Loop Hero ~孤高の英雄が失われた世界の再生を目指す、ストラテジーRPG

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基本情報

 

タイトル Loop Hero
対応機種 Steam/Nintendo Switch/EPIC Games/GOG.com/Humble
販売/開発 Devolver Digital/Four Quaters
発売日 2021年3月5日(Steam/EPIC Games/GOG.com/Humble)/2021年12月9日(Switch版)
対応言語 日本語,英語,フランス語,ドイツ語,スペイン語-スペイン,韓国語,ロシア語,ポルトガル語-ブラジル,中国語 (繁体字),中国語 (繁体字),イタリア語,オランダ語,トルコ語
備考 IARCレーティング:12+(性的ほのめかし、ののしり言葉 (軽度))

 

作品概要

「Loop Hero」(「ループヒーロー」)はポーランドのデベロッパーFour Quartersが開発を手掛けるゲーム作品。販売は「Luftrausers」「The Messenger」など良質なインディーゲームを多数販売している人気パブリッシャーDevolver Digitalが担当。

本作はSteam、EPIC Games、GOG.com、Humble Bundleなど多数のダウンロードゲーム配信プラットフォームでPC版が北米・欧州・アジアを対象にリリース。そしてこの度、2021年12月にNintendo Switch版配信開始で、初のコンソール版が登場となった。

本作はリアルタイムストラテジー要素を取り入れたロールプレイングゲームで、プレイヤーは崩壊を間近に控えた世界に降り立つ一人の英雄として、遠征と村を交互に行き来しながら世界の再生を目指していくといった内容になっている。

 

リンク:Loop Hero(official site)

リンク:Loop Hero(Devolver Digital official site内)

リンク:Four Quaters Team(Twitter)

リンク:Devolver Digital(Global Twitter)(JP Twitter)

 

操作方法

 

操作方法(Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン 項目の選択
Lスティック カーソルの移動
Lボタン (遠征モード中)ゲームスピード変更メニューを表示
ZLボタン (遠征モード中)デッキ上のカード選択切り替え
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック (遠征モード中、押し込み)所持中の資源を表示
Aボタン 決定、(押したまま)ドラッグ操作
Bボタン キャンセル
Yボタン (遠征モード中)プランモード/アドベンチャーモードの切り替え
Xボタン (遠征モード中)退却メニュー表示
Rボタン 利用中のトレイトを表示
ZRボタン (遠征モード中)装備メニューをアクティブにする
+ボタン メニュー表示

PC版はマウス&ドラッグ操作が標準である以上、最も最適化が成された操作方式であったとは思われるが、一方Nintendo Switch版は機体の性能を活かした複数のスタイルでのプレイが可能なのが魅力となる。

TVモードではJoy-ConやProコントローラーによる操作、携帯モードでは左記操作に加えて画面タッチ操作にも対応しているのが大きなポイント。TVモードではAボタンを押しながらのドラッグ操作が少々煩わしい点、携帯モードではオブジェクトやテキストの小ささがそれぞれデメリットとなっているが、各自プレイし易い方で楽しもう。

 

遠征パート

 

プロローグを経て、プレイヤー(英雄)は名もなき荒野へと一人放り出される。

「Loop Hero」のゲーム内容は遠征とキャンプ2つのパートを交互に繰り返していくスタイルとなっており、遠征では”自動で荒野を周回する”英雄を生存させるべく、周辺に様々な自然や建造物を設置していくリアルタイム方式のストラテジーでゲームが進行。キャンプでは遠征で手に入れた建材を使って村に様々な施設を建設したり、遠征で手に入れた資材を使ってアイテムクラフトを行っていく。

これら2つのパートを交互に繰り返しながら崩壊寸前の世界の修復を進めていくことで、やがて英雄はこの事態を引き起こした黒幕の正体へと迫っていく。

プレイ開始からしばらくはチュートリアルも兼ねて、新たな要素が登場するたびに随時解説が入るようになっているが、以下ではチュートリアルをなぞる形でシステムについて簡単に触れていこう。

 

荒野(ロード)

遠征パートでは基本的にプランとアドベンチャーの2つのモードをYボタンで交互に切り替えながら進めていく。

まずプランモード状態ではプレイヤーが画面内のUIを駆使して英雄の装備や特技などの確認したり、画面下部のデッキからカード(地形や施設)を1枚選びフィールド上の空きタイルに設置して整地を行っていく。

