ソードマニアック ~ハードな世界観で展開するソードアクションゲーム。魔剣使いの刑事・ギアの孤独な戦いを刮目せよ

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©1993 TOSHIBA EMI/DEVELOPMENT BY WINDS

 

 

基本情報

 

タイトル ソードマニアック
対応機種 スーパーファミコン
販売/開発 東芝EMI/WINDS
発売日 1994年2月11日
補足 海外版タイトルは「X-Kaliber 2097」。北米はACTIVISION、欧州はSony Imagesoftが販売を担当

 

作品概要

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「ソードマニアック」は東芝EMIから販売されたスーパーファミコン用タイトルで、内容は可変型スクロールのサイドビューアクションゲーム。2047年のNEW NY(ネオ・ニューヨーク)を舞台に、合衆国からの要請を受けた刑事「ギア」がジーク・ダイン率いる国家「犯罪帝国ジーク」を相手に戦いを挑んでいく近未来風バイオレンスアクションとなっている。

 

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電源投入後はビジュアルカットによるオープニングデモ(約2分)が流れる。作品のテイストは90年代のOVAテイスト溢れるハードアクションタッチな作風そのもので、魔剣を操る孤高の主人公キャラクターを操作して突き進む、といったスタイルは一連のアクションゲーム好きにはたまらない設定だ。

 

ゲームモード

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「ソードマニアック」ではギアを操作する一人用ストーリーモードのNORMAL MODEと、作中登場ボス達も交えて1vs1の対人モードで楽しめるVS MODEの2種類のモードが楽しめる。

NORMAL GAMEモードの基本システムはライフ制、残機制、制限時間制をそれぞれ搭載した全6ステージ制のスクロールアクションゲームで、魔剣の使い手「ギア」を操作して人造兵器軍サイバーダイン達を退けながら、首領ジーク・ダインへと迫っていく。

VSモードはギアと各ステージボスから1人を選択して1vs1で対戦するといった内容のほぼオマケ同様のゲームモードなので、今回記事では紹介は割愛。本記事では以降、NORMAL MODEについて紹介していく。

 

オプション(環境設定)

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タイトル画面でOPTIONを選択すると各種設定が可能。DIFFICULTYでは難易度の設定が可能で、VERY EASYからEXPERTの計6段階が用意されている。LIVESで残機数を、CONTINUESではコンティニュー回数をそれぞれ設定可能だ。(それぞれ最小は1、最大は5。コンティニュー回数は0に設定する事も可能)

本作は操作感がやや独特で、その影響もあり低難易度でも比較的高い難易度に感じやすい傾向にある。慣れない内は残機、コンティニュー共にお世話になることも予測できるので、腕に自信がないプレイヤーはあらかじめ多めに設定しておくと良い。

また、本作のサウンド設定は初期状態ではMONAURALとなっている*ため、SOUND MODEからSTEREOに切り替えておこう。

(*当時のテレビの普及率から、モノラルタイプのテレビの利用者が未だ多かったのも要因の1つ)

 

操作方法

 

十字キー 移動
Yボタン アクション1
Xボタン ガード
Aボタン アクション2
Bボタン ジャンプ
L/Rボタン アクション3
OPTIONボタン メニュー呼び出し

 

ギアのアクション

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ギアのアクションはY、A、LorRの4種のボタンによる計3種類の魔剣から繰り出される攻撃アクションを中心に構成されている。以下でその特徴を詳しく解説していこう。

 

アクション1(Yボタン)

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まずはYボタンで横薙ぎ攻撃。ギアの前方をカバーする攻撃で最も隙が少なく、派生技はないがある程度の連発が可能。その分、威力は控え目で必要最小限の殺傷力しか持ちえない。比較的耐久力の低い対象相手に繰り出すのが相応しい使い方となる。

 

アクション2(Aボタン)

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続いてAボタンで強威力の攻撃を発動。前方にキーを入力したまま押す事で突き技へと変化する。硬直がやや長いので、相手を確殺できる状況で使っていきたいアクションだ。

 

アクション3(LorRボタン)

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L/Rボタンで強威力の攻撃となるがこちらは剣による斬撃ではなく、その振りから前方へと発せられる衝撃波による遠隔攻撃技だ。弾速はゆっくりだがこの衝撃波は貫通性はないものの、大半の敵弾をかき消す能力があり場面によっては起死回生の頼れるアクションとなる。

難点は、一度放つと画面から消滅するまでギアがモーションを取って硬直したまま動けないという特徴がある点。適切でない場面で空撃ちしようものならその隙を狙われ、敵から思わぬ攻撃を喰らう原因にも成り兼ねない。誤発動には特に気を付けたい技となる。

