ロング・リブ・ザ・クイーン ~女王への道しるべ~ -プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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© 2022 ラタライカゲームス
© 2012/2022 Hanako Games

 

基本情報

 

タイトル ロング・リブ・ザ・クイーン ~女王への道しるべ~(Long Live the Queen)
対応機種 Steam/Nintendo Switch/ 他
販売 Hanako Games(Steam版)/ラタライカゲームス(Switch版)
開発 Hanako Games
発売日 2013年11月9日(Steam版)/2022年7月15日(Switch版)
対応言語 日本語,英語,フランス語,ドイツ語,スペイン語(※Steam版は英語のみの対応)
備考 IARCレーティング:12+(ののしり言葉(軽度))

 

作品概要

 

「ロング・リブ・ザ・クイーン ~女王への道しるべ~」(「Long Live The Queen」)はHanako Gamesによって開発されたゲーム作品。国内Nintendo Switch版においてはラタライカゲームスが販売を担当。

ゲームジャンルは古典的な育成シミュレーションゲームで、ノヴァ王国の若干14歳の王女エロディをおよそ1年後に控える戴冠式の日に向けて、立派に成長させるのが目的となる。

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なお、オリジナル版となるPC版はSteamにて2013年より配信されているが、こちらは対応言語が英語のみとなっている。(※有志による日本語化パッチも提供されている様子)

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン 各項目の選択
Lスティック 各項目の選択
Lボタン テキストを1ページ戻す
ZLボタン テキストを1ページ戻す
-ボタン UIを消す/表示する

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン 決定/テキストを読み進める
Bボタン
Yボタン オートテキスト
Xボタン
Rボタン スキップモードON/OFF
ZRボタン スキップモードON/OFF
+ボタン メニュー呼び出し/(スキル画面で選んだ課目を)受講開始

 

 

ゲームシステム

 

以下では、「ロング・リブ・ザ・クイーン」における主なゲームシステムを紹介。

 

ゲームの基本的な流れ

本作では王女エロディが15歳の誕生日を迎えるまでの40週に渡ってゲームが展開していく。

1週辺りの基本的な流れは、以下の1~4を順に消化していく形となる。

1.自室で午前と午後の履修科目を選択

2.授業(午前と午後の両方が一挙に消化される)

3.週のイベント発生

4.週末の行動を決定

4の後は次の週へと入り、再び1へと戻る。

 

自室メニュー

週の始まりは毎回この自室メニューから始まる。ゲームを進めるためには、「授業」を選んでみよう。

メニューの「授業」から午前と午後の履修課目を選択し、+ボタンで授業が開始される。履修する科目はそれぞれ別のものを選んでも良いし、集中させるのもまた良し。

選んだ課目は、午前と午後の授業が一度に進行するという点も頭に入れておこう。

 

スキル

スキルは社交、体力、知力、魔術の4カテゴリに計14種類の分野があり、更にそれぞれの分野毎に3つのスキルが設けられている。(計42種類)

各スキルは対応する分野の授業を受ける毎に一定量増加(減少はない)。最大100.0まで伸ばすことができる。

ただし、各スキルの成長は一本に絞って上げようとしても、数値が50.0を迎えた時点で一旦制限がかかる仕様になっており、同じ分野に属する他の2つのスキルを25.0以上にしないと上げることができない。

(例:武器のカテゴリで「剣」を51以上に上げたい場合は、剣と併せて同じ「武器」カテゴリ内の「弓道」と「長物」を25.0以上に鍛える必要がある)

 

どのスキルも伸ばして損ということはないが、どのスキルを伸ばすかによって発生するイベント、その後の流れにも大きく影響するので、展開が幅広く分岐していく。

プレイ開始初期は様子見がてら自由な成長とイベント展開を楽しみつつ、「この週には〇〇のイベントが発生する」、「〇週に上げておく必要があるスキルはどれか」など、色んな情報を集めることに徹し、次周以降のプレイに活かしていこう。

王国の指導者として重要なパラメーターとなる「王家の作法」、取り分け「立ち振る舞い」は正しいエンディングを迎える上では最重要なものとなっている。40週目の戴冠式の日までには最大値付近まで鍛えておきたいところだ。

 

