商品情報:ピットフォールGB
対応機種:ゲームボーイ
販売:ポニーキャニオン
開発:Crave Entertainment Inc,
発売日:1999年5月28日(日本版)
ゲームボーイカラー対応
Pitfall:Beyond the Jungle
TM & ©1998 ACTIVISION All Rights Reserved
Published by PONY CANYON
Under Licensed from Crave Entertainment,Inc.
©1998 Crave Entertainment, Inc.
長い歴史をもつ探検ACT「ピットフォール」が、プレイステーション版作品を下地にゲームボーイに登場
「ピットフォールGB」はACTIVISION社の「Pitfall」シリーズタイトルの1つで、直近に販売されたプレイステーション用ソフト「ピットフォール3D」(「Pitfall:Beyond the Jungle」)を原作としたゲームボーイ用作品。
同シリーズの歴史は古く、第1作目はアメリカのゲームコンソールAtari 2600から1982年にリリースされた「Pitfall!」。本国での知名度は高く、同機においてのキラータイトルの1つとして数えられているほど。
日本向けにリリースされたタイトルでは今作以外にファミリーコンピュータ用ソフトとして「スーパーピットフォール」(日本版は本作と同じくポニーキャニオン発売)などがリリースされている。
年代、及び機種ごとにゲームデザインは多少異なるが、ゲームボーイ版の内容は探検家のハリーを操作して道中の宝石、金塊などを集めながら計5ステージを突破していくといったステージクリアタイプのスタンダードなジャンプアクションゲームだ。
比較的コンパクトにまとめられた操作アクション、2種類のジャンプとピッケルの使い方がコツ
「ピットフォールGB」での操作方法は以下の通り。
直感的に使える操作ばかりで構成され、シンプルなアクションにまとまっている。
操作方法
十字キー:移動
下キー:しゃがむ
Aボタン:ジャンプ
Bボタン:ピッケル
Aボタンによるジャンプは2種類あり、1つは左右移動中に押すことで繰り出せる単距離ジャンプ。
足場から足場へと移動する際に利用出来るジャンプアクションだが跳躍の高度が低く、高い場所に飛び移るのには不向きとなる。
もう1つのジャンプアクションは、立ち状態のままその場でAボタン入力することで繰り出せる垂直ジャンプ。
前述の短距離ジャンプとは逆に、こちらはハリーの身長程度の高さがある崖上へと飛び移りたい時に重宝する反面、横方向に対する移動補正はほとんどない。
うっかり短距離ジャンプと間違えて出してしまわないよう注意したい。
Bボタンでピッケルによる攻撃アクションを利用可能。
ピッケルは立ち、しゃがみ状態の時にそれぞれ繰り出せるが、攻撃で利用する上では振り降ろす初動がやや遅め。
そのため慣れない内はこちらから敵に近づいた後、接触しないよう相手にピッケルを命中させるタイミングがほんの少し難しい。
作中、ハリーの攻撃手段はこのピッケルしかないので、攻撃のタイミングには慣れておきたいところだ。
ピッケルは攻撃以外にも特定ステージに登場するギミック(上画像右のオブジェクト)に引っ掛けて、振り子移動を可能とする役目も持っている。
通常、ジャンプ中にピッケルは振ることはできないが、ギミックに接触するかしないかくらいの距離でBボタンを押すとピッケルを引っ掛けるアクションが発動する。
引っ掛けた後は、タイミングを見計らってAボタンを押して前方へジャンプ。
具体的には一番手前へと振られた時に押すのがジャストのタイミングとなる。
引っ掛ける際も、飛び移る際もタイミングがわずかでも狂えばそのまま崖下に真っ逆さま…といったケースは多いので、よく見計らってボタンを押すのが重要だ。
なお本作のハリーの耐久性についてだが、ライフゲージを表す「HEALTH METER」の残量に関係なく画面縦1/2くらいの高さから落下すると問答無用で即死する。