 

空中技(空中でYorAボタン)

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Yボタン及びAボタンによる攻撃は、ジャンプ中でもそれぞれ空中技を繰り出すことができる。2つの内、地上で放つ場合と違って大きく変化しているのがAボタンによる攻撃で、上段から大きく振りかぶった後、真下に落下。しばらく振り降ろしのポーズを取ったまま硬直する、といった非常にクセのある動作になっている。

この落下時の一連の動作は空中で技が命中した際にキャンセルされるため、その場合は着地までの際の隙が大きく軽減される。飛び込みで撃つ分には前方付近を広範囲にカバーできる技でもあるので、空中では確実に当てていきたい攻撃だ。

 

ガード(Xボタン)

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Xボタンを押している間ガード状態となり、利用中は敵弾を含む各種攻撃(一部除く)を防御可能となる。立ちと屈みの両方の状態から繰り出すことができるが、各攻撃の高度に合わせて姿勢を合わせないと防御効果が上手く機能しないことがある。各種攻撃の軌道をよく読んで、適切な姿勢で防御を行うことが重要だ。

 

ステージボス

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ステージボス戦ではオープニングデモと同じようにビジュアルカットによるデモシーンが挿入され、雰囲気を盛り上げてくれる。ステージ1ボスは、胸全面に巨大な薔薇の刺青を施したオネエ口調のタトゥーマンという強烈なキャラクターが登場。

 

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道中ボス戦やステージボス戦では画面右上にボスのライフゲージ(緑色)が表示され、格闘ゲーム風寄りな画面構成となる。

1面ボスのタトゥーマンは最初のボス戦にしていきなりの難所となっており、難易度VERY EASYでも一切気が抜けない。こちらの攻撃に合わせて的確に反撃を行ってくるため、迂闊に飛び込んだり無駄なアクションをするだけでもこちらが手痛いダメージを喰らいやすい。

上記の理由からも序盤にしてプレイ開始直後に詰まり易いボスだが、一応飛び込んでから空中で早めの強攻撃を当てた後サーベルの連続振り降ろしをやり過ごし、隙を見て再び飛び込み攻撃― の繰り返しで多少安定して攻められる。次第に激化していく本作を攻略する上でこのタトゥーマンは本作全編の難易度の指標ともなっているので、まずは彼を倒す事を目標としてみよう。

 

プレイ後の感想

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「ソードマニアック」はハードな世界観のアクションゲームであることがそのまま本作の見所の1つとなっており、作中を彩るドットグラフィックの完成度も高い。幕間の各デモシーンのビジュアルも必見だが、ステージ中のグラフィックでは特に1面背景のネオンビル街の夜景が精緻で美しさを感じられる。

 

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一方でそのレベルデザイン上、道中からボス戦に至るまで堅実なパターン攻略の確立が要求される。ダイナミックな操作で敵をなぎ倒しつつグングン突き進んだり、力押しのプレイで攻略できるようなタイプのアクションゲームではないため、そういったプレイ感覚を求めているプレイヤーにとってはストレスがたまり易い。

 

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それが顕著なのが各ボス戦で、高難易度の場合は的確にこちらの隙を突いた動きをしてくるため、全然歯が立たないといった状況を何度も体感することになるだろう。難易度を落としてもある程度歯ごたえを感じられる設計になっているので、少しでも気楽に攻略を楽しみたい場合は迷わずVERY EASYを選んでみよう。

 

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ステージクリア型のストイックな剣撃アクションゲームといった装いの「ソードマニアック」。”マニアック”という名に恥じず、プレイした者の心を挫き兼ねない高い難易度を放つ孤高のアクションゲームだが、ビジュアルで展開するハードなストーリーは一見の価値あり。コアなアクションゲームに関心がある方は是非お試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) .0

 

良い点

  • 90年代OVA然としたハードコアな世界観やクールなビジュアルを持った個性豊かなキャラクターは注目点
  • 幕間で展開するドットグラフィックによるカットシーンと、テキストでの登場人物同士のやり取りがストーリーを盛り上げる
  • 主人公ギアの魔剣を駆使したバリエーションに富むソードアクション

惜しい点

  • アクションゲームとしては爽快感に欠け、難易度の高さと少々もっさり目なギアの挙動など、ストレスが貯まる要素が多く見られる
  • 道中の難度も高めだが、ボス戦はそこに輪をかけたようなシビアなバランスで、パターンを確立しない限りワンサイドゲームな展開に陥りがちに
  • 立ちとしゃがみの2タイプの姿勢から繰り出す防御アクションだが、僅かな高度でも判定が切り替わるため精確な使い分けが困難

 

 

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