 

一方、アドベンチャーモード状態では画面にトラックレースのように敷かれた荒野(ロード)を英雄が自動で延々と周回し続けるモードで、この荒野上にはあちこちで定期的に敵が出没する。

プランモードで特にフィールドに変化を起こしていない状態ならば、最も弱くこれといった特徴ももたないスライムしか出現しないようになっているが、マップ上の各タイルに地形や施設を設置していく内に新たな種類の敵が出現することがある。フィールドの内容が充実していけばいくほどに手強い魔物が登場するというシステムだ。

以上の2タイプのモードの特徴を踏まえた上で、プレイヤーは英雄を死なせないよう定期的な装備品の更新、敵モンスターの分布状況やフィールドの構造を上手く管理しながら、条件を満たす事で登場するチャプターボスの打倒を目指すことが遠征パートでの目的となる。

 

エネミーレベル

1周ごとに画面右上に表示されるエネミーレベル数値が1増加。名称どおり敵の強さを表しており、周回を続ければ続けるほど自然と敵が強くなっていってしまう。いくら特徴をもたずに弱いスライムでもこのシステムの関係上、20周、30周に登場するものとなればかなり手強い相手となってプレイヤーの前に立ち塞がる。

 

カードデッキ

画面下部のデッキには最大12枚のカードを温存することができ、遠征中に敵を倒すなどの特定のタイミングで画面下部のデッキに並ぶカードが古いものから順に1~3枚除かれ、新たなカードが追加されていく。カードの並びは自分で変えることができないので使いたいカードがある場合、温存しすぎて機会を逃すくらいならばいいタイミングで使ってしまうのも1つの手だ。

取り分けオブジェクト、モンスターどちらでも任意の対象を1つ強制撤去することができる「忘却」は非常に有利なカード。しかるべき時に向けて可能ならばなるべく温存するようにしたい。

 

装備品

装備品についてはZRボタンで切り替えが可能な画面右側の専用UIから確認が可能。上部は各部位ごとの装備中アイテム、下部は所持している装備品の枠となっている。所有可能な装備品は計12個までで、所持上限を超える場合は入手順の古いものが自動で廃棄される。(英雄にローグを選んでいる場合は1周ごとに全ての装備品が自動で更新される)

次第に強くなっていく敵に対抗するためには、周回中に手に入る装備品を自身のパラメーターに合ったものに更新していかなければならない。ハクスラ系作品によくあるように、装備品にはグレード要素が設けられており、アイコンの背景色がそれぞれ灰色 → 青 → 黄色 → オレンジの順にレアリティが高くなる。グレードはオプション数に関係しており、グレーはオプションなし、青は1、黄色は2、オレンジは3つ必ず付与している。

装備品は上書きシステムなので、新しいものを装着するとそれまで装着していたものはその場で廃棄となる。ただし注意したい点が1つあり、例えグレードが高くとも実際に同じ装備レベル帯のものを並べてみると、オプションが何もついていないグレーの装備品の方が性能値がより高いという場合も多い。

装備の更新は毎回、同じ遠征中はその後の冒険の命運を分ける重要な選択となるので、有用なオプションがついているからといって、安易に交換してしまう前にまずは双方の性能をよく見定めてからにしよう。

 

トレイト

レベルアップを経て、一定レベル到達毎にトレイト(特性)を表示された3種類の内から1つを選んで習得する事ができる。トレイトの種類はチャプターボス討伐時のリワードでの入手を始め、ゲーム進行に沿って少しずつ増えていく。左側が選択可能なトレイトの候補、右側が現在進行中の遠征で効果が有効となったトレイトをそれぞれ示している。

条件達成時に3種類が選ばれるトレイトについては獲得済みのものから完全ランダムで選ばれ、場合によってはその後の戦況を有利にする場合もあるので、その内容と現在の戦況を吟味した上でじっくりと選ぶように心掛けたい。

 

キャンプパート

 

遠征からの退却、もしくは遠征中に英雄が死亡することでキャンプモードへと突入する。

キャンプパートでは遠征中に手に入れたリソース(資材)を利用して、建造やクラフト(要条件)による世界の修復作業を行うことができる。キャンプパートでは遠征パートとは違ってリアルタイム的な要素はないので、じっくりゆっくりと管理を行っていこう。

