アイ・ネット・マーダーマジック ー プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

スポンサーリンク

©2025 Renka

 

基本情報

 

タイトルアイ・ネット・マーダーマジック
対応機種Steam,Nintendo Switch|2
販売Renka
開発Renka
発売日2025年1月14日(Steam版)/2026年8月13日(Switch版)
対応言語日本語, 英語, 韓国語, 中国語 (簡体字), 中国語 (繁体字)

Nintendo Switch 2(日本語・国内専用)では日本語でのみプレイ可能。ただし、一部、ソフト内で言語を変更できる場合有り。

備考IARCレーティング:7+(恐怖を引き起こすコンテンツ)

 

作品概要

 

「アイ・ネット・マーダーマジック」は個人ディベロッパーのRenka氏が開発、販売を手掛けるゲーム作品。

本作のゲーム内容は動画配信を題材とした、ローグライク育成ゲーム。プレイヤーの目的は何らかの陰謀により殺された配信者のマネージャーとなり、AIの技術によって彼女を「復活」させる事だ。

 

開発者であるRenka氏は2022年配信の「サンセット・ルート」を始め、これまでに10タイトル以上のゲーム作品をSteamでリリースしている。今回紹介するNintendo Switch版「アイ・ネット・マーダーマジック」は2025年にSteamでリリースされた同名作の移植版となる。

作中のプレイヤーの役回りはAI配信者「K」の裏方として立ち回る事で、およそ4週間弱という限られた期間を通じてライブ配信や動画投稿を行い、再生数&フォロワー数を増やしていくのがプレイ中の大きな目標となっている。

また、会話劇中心で展開していくドラマ的な構成と、トーンの抑えられたビジュアルやローファイスタイルのチルいBGMによるアンニュイな雰囲気を伴う作風にも要注目。

 

リンク:Renka(X(Twitter))

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
Lスティックカーソル操作
方向ボタンカーソル操作
Lボタン
ZLボタン
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン決定、テキスト送り
Bボタン前の画面に戻る
Yボタン
Xボタン
Rボタン
ZRボタン
+ボタン

※携帯モードでのプレイ時はスクリーンタッチによる操作に対応。同時にコントローラー操作との共用も可能となる。

 

ゲームの進め方

 

HLPとフォロワーについて

本作では”HLP”*と”フォロワー”という2つのパラメーターが重要な位置を占めている。

作中の主な目的は後者の”フォロワー”をとにかく増やすのが目標となっており、その上で重要となのが前者の”HLP”というパラメーターになる。

(*Human Level Performance。「人間レベル」を示しており、画面左上では小文字の略称で表記。)

 

HLPは後述の「データセット」各種をセットメニューで配置した際、その組み合わせによって合計値が増減。この数値は一旦配置が完了した後は、各種セットの組み合わせ(場合によっては配置も)を変えない限り維持される。

一方フォロワーは動画投稿などを行った特定のタイミングで上昇していく。フォロワーが少ない初めの頃は増え方も極緩やかだが、動画投稿を始めとした各種活動を積極的に行う事で指数関数的に大きく伸ばすことも可能となっている。

物語の結末の分岐条件にもなっているので、30日という限られた時間をフル活用して大量のフォロワーを獲得しよう。

 

画面下部メニューの見方

画面内下部には以下の6種類のボタンアイコンが常時表示される。

それぞれのアイコンにカーソルを合わせてAボタン(携帯モード時は直接タッチでも可)でメニューUIを展開。ただし、ゲーム開始冒頭ではこれらの機能は制限されており、チュートリアルを介して一定のタイミングから段階的に使用可能となる。

 

ゲーム内1日の流れ

 

本編は配信者である『K』とそのマネージャーであるプレイヤーの視点を中心とし、7月1日を起点に30日間までの活動が描かれる。

ゲーム内における1日は以下の3つのスケジュールを順にローテーションで進行していく。

時刻(ゲーム内)ゲーム内での活動
16:00配布データセットの選択、配置
19:00配信者の活動サポート(度胸訓練、動画作成、ライブメンテ、プロモーションなど)
04:00(28:00)1日の成果の発表(統計データの確認)

 

夕刻(データセット選択と配置)

AI配信者である「K」は調整のため、幅広いデータを必要とする。

1日の初めに行うのがデータセットの収集で、ランダムな効果のものが毎回3種類配布される。これが本作のジャンル名にローグライクと付される作中理由の1つだ。

配布テーブルは特に定まっておらず、全く同じ効果のものが2つ同時に登場することもあれば、低確率で”レア”なデータセットが登場することもある。3つの内から1つだけ選んで「決定」しよう。

 

手に入れたデータセットはそのままでは何の効果も発動しない。魔法陣デザインが施された専用メニューを通じて最大6つの専用スロットに1つずつ当てはめることで効果が発揮される仕様となっている。

データセットの装着は画面下に並べられた未装着状態の各データセットの上でダブルタップ、もしくは魔法陣上の空欄スロットにドラッグ&ドロップで直接投入する形で行われる。

