Looking Up I See Only A Ceiling 上に天井がある。- 感想と作品解説【レビュー】

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※本記事内で取り扱うスクリーンショットには、恐怖を引き起こす可能性のある要素が含まれています。閲覧の際はご注意下さい。

 

 

基本情報

 

タイトル Looking Up I See Only A Ceiling 上に天井がある。
対応機種 Steam,Nintendo Switch,他
販売 Flynn’s Arcade(Switch版)
開発 Silver978
発売日 2023年3月9日(Steam版)/2024年2月29日(Switch版)
対応言語 日本語,フランス語,ドイツ語,イタリア語,スペイン語,韓国語,ポルトガル語,ロシア語,中国語 (簡体字),中国語 (繁体字),英語
備考 IARCレーティング:12+(恐怖、軽い暴力)

 

作品概要

 

「Looking Up I See Only A Ceiling 上に天井がある。」はイタリアのインディーゲームスタジオSilver978が開発を手掛けるゲーム作品。コンソール版においてはFlynn’s Arcadeがパブリッシングを担当。

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本作はテキストとコマンド選択スタイルで展開するアドベンチャーゲーム。自室で一人、勉学に励む女学生の視点で物語は展開していく。

ある日、朝食を終えて住居内を探索する内、少女は連続的に起こる異変に気づき始めて…?

 

クラシックPC時代からの王道スタイルである典型的な”コマンド型アドベンチャーゲーム”で、Moriko氏が脚本を手掛けるサイコロジカルな物語と、Saineko08氏による淡く繊細なイラストによって描かれる世界観は見所の一つだ。

 

リンク:Silver978(X(Twitter))

リンク:Moriko(X(Twitter))

リンク:Saineko08(X(Twitter))

リンク:Flynn’s Arcade(X(Twitter))

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン コマンドの選択
Lスティック コマンドの選択
Lボタン
ZLボタン
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック リストの上下スクロール
Aボタン 決定、(テキスト進行中)文字の早送り
Bボタン
Yボタン
Xボタン
Rボタン
ZRボタン
+ボタン ポーズメニュー

使用するボタンは実質、方向キー(またはLスティック)、A、+ボタンの3種類のみとなる。本作では『キャンセル』に該当する操作は無し。

携帯モードやテーブルモードでプレイする際には画面タッチによる操作にも一応対応しているが、画面上の各コマンドアイコン(小さめ)を直接押す必要がある。

 

ゲームの進め方

場面毎の状況に応じて、画面右側の黒地部分に少女の独白がテキストで随時表示される。

ゲームの基本的な流れは各部屋を移動しながら、探索パートで画面上に表示される「?」などのアイコンを方向キーで直接選んでAボタンで調べていくスタイルとなる。

ゲーム開始直後には各アイコンの下部に「しらべる」、「うごく」といった具合でそれぞれの機能が表示されるので、これらに倣って選択していこう。

同じアイコンを繰り返し調べることで、新たな手掛かりを発見できることも…?

 

探索モード

GOOD ENDINGに到達することで、タイトルメニューから新たに「探索」を選べるようになる。

これは本編から一転、自宅内を自由に探索可能となり、各部屋を交互に行き来しながら対象をくまなく調査出来る専用モードだ。

基本的な操作は本編と一切変わりはないが、上記モードプレイ中はゲーム内の新たな秘密をどこかで発見することができるようになるのだとか…?

 

プレイ後の感想

「Looking Up I See Only A Ceiling 上に天井がある。」は、Flynn’s Arcadeパブリッシングタイトルとしては初のアドベンチャーゲームとなる。

テキストベースの作品ということで物語の内容には極力触れず、以下では実際のプレイ感や仕様に関する話題を中心とした感想を綴っていく。

(※今回、ゲームキーを提供して下さったFlynn’s Arcade様には、この場を借りてお礼申し上げます。)

 

まずは基本的なゲームデザインについて。

インターフェースに関しては非常にシンプルな構成になっており、ビジュアルを最大限活かす形で画面的な情報はほぼイラストカットと文字の2種類に集約されている。

計11種類もの多数の言語に対応している本作だが、気になる日本語のローカライズはPC用ゲームをメインに多数のタイトルで翻訳を手掛ける@nicolith氏が担当。

自動翻訳と思しきローカライズが多く見られる海外インディーゲーム群の中において、氏の訳文は圧倒的に読みやすく、テキスト上の不自然さは一切感じさせない。

 

一方で、コントローラー操作ベースとなるNintendoSwitch版では、少々操作性が最適化しきれていない印象を受ける。

基本的にはたった3つのアクションから成るごくシンプルな操作方式なのだが、それゆえに少しでも引っかかりを感じた点はどうしても気になりがちだ。

 

取り分け、携帯モード時のタッチスクリーン操作では注意が必要。

画面タッチ操作には一応対応しているものの、対象コマンドの認識箇所が画面上のアイコンそのままの大きさとなっている関係で判定範囲が狭く、押し辛くなっている。

また、単に”指定が可能である”というだけで、選択中のコマンドを決定するには結局ボタンを押さなくてはならず、機能的には不十分といった印象。結論から言えば、Joy-Conで操作した方が早い程である。

 

一度選択したコマンドが記憶されず、同じコマンドを2度、3度と繰り返し選びたい時などは一々カーソルを同じポイントまで指定し直さないといけないのも煩わしさを感じる点だ。

場面によってはデフォルトの指定箇所が場所移動のアイコンに合わさった状態になっており、”ボタン1度押し”の操作で即場面移動してしまう本作ではふとした瞬間に選び間違えて別の部屋へ— といったうっかりも多い。

無駄のないコマンド操作でスムーズに進行したいのであれば、場面毎に初期選択位置をその都度記憶していく必要があるだろう。

 

原題、及び邦題にも含まれている「天井(Ceiling)」という言葉はまさに物語の鍵であり、本作を読み解いていく上でもその秘密を避けて通ることはできない。

実際、少女が暮らす住居の一角、その天井には屋根裏へと続く扉が一つ。まるで家主がその手で開いてくれるのを待っているかのようにそこに存在しているのだ。

 

曰くありげなこの天井は、果たして物語の中においてどんな意味を持つのだろうか?

そして、少女の身の回りで次々と起こる不可解な現象の正体とは—?

思いがけず、奇妙な出来事に囚われてしまった少女の日常を取り戻すためには、本作「Looking Up I See Only A Ceiling 上に天井がある。」を読み解いてみよう。

 

なお、イタリアのファン創作系サイト「EFP」では、脚本を担当したMoriko氏の著作による本作の番外編が公開中だ。

イタリア語で綴られているが無料で読むことができるので、本作に関心を持った方は自動翻訳等を活用して目を通してみるのも一興となるだろう。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 6.5

 

良い点

  • コンパクトなボリュームで、いずれかのエンディング到達だけであれば1時間前後で達成可能
  • Saineko08氏が手掛ける、柔らかく繊細なイラスト&ビジュアル
  • 作中では恐怖演出も見られるが、単に一貫して鬱々とした内容ではなく、前向きな描写も内包した作風である

 

惜しい点

  • 既読スキップ機能が搭載されていない
  • 一度選択したコマンドの位置が記憶されず、同じものを繰り返し調べる際には手元の操作によるカーソルの再指定が必要など一手間がかかる
  • 携帯モードプレイ時は画面タッチ操作にも対応しているが、カーソルの指定しか出来ないなど機能面が不十分

 

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