
©2023 LCB Game Studio ©2023 Chorus Worldwide Games
基本情報
| タイトル | バンセンナイツ(Bahnsen Knights) |
| 対応機種 | Steam/Nintendo Switch/PS4&5/Xbox ONE/Xbox Series S|X |
| 販売 | コーラスワールドワイド |
| 開発 | LCB Game Studio |
| 発売日 | 2023年12月14日(Steam版,XB1/XBS|X版),2024年1月18日(Switch版,PS4|5版) |
| 対応言語 | 日本語,フランス語,ドイツ語,スペイン語,英語 Nintendo Switch 2(日本語・国内専用)では日本語でのみプレイ可能。一部、ソフト内で言語を変更できる場合有り。 |
| 備考 | IARCレーティング:16+(激しい暴力) |
作品概要
「バンセンナイツ」(「Bahnsen Knights」)はアルゼンチン在住のクリエイターを抱えるゲームスタジオLCB Game Studioによって開発されたゲーム作品。全プラットフォームにおいてコーラスワールドワイドが販売を担当。
本作はテキストベースのノベル型アドベンチャーゲーム。1986年、アメリカはトルネード・アレイを舞台に、任務のためにカルト教団『バンセンナイツ』へと潜入した捜査官ボルダーの緊迫した物語がビジュアルカットとテキストによって展開される。
スタジオのメンバーである小説家Nico Saraintaris、イラストレーターMartinez Ruppel両氏2名を中心に、「ピクセル・パルプ」シリーズの第3弾として作られたタイトルで、2025年現在、同シリーズ作品として「Mosmen 1966」、「Varney Lake」の2タイトルがリリース中だ。
リンク:LCB Game Studio(X(Twitter))
リンク:Bahnsen Knights(Chorus World Wide official site内)
リンク:Chorus World Wide(【Global】X(Twitter))/(【JP】X(Twitter))
操作方法
(※Nintendo Switch版)
| JOY-CON(左) | |
| 上下左右ボタン | カーソル、スクロールバー等の移動 |
| Lスティック | カーソル、スクロールバー等の移動 |
| Lボタン | オートモード |
| ZLボタン | |
| -ボタン |
| JOY-CON(右) | |
| Rスティック | |
| Aボタン | 読み進める |
| Bボタン | キャンセル |
| Yボタン | |
| Xボタン | バックログの表示 |
| Rボタン | 既読スキップ |
| ZRボタン | |
| +ボタン | メニュー呼び出し |
主な登場人物
(※以下は本編内での紹介テキストや作中での各人物の行動を基にした要約となります)
![]() | ボルダー 本編主人公。任務のためにカルト教団『バンセンナイツ』に潜入した捜査官。教団の黒い繋がりの調査に加え、失踪した相棒クプラの行方を捜索している。 故郷には残してきた妻と娘がおり、任務を無事に終えて2人の下へと帰る日を願っている。 |
![]() | ヴィンセント 『バンセンナイツ』メンバーの1人。 加虐趣味を持つサディストであり、限りなく危険な存在。 |
![]() | ルカ 『バンセンナイツ』メンバーの1人。 彼の名はどこかの言語において”サイコパス”と同義なのではないかと、とはボルダーの弁。 |
![]() | キース 『バンセンナイツ』メンバーの1人。組織の中では最年長にあたる。 ボルダー曰く『地獄に落ちてサタンに仕えるであろう人物』と形容するほどの、悪い噂を囁かれる男。 |
![]() | モニーク 『バンセンナイツ』メンバーの1人。教団内ではトニーの右腕として活動している。 表情を変えることはおろか、口を開くことさえめったにない。 |
![]() | ケビン バンセンナイツメンバーの憩いの場となっている酒場「ダニーズ・バー」の現経営者。店名のダニーは、かつて教団において初代ドライバーの一人だった父親の名から取られている。 教団の協約は守り続けているものの、現指導者であるトニーに対しては強い憎悪を抱いている。 |
![]() | トニー カルト教団『バンセンナイツ』の現最高権力者。かつては中古車のセールスマンだったが、その巧みな話術を以てメンバー達から圧倒的な支持を得た。 ボルダーの素性について気が付いている様子を見せるが…。 |
ゲームシステム
以下では「バンセンナイツ」のゲームシステムを簡単に紹介。
セーブについて

プレイ中は選択肢やミニゲームといった一部のシーンを除き、+ボタンを押す事でメニューを呼び出す事が可能。本メニューを通じてセーブやロードが可能で、途中経過は最大9箇所まで保存が可能となっている。
本編はチャプターで分かれている反面、「好きな章から読み返す」といった便利な仕様は今作には備わっていない。なるべく章が切り替わる前後でセーブするクセをつけておくといいだろう。
選択肢