(コントローラー操作の場合は任意データセットにカーソルを合わせた状態でAボタンを2回押し、もしくはAボタン長押し状態を保ちながらカーソルを空欄スロットまで持って行ってボタンを離す操作となる)

 

魔法陣中央の大きな数字はHLPの合計値を示しており、この数値は装着したデータセットの種類や置き方によって増減する。ゲームプレイ中は画面左上のhlp表示からいつでも確認が可能だ。

基本的には数値を大きくすればするほど効果は増大するが、チュートリアルによれば数値が200を上回ると効果の上昇幅が緩やかになる傾向にあり、なるべくそれ以下の範囲に抑える事を推奨している。

 

また、各データセットのアイコンに対してタッチによる直接指定、もしくはカーソルを置くとポップアップ形式で効果の詳細が表示される。(上画像)

データセットは配置にも意味を持つものがあるため、手に入ったものを片っ端から適当に置くのではなく、一つ一つの詳細な効果を確認しておこくことも重要となる。

試行錯誤を経て配置が完了したら、メニュー右下の「決定」をタップして先に進めよう。

 

配信の時間(行動スケジュールの選択メニュー)

データセットのセッティングが終わったら、続いて午後に行う活動を決定する。

選択可能なメニューは3種類の度胸訓練、事務所での動画制作といった外出用メニュー、ライブメンテ、プロモーション、データセット収集、休息といった在宅メニューの計8つ。この中から1つを選択して実行する。

メニュー名用途、効果
外出度胸訓練・その1特別なデータセットを獲得(※翌2日間の行動に制限が課される)
度胸訓練・その2特別なデータセットを獲得(※翌2日間の行動に制限が課される)
度胸訓練・その3特別なデータセットを獲得(※翌2日間の行動に制限が課される)
事務所(動画制作)動画の制作(※要 未装着のデータセット各種)
在宅ライブメンテデータセットを1つ選んで獲得可能
プロモーションランダムで特定のバフ効果を得られる
データセット収集データセットを追加
休息その日の活動は行わず、休息する

 

上記メニューの内、度胸訓練各種を選んだ場合は、翌日、翌々日の行動に制限がかかるので注意が必要。より具体的には、外出メニュー各種は2日後、「休息」を除く在宅メニュー各種は1日後でないと自由に選ぶことができなくなる。

また、チュートリアルでもアドバイスがあるように、動画制作はなるべくデータセットがある程度集まった段階でまとめて行うのが良いだろう。

 

事務所(動画制作)について

ゲーム内でフォロワー数を伸ばす上で、重要となる運営活動の1つが動画制作だ。以下では作中での動画制作の仕組みと投稿までの流れをチュートリアルでの例を通じて紹介。

動画制作は各日の配信時間(ゲーム内19:00)の行動選択メニューから、「4.事務所(動画制作)」を選ぶ事で実行に移すことができる。

 

操作としてはデータセットの装着時同様、メニュー下部に並んだ候補から1つ選んでドラッグ&ドロップ、または2回タップで選択が完了する。

制作には動画1つにつき未装着のデータセットが1つ必要となる。使用するデータセットの種類は不問で、使う予定のないものであれば一般のものでもレアでも構わない。

ただし、動画制作に使用したデータセットは動画の投稿に伴い消費する点には注意が必要。

 

データセットの選択を終えるとその結果、どういった動画が完成するのかのプレビューが表示される。この時注目したいのが動画の”タグ”(上画像黄色囲み)だ。

タグは「共通」、「ゲーム」といった風にテーマ毎でいくつかの種類に分かれる。タグ毎に視聴者層は異なるが、投稿動画全体の内、同じタグを持った動画の比率が一定以上になることで、Kのアカウントもタグ付けされるようになる。この状態に入った際、タグに関連した内容を投稿することで、再生数を大きく稼ぐことができる。

ただし、同じデータセットを使い続けると効果は薄れていくので、偏りは持たせずに、同一タグを持った色んなデータセットを使う事が推奨される。

 

1日の評価

1日の終わり(ゲーム内では日付変更後の午前4時)に毎回、ライブの視聴者数やフォロワーの増加などの各種データと照らし合わせた統計の発表が行われる。

統計データは折れ線グラフの形式で表示され、「デイリー」や「傾向」といった画面上部の6種類の各項目をインタラクトすると、それぞれの表示方式に切り替える事が可能となっている。

データ確認を通じて動画の再生数やフォロワー増減の傾向を掴み、翌日以降の行動のための指針として活用していこう。

 

その他の要素

本作にはゲーム本編に直接関わらないいくつかのサイドコンテンツが存在する。

以下の3つが該当しており、いずれも下部メニューの対応ボタンを押すことでポップアップ方式で画面内に表示される。

(※メニューの各ボタンについては「ゲームの進め方」項の「画面下部メニューの見方」を合わせて参考の事)

 

カメラ?

