人形の傷跡(2022リメイク版) – プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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©1998-2022 Child-Dream/Mista Stories
©2022 Mamekujira Inc.
©Hiroyuki Oshima
©Teruyasu Oishi (Music-Support)

 

基本情報

 

タイトル 人形の傷跡 -Scar of the Doll-
対応機種 Nintendo Switch
販売 マメクジラ
開発 Child-Dream(Mista Stories)
発売日 2022年8月18日
対応言語 日本語
備考 IARCレーティング:12+(恐怖,軽い暴力)

オリジナル版は1998年にWindowsにて公開。Nintendo Switch版は2009年のiOS版、2013年のAndroid版、2017年のSteam版に続く4度目の移植となる

 

作品概要

 

「人形の傷跡 -Scar of the Dream-」は国内ゲームデベロッパーであるMista Stories/Child-Dreamによって開発されたゲーム作品。販売はマメクジラが担当。

本作の歴史は古く、オリジナル版はアスキー社のWindows用ソフト『RPGツクール95』によって1998年に製作され、販売後に好評を博した。以降、2000年代には2009年にiOS版、2013年にAndroid版、2017年にSteam版(パブリッシャーはkomodoが担当)が移植版という形で順次登場。

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通算4度目の移植にして最新リメイク版となるNintendo Switch版では、ストーリー部分はそのままに現代のゲームコンソール版にふさわしいインターフェースへと進化。ビジュアルやキャラクターデザインも刷新され、近代的なノベルゲームとして生まれ変わった。

開発担当のMista Stories/Child-DreamはこれまでにRPGやADVを中心にした作品を手掛けており、ケムコが2020年にリリースしたミステリーアドベンチャー「千里の棋譜」も開発タイトルの1つ。Nintendo Switch版「人形の傷跡」については現在、メーカーのホームページ上で英語翻訳スタッフを募集中とのことで、海外ローカライズも視野に入れているようだ。

 

プロローグ

 

(※紹介ページより要約)

 

東京の大学院に通う、姉からの一切の連絡が途絶えた。

心配になった妹の上条明日美は、姉の安否を確かめるべく単身、上京する。

 

姉が在籍していると言う帝都大の研究室

彼女の現住所であるアパート

手がかりとなるであろう両方の場所を当たってみたが、一切の痕跡を見つけられず、明日美は途方に暮れてしまう。

 

一体、姉の身に何が起こったのだろう……?

 

姉に会いたいという強い気持ちを糧に、明日美はなんとしても彼女を探し出すことを決意する。

しかし、彼女はこの時、自分の身に迫りつつある恐怖をまだ知る由もなかった。

 

 

操作方法

 

JOY-CON(左)
Lスティック カーソル移動
上ボタン メッセージを隠す,カーソル移動
下ボタン キャンセル/スキップ,カーソル移動
左ボタン オートモード切り替え,カーソル移動
右ボタン 決定/次のメッセージを表示,カーソル移動
Lボタン バックログ表示/タブ切り替え
ZLボタン セーブ画面表示
-ボタン メニューを開く/閉じる

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン 読み進める
Bボタン キャンセル
Yボタン
Xボタン バックログの表示
Rボタン バックログ表示/タブ切り替え
ZRボタン ロード画面表示
+ボタン メニューを開く/閉じる

 

登場人物

 

(※立ち絵は全てNintendo Switch版のもの)

上条明日美

本編主人公。

失踪した姉の姿を求め、東京にあるという彼女の住所を訪ねるのだが…

水越麻衣子

神子塚(みこづか)研究所の責任者である神子塚武寛の教授秘書。

気さくで誰に対しても話しやすい印象を持つ

椎名信昭

博士課程三年(D3)の帝都大の大学院生。神子塚研究所に在籍。

研究所内では最上級生にあたる

柿崎福太郎

博士課程二年(D2)の帝都大の大学院生。神子塚研究所に在籍。

帝都大構内で偶然出会った明日美に対し、異常に驚いた様子を見せる

一ノ瀬晃

博士課程一年(D1)の帝都大の大学院生。神子塚研究所に在籍。

帝都大には二年前に入学している

林谷佳織

修士課程二年(M2)の帝都大の大学院生。神子塚研究所に在籍。

男子学生ばかりの研究所内における紅一点

船橋恭彦

修士課程二年(M2)の帝都大の大学院生。神子塚研究所に在籍。

眼鏡が特徴的な秀才風の容貌で、いつも冷静沈着な姿勢を覗わせる

弓野誠一

修士課程一年(M1)の帝都大の大学院生。神子塚研究所に在籍。

神子塚研究所には今年入ったばかり。大学構内で猫を飼っている

兼松進

帝都大で技術官として働いている初老の男性。

常時薄ら笑いを浮かべて、不気味な雰囲気を漂わせる

 

ゲームシステム

 

セーブについて

本作のセーブ機能については、自動セーブに6箇所、手動セーブに6箇所の計12箇所への保存が可能となっている。

なお2022年9月現在、本作のセーブ機能に不具合が確認されており、使用時においては公式からの注意喚起が出されている。

詳しくは後記の「プレイ後の感想」項目を参照。

 

選択肢

本編の随所で登場する選択肢だが、偶に選んだ結果が後々の場面で反映されてゲームオーバーを引き起こす原因となる場合がある。

選択を誤り、ゲームオーバーになった場合は、そうなってしまった原因がヒントという形で表示されるので、リトライ時の参考にしてみよう。

 