本編各章はテキストによって綴られるが、随所では選択肢が出現する。選んだ内容毎にその後の展開に影響を与えるが、場面によっては即座にゲームオーバーへと一直線となる一発アウトな選択肢が混ざっている場合も。万一ゲームオーバーを迎えてしまっても直前の選択肢からリトライが可能となっているので安心だ。
バックログ機能

本編内の一部のシーンを除き、Xボタンを押すことでバックログ機能が利用可能。読み返しが可能な範囲は各章毎で区切られる。
画面右側にスクロールバーが表示される場合は、各種方向キー、もしくはLスティックの上下操作でバーを操作できるようになっている。ただし、ログ数が多くなってくるとバーを操作した際に行間が飛ばされて表示されてしまうといった現象が見られる。(※これは同シリーズ共通の仕様となっている)
1章辺りのテキスト量はそこまで多くはないが、上記のような要因から当機能の使い勝手はイマイチ。
画像ギャラリー

本編を読み進める内、様々な条件を満たすことでギャラリーの各項目がアンロックされる。ギャラリーのイラストはどれもこのモードでしか見られないものばかり。
各サムネイルの下に解放のためのヒントが書かれているので、これを手がかりにしながら本編で色々試してみよう。
ゲージについて

特定の場面ではボルダーの顔アイコンの下部にゲージ(左画像)が表示されることがあるが、これはタイマーを示すものとなっている。制限時間内に選択肢を選ばないと、ゲームオーバーとなってしまう。
また、一部の登場人物との会話シーンにおいて、ボルダーに対する信頼度を示す”7等分の棒グラフ”(右画像)が表示される場合がある。ボルダーの取った行動によってはグラフが増減する場合があり、右側へとMAXに振り切った場合は完全に敵と見做されてこちらの正体を暴こうと振る舞うようになる。こうした事態は絶対に避けなくてはならない。
ミニゲーム
既発のピクセルパルプシリーズでは半ば定番となっている作中のミニゲームは「バンセンナイツ」においても健在。今回は以下の2種類が目玉となっている。
ソリティア・クロス

作中の特定シーンでプレイ可能。本作独自のルールで展開するカードゲーム(通称「ソリティア・クロス」)をミニゲームとして実際にプレイすることができる。
(一定の場面までゲームを進めると以降、タイトルメニューからも選択可能になる。
メニューからプレイする場合でもカードゲーム終了後はそのまま本編シーンの続きから始まる仕様となっており、ミニゲームコンテンツとしては独立していない)
カードの選び方はゲーム本編のシステムをそのまま利用した、”選択肢で選ぶ”という形式になっている。ゲーム中は「救済」、「奇跡」といった本ルールならではの用語も登場。
「ソリティア・クロス」の基本ルールは以下の通り。
- 【救済】十字の並びに割り振られたカード(組札)の中から任意の枚数を「救済」のカードに加え、最終的に相手が出す札より大きい数字になるように調節していく。
- 引き分けた場合は組札から1枚ずつ選んで相手のカードと数字の高さを競う。1回でも相手より弱い数字を出した時点でこちらの負けとなる。
- 【奇跡】相手のカードと同じ点数になった場合、組札に残ったカードを1枚引いて”相手と同じ数字”になるように調節。揃えられない場合はこちらの負けとなる。
- 相手よりも数字の大きい札を出し続けて、最終的に52枚全てのカードを消化できれば勝利となる。
同シリーズの過去2作の中で登場したトランプ系ミニゲームと比べても運要素が強く絡むため、一勝に至るまでは中々骨が折れる。まずは実際に挑んでみた上で、独特なルールを覚えるとこから始めてみるといいだろう。
ダーツ

ダーツを1本ずつ的に目掛けて投擲していく。命中箇所が中心に近いほど高得点を獲得することができる。本編の特定の章でのみプレイ可能なミニゲームで、同じシーン内であれば挑戦回数自体は無制限、且つ好きなタイミングで自由にリタイヤが可能。
中央の『グレンズ・アイ』は最も高得点となっており、この真ん中を射抜く事は実績項目の1つにもなっている。狙う上ではタイミングや運要素が強く絡んでくるため難度は極めて高く、辛抱強くチャレンジしてみるしかないだろう。
プレイ後の感想

20世紀前半のアメリカにおいて大衆向け娯楽文学として出版された『パルプフィクション』(=三文小説)。LCB Game Studioが打ち立てた”ピクセルパルプ”は、その雰囲気を80年代風テキストアドベンチャーへと落とし込んだ独自のノベルゲームシリーズで、「バンセンナイツ」はその3作目として登場したタイトルだ。
悪質なカルト教団に立ち向かう捜査官の単独潜入任務、というスリリングなストーリーラインが今作の特徴で、作中では大事な家族への想いを封印しつつ単独での危険な任務に臨む、という捜査官ボルダーの孤独な胸中がビジュアルカットやテキストを通じて度々語られる。
モスマンや吸血鬼といった都市伝説に登場する怪物が題材となっていた過去2作に比べるとかなり毛色の異なる内容ではあるが、潜入先でその正体を察知されないよう立ち回るボルダーの緊迫感がテキストを通じてプレイヤー側にも伝わってくるようだ。