感情値のボーナスとペナルティ

名称 解説
王家の作法 精神統一 痛み、恐れ、不測の事態にひるむことなく耐える能力
エレガンス いかなる状況でも美しく堂々と振舞う能力
立ち振る舞い 自信と指揮のオーラ
会話 演説 重圧の中でも言葉を巧みに使う能力
宮廷作法 全ての状況における正しいエチケット
世辞 他者が聞きたいことを話す能力
感情 デコレーション スケッチをしたり、絵を描いたり、花や身なりを整える
楽器 ハープやフルート等の楽器を操る技術
発声 美しく歌う技術
俊敏さ
ダンス ステップを知り、それを優雅に行うこと
反射神経 不測の事態にもすぐに対応する能力
柔軟性 痛みなく身体を伸ばしねじる能力
武器
正式な決闘や殺し合いの場面で剣を使う能力
弓道 範囲内の敵を攻撃する能力
長物 長い杖や儀礼用の武器を扱う能力
運動
ランニング 土地をすばやく確実に移動する能力
クライミング ロープ、岩石や壁を測る
水泳 水を渡る時の耐久力と速度
動物調教
騎乗と手入れ
修練、狩猟
ハヤブサ 修練、狩猟
歴史
ノヴァ史 領土内の有名な事件や場所について
外国事情 自国と隣国との間で起きた有名な事件や関係性について
世界史 いわゆる世界についての長期的な情報
策謀
内政 貴族や他の市民が何を企んでいるかについて
対外諜報 他国が何を企んでいるかについて
暗号 秘密の情報を読み書きする方法を学ぶ
医学
薬草 有益・有害な薬草についての知識
軍事医療(戦場医術) 応急処置、急な怪我の対処法
毒薬 危険な物質を理解し中和する能力
経済学
会計 資金、収益と出費
通商 どのようにしてモノが土地から土地へ売買されているのか
製造 国内資源とそれらがどのように使用されているのかについて
兵法
戦略 陸上戦で勝利する技術
海軍戦略 海上戦で勝利する技術
兵站 兵と物資を迅速に動かせること
信仰
瞑想 己の平穏を見つけ保つこと
占術 将来の可能性についての自然のしるしを読み解くこと
伝承 ノヴァの魔法についての歴史
ルーメン
感性魔法 行使されている魔力を察知する能力
抵抗魔法 魔力からの防御
行使魔法 自身の魔力についての知識とその扱い方

全部で14種類ある分野の内、「ルーメン」にまつわる3種の課目は、特殊な条件を満たさないと授業を受けることができない。詳しくは記事最下段の「おまけ」を参照の事。

 

気分

(ゲーム開始直後の気分の状態)

「気分」の項目を選択すると、エロディ王女の現在の感情値をグラフで見ることができる。

ブルーのリボンのラインを境に、上側がポジティブ傾向、下側がネガティブ傾向な感情になっており、自室メニューでのエロディの表情は8つの気分の内、最も強く傾いている気分のものとなる(上画像の場合は憂鬱の表情になる)。

怒り 喜び 強気 重圧感
恐れ 憂鬱 従順 孤独

気分は週ごとのイベントを通じて頻繁に変動するので、狙い通りにコントロールするのは難しい。午後の外出メニューも併用しながらうまく調節しよう。

なお、4種類のハートマークが全てブルーのリボン上に揃った際は、スキルボーナスにプラスマイナスが一切ない「Neutral」状態となる。

 

感情値のボーナスとペナルティ

ボーナス ペナルティ
怒り 武器、軍事 王家の作法、感情、動物調教、医学
喜び 会話、運動 武器、策謀、軍事
強気 策謀、軍事、ルーメン 王家の作法、歴史、経済学
重圧感 運動、信仰 会話、歴史、経済学
恐れ 俊敏さ、信仰 王家の作法、武器、策謀、軍事
憂鬱 感情、動物調教 王家の作法、会話、運動
従順 王家の作法、歴史、信仰 武器、ルーメン
孤独 会話、医学 王家の作法、策謀、信仰
Neutral なし なし

上表を見ての通り、数値が高くなると「王家の作法」のボーナスがマイナスとなる感情が比較的多く、中々上げる機会に恵まれない。パラメーターを伸ばしたい場合は、週末の時間の選択項目で「公務に出席」を選んで、感情値を「従順」に持っていくところから始めてみよう。

 

衣装

「会話」「武器」「信仰」などの各分野に属する3種類のスキルがそれぞれ25.0以上に達すると、関連した衣装を獲得することができる。

例えば軍事分野の衣装となる「制服」を入手したい場合は、「軍事」(=兵法)にまつわる「戦略」、「海軍戦略」、「兵站」の3つのスキルを25.0以上に上げればOK。

 

