Murtop(ムルトップ)(Nintendo Switch版)- プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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©Flynn’s Arcade all rights reserved

 

基本情報

 

タイトル Murtop
対応機種 Nintendo Switch,Steam,itch.io
販売 Flynn’s Arcade
開発 hiulit
発売日 2023年5月19日(Steam版)、2023年5月18日(Switch版)
対応言語 英語
備考 IARCレーティング:7+(暴力(軽度))

対応言語は英語のみだが、ゲームプレイには一切影響なし

 

作品概要

 

「Murtop」(ムルトップ)はバルセロナのゲーム開発者hiulit氏の個人開発によるゲーム作品。各プラットフォーム版においてFlynn’s Arcadeがパブリッシャーを担当。

本作は80年代アーケードテイストの画面固定型アクションゲーム。ウサギのMurty(ムルティ)を操作して、ステージ内の敵を全滅するのがゲームの目的となる。

 

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爆弾を駆使しながら地中を掘り進むといった、「ボンバーマン」と「ディグダグ」を掛け合わせたようなシンプルなルールと爽快感のあるゲームシステムが特徴。

同開発者の手により、『RaspberryPi』*で製作したバージョンがベースとなっており、細かい部分までアーケードゲームらしさを再現した演出も注目ポイントの1つだ。

 

(*英国のRaspberry Pi財団が開発した、ARMプロセッサ搭載のシングルボードコンピュータ。日本では「ラズパイ」の略称で呼ばれることも。)

 

リンク:hiulit(開発者Twitter)

リンク:Flynn’s Arcade(Twitter)

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン 移動
Lスティック 同上
Lボタン
ZLボタン
-ボタン クレジット投入

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン 項目決定
Bボタン キャンセル
Yボタン 爆弾設置
Xボタン
Rボタン
ZRボタン
+ボタン ポーズメニュー/(タイトル画面でクレジット投入後)ゲームスタート

ゲームを開始したい時は、まずタイトル画面で-ボタンを押してクレジットを投入。Creditが1以上の数字になっている時、+ボタンでゲームスタートとなる。

 

オプション関連

 

Volume ゲーム音声ボリュームの変更
Bezel 壁紙の変更。OFF:無地、1:キャラクター壁紙、2:キービジュアル壁紙
CRTfilter CRTモニター風フィルターのオン/オフ
Pixelperfect 画面スケールの変更
TATEmode 縦画面モードの切り替え。ONで縦置きモードになる
Screenshake 画面振動効果のオン/オフ
Screenflash 画面フラッシュ効果のオン/オフ
Colorpalette カラーパレット。1~8、OFFの計9タイプから変更可能

 

プレイヤーのアクション

 

🥕移動🐇💣

本作の移動方式は上下左右の4方向仕様。

Lスティック、もしくは各方向キーの入力でムルティをそれぞれの方向へと、土を掘り進めながらの移動が可能。

ただし、ボーナスステージエリアでは左右のみの移動仕様となっている。

 

🥕爆弾の設置🐇💣

Yボタンでムルティのタイル1つ分後方に爆弾を設置。

ムルティが右を向いている際は左方向1つ隣に、上を向いている際は下方向1つ隣と向いている方向によって設置先が変化するため、仕様に慣れない内は誤ったポイントへの設置が増える可能性は高い。

 

爆弾は設置からおよそ1秒後というハイペースで起爆し、設置ポイントを中心とした四方にかなりの長射程となる爆風を放つ。爆風にムルティが巻き込まれた場合はミスとなり、残機を1つ失ってしまう。

なお、爆弾が使用可能なのは地中のみで、地上では設置不可であると同時に爆風も届かない。プレイ開始初期は、まずはこういった爆弾の特徴を意識するところから始めてみるといいだろう。

 

🥕岩を利用する🐇💣

地中のあちこちには岩石が埋められているが、1タイル下の土を掘ることで落下。落下方向に敵がいた場合は、そのまま撃退することができる。

非警戒状態であっても敵は常に動き回る分、慣れないと狙うのは難しいがスコアアップには欠かせない撃退手段の1つだ。

 

ゲームシステム

 

🥕クレジット🐇💣

本作はクラシックアーケードゲームに寄せた仕様になっており、任意のタイミングで-ボタンを押すことでクレジットを1つ分投入することができる。(最大クレジット数は9)

これにより、コンティニュー回数も実質無制限となっているが、コンティニューによるステージ再開時はスコアが0に戻ってしまう点には注意。

 

🥕残り時間に注意🐇💣

各ステージには60秒の制限時間が設けられている。

時間内にクリア出来なかった場合、残機数に限らず即座にゲームオーバーとなってしまうので、のんびり挑まずスピーディーなクリアを目指したい。

 

