Thymesia(ティメジア)(Steam版)– プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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基本情報

タイトル Thymesia(ティメジア)
ジャンル アクションRPG
プラットフォーム Windows・PlayStation 5・Nintendo Switch・Xbox Series X/S
メーカー OverBorder Studio・Team17
公式サイト Thymesia(ティメジア) 公式サイト(英語)

 

ゲームについて

人々を化物に変える疫病が国中に蔓延し、混沌の時代を迎えたヘルメス(Hermes)王国を舞台としたサードパーソン形式のアクションRPG。

主人公の名前はコルヴス(Corvus)。

錬金術により、疫病の感染者を母体に、カラスの力を移植されて生み出された変異者だ。

プレイヤーは「賢者の庵」と呼ばれる研究施設を拠点に、失われた記憶を取り戻すべくコルヴスの過去への追憶を繰り返すことになる。

敵との戦闘やマップの探索を続けながらコルヴスの失われた記憶を探し出し、危機に瀕したヘルメス王国を救うことができるのか?

 

ストーリー

ヘルメス王国は疫病の蔓延により危機に瀕していた。

ヘルメス王国を救うには「ヘルメスの答え」と呼ばれる浄血を国中に拡散する装置の起動が必要だ。

コルヴスはヘルメス王国を疫病から救うべく、「ヘルメスの答え」の起動に必要な調合薬を作成するために行動を起こす。

疫病で化物に変えられた人々を退け「ヘルメス城塞」の奥に進むも、ヘルメス王国の騎士灰鎧公ヴァーグに阻まれ、敗れ去る。

 

ヴァーグに敗れ重傷を負ったコルヴスは高山の中に隠されるように存在する「賢者の庵」で目を覚ます。

「賢者の庵」の所有者でヘルメス国王の末娘アイセミーに救助されていたのだ。

錬金術に心得のあるアイセミーの治療で一命を取り止めるも怪我の後遺症で「ヘルメスの答え」に関する記憶を失っていた。

コルヴスは「賢者の庵」を拠点にアイセミーのサポートを受けながら己の追憶を旅し、失われた記憶を探し求めるのであった。

 

本作の特徴

高難易度&スピードあふれる戦闘と、疫病が蔓延し絶望感あふれるダークな雰囲気のステージが挙げられる。

 

戦闘について

戦闘はテクニックを要するシステムとなっており、回避と跳ね返しで敵の攻撃をあしらい、剣と爪による攻撃で敵を朦朧状態にしてとどめを刺す。

また、爪による攻撃では疫術と呼ばれる敵キャラの特殊能力を奪取でき、奪取した疫術を自分で使うことができる。

疫術は全21種類、状況に応じた疫術を奪取することでステージの攻略が容易となる。

 

ゲームの舞台について

ステージは病人や犯罪者が追放された薄暗いスラム、荒れ果て床が血の池となっている図書館や地下研究施設、住民の死体が転がる廃墟と化した城塞都市など、ダーク・ファンタジー色の濃い世界観である。

戦闘システムはスピード感あふれ爽快だが、敵は疫病で化物とかした人間や動物のため、敵を倒した時の演出はグロテスクな感じとなっている。

生存者はほとんど存在せず、ステージに残された貼り紙やメモなどから、疫病が蔓延する前の栄えていたころのヘルメス王国の状況や、研究施設で極秘に行われていた人論に反した実験などを知ることができる。

 

システムについて

ゲームの操作・システムについての説明。

ボタン操作の表記はXBOXコントローラー(PS4コントローラー)とする。

ゲームの基本操作

プレイヤーはサードパーソン形式の画面でコルヴスを操作し、ステージ目標を目指してマップを探索する。

移動 左ステック 前後左右に移動する。
ダッシュ 左ステックを押し込む ダッシュで前後左右に移動する。
周囲を見回す 右ステック その場に立ち止まり、周囲を見渡す。
調べる/操作する Aボタン(×ボタン) 張り紙を読む、アイテムを拾う、梯子の昇降、扉を開けるなどのアクションを行う。
ロックオン Rスティックボタン(R3ボタン) 敵をロックオンする。
ロックオン中に右ステックを操作してロックオン対象を変更できる。
薬を使う 上キー 体力回復の薬を使う。所持できる薬の数は制限がある。
休息メニューの「薬」より所持する薬の切り替えを行う。
ポーズメニュー メニューボタン(OPTIONSボタン) ポーズメニュー開く。