ゲーム本編では過去2作に比べ、今回はゲームオーバーの要素がかなり強く出ており、特に物語の後半では制限時間が設けられたリアルタイムな選択肢入力を要求してくるシーンが何度か登場する。かなり手早い入力が求められることから、画面上のテキストを一文一文丁寧に読み進めている余裕がない点は意見が分かれそうなところだ。
部分部分にリアルタイム制要素を取り入れた事によって、本編を通じて主人公とプレイヤー間の双方で”緊迫感がリンクする体験”を生み出すという意味においては、シリーズ中で今作ほどその点を表現しているタイトルはないだろう。だが同時に、ノベルゲームというジャンルにおいては間違いなく賛否を生む仕様でもあり、本作の仕様は「自分のペースでテキストを読み進めたい」というプレイヤーにとっては少々ルール違反のようにも感じられる。
また、恒例のミニゲームだが今作においてはメインの2種類共にどちらも難易度が異様に高く、実績を狙うプレイヤーにとっては苦行として映ってしまう懸念も見える。前2作で使い心地の悪さを感じていたバックログのスクロールバー仕様については今回も改善は見られず、ここも残念な点として映った。(反面、携帯モード&タッチ操作でプレイする場合はこの限りではない)

ギャラリーのコンプリートを目指す場合はシリーズ屈指の難しさとなっており、捜査上で入手した証拠品を正しく組み合わせる推理要素、適切なタイミング入力や運要素が絡むミニゲームの攻略が条件となるものが含まれるため、隅から隅まで遊びこむ場合はかなりの労力が必要となる。
一方で、初見殺しを伴う理不尽気味な各種ミニゲームは付きまとうものの、それ以外は読み進めていくだけな作風である事からエンディングに辿り着くだけであればそこまでの苦労はないだろう。また、これまで既発のシリーズタイトル2作をプレイ済み、というプレイヤーにとっては”あの人物”は登場するのか、といった疑問も焦点の1つとなるだろうが、そこは実際に遊んでみてのお楽しみだ。
そしてピクセルパルプシリーズと言えば、最新作「Grizzly Man」(グリズリーマン)についても改めて触れておかなくてはいけないだろう。
以前、「ヴァーニーレイク」の記事でも一度取り上げているが、こちらは1983年のアラスカを舞台に、正体不明の危険な存在”グリズリーマン”に焦点を当てたスラッシャー映画作品的な内容とのことで、2024年12月よりSteam単独による配信が行われている。
2026年1月の時点でコンシューマーへの移植については今のところ触れられていないが、これまで同シリーズを遊んできたプレイヤーは元よりクラシカルなテキストアドベンチャーゲームのファンにとってはその登場を期待して待ちたいところ。

全体なゲームプレイ感はこれまで以上に難解となった印象は否めないがピクセルパルプならではの独特な雰囲気は同系列の他作品とは代え難く、物語としては続き物ではないもののこれまでシリーズを追ってきたプレイヤーであれば避けては通れない一作と言ってよいだろう。
前作「ヴァーニーレイク」では、タイトルメニューから”ピクセルパルプ”シリーズ他2作品の体験版をプレイすることができたが、今作は単体での体験版がe-shopにて配信中だ。「関心はあるがシリーズは未体験」、という方は先ずはこの体験版を通じて雰囲気に触れてみて欲しい。
クラシカルなテイストのテキストアドベンチャーを味わいたいという方は、本作「バンセンナイツ」を是非お試しあれ。
評価
| 個人的スコア(10点満点中) | 7.5 |
|---|
良い点
- 80年代初期のPCアドベンチャーゲームのようなテイストのノスタルジック溢れる4色風グラフィックとサウンド
- 極めて高い安定感を誇る丁寧なローカライズ
- 本編内に用意された多彩なミニゲームの数々により、前作よりも本編外の遊び応えが向上
惜しい点
- 後半~終盤に向けて時間制限が設けられた選択肢が頻出。入力受付の猶予がかなり短く、手早く精確なコマンド入力が要求される。(その上で失敗すると即座にゲームオーバーとなる場面も多い)
- 運要素が強いミニゲームも含め、全実績解除までの難易度はシリーズ中でも最高クラスの高さを誇る
- (※Nintendo Switch版)コントローラーでの操作時、バックログ機能においてログの量が増えて来るとスクロールバーの微調整が効かない(※移植版ピクセルパルプシリーズ共通の問題)
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