エネミーキャラ

 

ムルティを妨害するエネミーキャラは以下の3種類。

 

Baldy(バルディ)

近付くと警戒モードに入り、ムルトップを一定距離追いかけてくる。

Talpy(タルピー)

左右にのみ往復。ムルトップに気づくと立ち止まって投石を行う。

Starnosed(スターノーズ)

5の倍数のステージにのみ登場。地中には一切降りず、地上を左右に往復しながら鉄球を転がしてくる。

 

この内、Starnosedは倒すことができないエネミーキャラとなっており、それ以外の敵を全滅させることでステージクリアとなる。

 

スコアボーナス要素

 

🥕ニンジン🐇💣

ニンジンを回収すると、1つ辺り400ポイントを獲得できる。

2つ目は800、3つ目は1200と等倍で増えていくため、率先して回収することで安定したスコア源となる。

 

🥕チェーンボーナス🐇💣

1つの爆弾で、複数の敵をまとめて退治すると連続ボーナスが加算される。

爆発のタイミングや敵の動きも加味すると安定して狙えるボーナスとは言い難いが、短時間クリアを目指すテクニックとして重要だ。

 

🥕敵を倒した時の状況とスコア値の関係🐇💣

ALERT状態である時など、敵の状態によって撃退時の獲得スコアが変化する。

爆弾で撃退 岩で撃退
敵に気づかれていない(WALK)状態 400pts 1,600pts
敵に気づかれた(ALERT)状態 200pts 800pts
敵に追われている(CHASE)状態 100pts 400pts

上の表でいけば、単体の敵を倒した際に最も高いスコアが得られるのは”見つかっていない状態の敵を岩で倒した時”となる。

また、一回の攻撃で複数の対象を倒した場合は、同時撃退数に応じて2倍、3倍、4倍と等倍で増加する。

高い倍率を目指し、複数の敵を上手く誘導して爆弾や岩での一掃を狙いたい。

 

🥕スペシャルボーナス🐇💣

各ステージを15秒以内にクリアすると、5,000ポイントのスペシャルボーナスが加算される。

とはいえ、15秒という時間はステージ開始からあっという間に経過してしまうため、安定して叩き出すことは難しい。

特に先のステージへと進むに連れて、敵の登場数も多くなりスピードクリアはますます困難となる。

狙う場合は頭数の少ないステージで、可能な限りしっかりと稼いでいきたい。

 

🥕エクステンドボーナス🐇💣

80,000点到達毎にムルティの残機が1つ追加されるエクステンドボーナスが発生する。

獲得回数に上限は特に定められていないため、残機が心細くなってきた時ほど安心感を得られるボーナス要素となるだろう。

 

ただしこのボーナスには注意点が1つあり、残機数が最大の5に達している際に到達した場合は上限を超えて残機を増やすことができないことを覚えておこう。

 

🥕シークレットボーナスステージ🐇💣

各ステージではある条件を満たすことで、地上に特別なニンジンが出現。これを回収することで隠しボーナスステージへと移動することができる。

その条件とは、岩を使ってステージ内の敵を5匹退治すること。

ここで出現するニンジンは特別な形をしており、1個入手につき1,500ptsと元のボーナスステージに比べて1.5倍になっている。各ステージ毎に入場権獲得のチャンスがあるので、高得点を狙う上では欠かせない。

 

ver.1.1.3適用後の変更点

 

各プラットフォーム版共通のバージョンとなるが、本作はver.1.1.2アップデート(NintendoSwitch版はver.1.1.3)によってゲームバランス調整にも纏わる様々な変更が行われた。

目立つところでは以下のような変更点がある。

 

・エクステンドボーナスが30,000点毎から80,000点毎に変更

・ボーナスステージのニンジン1個辺りのスコア加算式を変更

・シークレットボーナスステージの追加

・テキストフォント/ベゼル1デザインの変更(※これに関する影響は、国内版のみの可能性あり)

 

ゲーム性に大きく影響を与える変更点が多く、修正前はメリハリが薄かったゲーム全体の難易度もこのアップデートによってグッと引き締まるものとなった。新たなスコア稼ぎ要素となる「シークレットボーナスステージ」の追加も大きい。

(上画像:ver.1.0.2以前/下画像:ver.1.1.2以降)

一方、このアップデート以降、アタリフォント風であったスコア表示の文字が一律、唐突に変化しているといった現象が見られる。先立って展開が行われている日本語仕様環境でのSteamデモ版同バージョンにおいても同じことを確認済みだ。

この現象についてスクリーンショット付きでそれとなくツイートしたところ「日本語仕様時における不具合」と開発者から直接リプライが寄せられ、今後のバージョンで元のフォントに修正予定であるとのコメントを頂いた。

