Furi(フリー)(Nintendo Switch版)– プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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©The Game Bakers 2018 – All rights reserved.

 

基本情報

 

タイトル Furi
対応機種 Steam,Nintendo Switch,PlayStation4/5
販売 The Game Bakers/CIRCLE Ent.(Switch版)
開発 The Game Bakers
発売日 2016年7月5日(Steam版),2018年5月31日(Switch版),2022年5月17日(PS4/5版)
対応言語 日本語,英語,フランス語,ドイツ語,イタリア語,スペイン語,ポルトガル語,ロシア語
備考 CEROレーティング:B(12歳以上対象)(暴力,犯罪)

 

作品概要

 

「Furi」(「フリー」)は、デベロッパーThe Game Bakersが開発、販売を手掛けるゲーム作品。Nintendo Switch版ではCIRCLE Ent.がパブリッシャーを担当。

 

本作はストーリーとボスバトル重視のシネマティックアクションゲーム。プレイヤーは”生きる兵器”として畏れられた一人の男となり、突如姿を現した謎の人物に導かれるままに、自由のための戦いへと赴いていく。

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ゲームの舞台となる世界”フリーワールド”では、歩みを進める男の前に各地を守る”看守”(ガーディアン)が次々と立ち塞がる。強敵揃いとなる彼らとの戦いを経て、その果てで男を待ち受けているものとは…?

 

リンク:The Game Bakers(Twitter)

 

難易度と無敵モード

 

難易度

「新しく始める」でゲームを開始時に難易度を選択可能。計3種類。

 

プロムナード(低) ライフ数:5。ストーリーを追いたいプレイヤー向け。「無敵モード」が利用可能。

※このモードで本編をクリアしても、「フリーア」、及び、「スピードラン」モードをアンロックできない

フリー(中) ライフ数:3。遊び応えのある、バランスの取れた難易度。

ゲーム終了後に、難易度をプロムナードに変更可能

フリーア(高) 戦闘を極めたいプレイヤー向けの高難易度のモード。

※難易度「フリー」で本編初回クリア時にアンロック

また、難易度「フリー」でのプレイ時は、ゲームオーバー時のメニューから難易度を「プロムナード」に変更することができる。

 

無敵モード

無敵モードは、難易度「プロムナード」を選択して本編をプレイ開始した場合のみ利用できるサポート機能。

この機能のオンに伴い、以下の各種コマンドが使用可能となる。

 

無敵 ↑キーで発動。

ライフを失わなくなる

弱体ガーディアン ↓キーで発動。

攻撃を1度当てるだけで、強制的に接近戦に入ることが可能。

フェイズスキップ ←キーで発動。

現在の戦闘フェイズをスキップする

戦闘をスキップ →キーで発動。

戦闘を丸ごとスキップする

フェイズをロック 「練習モード」時に→キーで発動。

同じガーディアンフェイズに留まれる(練習モード時のみ)

 

「ゲームシステムに上手く馴染めない」、「元々アクションはあまり得意ではないが物語が気になる」、といったプレイヤーは、上記のコマンドを最大限活用してみることで、「プロムナード」限定ではあるがゲームクリアまでの道しるべとなるだろう。

単に物語を追いたいという時は勿論、各バトルパートの練習の際にも大いに役立つ機能なので、目的に合わせて気軽に自由に使っていこう。

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン (無敵モード中)各コマンドを使用
Lスティック 移動
Lボタン 回避
ZLボタン 回避
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック (倒した方向に)射撃/(接近戦モード時、倒してる間)チャージ
Aボタン 受け流し、決定
Bボタン 回避、キャンセル
Yボタン スラッシュ
Xボタン スラッシュ
Rボタン チャージショット
ZRボタン チャージショット
+ボタン ポーズメニュー

上記はボスバトルでの操作を中心にしたものとなる。

無敵モードでの各コマンド操作については表内では割愛しているので、詳しくは上記項目「難易度と無敵モード」を参照。

 

ゲームシステム

 

移動パート

移動パートではLスティック操作で主人公を360°方向へと自由に動かせるが、任意のタイミングでBボタンを押すことで、フルオート移動を開始。

フルオート移動では、コントローラーから手を離した状態でも次の対戦相手の下へと自動で進行してくれるので、移動の手を止めずに字幕をじっくりと読みたいという人にはオススメの機能だ。

 

バトルパート

移動パートで特定のエリアへと到着後、各地を守るガーディアンの登場デモを介して、バトルパートが開始。各バトルは主人公とガーディアンの1vs1形式で行われ、フリーレンジバトルと接近戦の2つのフェーズで展開する。

