Shaolin vs Wutang ~アジアを中心に様々な格闘術が集う、功夫映画リスペクトの対戦格闘アクション

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©2021: GodSpeed Gaming Solutions Pvt Limited

Developed by J.Bowman

 

 

基本情報

 

タイトル Shaolin vs Wutang
対応機種 Steam/Nintendo Switch
販売 GODSPEED GAMES
開発 J.Bowman(Steam版は販売も兼任)
発売日 2018年7月26日(Steam版)/2021年3月4日(Switch版)
対応言語 日本語,フランス語,スペイン語,中国語(簡体字),中国語(繁体字),広東語(粤語),英語
備考 IARCレーティング:12+(軽い暴力)

販売プラットフォームのバージョン毎にプレイアブルキャラと登場流派の数が異なる。(Steam版:30人、Nintendo Switch版:27人)

 

※以下の記事はNintendo Switch版の紹介となります。他プラットフォームのバージョンとは一部内容が異なる箇所がある事をご留意下さい。

 

作品概要

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「Shaolin vs Wutang」(「シャオリン vs ウータン)はブルックリンのデベロッパーJ.Bowmanが開発販売を手掛けるゲーム作品。国内Nintendo Switch版ではインドのパブリッシャーGODSPEED GAMESが販売を担当。

本作は数々の武術の達人が一同に介し、最強を決めるといった内容の対戦型格闘アクションゲームだ。70年代~80年代を中心に、世のアクション映画を席巻したクンフー映画。截拳道(ジークンドー)や酔拳、琉球唐手(※作中表記は「沖縄空手」)などの達人は一目で元のモデルや登場作品がそれとわかる作りなのは、映画ファンならニヤリとすること間違いなし。

 

対戦相手同士の距離によってズームイン&アウトする本作のカメラワークはSNK社の格闘ゲーム「龍虎の拳」シリーズを彷彿とさせるもので、大きなキャラが画面狭しと互いの技を繰り出すプレイ画面は迫力満点だ。

 

リンク:J.B(開発者Twitter)

リンク:GOD SPEED Games(Twitter)

 

登場流派

 

以下はNintendo Switch版に登場する流派。全27種。五十音順表記

流派名(和名/英名) 使用武器 発祥地 備考
アメリカ空手 USA Karate 棍棒 アメリカ 登場映画作品「燃えよドラゴン」(1973) など
詠春拳 Wing Chun 胡蝶双刀 西安 登場映画作品「イップ・マン 序章」(2008)、以下同シリーズ
沖縄空手 Okinawa Karate 短刀 東京 登場映画作品「激突!殺人拳」(1974) など
カポエラ Capoeira ビリンバウ ブラジル
唐手道 Tang Soo do 鉄甲 イギリス 登場映画作品「ドラゴンへの道」(1972) など
キックボクシング Kickboxing エスクリマ棒 ドイツ 登場映画作品「ベスト・キッド」(1984) など
金鐘罩 Armor of God トンファー 広州 登場映画作品「龍形刀手金鐘罩」(1978)*日本未公開 など
五行拳 5 Element Fist 偃月刀 西螺鎮 登場映画作品「拳精」(1978) など
蔡李佛 Buddhas Palm 月牙鑢 ラサ 登場映画作品「ザ・マスター 宗師」(2015) など
猿拳 Monkey Fist 棍棒 澳門 登場映画作品「モンキーフィスト 猿拳」(1979) など
截拳道 Jeet Kune Do ヌンチャク 香港 俳優・武道家であるブルース・リーが提唱した武術、及び哲学。「截拳道」という名称は1966年に誕生
酔拳 Drunken Fist 瓢箪 北京 登場映画作品「ドランクモンキー 酔拳」(1978) ほか
酔八仙 Old Drunkard 竹傘 南京 登場映画作品「ドランクモンキー 酔拳」(1978) ほか
長拳 Longfist 三節棍 チベット いわゆる「少林拳」。競技用に制定されたものが「長拳」と呼ばれる。

登場映画作品「少林寺三十六房」(1978) ほか

蟷螂拳 Mantis Fist 台北 登場映画作品「ジャッキー・チェンの必殺鉄指拳」(1978)ほか
虎拳 Tiger Claw 中国刀 上海
忍術 Ninjitsu 日本刀 京都 作中では日本刀、手裏剣、体術を駆使して戦う。ファイトスタイルはゲーム「バーチャファイター」シリーズのカゲに近い
白眉 White Brow 鉄煙管 ラサ 登場映画作品「少林虎鶴拳」(1978) ほか
八卦掌 8 Diagram Fist 双鉤 武漢 登場映画作品「グランドマスター」(2013) ほか
武術 Wu Shu 竹扇 上海 登場映画作品「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明」(1991) 、以下同シリーズ ほか
蛇拳 Snake Fist 天津 登場映画作品「スネーキーモンキー 蛇拳」(1978) ほか
鳳拳 Phoenix 方天戟 深圳
ムエタイ Muay Thai ククリ刀 タイ 登場映画作品「マッハ!!!!!!!!」(2003) ほか
鷹爪功 Eagle Claw 鎖鎌 広州 登場映画作品「スネーキーモンキー 蛇拳」(1978) ほか
レスリング Wrestling 金棒 蒙古 登場映画作品「ブラッド・スポーツ」(1988) など
蓮花掌 Lotus Palm 中国剣 北京

