Cyber Shadow(サイバーシャドウ)– プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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©2021 Mechanical Head Oy, All Rights Reserved. Cyber Shadow and Mechanical Head are trademarks and/or registered trademarks of Mechanical Head Oy.
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©2021 Yacht Club Games L.L.C. All Rights Reserved.
Published by INTI CREATES CO., LTD.

 

基本情報

 

タイトル Cyber Shadow
対応機種 Steam,Nintendo Switch 他
販売 Yacht Club Games/インティ・クリエイツ(日本地域コンソール各種版)
開発 Aarne “MekaSkull” Hunziker/Mechanical Head Games
発売日 2021年1月26日
対応言語 日本語,フランス語,ドイツ語,イタリア語,スペイン語,韓国語,ポルトガル語,ロシア語,中国語 (簡体字),中国語 (繁体字),英語
備考 CEROレーティング:B(12歳以上対象)(暴力,犯罪)

 

作品概要

 

「Cyber Shadow」(サイバーシャドウ)はMechanical Head Games開発のゲーム作品。グローバルパブリッシャーを務めるのは「Shovel Knight」で知られるYacht Club Gamesで、日本地域においてはインティ・クリエイツが担当している。

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Aarne “MekaSkull” Hunziker氏のアートコンセプトを主軸に開発が進められた本作は、難易度高めの8bitスタイル2Dアクションゲームだ。

プレイヤーは”影”の一門に属する刺客「シャドウ」となり、プロジェン博士の暗躍を機に彼の前から姿を消したマスターと同門の叛逆者アパリターの足跡を追って、全10章から成る各ステージを駆け抜けていく。

 

リンク:MekaSkull*(開発者Twitter)

リンク:Cyber Shadow(Yacht Club Games official)

リンク:インティ・クリエイツ(日本版サイト)*

 

(*日本地域コンソール版パブリッシャー担当となるインティ・クリエイツのページ内には、「Cyber Shadow」の商品ページはありません)

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン 移動
Lスティック 同上
Lボタン
ZLボタン
-ボタン オプション画面呼び出し

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン 決定、インタラクト、テキスト送り
Bボタン ジャンプキャンセル
Yボタン 攻撃
Xボタン
Rボタン ダッシュ
ZRボタン
+ボタン 装備、ポーズメニュー

上記は初期設定に基づいたキーアサインとなる。

一部の操作はゲーム内の「OPTION」項目から変更が可能。

 

ゲームシステム

 

ステータス表示

HP:敵からダメージを受ける毎に消費。0になった時点でゲームオーバーとなり、再スタートは最後に立ち寄った修理ポッドからとなる。

SP:忍術や技を使用する毎に消費。0になった後もアクション自体は発動可能だが、効果は大きく落ちてしまう。スタート直後は機能しておらず、「手裏剣」習得後に利用可能となる。

一番下に表示されている数値は所有しているエネルギー量を示しており、これは修理ポッドの各機能をオンラインにする上で一定量必要となる。

 

ジャンプ

ジャンプボタン(初期設定時はBボタン)でジャンプ発動。

各能力を習得後は、2段ジャンプ、壁スライド、十文字斬りなどの様々なアクションにつなげることができる。詳しくは「忍術/技」の項目を参照。

 

刀攻撃

攻撃ボタン(初期設定時はYボタン)で前方正面に刀による斬撃を繰り出す。カバー範囲は比較的広いが、真上や斜め上などの方向に直接攻撃することはできない。

各能力習得後は状況に応じ、溜め斬りや十文字斬りなどの上位のアクションに派生する。こちらについても、詳しくは「忍術/技」の項目にて解説。

 

修理ポッド

ステージ各地には中間地点に該当する修理ポッドが設置されている。

 

ポッド前に立ち、↑キーを押すことでコンソールを起動。ポッド毎に1~3つの項目があり、各機能をオンラインにすることでこれらが常時利用が可能となる。

自動修理:HPを全快

霊力回復:SPを全快

アイテム合成:ポッド毎にサブウェポン1種が支給される

 

なお、各機能の初回オンライン時には、敵やチェストボックスから入手可能な一定量のソウルが必要となる。

初めて立ち寄る修理ポッドでは、HPを全快する「自動修理」を優先的にオンラインにしておこう。

アイテム合成で獲得可能なサブウェポンについては「サブウェポン」の項目を参照。

 

転送ポッド

各章のボスを倒すと、ステージ終点に出現。

コンソールを起動すると全景図の専用画面に切り替わり、クリア済みの範囲内で各章ステージを自由に行き来ができるようになる。

修理ポッドとは違い、初めから無償で利用可能。ゲーム進行率を埋めたい場合は最大限に活用しよう。

 