マップ上には「記憶の断片」と呼ばれる経験値アイテムやゲームの背景についての情報が隠されているため、周囲を見渡し、怪しいところを調べながら進むことになる。

前後左右360度に移動できるが、攻撃や防御はコルヴスの正面に行うため、ロックオンを使いこなさないと攻撃や防御を満足に行うこともできない。

戦闘で体力ゲージが減ったときは薬を使用して体力ゲージを回復させる。

薬は所持数に制限があり、使用するタイミングの判断は重要だ。

薬を使うモーションが完了してから薬は効果を発揮する。

薬を使うモーション中は動けないため、使用タイミングを間違えると「回復を中断される」or「回復後に攻撃を受ける」ことになる。

敵キャラはすべて倒す必要はないため、薬の残数が少なくなったときは、次のセーブポイントまでダッシュで敵を振り切る判断も必要だ。

ステージの途中で体力がゼロになり力尽きると、「記憶の断片」(未使用の経験値)を全て失ってしまう。

コルヴスの力尽きた地点に「記憶の断片」が残るため、残された「記憶の断片」を拾うと失った経験値を回復することができる。

 

攻撃操作

敵を倒すには体力ゲージ(白色のゲージ)と体勢ゲージ(緑色のゲージ)の両方をゼロして朦朧状態に追い込みとどめを刺す必要がある。

剣攻撃 RBボタン(R1ボタン) 剣による素早い攻撃で前方の敵にダメージを与える。
主に体力ゲージを削り、体勢ゲージを削る威力は低い。

技能を解放することで最大コンボ数が3→5になる。
とどめを刺す RBボタン(R1ボタン) 攻撃により体力ゲージと体勢ゲージがセロになり朦朧状態となった敵にとどめを刺す。
朦朧状態の敵を放置すると体力が回復してしまう。
爪攻撃 RTボタン(R2ボタン) 前方に大きく移動しながら敵を爪で切り裂きダメージを与える。
敵の体勢ゲージを大きく削りつつ、体力ゲージの回復も妨害できる。
技能を解放することで追加の爪攻撃が可能となる。
疫術の奪取 RTボタン(R2ボタン)長押し解除 最大限まで溜めて爪攻撃を出すと、敵の疫術を奪取できる。
爪攻撃の溜め中は無防備になるため、反撃を受けないタイミングを見極める必要がある。
奪取した疫術を使う Yボタン(△ボタン) 敵から奪取した疫術を発動する。
疫術は1回使うと無くなってしまう。
装備できる疫術は1つだけのため、新しい疫術を奪取すると装備している疫術を上書きする。
記憶した疫術を使う Xボタン(□ボタン) 休息メニューの「疫術」で設定した疫術を発動する。
疫術を使用すると使用した疫術のクールタイムが終わるまで同じ疫術は発動できなくなる。
疫術の使用には気力を消費する。気力が足りないと発動できない。
羽攻撃 LTボタン(L2ボタン) 羽で遠距離の敵を攻撃する。
敵のクリティカル攻撃が発動したタイミングで羽攻撃を当てると、クリティカル攻撃を妨害できる。
遠距離から障害物を破壊したり、攻撃を当てて敵をおびき寄せる事にも利用できる。

剣攻撃は主に体力ゲージを減らし、爪攻撃は体勢ゲージ(緑色のゲージ)を減らすことができる。

敵のゲージは体力ゲージ→体勢ゲージの順に減るため、先に剣攻撃で体力ゲージを削り、減少した体力ゲージの下から表示された体勢ゲージを減らすように爪攻撃を行う。

体力ゲージだけを減らしても、時間の経過により体勢ゲージの残量まで体力ゲージが回復してしまうため、爪攻撃ですばやく体勢ゲージを減らす必要がある。

敵を朦朧状態に追い込むと攻撃してこないため、疫術の奪取を安全に行うチャンスだ。

疫術は発動に制限があり多用はできないが、遠距離攻撃、ダウン攻撃、体力回復など性能は多種多様である。

ステージ攻略に詰まっても、疫術を使いこなせばクリアが容易になることもある。

羽攻撃は威力こそ低いが、敵のクリティカル攻撃や体勢ゲージ回復への妨害、安全な距離から罠を破壊するなどサポート手段として重要だ。

 

