物語要素の強い本作においては非常に有難く、台詞の一つ一つが各登場キャラクターの味わいをもたらしているので注目して頂きたい。
一方で本作を取り上げるにあたって書いておかなくてはならない、と感じたのが、”移植版における動作の不安定さ”に関する点だ。
筆者が今回プレイしたのはNintendo Switch版だが、半数近くのエリアでフレームレートの極端な低下やカク付きが目立ち、ふわふわとしたカメラスクロールも相俟って軽い画面酔いを経験する場面に遭遇することもあった。特に冒険中盤に訪れることになる「トラロカン」エリアにおいてこの影響は著しい傾向にある。
その他にも、ロード画面中のハングアップや最終ボス撃破後~エンディング突入直前でエラーによる強制終了に見舞われるといった事態も実プレイより確認している。ノリノリでステージを進めている時ほど興が削がれ兼ねないので、本バージョンを遊ぶ際はこういった現象が伴うという事実を念頭に置いた上でプレイに臨んで頂きたいところ。
要因としてはマシンスペックとの相性や最適化不足による不具合、連続起動時間の長期化による部分が大きいと思われ、これらの不具合に対して有効な解決策は恐らく無いものと思われるが、こまめにセーブ&ロードを繰り返すのも保険となるはずだ。
なお、上位機種となるNintendo Switch 2をお持ちである方はそちらを介して本作の動作確認を行ってみるのも良いだろう。筆者としてもそこは気になっているところで、本体を入手したあかつきには実際に検証を行い、改めてここに追記させて頂く予定だ。
実際に遊んでみた感想としては上述の問題点がどうしても無視できない事から、Nintendo Switchを介してプレイした場合は”快適なゲームプレイを楽しめる”という上では難あり、といった評価に落ち着いてしまう。ただ、そういった問題点は抱えつつも映像美や丁寧に作られた世界観など、一人でも多くのアクションゲームファンに触れてみて頂きたいと思える一作だ。
Assemble Entertainmentパブリッシング作品らしくe-shopでは9割引きという破格で提供されている機会も多く、セールタイトルをチェックしているユーザーにおいては手に取り易い価格で提供されている点で目に留まり易いタイトルにもなっている。少しでも興味がある方は実際に手に取ってみて完成度を確かめてみると良いだろう。
大自然を冒険の舞台とした、ストーリー重視の2Dアクションゲームをお好きという方は、本作「Itorah」を是非お試しあれ。
評価
個人的スコア(10点満点中) | 7.0 |
---|
良い点
- 精細に描き込まれた高いクオリティの美麗なゲームビジュアル
- 探索型2Dアクションとしてオーソドックスな作り
- 高精度の日本語ローカライズ
惜しい点
- (※Nintendo Switch版)道中ではフレームレートの低下が著しいエリアが何箇所も見られ、プレイ上快適とは言い難い場面に遭遇する事が多い(※TVモードで確認)
- ファストトラベル要素が一切用意されておらず、遠く離れたエリアへの移動に不便さを感じる
- アスレチック的な構造のエリアが多いと同時に、空中制御が困難な操作性が相俟って落下ミスが頻出し易い
©Serkan Bakar ©Dolores Entertainment S.L. Published in JAPAN and Asia by COSEN 基本情報 タイトル […]