忍術/技

ゲーム進行に応じて、特定の場面で宝珠を入手することで、忍術や技を習得することができる。全7種類。

習得後はそれぞれ、ポーズ画面で効果や操作方法を簡単に確認することが可能。

ストーリー進行に応じてアップグレードが行われ、より強力な技へと昇華する。

 

手裏剣/クナイ

操作:↑+攻撃(地上/空中)

1発につきSPゲージを1消費する。連続入力で連発も可能。

強化後はクナイに進化し、対象命中後に時間差で爆発し、追加ダメージを与えることができる。

 

昇火/鷹炎

操作:↓+攻撃(地上時)

1発につきSPゲージを1消費する。連続入力で連発も可能。強化後は溜め攻撃可能な「鷹炎」へと進化。

シャドウ本体の上方向鋭角に3発の火炎弾を同時発射、密着状態で撃ち込めば近接攻撃手段としても強力なアクションと化す。

 

突き下ろし/ストライクシールド

操作:↓+攻撃(空中時)

真下にいる対象に剣を突き立てて攻撃。1発につきSPゲージを1消費する。

強化後は発動降下中、周囲に雷撃を放つ「ストライクシールド」へと進化。

攻撃命中後はシャドウがわずかに上方向に弾む特徴を利用して、特定のステージでは敵を足場にしながら登ってゆく事が可能。

 

壁スライド/2段ジャンプ

操作:壁方向にキーを入力

壁に一時的にしがみつき、壁面に沿いながら低速で降下していく。ゲージは消費しない。

強化後は2段ジャンプが可能となり、より高い場所を目指して移動する事が可能。

 

刀レベル2/溜め斬り

操作(溜め斬り):攻撃ボタン長押し後、任意のタイミングでボタンを離す

刀による攻撃の威力が上昇。

パッシブスキル扱いとなり、習得後は自動で効果が発動する。

強化後は通常の刀攻撃に溜め効果が追加された、「溜め斬り」を使用可能となる。

 

パリィ/シーカー

操作:敵弾にあわせてタイミングよく方向キー

こちらに向かってくる敵弾を受け流して無効化するアクション。ゲージは消費しない。

成功時に敵弾を無効化し、青い光の弾へと変換。

強化後は変化後の弾に攻撃を加え、敵に撃ち返してダメージを与えることができるアクション「シーカー」を利用可能。

入力タイミング自体はそこまでシビアではないが、パリィが有効な敵弾は限られる。

 

ダッシュ

操作:(シャドウが右側を向いている場合)→→ または →+R

一定距離を高速で移動。このアクション自体はゲージを消費しない。

空中でも発動が可能で、ジャンプの飛距離を伸ばす上でも必須のアクションだが、入手可能となるのはゲーム後半となる。

 

十文字斬り(ダッシュからの派生アクション)

操作:ダッシュ発動中に攻撃ボタン

強化後はダッシュの脚力を活かした攻撃アクション「十文字斬り」を利用可能となる。

軌道上の水平方向に一閃を放つ。発動1回につきSPゲージを1消費する。

発動の瞬間は無敵状態になったりと性能自体は強力だが反面、移動距離が比較的大きく、暴発時に崖やトゲ床などの即死エリアに突っ込んでワンミス、といった事故も起きやすい。

使いどころをよく見極めてから発動するように気を付けよう。

 

サブウェポン

 

各修理ポッドのコンソール操作時に、「アイテム合成」の機能をオンラインにすると、オンにしたコンソールに限りサブウェポンが自動で支給されるようになる。

支給されるサブウェポンの種類はコンソール毎に決まっており、いずれもシャドウが敵の攻撃を3度受けた時点で破壊されてしまう。

サブウェポンが受けたダメージを途中で回復する手段はないが、同項目がオンラインの修理ポッドに立ち寄った際に再支給されるので、上手く利用しよう。

 

拡張ブレード

刀攻撃の軌跡が前方に拡張すると共に、威力や攻撃判定が強化される。

サブウェポンの中では比較的シンプルな強化だが、クセがなく使い易い。

 

スピンブレード

投擲方向を指定後、Yボタンで投擲。シャドウの移動した方向に慣性が働き、ヨーヨーのような軌道で反復移動を繰り返す。

特徴上、自在に扱うにはコツが必要だが、広範囲をカバー可能。そのままでは手の届きにくい場所にも攻撃を加えることができる便利なサブウェポンだ。

 

サルベージ

シャドウの周囲を追従。

小型の敵弾を打ち消したり、特定の敵のシールドを剝がすなど防御方面に特化したサブウェポン。

 

オービター

多数の光の弾がリング状に展開し、シールドのようにシャドウの周囲を取り巻く。

ある程度自動で敵を追尾し、対象命中後は消滅。即座に新しい弾が精製される。

オービター本体が破壊されない限り無尽蔵に弾を生み出し続ける。攻守両面で強力なサブウェポンだ。

 