バトルは明確なアナウンスこそ入らないがラウンド制になっており、画面上部に表示される体力ゲージ(2段階)を全て奪うことで1ラウンド勝利となる。

基本的な勝利条件は、体力ゲージ下部のライフストック(正方形のゲージ)が全て失われる前に、相手のライフを全て奪うこと。プレイヤー側のライフストックは難易度によって変動するため、高い難易度であるほど、1ラウンドでも落とせない戦いを強いられることになる。

 

アクション

 

各アクションはゲーム内チュートリアルでも確認可能なので、以下はそのおさらいに近い内容となっている。

 

射撃

Rスティックを倒した方向に銃撃。スティックを倒しっ放しにしているだけで自動連射となる。

Lスティックで移動しながらでも撃つことができるので、遠距離から牽制したい時にも重宝。

接近戦モード時は使うことが出来ないので注意。

 

回避

ボタンを押した際、Lスティックを倒している方向へとオーラを伴いながら高速で一定距離を移動。ダッシュ中は、加速効果によって空中を駆け抜けることもできる。

ただし、発動直後はおよそ1秒間再使用できないので、相手の攻撃をかわす目的で使う場合はタイミングが重要。一瞬の無敵時間を最大限利用していこう。

 

スタン(チャージスラッシュ)

最大まで溜めたチャージスラッシュ(Y長押し後離す)が対戦相手に命中すると、スタン状態となり攻撃を叩き込むチャンスが生まれる。

敵の大技に合わせて回避と組み合わせていくことで、カウンターのように狙っていくことができる。

 

パニッシュ

敵が攻撃を行った直後のわずかな瞬間、相手はパニッシュ状態となってダメージを受けやすくなる。

本作のバトルはどの相手もほとんどのフェーズで動き回るため、基本的にこちらの攻撃は当てにくい。

戦闘時はこの「パニッシュ」というシステムを意識して、上記の回避やチャージスラッシュ等も活用しながら、いわゆる”後の先”を狙う感覚で戦ってみよう。

 

ブースト

接近戦時にいずれかの方向にLスティックを倒し続けるとブーストアクションを発動し、気合いを纏うエフェクトと共に一時的にスラッシュの威力が強化される。

接近戦モード時のみ使用可能なアクションだが、操作が同じ「射撃」アクションと間違えて出してしまう事も少なくない。

 

チャージショット

Lスティックで照準を定め、ZRボタン長押しでチャージ。ボタンを離すとチャージショットを発射。命中すると相手をノックアウトさせて、短時間動きを止めることができる。

直撃を狙うことができる機会はそう多くはないが、相手の不意打ちを狙う攻撃として覚えておいて損はないアクションだ。通常の射撃攻撃と同じく、接近戦モード時は使うことが出来ない点には注意。

 

スラッシュ

Yボタンで刀による斬撃を放つ。連続入力によって最大4回まで派生し、全ての攻撃が入った時にはノックダウンを奪うことが可能。

近接攻撃のため、当然ながら相手に近い状況でないと狙うことができないが、決まった際のダメージは大きい。

接近戦モードに入る時のスイッチとなる技でもあるので、体力ストックを全て奪った後に相手が気絶状態へ陥った時は、素早く狙っていこう。

 

受け流し

一部の敵弾など、相手の特定の攻撃に合わせてAボタンを押すと、攻撃を受け流すことができる。

また近接戦ではSEと共に、頭上に白い閃光を伴う攻撃を放つ瞬間はパーフェクトパリィのチャンスだ。

タイミングが合えば、上画像のような緑のエフェクトが出て防御成功となる。ただし、一撃目が防げたとしても、即座に二撃目、三撃目と続くことがあるので油断は禁物。

全ての攻撃を捌き切った直後は、こちらが反撃を叩き込む大きなチャンスとなる。決めるチャンスが限られるYボタンのスラッシュは、この場面では特に有効打となるはずだ。

 

回復

受け流しアクションに成功したり、緑色の敵弾を破壊した際に登場する回復アイテム(上画像)を回収することで、ライフゲージを少量回復することができる。

体力ゲージは相手からラウンドを1つ取る、或いは取られてフェーズが変わった際には全快する。

また、相手からライフを1つ奪った際に、こちらが1つ以上取られていた場合は同時に1つ分回復する。

難易度毎に所有するライフ数が異なるため、バトル中には残量を気に掛けるクセをつけておきたい。

 

ダウンロードコンテンツ

「Furi」では有料DLCとして、「Furi(フリー) – 女武者」が各プラットフォームにて約800円で販売中。

こちらのDLCは商品ページの紹介文によれば、”スピーディーとパワフルの2つのスタンスを切り替え可能な、新たなプレイスタイルをもたらすキャラクター”、であるとのことで、本作のバトルをよりディープに楽しみたい、という方にはオススメの追加コンテンツだ。

 