バックログ機能

バックログでは目印として行(ページ)間ごとに🕔マークが付いており、任意の箇所が反転状態の時にAボタンを押すと、その箇所から即座に読み返すことができる。

ただし、現バージョン(ver1.01)では、BGM演奏開始地点以外の箇所を選んだ場合は、環境音も含め全ての音が停止してしまうという現象が確認されている。(現在のところ、仕様か不具合のどちらであるかは不明)

バックログ画面におけるスクロールバーの移動はRスティック、もしくは方向キーの上下で行えるが、挙動が滑らかなRスティックで行うのがオススメだ。

 

恐怖演出について

NEW GAMEを選択直後、「ホラー緩和モード」の利用の有無を問う選択肢が登場する。

これは、本編内の特定の場面で随所に挿入される各種の恐怖系演出をマイルドな演出へと切り替える機能(※)だ。

(※具体的には、作中の恐怖演出に該当するほぼ全てのシーンが黒一色のBG画に置き換わる)

 

切り替えはこのタイミングでのみ唯一変更が可能で、一度選んでしまうと以降、再びNEW GAMEでプレイするタイミングまで切り替えることはできない。

本作の恐怖演出には余り過激なものは登場しないが、ドッキリ系の恐怖演出が極度に苦手というプレイヤーは「はい」を選んでおこう。

 

プレイ後の感想

『人形の傷跡』はオリジナル版のヒットを経て、2000年代にはスマートフォンへの移植が行われたりと、およそ20余年もの長きに渡り評価されてきたノベルタイプのアドベンチャーゲームだ。

今回紹介したNintendo Switch版は比較的簡素な見た目だったオリジナル版や過去プラットフォーム版と見比べてみても、UIも含めて現代的なビジュアルノベルを意識したデザインへと生まれ変わっており、基本のストーリーを同じくしながらも、一見ほとんど別物と言ってもよい仕上がりだ。

Steam版やそれより以前にリリースされているiOS、及びAndroid移植版については4gamer.netなどのゲーム情報サイトでスクリーンショットを確認することができるので、本作の沿革に興味があるならば見比べてみるのも面白いかもしれない。

 

全編のプレイ時間はじっくり読み進めておよそ6~8時間程度。選択肢システムによるゲームオーバーのバッドエンドは存在するもののストーリー分岐はなく、物語の展開が変化するといったことはない。

万一、選択を誤ってゲームオーバーとなっても、即座にヒントが出現すると同時に直前の選択肢からリトライが可能なので、プレイ中のストレスはほぼ皆無。謎解きのような頭を使う場面もないので、途中の選択肢で正しいものを選びつつ読み進めていくだけで、誰もがエンディングへと辿り着くことができる。

 

今回紹介しているNintendo Switch版ではテキストを進める上でのストレスは無かったものの、メニューやバックログ機能における操作感など、気になる部分も若干数見られた。

特に半透過のテキストウィンドウに、細い黒色のフォントを組み合わせた結果、特定の背景BGと重なった際に文字が読み辛くなる場面が所々に観られたのが、個人的には非常に気になってしまったポイントだった。

 

また、2022年9月現在、Child-Dream公式より”セーブデータに関する不具合“がTwitter上で伝えられている。

Tweetによると不具合の内容は、”上書きセーブ状態でゲームを終了後、再起動するとセーブデータが消えることがある“、といったもの。

筆者も全編をプレイし終えた後、数日間を置いた後に再び本作を起動してみたところ、この不具合に見舞われる結果となった。

投稿内容はリプライへと続いているが、「現状は安全のため、途中経過の保存はSwitchのホームボタンによる『中断』の使用のみを推奨」というのが公式側の見解のようだ。問題点の修正のために追加のアップデートを準備中とのことなので、一層安心してプレイするためには今しばらくの時間を要することとなるだろう。

 

本編の主人公である明日美は、消息を立ったままの姉の捜索を行う最中、とある一つの事件に遭遇。これが発端となり、次第に彼女は姉が在籍していたとされる神子塚(みこづか)研究所の大きな秘密へと巻き込まれていく―

Nintendo Switch版では、2つの新たな主題曲(※)の起用に加え、物語後半の新シナリオや本編後日譚にあたる「ザッピングシナリオ」(※本編クリア後にアンロックされる)の追加など、ストーリー関連で新たに手を加えられた箇所もあるので、既発のプラットフォームでプレイ済みの諸氏にとっては、どう変わったのかをチェックする楽しみもあるだろう。

(※タイトルテーマ曲:「飛ぶ夢を見ない」(大嶋啓之 feat.茶太) / メインテーマ:「少年」(大石輝恭)(クレジットより敬称略))

 

90年代末期ADVの面影を遺しつつ、現代に新たに生まれ変わった『人形の傷跡』。サスペンスとサイエンスフィクションが交錯するハードなストーリー展開は、ノベルゲームファンならば要注目だ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 7.5

 

良い点

  • 過去のリリース版に比べ見た目を中心に大きく進化し、これまでの集大成といった完成度に仕上がっている
  • タイトル画面のBGM、及びエンディングテーマとして書き下ろしの主題歌が新たに追加
  • 選択を誤りゲームオーバーになった場合も、ヒントが表示されると共に原因となった直前の場面からリトライが可能

 

惜しい点

  • フォントとテキストウィンドウ双方のデザインが背景画と絡むことによって、文字が見え辛くなる場面がある
  • バックログ機能の操作感が若干悪く、機能を使用して任意の箇所を読み返した際にBGMと環境音が止まってしまう
  • 2022年9月現在、一定の手順でゲームをプレイした際にセーブデータが初期化される不具合がある

 

 

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