※Steam版は上記に、柔道(Judo)ハプキドー(Hapkido)、少林十八羅漢手(18 Louhan Fist)を加えた計30種となる。

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
左右ボタン 移動
上ボタン ジャンプ
下ボタン しゃがむ
Lスティック
Lボタン
ZLボタン
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン パンチ
Bボタン キック
Yボタン 武器
Xボタン ダッシュ
Rボタン
ZRボタン
+ボタン ポーズ(一時停止)機能

「Shaolin vs Wutang」では拳、蹴りの基本的攻撃にダッシュと武器攻撃を加えた計4種のアクションをA、B、X、Yそれぞれのボタンで繰り出すことができる。

使用するボタンも格闘ゲームとしては比較的少ない部類に入るため、とても覚えやすいのが良ポイントだ。一方で移動操作にスティックは用いられず、方向キーのみというスタイルはここ最近の格闘ゲームでは少々珍しくも感じるところ。

 

ゲームシステム

 

打撃(パンチ&キック)/武器攻撃

Aボタンでパンチ、Bボタンでキック、Yボタンで武器による攻撃がそれぞれ可能。

パンチやキックは繰り出すたびに気メーター(後述)のゲージがわずかに増える半面、武器攻撃は気メーターがわずかに減少する。

打撃に比べて武器攻撃はリーチが長い技が多いので、気メーターの貯まり具合との兼ね合いでよく考えて使って行こう。

 

投げ/投げ抜け

投げ可能な間合いにいる際に、相手のいる方向にキーを入力しながらA+Yボタンを同時に押すと投げ技を決めることができる。

本作の投げ間合いは比較的広く、”敵が繰り出した技”に反応して投げが成立する場合も見られる。またタイミングはシビアだが、相手の投げ技が決まりそうな際にタイミング良く同じコマンドを入力すれば投げ抜けも可能だ。

 

必殺技(コマンド入力式)

方向キー、もしくは左スティックをテンキー配列で236、もしくは214の方向(いわゆる波動拳or竜巻旋風脚コマンド)に入力後にA、B、Yのいずれかを押すと対応した必殺技を出す事ができる。

入力方法はオプションの「動作チェック」項目から共通コマンドとして確認可能だが、一人一人の必殺技がどのコマンドに対応しているのかを調べる方法がないので、自分で捜すしかない。

 

気メーター

画面下段の気メーターは4段階表示制。

パンチ、キックや必殺技を使う度に少しずつ貯まっていき、フルチャージ状態の際に超必殺技、もしくはコンボブレイクを一度だけ出す事が可能。一方、武器攻撃を繰り出すとフルチャージ状態からでも少量減少するので要注意。

 

超必殺技

気メーターがフル状態の時、A+B同時押しで発動。発動時は一時的にカメラが斜め寄りの視点となるインパクト演出が挿入される。

 

コンボブレイク

気メーターがフル状態の時、A+Y同時押しで発動。発動時は操作キャラクターの全身が一瞬金色になる。地上でコンボ攻撃を喰らっている際、この攻撃を使う事で割り込んで連携を強引に止める事が出来る。ゲージフルでないと使えないというのが難点だが、ピンチ時のゲージ利用手段の1つとして狙っていきたい。

 

ゲームモード

 

「Shaolin vs Wutang」では1人用、2人用共に様々なモードが用意されている。

 

モード名 備考
アーケード 1人用モード。2本先取制。27名の中から1人を選び、計15名を勝ち抜いていく
対戦モード 1~2人用モード。2本先取制。シンプルな対戦モード
練習モード 操作及び対戦キャラとステージを自由に選んで技の練習を行える。ダミーのAI設定も可能
サバイバル 1人用モード。1本先取制。自キャラを含めた計27人全員を倒していくモード。1本取られた時点でゲームオーバー
チームバトル 1~2人用モード。キャラを1人ずつ選んでチームを結成、最大5対5でチームによる勝ち抜き戦を行うモード
トーナメント 1~2人用モード・4人、もしくは8人参加型のトーナメント戦で最強の1人を決するモード

