タコタン:星のタコ ― プレイ後の感想と作品紹介【レビュー】

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基本情報

 

タイトル タコタン:星のタコ(Takotan)
対応機種 Steam/Nintendo Switch など
販売/開発 eastasiasoft(コンソール版)/Joseph Calabro
発売日 2019年5月16日(Steam版)/2020年9月10日(Switch版)
対応言語 日本語,英語,フランス語,ドイツ語,イタリア語,スペイン語,韓国語,中国語 (繁体字)
備考 海外では上記以外の各種プラットフォーム(PS4、PS Vita、X-boxシリーズなど)版も配信されている

 

作品概要

 

「タコタン:星のタコ」(「Takotan」)はゲームプログラマーJoseph Calabro氏が個人で開発を手掛けたゲーム作品。国内コンソール版においてはeastasiasoftがパブリッシャーを担当。

開発者のコメントによると、本作はMonogameやGameMakerをゲームエンジンとして2018年から本格的に開発が進行。完成版としての初出はSteam版で2019年9月に公開。日本国内では後に、Nintendo Switch移植版が2020年9月に配信開始となった。海外では上記以外でも各種コンソール版がDLタイトルとして各プラットフォームのストアにて配信されている。

ゲーム内容はサイドスクロール方式のスタンダードな2Dシューティング。タコタンを操作してエイリアン軍団が立ち塞がる全8面を突破しよう。

 

リンク:Takotan | Joseph Calabro(開発者ホームページ)

リンク:Takotan 星のタコ(eastasiasoft サイト内)

 

ストーリー

 

(本編イントロより該当部引用、及び要約)

 

母なる惑星、地球。

–西暦20XX年–

その美しい大地は、エイリアンの侵略によって失われようとしていた。

 

破滅の瀬戸際へと立たされた人類は、勇敢にも侵略者へと立ち向かうという「最後の希望」にその望みを賭ける

 

人々を救う希望の星となる存在。それは1匹の…タコ。

 

「タコタン!君の力が必要なんだ!」

 

 

 

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン 移動
Lスティック 移動
Lボタン
ZLボタン
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン 回避
Bボタン ショット
Yボタン パワーアップ使用
Xボタン
Rボタン
ZRボタン
+ボタン ポーズメニュー

「タコタン:星のタコ」の操作方式はレトロシューティングスタイルそのままの3ボタンで構成されたシンプルなものとなっている。ショットや取得したパワーアップの使用に加え、敵弾や地形を瞬時に避けることができる「回避」は本作における特に印象的なアクション。

なおボタン配置は一律固定となっており、キーコンフィグは一切行えない点には要注意。

 

ゲームモード

 

「タコタン:星のタコ」のゲームモードは全3種類。初期は「ノーマル」しか選ぶことができないが、ノーマルモード初回クリアで残り2つのモードがアンロックされる。以下で各モードの特徴や違いを解説。

 

アイテム 備考
ノーマル シールド&残機制。シールドの初期値、及び最大値は1,000。初期残機数は3
パニック 被弾一発でアウトの即死モード。ノーマルモード初回クリアでアンロック。
カスタム プレイヤー側で項目ごとに細かく設定をカスタムできるモード。ノーマルモード初回クリアでアンロック。下記で詳しく解説

上表の備考を見ても伝わるように、本作の難度バランスは敵配置や攻撃の激しさなどは一律同じで、プレイヤー側の耐久度設定によって変化する形となっている。

 

難易度「カスタム」では項目選択後に設定項目の専用画面へと切り替わるので、ここで細かく設定を行ってゲーム開始となる。残機数の設定は0機から99機までと幅広く、開始ステージはスタート地点からとボス直前からの内の好きな箇所からスタートが可能など、項目はかなり細かく行き届いている。チャレンジ形式というよりは練習用モードといった装いだ。

 

ゲームシステム

 

シールド

「ノーマル」モードプレイ中、及び「カスタム」モードでの設定時ではシールドシステムが有効化。シールドの最大値は1,000で、被弾によって減少した分はケーキなどのアイテムを取ることで一定量回復。シールドは0になっても生存は可能だが、0状態から被弾した時点でワンミスとなってしまう。

一回辺りのダメージはそこまで大きくないので少しくらいの被弾には比較的耐えることができるが、攻撃が激化する後半ではダメージ判定のある地形が頻出することも相俟って連続で被弾することも珍しくない。下段で紹介している「回避」アクションを上手く使って、極力被弾の機会を少なくしていきたい。

減少したシールドはショートケーキ(回復量80)やボス戦直前などに出現する上画像のアイテム(回復量300)を取ることで回復可能。ケーキは比較的よく出るので見逃さないようにしよう。

 

スコア倍率

敵を連続で倒したり、宝石を取り続けていくことでスコア倍率が上昇、最大で10倍(×10)まで上げることができる。ただし、手を緩めたまま一定時間が経過すると上昇効果が途切れ、初期化されてしまう。

攻撃が激しい中での効果の維持は困難だが、スコアアップのためには積極的に狙っていきたい。

 