下部メニュー一番左のボタンを押す事で起動。

配信者であるKの様子を配信用とは別のカメラを使って確認することができる。

チェック時の大半は同じ画角で映されるが、時間帯によって時々変化する事も―

 

サウンドプレイヤー

下部メニュー左から二番目のボタンを押す事で起動。

サウンドプレイヤ―を呼び出し、ゲーム内BGMを選んで視聴することができる。プレイヤーのメニュー操作については、一般的な音楽プレイヤーに準拠した各ボタンへのインタラクト操作を通じて行う。

視聴可能な全20曲のBGMはゲームプレイを通じて一度でも流れたものが対象となるが、初周のプレイでは「18.Midnight Drive」(上画像)という1曲(プレイ中に背景で流れているのとは異なる曲)しか選ぶことができない。

また、各楽曲の解放条件は上述の通りだが、最低でも本編を1周クリアしないと自由に選曲できないという制限がある点にも注意。

 

ミニゲーム

下部メニュー右から二番目のボタンを押す事で起動。

画面右側に向かって自動で走行するペンギン(?)を自機としたミニゲームで、画面UIを直接タッチすることでペンギンがジャンプする。(コントローラー操作の場合はUI上にカーソルを置いた状態でAボタンでジャンプ)

時々登場するピクトグラム人間をジャンプでひたすら避ける内容となっており、回避の成功数が50に到達すると何かが起こる…?

 

プレイ後の感想

裏方として配信者を支えながら、連続殺人事件の犠牲者となったKの死の真相を追う——そんな独特な切り口を持つローグライク作品『アイ・ネット・マーダーマジック』。

本作は「配信者の運用」という一風変わったコンセプトを掲げているため、こうした界隈に馴染みのない人にとっては一見取っ付きにくく感じるかもしれない。

 

しかし実際にプレイしてみると、そこまで複雑なゲームシステムというわけではなく、作中の目的は「フォロワー数を増やすこと」一点に集約されているため、やるべきことは意外とシンプルだ。

ゲーム冒頭には任意で確認できるチュートリアルが用意されているが、流れを掴む意味でも、初回は深く考えず、プレイヤーの思うままに進めてみるのがおすすめだろう。

 

一方、Nintendo Switch版でプレイする場合に気になったのが操作にまつわる部分だ。

ゲーム進行に関するチュートリアルは実装されている反面、ゲーム内にはボタンコンフィグを含めた操作に関する説明が一切含まれていない。

 

そして、本作では基本的にTVモード=コントローラー操作でプレイする場合、スワイプなどの一部の操作が制限される形となる。

顕著なのが作成動画リストのUIメニューで、同メニューにはスクロールバーが備わっておらず、コントローラーの場合はスクロール操作が行えないといった問題を抱えている。

このため、作成した動画が10を超えている際に11個目以降の動画を確認するには、必然的に携帯モードでのスワイプ操作が必要となってしまう。

 

また、携帯モードでプレイする場合は実画面サイズと解像度の関係でUI上の各ボタンアイコン表示が小さくなることから、プレイヤーの指の大きさによって押し辛さや反応の悪さといった懸念が生じる。

元がSteamを中心としたPC向けタイトルとしてリリースされた作品である以上止むを得ないところもあるが、この移植版の操作性に関しては”今一つ痒いところに手が届かない”印象を抱いた。

 

1周辺りのプレイ時間は1~2時間程度とかなり軽め。本作はマルチエンド方式になっており、計3種類の結末における分岐条件は一口で言えば最終的なフォロワー総数にかかっている。

真相エンドでは100万以上ものフォロワーが必要となるため、計画的に進めなくてはならない。難しい、と感じる方はSteam版の掲示板に攻略記事が立っているので、そちらを確認してみるのも良いだろう。(※要翻訳)

 

物語の背景に抱えるサスペンス性を伴った作風とはどこか対照的な、水彩画タッチの儚げなゲームビジュアルとローファイなチルサウンドが織り成すリラクゼーションな雰囲気も要注目ポイント。

「Renka氏が紡ぎ出す独特のタッチを伴うシリーズ作品が好き」、「現代的なテーマを題材としたゲーム作品に興味がある」、という方は本作「アイ・ネット・マーダーマジック」をお試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中)7.5

 

良い点

  • AI、動画配信、フォロワーの獲得など、現代的なテーマや文化を取り入れたゲームデザイン
  • 青いトーンを基調としたゲームビジュアルやローファイテイストのBGMを伴うリラクゼーション且つアンニュイな作風
  • ストーリー性の強い作品だがテンポ良く進行する構成により、1周につき1~2時間程度でクリア可能

 

惜しい点

  • 物語の展開は時にドラマチックに転じるが、ゲームプレイ自体が淡々としている分、全体として起伏に乏しい印象を抱く懸念も
  • (※Nintendo Switch版)プレイモードによって使用できない操作がある(例えばTVモードでプレイする場合、スワイプなどの一部操作が利用できない)
  • (※Nintendo Switch版)UI上のボタンアイコンが全体的に小さく、携帯モードでのプレイ時はコントローラーと併用しないとスムーズな操作が難しい

 

関連記事

©2025 Kazuhide Oka©2025 KAMITSUBAKI STUDIO  基本情報 タイトルガールズメイドプディング対応機種[…]

 

 

スポンサーリンク