 

アーケード/対戦モード

「アーケード」は総勢27人のキャラクターから1人を選択。計15人登場する相手と順に対戦していくシングルプレイ専用のモードで、全員を倒すと個別のエンディングを鑑賞可能。

「練習モード」は名称通り、自由にキャラクターとステージを選んで練習プレイが可能なモード。キー入力ログの表示オンオフ切り替え、気メーターの設定、ダミーの動作設定などオプションではかなり細かい調整が可能なので、自分好みに設定して思う存分練習してみよう。

 

サバイバル

「サバイバル」では本作に登場する全ての格闘術の使い手をライフゲージ持ち越しルールで全て順に倒していく。

1本先取で先に進むことができるが、逆にこちらが1本でもとられた時点でゲームオーバーとなってしまう過酷なモードだ。

(※対戦相手の登場総数はNintendo Switch版は計27人、Steam版は30人となる)

 

チームバトル

チームバトルではキャラクターを1体ずつ選択してチームを結成、最大で5対5のチーム同士での勝ち抜き戦を行う。プレイヤーとAIで競う事もできる他、AI同士で試合の過程を眺めることも可能。

試合終了後、ライフゲージを持ち越しにするか、僅かに回復するか、全快にするかをあらかじめ選ぶ事ができる。

 

トーナメント

トーナメントモードでは最大8人の格闘家をトーナメント形式で戦わせることができる。

参加枠1つ毎にプレイヤーとAIのどちらで参加するかの指定を行えるが、8人全員をAIに指定すればプレイヤーは観戦に徹することもできる。純粋なプレイヤーの腕試しに加えて、どのAIが優勝するか予想するといった楽しみ方も可能なのは面白い点だ。

 

プレイ後の感想

「Shorin vs Wutang」は格闘ゲーム史上、あまり類を見ない”功夫に特化した”対戦アクションゲームで、壮大な劇伴とビシバシと心地よい打撃音を始めとするSEが「70~80年代のアジアンアクション映画」の雰囲気を絶妙に醸し出しいる。

ゲームデザイン的には「ストリートファイターEX」シリーズを代表する”3Dキャラモデルの2D格闘ゲーム”といったものになっており、功夫映画に目が無く、90年代格闘ゲームブームの頃に多数見られたB級テイストのタイトル群が好きな方であればイチオシ。

 

Switch版でプレイする場合の注意点として、コマンド入力と同時押しがJoy-Conでは少々やり辛く、ゲームオプション側にキーコンフィグが搭載されていない影響で超必殺技やコンボブレイクなど一部の技が出し辛いという点が挙げられる。気になる場合は他のタイプのコントローラーを別途用意することで、操作の快適さ向上に繋がることだろう。

 

今回紹介したNintendo Switch版はプラットフォームに併せての最適化のためか、Steam版に比べるとグラフィックが幾分かダウングレードした印象を受けるが、本作が持つゲーム性と、世にも珍しい功夫メインの総合格闘技対戦型ゲームの味わいの魅力は決して損なわれることはない。題材となる映画作品にわずかでも触れた事がある格闘ゲームファンならば、見逃せない一作となるのは間違いなしだ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 7.0

 

良い点

  • 功夫アクション映画に登場したものを中心に、20以上の多数の流派や格闘術が登場
  • ガード時に防御と回避を混在したアクションを行ったりと、自然かつ見栄えのよい防御動作が心地よく描かれる
  • マルチプレイを中心にしたゲームモードが多彩。とりわけトーナメントモードではAI同士による観戦プレイも行えたりと幅広い遊び方が可能

惜しい点

  • 日本語でプレイする際、台詞モードオンにおける翻訳精度の粗が目立つ。フォントについても英語に比べると無難なデザインのものが選ばれており味気無さを感じる要因に
  • ボタン同時押しやコマンド入力式の各種技がJoy-Conでは若干出し辛い
  • 制限時間設定はある一方、先取本数設定がどのモードでも行えず、ほとんどのゲームモードで2本先取制固定となっている

 

 

 

出場キャラクター&登場ステージ

白眉 vs 鷹爪功

 

酔八仙 vs 酔拳

 

沖縄空手 vs アメリカ空手

 

猿拳 vs 虎拳

 

これまで挙げてきた通り本作にはアジア方面発祥のものを中心とした様々な流派や格闘術が登場するが、それに伴う戦いの舞台もアジアを中心に多数用意されている。それぞれ形や構えも全く違うので、色々な組み合わせを試すだけでも毎試合違った味わいを楽しむ事ができるのは大きな魅力だ。自由に選んで是非、自分だけの戦いの舞台を演出してみよう。

 

 

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