回避

Aボタンを押すことでおよそ1秒間、一時的にタコタンが画面奥へと軸を移すことで周囲の各種攻撃や地形への衝突など、あらゆる危険を回避することができる。

使用直後はクールタイムが発動し、画面左下にある緑色の円グラフ型ゲージが1周し終わるまで(約5秒)再使用することができない。移動しながらの回避(方向キーやLスティックと組み合わせる)にも対応しているので、状況に合わせて効果的に、ダイナミックに避けてみよう。

 

ステージリザルト

クリア時のシールド残量はグランドスコア(最終スコア)へと加算され、次のレベル開始時に再び1,000へとフルチャージされる。

残りシールドギリギリであっても生き残ってボスを倒すことができれば、次のステージ開始時に全快状態で挑むことができるのは大きな点だ。

 

リスタート地点について

タコタンが撃墜されると、ステージの進行率によって再スタート地点が変化する。道中だった場合はステージの最初から、ボス戦に突入していた場合はボス戦の最初から(2つ以上のフェーズを持ったボスの場合は第1フェーズから)となる。

「カスタム」モードプレイ時の設定画面では、スタート地点をステージの最初から、もしくはボス戦からと自分で決めることができるので苦手な区間があればこの機能を上手く活用してみよう。

 

武器のパワーアップ

 

「タコタン:星のタコ」ではノーマルショットに加え、様々なパワーアップ用武器アイテムが登場する。

敵編成を撃墜時、たまに登場するティーカップ形状のアイテム(上画像)を取得することで、下記の13種の中からランダムでパワーアップアイテムを獲得。アイテムは手に入れると同時にスロットに入り、Yボタンで装着できる。

スロットに入ったパワーアップアイテムはティーカップ獲得ごとに新たなものに上書きされるので、目当ての武器が手に入ったときは早めに装着しておこう。

 

アイテム 備考

ビッグショット

ノーマルショットより心持大きいサイズの横一直線に飛ぶ弾を発射。

カッター

画面を横に一往復するブーメラン型の弾を発射。連射可能

ボーリングボール

放物線を描くように飛ぶボーリングの球を射出。画面内に最大2発まで発射可能

ニンジャシュリケン

真横一直線に十文字手裏剣を発射。ボタンを1回押す毎に横一列4つ並んで飛んでいく

ヨーヨー

中距離射程。前方にヨーヨーを打ち込む。

ニードル

正面前方に針状の弾を発射する。連射不可

ショットガン

正面前方鋭角に4方向に拡散する弾を発射する

スキャッター

貫通力の高い衝撃波を正面前方に発射。連射不可

プラズマ

シンプルな3WAY弾。連射可能

火炎放射器

中距離射程。口の部分から炎を吹き出す。上下にも判定あり

レーザー

自機前方正面にレーザーを発射。

シールド

1発分ダメージを無効化。被弾すると消滅する

インビンシブル

(※取得時、即座に効果が発動)

タコタンが高速で回転を始め、サイレン(警告音)が鳴り止むまで20秒間全ての攻撃に対して無敵状態になる。効果中は体当たりで敵を倒すことが可能

 

「タコタン:星のタコ」に登場する武器は計12種類とバリエーション豊富だが、「ノーマル」モードでの個人的なオススメ武器は連射に長けたカッター(上画像左)と圧倒的な威力を持つボーリングボール(上画像右)。ただ、後者は放物線を描くタイプの武器で状況によっては扱いづらくなる場合もある。一方、これ以外の武器は連射力や威力、射程面で頼りなかったり、軌道が他の武器とかぶるような横一直線というワンパターンなものが多いため、相手を撃ち落とすという爽快感に乏しいものが多数見られる。

また武器の種類が多彩な反面、いくらステージを進めても同じもの2~3種類が延々出現するループに入って、狙っているものが全然出ないというケースも見られ、全編プレイ時にはあまり色々と試す機会に恵まれにくい。無難にステージを進めていくならひとまず上述の2つが出た時は迷わず回収してみよう。(特にゲームのプレイスタイルにこだわりがない場合は、最悪リスタート機能を利用してステージをやり直してみるのもいい)

使い勝手を確認したい場合は「カスタム」モードで、目当ての武器を選んで使い勝手を確かめてみるのもいいだろう。(その場合は最低でも「ノーマル」モードを1回はクリアしておく必要はあるのだが)

 

サウンドテスト

本編ホームメニュー内の「エクストラ」では「サウンドテスト」を利用することができる。アーケードゲーム成分を含む90年代付近のゲームには大概搭載されていたサウンドテストそのまま、といったインターフェースで、合計で約180曲からなるBGMやSEを自由に再生可能だ。

こちらのモードは最初から利用することはできず「ノーマル」モードの初回クリアがアンロック条件となっているので、まずはゲームクリアを目指してみよう。

 

プレイ後の感想

ここまで紹介してきた「タコタン:星のタコ」だが、自機がタコである点は「パロディウスだ! -伝説からお笑いへ-」、ショットを打つたびに色を変える宝石アイテムは「ツインビー」をそれぞれ彷彿とさせるなど、往年のコナミの人気シューティングゲームのリスペクトを感じる要素がちらほら窺える。