防御操作

敵からの攻撃は回避を中心に、チャンスがあれば跳ね返しを交えて対処する。

回避 Bボタン(○ボタン) 前方に素早く移動して敵の攻撃を回避する。
回避中は無敵状態となりダメージを受けなくなる。
技能を解放することで2連続回避などができるようになる。
攻撃を跳ね返す LBボタン(L1ボタン) 敵の攻撃を受ける寸前にボタンを押すと、左手の短剣で敵の攻撃を跳ね返す。
攻撃を跳ね返された敵は主に体力ゲージにダメージを受ける。
クリティカル攻撃は跳ね返せない。
失敗した場合、攻撃をまともに受けるリスクはあるが、使いこなせば戦闘を優位に進められる。
防御 LBボタン(L1ボタン) 防御の技能を解放すると敵の攻撃を防御できるようになる。
防御中は受けるダメージを大幅に軽減できる。
クリティカル攻撃は防御できない。

防御の技能解放中は「攻撃を跳ね返す」が使用できなくなる。

回避は無敵時間もあり使い勝手はよいが、跳ね返しのように攻撃ダメージを反射することはできなたいため、長期戦になりやすい。

跳ね返しは敵からの攻撃ダメージを相手に反射し、体力ゲージを大きく減らすことができるが、回避より失敗しやすく、使いこなせるようになるまで慣れが必要となる。

跳ね返しによる反射ダメージは敵の防御力の影響は受けないようで、盾を構えた防御力の高い敵に大ダメージを与える事ができる。

敵の種類や攻撃パターンを読み、回避と跳ね返しを使い分けることが重要だ。

防御は回避や跳ね返しより敵の攻撃に対処しやすくなる反面、ダメージを全て防げないため、中ボス戦など限られた場面での使用となる。

 

ポーズメニュー

ステージの途中でメニューボタン(OPTIONSボタン)を押すとポーズメニューを開くことができる。

ステータス コルヴスの能力値、装備している疫術、薬の情報を確認できる。
技能 剣、跳ね返し、回避、爪、戦略の技能レベルや解放中の技能を確認できる。
アイテム コルヴスの所持しているアイテムを確認できる。
経験値が手に入る「記憶の断片」などの消耗品を使用できる。
コレクション チュートリアル、会話記録、ステージで拾った手紙やチラシ、調合書などを確認できる。
オプション カメラ設定、音声設定、映像設定、キーコンフィグが行える。
終了 メインメニューに戻る、もしくはゲームを終了する。

ポーズメニューではコルヴスのステータスや技能などの確認が行える。

コレクションのチュートリアルでは動画付きで操作方法を確認できるため、攻略に詰まったときに打開策となる操作方法を探すのに便利である。

コレクションでは会話記録やステージ途中で読んだ手紙やチラシ等も確認できるため、ゲームの世界観を知る手掛かりとなる。

 

休息メニュー

「賢者の庵」、またはステージの途中にあるランタン(セーブポイント)に到着すると休息メニューを開くことができる。

レベルアップ 本作の経験値を表す「記憶の断片」を消費してレベルアップする。
筋力・生命力・術力から成長させる能力値を一つ選択する。
選択した能力値による攻撃ダメージ、体力、気力が上昇する。
技能を解放 レベルアップ時に取得する機能点を消費して、新しい技能の取得やレベルアップを行う。
技能点の割り振りは何度でもやり直せるため、ステージの探索やボス戦など状況に応じて設定を変更できる。
疫術 敵を倒して取得できる「術式の断片」を消費して疫術を解放する。
解放した疫術は装備することで「記憶した疫術」として使用できる。

