美少女戦士セーラームーン(ゲームボーイ版) ~人気変身ヒロインテレビアニメのゲーム化第1弾

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タイトル 美少女戦士セーラームーン
対応機種 ゲームボーイ
販売/開発 エンジェル/同左
発売日 1992年12月18日
備考 同名漫画、及びテレビアニメを原作にしたゲーム作品。ストーリー的にはほぼテレビアニメ版準拠で、ジェダイトとの戦いを描くまでのエピソードがベースとなっている

 

©竹内直子 講談社 テレビ朝日/東映アニメーション

 

 

セーラー戦士たちの戦いを描いた変身ものヒロイン作品の国民的タイトル

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本稿にて紹介する「美少女戦士セーラームーン」はエンジェルから発売されたゲームボーイ用ソフト。原作は同名漫画、及びテレビアニメ作品で、1990年代に幼少期~10代を過ごした方なら誰もが馴染みがあるであろう、なかよし連載漫画原作の変身ヒロイン作品だ。

ゲーム化作品としての第1作はゲームボーイで登場。以降にリリースされるスーパーファミコン版、Super CD-ROM²版よりも一足早くに、”セーラームーンのゲーム作品”として登場することとなった。

 

原作について

テレビアニメ第1作目となる「美少女戦士セーラームーン」では、ドジで泣き虫なヒロイン月野うさぎが黒猫のルナの導きを得て月の戦士セーラームーンに変身。後に他のセーラー戦士たちとの出会いを果たし、彼女たちにとっての大敵となるクイン・ベリルに立ち向かっていくといったストーリーになっている。

作中、ヒロインの変身バンクにおける決めゼリフである「月にかわっておしおきよ!」はあまりにも有名で、キャッチー且つ美麗でスタイリッシュなセーラー戦士たちのコスチュームのビジュアルも含め、いまや国内外問わず広く愛されている作品だ。

TVシリーズは好評を受け、第1作目以降も「R」「S」「SuperS(スーパーズ)」「セーラースターズ」の全5作が作られており、5年という長期に渡って放映。アニメ作品としては上記の5作以降、2014年には完全新作となる「美少女戦士セーラームーン Crystal」がWeb上で先行配信。後にTVでも放映された。

 

テレビアニメのエピソードをピックアップし、コンパクトにアクションゲーム化

 

ゲームボーイ版のストーリーは基本的にTVアニメ第1作目の初期エピソードを簡潔になぞった展開となっており、視聴した事がある方にとってはお馴染みのキャラも複数登場する。

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ゲームボーイカラー登場前の時期にリリースされたゲームボーイタイトルであるために全編モノクロ作品ではあるが、キャラクターのカットシーンにおけるグラフィックの質は高く、アニメ版にも忠実だ。

 

アドベンチャーパート

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ゲーム本編ではうさぎが住む麻布十番を舞台に、クイン・ベリルが人間たちからエナジーを集めるべく放った配下の妖魔を捜索するアドベンチャーパートと、行方を突き止めた妖魔を倒す目的のアクションパートが各ステージで交互に展開していく。

両パート共にAボタンでジャンプを繰り出せる(ジャンプ自体はアドベンチャーパードではほとんど意味を成さないアクションではあるが)が、跳躍時にうさぎのテールのおさげ髪が揺れる、といったこだわりの動作にも注目したいところ。

 

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基本は両モード共に左右スクロールのアクションシステムで、アドベンチャーパートでは各施設に入ったり、通行人との会話で手がかりを得ていくといった操作で進行。

作中人物として、うさぎのクラスメイトの大阪なる、海野ぐりお、担任の桜田先生などのお馴染みのキャラも登場する。

 

ステージ1の麻布十番では本編から脱線したちょっとした遊び要素も

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ステージ1の舞台となる麻布十番限定だが、作中の面白い要素として占いのお店の「おまじない」というものがある。4種類のカテゴリの中から1つを選択し、選んだ分野で色々な「おまじない」を複数教えてもらえるといったものだ。

「おまじない」なので効くかどうかは試す当人の解釈次第なところではあるが、筆者としてはゲーム内の一コンテンツとして比較的珍しく、面白いアプローチだと感じたため今回併せて紹介させて頂いた。

 

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麻布十番でもう一つの遊び要素がゲームセンター。アニメ本編でもゲームセンターの店員として登場する元基(もとき)お兄さんがオススメしてくるのは「セーラーV」のゲームだ。

 

ミニゲーム「セーラーV」

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セーラーVはうさぎが憧れる謎の美少女戦士(その正体についてはここでは割愛)という設定だが、実際アニメ本編でもこのセーラーVのゲームはとあるエピソードでうさぎや同じ中学に通う(水野)亜美等がゲームセンターで興じる光景が観られる。

ゲーム内でのセーラーVゲームは、制限時間内に山積みになったハンバーガーをだるま落とし形式で全て崩せばクリアといったミニゲームで、本編には何のかかわりもない息抜きコンテンツだが、これも原作再現の一環の1つとして見ると面白い部分だ。