チャージカノン

刀攻撃と同時にサブウェポンからショットが発射される。

ショットの威力は、サブウェポン本体に示されたゲージ量のチャージ度合いで変化。フルチャージ状態での発動時にはショットの見た目も大きく変化する。

 

Eフィールド

シャドウ本人の正面前方に巨大なシールドを展開。前方からの直撃を防げると一方、衝撃波を放つこともできる。

敵弾を簡単に防ぐことが可能な、防御に特化したサブウェポンと言える。

 

SPサーバー

一定間隔毎にシャドウのSPを1ずつ自動で回復。

本体は一切攻撃を行わないが、忍術や技を中心に戦いたい時にもってこいのサブウェポンだ。

 

プレイ後の感想

「Cyber Shadow」は80~90年代を中心に培われた、”忍者アクションゲーム”の血統とも呼ぶべきタイトルで、カットシーンを含む8bitの精緻なドットビジュアルや、ハードな難易度からは、当時のテクモ(現コーエーテクモゲームス)製の人気作「忍者龍剣伝」シリーズを思い起こさせる。

国内においては”忍者もの”というジャンル自体、アクションゲーム全般で観てもニッチな需要という印象だが、同ジャンルのファンであれば「これを遊ばずに何を遊ぶ」と言うのにふさわしい内容だ。

 

上述の「龍剣伝」シリーズと異なる点は、ゲームシステムが探索アクションゲームに寄せられたシステムになっているところで、本作には章毎に個別の進行率が設けられている。

この進行率は、主に最大HP/SPゲージ値アップなどの回収していないアイテムや通っていないルートによって判定が行われ、100%クリアを目指す上での指標となる。

各章の終点に設置されている”転送ポッド”を活用すれば、クリア済みのステージ間を自由に行き来することが可能だが、利用の度に各章の終点ポイントまでわざわざ移動しなければならず、ファストトラベル機能としては若干不便なのが玉に瑕だ。

 

タイトルには「サイバー」、というキーワードが冠することからも、作中には終末世界の落とし子とも呼ぶべき、科学/化学の両分野の技術力が結集した兵器が多数登場。

物語中ではマスターの足跡を追う、という目的を持つシャドウだが、やがて当人との再開を果たした際、その姿に多くのプレイヤーは驚くかもしれない。

 

本作のストーリーは設定が少々複雑ながらも丁寧に描写されており、海外作品で心配されがちなローカライズについてはごく自然なテキスト具合で申し分のない出来。

物語本編では、登場人物同士による掛け合いや演出によるアツい展開が随所で観られるので見逃せない。

 

初プレイに辺り、筆者は難易度「ノーマル」でゲームをプレイ開始。その結果、200を超えるリトライ数を経て、本編クリアまでには9時間前後ものプレイ時間を要した。

今作ではボス戦の難度もさることながら、道中の即死系ギミック各種と敵の挙動によるコンビネーションが実にいやらしい配置になっており、慎重さと大胆さの両方を使い分けながら進めないと、屍の山を築きかねない。

 

影の一門の宿命に真っ向から立ち向かい、徐々に崩れ行くその身を押して使命を果たすべく駆けるシャドウ。

近未来世界を舞台に、影達の因縁と思惑が交錯するドラマティックな物語は、ゲーム進行に伴って展開が加速していく。

そして激闘の末に、彼を待ち受けている結末とは―

 

海外主導の作品ではあるが、”近未来世界”、”忍者”、”2Dアクション”という三大要素を備えたアクションゲームのスピリットが、2020年代となった現代でも消えていないことを筆者としては嬉しく想うばかり。

販売担当がYacht Club games、インティ・クリエイツといった2Dアクションゲームの老舗パブリッシャーお墨付きということで、忍者アクションゲームファンであれば疑う余地もないマストな逸品だ。

ハードな難易度によるしっかりした遊び応えと、精緻なドットビジュアルをベースに熱いストーリーがシネマティックに展開する、Mecanical Head Games渾身の2Dアクション「Cyber Shadow」を是非お試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) .5

 

良い点

  • ハードコアな2Dアクションとハイクオリティなドットビジュアルのカットシーンが織り成すドラマ体験
  • VGMコンポーザーEnrique Martinが手掛けるクールなBGM群
  • 全10章から成るしっかりとしたゲームボリューム

 

惜しい点

  • 全編を通して、一般エネミーの挙動やギミックの意地の悪さに重きが置かれた難易度調整になっている
  • ボスの強さが対象ごとに両極端で、忍術連発の力押しで突破できることが多い
  • 転送装置が各章の終点ポイントにしか設置されておらず、進行率を埋める場合はステージ間の移動が若干面倒

 

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