また、同内容のDLC単体販売に加えてSteam版では本体とのセット、PS4/5版では本体ソフトとオリジナルテーマがそれぞれセットになった「Furi Modore Edition」が用意されている。本作の購入を予定しており、折角ならば隅から隅まで堪能したいという方は、こちらのセットをお試しあれ。

 

プレイ後の感想

「Furi」は移動とボスバトルという2つのパートが密接に絡み合うゲーム内容になっており、シーン毎のテンションを前者が静とするのであれば、後者はまさしく動と形容できるだろう。

サイケデリックともアーティスティックとも捉えられる独特な世界観は、本編のどのシーンを切り取ってみても絵としてのカッコよさを持ち、ストイックなゲーム展開と相俟って独特な雰囲気を醸し出している。

 

主人公の戦闘スタイルは近距離、遠距離の両方に対応可能な「ソード&ガン」を基調としたもので、バトルパートでは僅かなミスが緊張感を生み出すメリハリの利いたスピード感溢れる戦闘を堪能することができる。

近代アニメーションやCG映画作品のような、こだわりのカメラワークが産み出すクールなアクションシーンもバトルを盛り上げてくれる要素の1つだ。

 

プレイ開始の頃は最低難易度の「プロムナード」でさえもかなり難しい印象を受けるが、遊び方が分かってくるとラウンドを経る毎に次第に激しさを増していくバトルの緊迫感、技が決まった時の快感をしっかりと味わうことができる。

アクションゲームは苦手ながら、キャラをカッコよく動かしたいというプレイヤーにも、上述の「プロムナード」であれば無敵モード&コマンドを活用することで、無理なく最後までプレイ可能だ。

 

本作の華にして要とも言えるバトルパートでは、基本的にただアクションを適当に繰り出しているだけでは相手にはかすりもせず、避けられる一方。

単なる力技頼みで倒すのはほぼ不可能に近いため、相手のアクションをしっかりと観察した上で、どのタイミングでならばどの攻撃が通じるのか手探りによる試行錯誤を繰り返す必要がある。

 

スタンからのスラッシュなど、特定のアクションを決めた際には毎回専用のアクション演出が挿入されるが、スピーディーに展開するバトルのおかげでこれらの演出が、プレイ上のペースを阻害しているといった印象は受けない。

相手の特定の攻撃を受けた際に発生する”QTE”(両方のスティックを素早く倒すことで成功となる)については、操作の若干の煩わしさこそあるものの、大きい不満点となり得ない範囲に収められている。

 

以下は全編を終えた上での感想となるが、本作はバトルパートのアクションゲーム部分に比重が大きく寄せられているゲームデザインであると感じられた。

独特な世界観やそこに付随する物語については作中で仔細には語られず、深く理解するためには幾分か補足が必要とされるような部分も見られる。そのため、プレイヤーによっては最後まで見終えてもよく分からないストーリー、といった感想を抱くことになるかもしれない。

 

また、本作は分岐こそ多くはないものの、マルチエンディング方式になっており、特定の場面でプレイヤーがとった選択や行動によって結末が変化。それによっては物語に対する印象もかなり変わってくることも考えられる。

セーブ方式の仕様上、全てを見て回るには少々骨が折れるが、本作を隅々まで堪能したいとあれば無敵モードやそこに伴う各機能の活用してみると良いだろう。

 

1vs1バトルが中心のアクションゲームではあるが、無敵やシーンスキップといった各種サポート機能を惜しみなく用意する開発側の懐の広さからは、「是非最後まで遊んでみて欲しい」という強い意志をも感じ取れる。

また、スタッフロールでは、スペシャルサンクスに国内の著名なゲームクリエイター数名の名前が確認できる。ここに名を連ねている人物達が手掛けたタイトルを遊んだことがある諸氏であれば、どの辺りに各作品からの影響を受けているかを窺う手がかりの一端となるかもしれない。

 

不思議な世界観とストーリーに併せて、スタイリッシュ且つスピーディーなバトルが次々に展開する、非常にクールな作風が魅力的なシネマティックアクションゲーム「Furi」をお試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 8.0

 

良い点

  • セミオートの移動パートと、1対1のボスバトルが交互に展開するストイックなゲーム性
  • 多彩なカメラワークと画角で描かれるサイケデリックな世界観
  • 簡単操作で、遠距離~近距離とオールレンジ、且つ高速に展開するスタイリッシュなバトルパート

 

惜しい点

  • システムに慣れるまでの間は、最低難易度の「プロムナード」でもバトルが比較的難しく感じられる
  • 相手の一定の攻撃を受けた際に発生するQTEの受付時間判定がごく短い
  • バトルシーンは細かくスキップ可能な一方で、移動パートはオート移動機能はあれど一切のスキップが効かない

 

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