 

調査が核心に迫ったタイミングで変身、アクションパートへ移行

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アドベンチャーパートに妖魔の行方を探る調査中、随所でうさぎのパートナーである黒猫のルナが注意を促してくれるのだが、 調査の核心に迫った場面では画像のようにセーラームーンに変身するよう伝えて来る。

この流れに入ると、いよいようさぎの変身シーンへ。

 

f:id:stgk:20191128180110p:plain 「ムーン プリズムパワー メイクアップ!」

上記の掛け声で始まるセーラームーンの一連の変身バンクについても、アニメと同じカットをゲームボーイ上で再現。

この演出の挿入後は妖魔の調査を行うアドベンチャーパートからステージ後半戦、妖魔達と戦うアクションパートへと移行する。

 

アクションパート

 

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アクションパートは道中とボス戦の2つのフェーズに分かれている。本作のアクションパートにおいてのセーラームーンの攻撃手段は地上、及びジャンプ中に放てる蹴り技のみが用意されており、これらの技のリーチや攻撃判定を把握できていない内は敵への接触や被弾の機会も多くなりがちだ。

ライフ&残機制となっているため一定回数のダメージこそ凌げるが、上下左右から次々に画面狭しと襲って来る妖魔達を蹴り技だけで捌き切るのは中々にシビア。初回プレイではステージ1からも、決して気を緩めることができない難易度と感じること必至なので要注意だ。

 

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道中パートを突破すると、ステージボスとの会話シーンとなるインターバルが挿入。この後はボス戦へと突入する。

 

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ボス戦でのセーラームーンのアクションもやはり各種蹴り技だけで戦うこととなる。道中の敵と違って各ボスはそれぞれ特徴のある攻撃で迫ってくるので、何度も戦ってパターンを覚えることが撃破への第一歩だ。

 

タキシード仮面登場

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ボス戦後(時々ボス戦直前にも)にはセーラームーンを陰で見守る謎の紳士、タキシード仮面が登場。彼はゲーム内で一緒に戦ってくれるキャラクターというわけではないのだが、一人で妖魔と戦うセーラームーンを激励してくれるという役割のキャラクターだ。

ここまで記したように、各ステージはアドベンチャーパート→アクションパート終了といった流れを経てようやくステージクリアとなる。

 

コンティニューの仕様には若干難あり。中断/再開機能が欲しくなるかも?

 

本作では万一、アクションパートで残機が全部尽きてしまった場合もコンティニューが用意されているが、本作のコンティニューはゲームオーバーとなったステージの最初から― つまり、アドベンチャーパートからやり直しとなってしまう。一応同じステージからやり直せる意味では救済システムであることには違いないのだが、単純にアドベンチャーパートを全く同じ道のりを辿りながらやり直しすることになるのは、今の時代にプレイする分にはやや苦痛に感じられる。

その上でパスワード、バックアップといった途中経過の保存&再開といったシステムは本作には搭載されておらず、電源を切ればまたステージ1からのやり直しとなる。1周クリア後は自由に遊びたいといったプレイヤーに向けて、せっかくならばせめてどちらかの機能を搭載して欲しかったところだろうか。

 

アクションゲームとしては粗削りな部分もあるが貴重なファンゲームの1本として

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セーラームーンのゲーム作品は本作以外にもベルトスクロール、対戦格闘アクション、対戦パズル、デジタルアドベンチャーなど、過去に多数のプラットフォームでのゲーム化が行われており、その作品数は決して少なくはない。

ゲームボーイ版はそんな中で作中での焦点を終始、月野うさぎ/セーラームーン一人にのみ絞ってある点、アドベンチャーとジャンプアクションを兼ね備えたシンプルなアクションゲームであるという二点で見た場合は、唯一無二の作品であると捉えられる。

上記で挙げた他のプラットフォームで展開した各種セーラームーンのゲーム作品と比べると、ゲームボーイ初期ならではのモノクロ画面の一人用アクションゲームという非常にストイックなタイトルではあるが、ゲームボーイ黎明期のキャラゲーム作品としては上手くまとまっているという印象だ。

作品のディープなファンアイテムとしてだけでなく、レトロなキャラクターアクションゲームを探しているプレイヤーに向けてのコレクション用タイトルとしても、気にかけておきたい1本として本作を紹介させて頂こう。

評価

 

個人的スコア 6.0(10点満点中)

 

良い点

  • ゲームボーイ黎明期の作品ながら、テレビアニメ版初期のエピソードと世界観を上手くゲーム化している
  • 占いやセーラーVなど、メインとなるファン層を意識した内容のミニゲームの導入
  • ワンプレイの所要時間が短めで、気軽に遊ぶことができる

惜しい点

  • 移動が徒歩に限定される上にフラグ回収のために各エリアを往復する事になるアドベンチャーパートが煩わしく感じられる
  • アクションパートの難易度がかなり高く、戦闘が発生しないアドベンチャーパートとの落差が激しい
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