ゲームデザイン自体は80年代後期アーケードゲームのスタイルを踏襲したスタンダードなサイドスクロール方式のシューティングで、「ノーマル」モードや「カスタム」モードの設定によってシールド制にする事で簡単には撃墜されなくなるというゲームデザインは、多少はゴリ押しで進めたいというようなプレイヤーだけでなく、シューティングに慣れてないという初心者にとっても優しい仕様だ。

一方で、初回クリア後に開放される「パニック」モードは従来のシューティングゲーム通りの”1発被弾で即アウト”方式となっており、こちらはまるで別ゲームかと思うほどに難易度が激変。自機となるタコタンは他所のシューティング作品に比べて身体のサイズが大きめな分、全方位から襲ってくる攻撃や地形が障害となって苦戦は必至となるだろう。

 

内容に関しては真っ当なサイドスクロールシューティングなのだが、淡泊で少しインパクトに欠ける印象を受ける。自機の強化要素にオプション型の武装のような副次的な効果を持ったものが登場しない影響で、パワーアップしたショットの軌道の変化や敵を撃って倒すといった爽快感に乏しくとても地味な展開となりがちなのは少々惜しまれる部分。

サウンド面に関しては、夏の海といった趣のステージ1のBGMを始めノリの良いものが揃っている。ゲームクリアでアンロックされるサウンドテストで、SEも含めて各曲をじっくり聴けるのもこだわりを感じられるのは嬉しいポイントだ。(何より、近年のゲーム作品では中々見かけることが少なくなった”サウンドテスト”を隠し要素として搭載しているという辺りは泣かせる点である)

 

ステージ的なボリュームは十分な反面総じてインパクトには欠ける内容、という評価に落ち着いてしまうが、ゲームデザインの大半をJoseph氏一人で手掛けている事や、低価格で手に取り易い、といった部分は好印象で本作において大きく評価されるべきポイントだ。カルトな2Dサイドシューティングプレイヤーは本作「タコタン:星のタコ」を是非遊んでみよう。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 6.5

 

良い点

  • 80年代アーケード風のスタンダードなサイドスクロール方式2Dシューティング
  • クリア後のアンロック要素ながらゲーム内BGM、SEを網羅したサウンドテストが搭載されている
  • プレイヤーのスタイルに合わせた3種類の難易度(初回は最低難易度の「ノーマル」のみ選択可)

 

惜しい点

  • オプションタイプの武装が登場しないため、自機側の攻撃(ショット)がいずれも威力面、画的な面で地味で味気ない
  • 武器各種の威力、性能のバランスに関してはもう少しだけ工夫が欲しいと感じられる部分も
  • 各種アイテムのアイコングラフィックが画面左下に小さく表示される上に、どれがどういう効果を持つものなのか一見では分かり辛い

 

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ステージ紹介

 

「タコタン:星のタコ」は全8ステージで構成。各ステージの最後にはボスが待ち受けている。以下では各ステージの特徴を簡単に紹介していこう。

 

ビーチ

青い空と一面に広がる海が夏の陽気を感じさせるファーストステージ。中盤~後半にかけて連続で寄せてくる高波には要注意!

 

クラウド

雲海の彼方に聳え立つ古代神殿と、次々押し寄せてくる石柱が印象的なステージだ。この辺りから少しずつ回避アクションの重要性が身に染みてくる。

 

アトモスフィア

タコタン、大気圏を飛び出し宇宙へ。後半にかけて延々と出現する移動型コアは、随所で雨のように降り注いでいるエネルギーを防ぐ効果をもつが、一定量を蓄積するとタコタン目掛けて一気に放出してくる。動きを予測して上手くかわそう。

 

スター

大小様々な隕石が漂う宇宙空間。巨大な隕石が様々な方向から飛んでは、画面外へと消えていく。一応破壊も可能だが、固執し過ぎると余計なダメージを追うことになり兼ねないので深追いは厳禁だ。

 

アウトポスト

エイリアン軍の前哨基地。このステージで特に印象的なのがインパクトある表情で迫ってくる顔面型の敵機(上画像)。大小2タイプがあり、大型のものは比較的簡単に沈む反面、小型のものは撃っても撃ってもなかなか倒すことができず、延々と纏わりついてくる厄介な相手だ。

 

マザーシップ

敵軍の母艦へと突入したタコタン。後半に見られるネオン風標識は、上に乗ると矢印の方向へと強制的にタコタンを運んでいく。障害物と混在して登場する場面も多く、衝突の危険性が高い。回避を上手く使って確実にかわしていこう。

 

コア

敵母艦の中核へと潜入したタコタン。最低限の通路を除くと一面多数の外壁に覆われており、回避アクションの使用を要求される。

背景BGを除いた画面内に映るほとんどのオブジェクトは接触すれば須らくダメージを受けるので、通れる箇所をしっかりと見極めよう。

 

グレートエスケープ

中核を破壊し、あとは母艦から生還するのみ。最終ステージとなる「グレートエスケープ」では道中、敵は出現しないがタコタンの脱出を阻む罠が待ち構えている。

そしてその先で、タコタンを待ち受けるのは―?

 

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