リリース開始以前、という極めて限定的な状況で確認している現象で、且つゲームプレイには直接影響のある変化ではないが、今後の対応を待ちたいところだ。

 

 

プレイ後の感想

以下では、実際にプレイしてみた上での簡単な所感を綴っていくが、今回もパブリッシャーのご厚意により、配信開始日より少し速いタイミングでプレイさせていただく機会を得られたことをここで改めてお礼を申し上げたい次第である。

なお、記事内のスクリーンショットでフォントが異なるものについては、記事作成中に実施されたver.1.1.3アップデート以降に撮影したものが混在している関係であることをご了承頂きたい。

 

「Murtop」はhiulit氏の個人開発による新規タイトルで、クラシカルなゲームデザインをベースに、現在はローカルプレイ限定仕様でありながらもスコアアタックのアツい内容となっている。

「ボンバーマン」と「ディグダグ」の特徴を組み合わせたという本作は、手動操作によるクレジット投入、縦画面モード、起動時の基板チェック風の演出など、クラシックアーケード的な作風であることを強く意識させるこだわりの要素を随所に覗かせる。更に全9種類のカラーパレットというオプションもクラシックPC移植版を彷彿とさせ、ディープな「ディグダグ」ファンには嬉しいポイント。

これまでも「Eternum EX」「Galacticon」「Donut Dodo」といった”80年代アーケードスタイル”作品をコンスタンスに輩出してきた、Flynn’s Arcadeパブリッシングらしい作風だ。

 

今作ではクレジットをプレイヤー側で好きなだけ投入することができるため、やる気次第では無制限なコンティニューを利用してどこまでも遊ぶことができるようになっている。

Steam掲示板の開発者コメントによると、本作の仕様は「256面到達によってオーバーフローを起こす」といった、往年のアーケードゲームで言う”ループゲーム”的な効果を狙っているとのことだが、1ステージが短いとはいえ、正式な中断機能なしで延々とステージを攻略し続けるには非常に強い忍耐が必要となる。

 

筆者も実際に、何処までステージがあるのだろうか?と興味本位でコンティニューを活用しながら進めてみたものの、110ステージ前後到達辺りを目途に、自主的にゲームオーバーへと進む形となってしまった。

ver.1.1.3アップデートによってゲームバランスに関してはある程度改善はされたものの、敵が3種類以上増えない点も含めた展開の変化の無さや、難易度の緩やかな変動は相変わらずで、緩急には少々乏しい。スコアアタックメインなゲームデザインである分、その仕様もひたすらにストイックだ。

 

本作ゲームシステムのアイデアになったとされる「ボンバーマン」(コナミデジタルエンタテインメント)に関しては、各コンソールプラットフォーム対応タイトルとして9月14日に、シリーズ最新作「スーパーボンバーマンR2」の発売を控えている。もう一方の「ディグダグ」(バンダイナムコ)は、ハムスターが提供する「アーケードアーカイブス」を通じて、現在でも各コンソールでプレイ可能だ。

本作を遊んだ後に、改めてこの2作品を遊んでみることで、どういった部分をお手本としているのかが見えてくるかもしれない。

名作タイトル2本の特徴的な要素を融合し、新たなアクションゲームとして仕上げた「Murtop」。クラシックスタイルのゲームに目がない、という諸氏は是非お試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) .5

 

良い点

  • シンプルなルール且つ、スコアアタックの爽快感に満ちたゲームシステム
  • ニンジンの連続回収や敵の同時撃退など、複数のチェーンボーナス要素によるスコアアタックの熱さ
  • 基板起動チェック画面の再現など、アーケードゲームファンには嬉しいこだわりの演出

 

惜しい点

  • ステージは半エンドレスで続いていくため、スコア獲得以外の最終的な目的がない
  • ゲームモードが1つしか存在しない
  • リーダーボードはローカルのみで、オンラインランキングに対応していない

 

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おまけ:テストモードへの入り方

最後に「Murtop」のテストモードへの入り方を紹介しよう。

Nintendo Switch版でのテストモードへの入り方は至極簡単。“ゲーム起動後にメーカーロゴが表示されている間、+ボタンを押しっ放しにする”だけだ。

 

テストモードでは、「ColorTest」(カラーパターン)、「GeometryTest」(幾何学パターン)、「Inputtest」(キー入力)、「Systemselftest」(システムチェック)、「Soundtest」(サウンドテスト)の5つの項目を選択できる。

中でも、ゲーム内BGMを自由に聴くことができる「Soundtest」がこのモード一番のウリとなるだろう。Murtopをとことんまでに楽しみたいというユーザーは是非お試しあれ。

 

 

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