ドラゴンバスター(ファミリーコンピュータ版) ~勇者クロービスとドラゴンが繰り広げる大立回り

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©1984-1987 NAMCO LTD. ALL RIGHTS RESERVED

 

 

基本情報

 

タイトル ドラゴンバスター
対応機種 ファミリーコンピュータ
販売/開発 ナムコ/同左
発売日 1987年1月7日
備考 同名アーケードゲームの移植版。原作稼働は1984年より

 

作品概要

「ドラゴンバスター」はナムコから販売されたファミリーコンピュータ用タイトル。1984年に稼働を開始した同名アーケードゲームの移植版で、一部変更点を迎えながらもゲームの基本部分を忠実に再現した仕上がりとなっている。

各ステージ最奥部に聳えるドラゴン山の巨竜を退け、連れ去られた侍女、そして王女セリナを救い出すアクションゲームで、敵を倒すことで得られる経験値を介しての成長システムが採用されている。

 

ロールプレイング要素

 

「ドラゴンバスター」ではアーケードゲームでのスコアにあたる要素を経験値(EXP.)と設定しており、この値は一般的なRPGのようにモンスターを倒したり、各拠点のクリア時に残り生命値(VITALITY)に応じて加算されることで増加。EXP.が一定値に達するごとにVITALITYの最大値が上昇する仕組みになっている。

 

以下では本作での操作方法と、各種剣技によるアクションについて紹介していこう。

操作方法

 

十字キー キャラクターの移動(左右)/(ポーズ時)アイテム選択
Aボタン ジャンプ(ジャンプ中、一定のタイミング時にもう一度押すと2段ジャンプ)
Bボタン 剣攻撃/(下キー入力+Aボタン)選択中のマジックアイテム使用

/(空中で下キーを押しながらBボタン)兜割り攻撃

STARTボタン ポーズ(マジックアイテム選択画面呼び出し)
SELECTボタン

 

「ドラゴンバスター」の操作方式はキー入力&2ボタン構成。ジャンプは最大で2段ジャンプ(下記で説明)が可能で、攻撃は標準装備となる剣で行う攻撃と道中で入手可能なマジックアイテム(消耗品)各種を駆使した魔法攻撃の2つの手段がある。

 

アクション

 

2段ジャンプ

 

ジャンプ中、一定のタイミングでもう一度Aボタンを押すことで2段ジャンプが発動する。

必須となる局面こそそう多くはないが少し高めの足場に移る際や、ジャンプからの垂直斬りを繰り出すには重要なテクニックとなる。各ダンジョンを隅から隅まで探したい場合には重要なアクションだ。

 

兜割り

1段ジャンプ時、着地直前に空中で下方向にキーを入力しながらBボタンを押すと、兜割りを繰り出す事ができる。前方に剣を突き出したまま下降するため下方向への判定がとても強い技で、威力も高い。正面の相手に不意打ちで繰り出せば相手次第ではあっという間に倒す事も可能だ。

 

垂直斬り

2段ジャンプ中、垂直落下中などの状態の際、空中で下方向にキーを入力しながらBボタンを押すと、垂直斬りを繰り出す事ができる。こちらも兜割りのように威力の高い技だが、発動時のグラフィック通り兜割りよりも更に真下方向への判定が強力。

 

これら2種類の剣技は若干、発動の精確度の面で不安な部分こそあるが入力操作自体はそう複雑ではないので、良いタイミングで積極的に繰り出せるように是非マスターしておきたい。

 

アイテム

 

アイテムは種類ごとに使用条件のタイプが異なっている。以下でそれぞれのアイテムの効果と分類を記していこう。

選んで使用するアイテム

ポーズ時に使用したいアイテムを選択後、任意のタイミングで下方向キーとAボタンを同時に入力することで使用可能。いずれも1個につき1回使用できる。

ランプ:前方に一定距離まで伸びていく火柱を発生させる。ファイアーボールより威力が高い
スクロール:ファイアーボールを1発放つ。命中した対象にダメージ
杖:サンダーボルトを放つ
指輪:画面内の敵全体に石化効果を放つ。ドラゴンには無効
アミュレット:地震を発生させて画面内の敵にダメージを与える。接地タイプの敵でないと効果がない。
聖杯:洞窟の外へ脱出することができる
王冠:地震と雷の同時発生効果で画面内の敵に大ダメージを与える

持っているだけで効果があるアイテム

※フィールドマップで使用するものも含む。スーパーソード以外はそれぞれ使用条件を満たすことで自動で消費される。

鍵:フィールドマップで使用。大扉を開いて突破することができる
薬草:VITALITYが0になった際、1度だけ128まで自動回復してくれる
コンパス:出口のある方角が分かる。1つにつき1ラウンド内全面で効果が発生するが、次のラウンドに突入したタイミングで効果が消滅する
斧:フィールドマップで使用。樹々を伐採して森林エリアを突破できる
日記帳:所有していると1冊につき1度だけゲームオーバー時にコンティニューが可能となる。
クリスタル:フィールドマップで使用。道が途切れた状態の更地に橋をかけて渡すことができる
シールド:基礎防御力がアップする。複数スタックすることが可能だが、ビショップの斧攻撃を受けると破壊されてしまうことがある
スーパーソード:基礎攻撃力が2倍にアップする。3本集めるとウルトラスーパーソードとなり、更に攻撃力がアップ。シーフに接触すると盗まれてしまう場合があるが、追いかけて倒すことで取り返せる