衣装の入手後は「衣装」メニューから着せたい衣装を選ぶことで、エロディの外見がその衣装のものに変化する。着せ替えにおける制限は特になく、自室にいる際は所有しているものの中から自由に着替えることが可能だ。

また、衣装は単なる着せ替え要素ではなく、着用状態で各衣装に対応した分野の授業を受けることにより、上昇値にボーナスがかかる(ボーナスがかかるスキルの数字が緑色の文字になる)効果を持つ。

該当パラメーター育成時には非常に重宝するものなので、授業を受ける前には入手した衣装から選んで着替えるクセをつけておこう。

 

週末の行動

イベントパートを挟んだ後には毎回、週末の行動を決定する必要があり、ここまでを経てようやく1週辺りのスケジュールが完了となる。

エロディの行動はお城の中で行うことに限定されているが、基本的にどの行動を選んでもいずれかの感情値のパラメーターが変動するようになっている。

中には、ストーリー進行によって特定のタイミングでのみ出現する選択肢もあるので、出現時には見逃さないようにしたい。

 

週末の行動による感情値の変動(基本)

(※ゲーム内では日本語設定時、一部の箇所で表記が異なっているものがあります。 例:喜び→歓喜 恐れ→恐怖 重圧感→影響力

感情値ボーナス(基本)
宮廷に行く +2従順、+1憂鬱、+1重圧感
庭園を散歩する +1孤独、+1喜び
公務に出席する -1憂鬱
こっそり抜け出す +2強気、+1孤独
おもちゃで遊ぶ +1従順、+1孤独、+1喜び
スポーツ +1怒り
宝物庫を訪ねる +1強気
城を探索する +1孤独、+1恐れ
お墓に行く +1憂鬱、+1恐れ
地下牢に行く +1従順、+1恐れ

「王家の作法」を成長させる上で必要な「従順」の感情値は「宮廷に出る」を選ぶことで大きく傾かせることができる。手っ取り早く調節したい時には、迷わず選んでみると良いだろう。

「公務に出席する」は数少ないマイナス効果を持つポイント。感情値を「Neutral」に近づけたい時などに活用してみよう。

 

マルチエンディングについて

様々なエンディングが用意されている本作だが、プレイヤーの選択やゲームの進め方によっては、不慮な事故、暗殺、戦時での死亡などが原因でエロディが命を落とすこともある。

これも一つの結末ではあるが、エンディングとしては当然ながらバッドエンドとなってしまう。

 

バッドエンドは全部で11種類存在し、これ自体が個別の収集要素ともなっている。

その内容がバリエーション豊かなバッドエンドは、本作をプレイする上でゲーム開始初期における通過儀礼のようなもの。これらの最悪な結末を回避するためには、各死亡要素が含まれるイベントに即して、特定のパラメーターが基準値を超えている必要がある。

プレイ状況によっては直前のセーブデータでやり直しても、該当パラメーターの育成が問題のイベントまでに間に合わずにどう頑張っても回避不可、といったことも決して珍しくはない。

一度失敗すれば、どのパラメーターが足りていないかは判明するので、メモを取るなりの方法でその原因を記憶して次回以降のプレイに活かしていこう。

 

プレイ後の感想

「ロング・リブ・ザ・クイーン」は、古典的な育成型シミュレーションといったゲームデザインで、特に「誕生 ~Debut~」などの90年代にPCプラットフォームを中心に多く見られたこれらのジャンルを愛するプレイヤーにとっては、懐かしさを覚えるゲームシステムとして映るだろう。

合計42種類も登場するスキルパラメーターを始め、情報量がみっちり詰まったインターフェースは、この手のゲームに馴染みがないプレイヤーにとっては思わず敬遠したくなってしまうものだが、ひとたび遊び始めてみれば意外とシンプルなゲームシステムであることを感じられるはず。

 

1周辺りのプレイにおける所要時間は1~2時間程度と短め。本作はボイスに対応していない事もあって、比較的自分のペースでテキストを読み進められるのも嬉しい点で、既読テキストの高速スキップにも対応しているため、2周目以降のプレイも快適に進行が可能。

ピアノ伴奏メインで奏でられるBGMは作品の格調高い雰囲気を助長しており、ゆったりとしたゲームプレイに彩りを添える役割を果たしている。

 