全編通して平地の少ない本作においては、基本的に身長以上の高さからの落下=死と考えてほぼ間違いない。
足場から足場へと飛び移る時はくれぐれも慎重に行おう。
ジャングル、氷の洞窟、火山 etc…多彩な舞台が展開していく全5ステージ
「ピットフォールGB」のステージは全部で5ステージ。
ゲームボーイカラーでプレイする事でステージ紹介のビジュアルを含め、彩り豊かなグラフィックで各ステージを楽しむことができる。
ステージ1:ジャングル
1面からアスレチック要素が豊富なので、ジャンプやピッケルアクションの感覚はこの段階で早く慣れておきたいところ。
振り子移動をする蔦に捕まって移動する場所では、飛び移るタイミングが重要だ。
ステージクリア後にはリザルト画面へと移行。
倒した敵や回収したアイテムの数ごとにスコアが加算される。
途中経過を記録するパスワードも表示されるので、必要に応じてメモしておこう。
ステージ2:氷の洞窟
上述のピッケルをひっかける振り子型のギミックはこのステージで登場する。
他にも突如吹き出す水蒸気や上に載ると前方へと滑る氷の床など、道中も気が抜けないギミックが多数待ち受けている。
ステージ3:火山
火山ステージでは炎が噴き出す床やベルトコンベアー型の足場など、ステージ2とよく似たギミックが多数登場。
ファイアージンなどのいかにも火属性といった佇まいの敵も見られる。
ステージ4:牢獄
牢獄といった雰囲気には見えないステージだが、難易度は作中最高峰。
短い間隔で電撃が飛び出す柱など、回避タイミングがシビアなギミックが多い。
ステージ5:死神
最終ステージの「死神」はこれまでのステージと異なり、専用エリア内で死神との一騎打ちとなる。
4箇所の足場が機能を失う前に、死神をピッケルで攻撃して打ち倒そう。
ゲームボーイ後期の高水準なグラフィックが魅力的、海外産アクションながらも程よい難易度
「ピットフォールGB」はステージ数が全5面と抑えめのボリュームで、これは当時の携帯ゲーム機であるゲームボーイ用アクションとして見るならば返って程良いステージ数であると捉えられる。
各ステージをプレイしてみての感想は、敵配置や地形ギミックがややシビアなバランス調整になっていると感じられた。
取り分け落下死によるミスはプレイ中、特に多く味わうシチュエーションとなるだろう。
操作性についてはいずれのアクションもモーションが滑らかでよく動くため、比較的快適。
しかし上述通り落下ミスを起こしやすいステージデザインになっているため、操作の正確さは重要な部分となる。
また本作にはコンティニュー機能が一応は搭載されているものの、1プレイにつきたった1度しか利用できないという制約があり、全面通しプレイにおいてはここは若干心許ない点。
パスワードコンティニュー機能もあるので、全面クリアを目指す上ではコンティニューと併せて積極的に使っていきたい。
国内コンソール機ではあまり目立った展開はしていないシリーズのため、ややコア寄りなタイトルに分類されそうな1本ではある本作「ピットフォールGB」だが、ゲームボーイ上でプレイ可能なストイックで程よいボリュームのアクションゲームとして楽しめる。
海外産らしいサイドビューアクションを味わいたい方は手に取ってみてもらいたい。
まとめ
良い点:
・ゲームボーイカラー、スーパーゲームボーイでプレイすることで発色の良いカラーモードで楽しめる。
・コンソールゲーム黎明期に登場していたこれまでの同シリーズに比べ、アクションゲームとしても大きく進化。
・全5面と携帯機向けステージ型アクションゲームとして手頃なボリューム。
惜しい点:
・ピッケルによる攻撃モーションのクセや当たり判定が狭いため、敵キャラとの交戦においては心許なさを覚える。
・わずかな高さからの落下でミスとなることも要因として含め、落下による死亡要素が異様に多い。
・一応スコア制を採用しているものの、あまりゲーム内容に作用していない印象を受ける。