 

建設

建設可能な自然や施設はツリー開放型になっており、種類によって必要リソースや設置可能数がそれぞれ異なる。設置可能数が1固定のものはいずれも比較的重要度は高い。

序盤においては入手可能なリソースの種類も限られるためある程度建設可能なものは自然と決まってしまうが、まずは手近なものから順に開放していこう。

 

キャンプ物資

キャンプ物資メニューでは遠征中の発見やアイテムクラフトを通して手に入れた物資を自由に選択し、保管することで遠征時に効果を発生させるステータスボーナスを得ることができる。

専用メニュー(上画像)の家具、道具、食べ物、装具の4つのカテゴリ毎に設けられた枠と、ウィンドウ右上に表示される数値の範囲で所持している物資の中から自由に組み合わせることができるが、効果が重複するものとしないものも存在するので、効果説明によく目を通して最適な組み合わせを行うよう心がけたい。

 

アイテムクラフト

鍛冶工房などの特定の施設を設置することで、アイテムクラフトが可能となる。(家具、食料などアイテムのタイプごとに必要な施設は異なる)

必要材料となるリソースが必要数そろってる状態で1つずつ作成が可能だが、造りたいものを直接自分で選ぶ事はできず選んだタイプの中からのランダム製造となる。

また、アイテムクラフトメニューでは作成以外にもアイテムの解体も可能となっており、解体後はそのアイテムを構成していたリソースとなって還元される。物資各種は遠征を繰り返す内にどんどん溜まって来るので、不要なものは解体で別途クラフト用途のリソースへと変えてしまおう。

 

プレイ後の感想

「Loop Hero」はRPGともRTSともカテゴライズし辛い独特なゲームシステムが魅力の1つだ。ゲーム画面からは一見だと「情報量が多くてなんだか複雑そう…」という印象も受けるのだが、実際に触ってみると丁寧なチュートリアルとテンポの良い遠征パートで、コツコツ築き上げるのが好きなプレイヤーには中毒性の高いシステムとなっている。

周回を続けるごとに強化を繰り返すモンスター、装備品に加えてキャンプ資材や遠征中にフィールドのタイルを充実させることでステータスボーナスを獲得して英雄を強化、どんなものが配られてくるかわからないデッキシステム、といった不確定なローグライクRPG要素が中毒性の向上にもつながっているが、死ぬと集めた資材が台無し(一応集めた内のほんの少しは持って帰る事ができるのだが)になるといったローグライクらしいもどかしさも。

例え存分に鍛え上げて万全の状態に整えたとしても、無計画に適当な地形構築を行っていると突然出現した強力な一般モンスターに一気に押し負けるというケースも多く、生きてキャンプへ帰るためには、次々に入手する装備品の目利きや、設置後に及ぼす各地形タイルの効果、様々な状況を想定したデッキの管理、モンスター達の多彩な能力、そしてチャプター毎のボス対策など、遠征1回における様々な要素に対する分析とそれを踏まえた戦略が重要となる。

ストーリー面でのインパクトは薄いが、手軽さの面においてもローグライクタイプのゲームが好きなプレイヤーには見逃せない作品。是非お試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 8.0

 

良い点

  • 情報量の多いインターフェースの見た目に圧倒されがちだが、ゲームシステム自体は比較的シンプル。チュートリアルも丁寧で一度仕組みが分かれば中毒性の高い作品へと昇華する
  • ローグ系のようなランダム性の強い各ゲーム内要素で、繰り返し挑戦する面白さを含んでいる
  • ゲーム進行に連れて解放される能力の異なるクラスの存在により、1度の遠征ごとに全く違う条件での挑戦が可能

惜しい点

  • プレイヤー側の戦略が噛み合わないと遠征中の死亡が多発して中々先のチャプターに進むことができず、足止め感を味わい易い
  • 有用な効果もあると同時に新たな敵が登場するようになる、といった設置後のメリットよりもデメリット要素の方が目立つオブジェクトが多い
  • プレイを突き詰めていく内に「フィールド設置物をいかにデメリット効果のないオブジェクトで固めていくか」といった消極的なプレイスタイルに陥り易い

 

 

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