難点は中盤以降に即死イベントの機会が多く見られ、プレイ開始後しばらくの間はどうしてもバッドエンドを迎えがちになってしまうところ。ある程度計画的にパラメーターを育てていかないと、必要な場面で特定のスキル能力値が足りず、いきなりバッドエンドに直行というパターンも珍しくない。

一国の王女である所以かエロディは一部の派閥や人物達から何かと命を狙われる立場にあり、行き当たりばったりでゲームを進めているとすぐに命を落とすことになってしまう。回避策としては、原因となるイベントが発生する週を繰り返しのプレイの中で暗記した上で、それに備えてスキルをしっかりと育てておくことだ。

 

また、インターフェース周りでは、携帯モードでプレイする際に文字が小さく読み辛いのが気になったポイント。本作をTVモードである程度画面から離れた位置で遊ぶ場合には、なるべく画面幅が大きめのモニター(※出来れば30インチ以上)の利用をお奨めしておきたい。

 

タイトル画に使われている魔法少女要素の入ったエロディ王女のキービジュアルも、少女漫画タッチで可愛らしく華やかさを放っている。この衣装はルーメンの各スキルを鍛える事でゲーム内でも入手可能なので、是非とも一度は手に入れてみよう。

 

若干10代という身でノヴァ王国を巡って次々に起こる外交、事件、戦争といった出来事を経験しながら、逞しく成長していく王女エロディ。彼女の運命の全てはプレイヤーの手に委ねられている。

苦難の道を乗り越えて戴冠式へと彼女を導き、ノヴァ王国の立派な後継者へと是非とも育て上げてみて欲しい。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 7.5

 

良い点

  • 少女漫画的なタッチの優美で可愛らしいキャラクターデザイン
  • 自由度の高い育成システムとシナリオ展開
  • 豊富な登場人物によって展開する、王家を巡る歴史的なドラマ

 

惜しい点

  • ふとしたことで落命といった形で、割と理不尽なバッドエンドを迎えるパターンが多い
  • 多くのポイントで、イベントが発生する期日までに複数のパラメーターを一定値以上キープする必要があり、計画的に進めないと特定のエンディングに到達するのは困難
  • キャラクターの情報はゲーム内でチェックできるが、相関図のようなシステムが備わっておらず、人物関係が複雑で把握し辛い

 

 

エンディング到達へのポイント

 

まず前提として、本作においての正ルートエンドとも言える”戴冠式を無事に迎える”エンディングへと到達するためには、最低でも以下のパラメーターが一定値以上必要となる。

・立ち振る舞い(王家の作法)

・感性魔法、抵抗魔法、行使魔法のルーメン系列全て

王家の作法では立ち振る舞いが最低限必要で、他の2つは一定値以上あれば取り敢えず合格ライン。ゲーム序盤に育成する場合、ボーナスがマイナスになっているためまずはそれを調節するところから始めよう。

一方ルーメンはノヴァ王国の歴史に深く関わる重要な概念でもあり、3種類の関連スキルで満遍なく高い数値(70~80程度以上)が最終的に必要となる。

ただし、ルーメンの授業が可能となるのは「王家の水晶」入手後となるので、まずはそれを手に入れなくてはならない。水晶の入手は自然とゲーム中盤~後半になるので、パラメーターを上げる機会もかなり限られてくる。

 

 

水晶の入手には「宝物庫に入る」、「ジュリアンナ、またはセリーネに任せる」の2つの方法があり、正攻法となるのは前者。

ただし、宝物庫に入るためにはルーメンにまつわる話を二人のどちらかからあらかじめ聞いている上で、最低でも「立ち振る舞い」(75.0程度)が必要となる。

更に上記以外に、反射神経、剣、弓道、犬などのパラメーターが一定以上あれば、予想外の危機を乗り越えることができるかも…? 具体的にどういうことが起こるのかは、実際にプレイして確認してみて頂きたい。

 

上記はあくまで戴冠式を無事に迎えるためのワンポイントアドバイスに過ぎず、そこに辿り着くまでに最も高く鍛え上げたスキルによってエピローグが変化する。立ち振る舞いとルーメンという2つのキーポイントを抑えながら、パラメーターを自由に育成してみよう。

果たしてエロディは戴冠式を迎えた後に、どんな歴史を作り上げるのだろうか?

 

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