ポーション

※取った直後に効果を発揮し、持ち歩くことはできない。

水色の薬:生命値を30回復
黄色の薬:生命値が20減少。マイナスアイテム
キノコ:VITALITYの最大値が16増加

 

 

フィールドとダンジョン

「ドラゴンバスター」はサイドビューのアクションゲーム方式で計12ラウンドクリアでエンディングとなる。剣士クロービスを操作して洞窟、廃墟、塔などの各拠点を1つずつ踏破しながら、最後のドラゴン山にてドラゴンと一騎打ちを行う― というのが各ラウンド(ステージ)の基本構成だ。

各拠点の外観をスクリーンショットと共に紹介していこう。

 

鍾乳山

 

廃墟/塔

 

墓地

 

奇岩山

 

ルームガーダー&迷宮の出口

各ステージはいくつかの部屋が通路同士でつながった構造になっており、それぞれの部屋ではルームガーダーと呼ばれる敵が1体ずつ待ち受けている。出現後には前後の扉が閉ざされ、撃退しない限り部屋を出ることができない。

 

ステージの出口を守るルームガーダーが各ステージに1体存在するので、コンパスを持っている場合は針が示す方角(赤い針が指す方角)を目指して捜索してみよう。

 

ドラゴン山&侍女救出

各ステージ最後ではドラゴン山にて巨竜との一騎打ちが待ち受ける。火球やファイアブレスなど、炎を得意とした強力な攻撃はまともに受け続ければひとたまりもない。懐に飛び込む前にはこれらの攻撃に対してよく警戒しておきたい。

 

ドラゴンは頭部、首、手など複数の部位で構成されており、ステージ毎にこの何れかの内の1つが弱点となっている。一応どこを狙ってもダメージは与えられるが、攻撃を加えた際に赤く光る部分を集中的に狙っていこう。

 

3ラウンドクリアごとに侍女を救出するデモシーンが挿入。ROUND 12では対象が王女セリアとなり、彼女の救助と同時にエンディングを迎えることができる。

 

エンディングと裏ドラゴンバスター

私を助けて下さってありがとうございます。

王国で末永く暮らして下さいまし。

この国に平和を取り戻す事は、まだ長い道のりとなります―

そのためにも、次の冒険へと挑まなければなりません。

 

ということでエンディングのこの画面で表示されるコマンド「右 下 上 左 右 A B」を入力すると、新たなゲーム(通称:「裏ドラゴンバスター」モード)へと挑戦できる。上記はゲームクリア後に明かされるコマンドではあるが、同モードに関してはタイトル画面で入力することでいつでも挑むことが可能だ。

 

裏ドラゴンバスターモードではフィールドマップカラーが茶色に変化する。上記モードでは敵の大幅な強化、アイテム効果の弱体化など総じてノーマルプレイ時よりも難易度が高くなっているので、覚悟して挑もう。

 

プレイ後の感想

オリジナル版「ドラゴンバスター」は1984年のアーケードゲームにして剣、魔法、ドラゴンといった西洋ファンタジー的キーワードをストレートに盛り込んだ意欲作だ。プレイ時の剣士クロービスが剣をぶんぶん振り回す独特なアクションは一見だけでもインパクトがある。

元々の基盤性能などが異なる事もありゲーム性やプレイ感覚こそ若干マイルド寄りに味付けされているが、今回紹介しているファミリーコンピュータ移植版においても本作の魅力となる部分は一切損なわれていない。

 

豪快な剣技や各マジックアイテムを駆使してステージを突破していくアクションに加え、プレイ毎に異なるルートを開拓していく戦略性も本作の特徴の1つ。堅実に安全な道を選ぶか、より多数のモンスターやアイテムを強欲に狙うか― 全てはプレイヤーの判断に委ねられる。

計12ラウンドとなる王女セリア救助までの道のりは長く一筋縄ではいかないが、本作のプレイを通して手応えを感じ始めた方は是非一度挑んでみてほしい。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 6.5

 

良い点

  • ロールプレイングゲーム的なマジックアイテム、成長要素の搭載
  • フィールドのルート分岐や多彩なストックアイテムなどの仕様によって、毎回異なる内容で楽しめる
  • ワンプレイの所要時間が短めで、気軽に遊ぶことができる

惜しい点

  • 2段ジャンプや空中降下から派生する剣技を含め、ジャンプ時操作のクセが強い
  • ブレス系などの判定が比較的長時間残る技で嵌められるとお手玉状態に陥りやすく、脱出が困難
  • ステージ内では景色の変化もなく同じような部屋や通路が続き、東西がループ構造になっているゲーム後半は方向感覚が狂いやすい

 

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