疫術の解放を進めるとダメージ増加、消費気力減少、拡張アクション、バフ効果発動などが発動する。
ボスキャラを倒して取得できる「強化触媒」を消費して薬を強化する。
携帯数・体力回復の増加、材料スロットの解放が行える。
薬は全3種類あり、ゲームを進めると種類が増える。
薬により「即時回復」や「時間をかけて回復」など性能が異なるため、状況に応じて装備する薬を変更する必要がある。
忘却の羽を使う 「忘却の羽」を消費してレベルを1に戻し、消費した「記憶の断片」の再割り振りを可能とする。
「忘却の羽」はステージの攻略中に取得できる。
追憶をやめる 攻略中のステージからリタイアする。
取得したアイテムは持ち越せるため、レベルアップ目的の探索や攻略に詰まったときに使用する。
再開 休息メニューを閉じる。

休息メニューではコルヴスの能力アップや疫術・薬の設定が行える。

また、ステージで消費した薬も最大所持数まで回復するため、セーブポイントを中心に探索を進めることになる。

休息メニューの欠点として、マップ上の倒した敵キャラが復活してしまうことが挙げられる。

しかしながら、中ボスクラスの敵は復活しないため、中ボス戦で薬を使い切った場合、ひとつ前のセーブポイントまで戻って体勢を立て直してからの攻略再開も有効である。

技能は何回でも振り直しできるため、攻略に詰まったときは技能を見直すことで攻略の道が開ける事もある。

 

 

ゲームを遊んだ感想

剣攻撃と爪攻撃の役割を理解せずゲームを進めたため、本来の難易度より戦闘が難しくなっていたが、それを差し引いても高難易度のアクションゲームである。

序盤の中ボスから攻略にてこずり、何度もくじけそうになる。

しかし、ゲームに慣れ、攻撃や防御の工夫で敵を効率よく倒せるようになると、自分自身の上達も感じられ楽しくなった。

技能の割り振りや疫術の選択により攻略方法が変わるため、自分に合った攻略法を探すのも楽しみの一つだ。

 

ゲームに登場する敵キャラは疫病で化物となった住民や兵士、錬金術による実験により変化させられた被験者など、疫病による犠牲者が多く、救われない雰囲気がある。

ステージに残された手紙・張り紙・メモ書きから疫病の蔓延する前のヘルメス王国の繁栄が察せられ、現状の荒廃した王国との落差が悲劇性を深めている。

ゲームの目的は「ヘルメスの答え」の起動に必要な調合薬の作成であるため、プレイヤーは調合についての手掛かりを求めステージを探索する楽しみがある。

エンディングはマルチエンディング形式となっており、一番最後の調合薬の作成に利用する材料で分岐する。

エンディングを見るだけなら4ステージクリアで到達できるが、全エンディングを見るには10ステージクリアが必要となり、十分遊べるボリュームだ。

 

アクションゲームとしてやりごたえのある難易度、技能や疫術の選択による戦略性、剣攻撃→爪攻撃のコンボや跳ね返しからのカウンター攻撃など爽快感あるアクション、ダークな雰囲気で統一されたステージなどゲームの完成度やプレイの楽しさは非常に高く、アクションゲーム好きには是非ともプレイしてもらいたい作品である。

 

 

評価

 

個人的スコア 8.5

 

良い点

・跳ね返しからの爪攻撃や、敵のクリティカル攻撃を羽攻撃で潰してからの反撃など、カウンター攻撃の決まったときの爽快感は癖になる。

・取得する技能によっては遠距離攻撃の羽攻撃を接近攻撃に変えるなど、全く異なるプレイも可能となり、自分なりのスタイルを探す楽しみもある。

・雑魚キャラ相手でも戦い方に工夫が必要なため、単調になることなく最後まで楽しめた。

・荒廃した国土、化物と化した人間、人論に反する錬金術などダーク・ファンタジーが好きならハマる設定。

・技能の割り振りに制限がないため、取得する技能を試行錯誤しながらステージを攻略する楽しみがある。

・手紙やメモの収集などのコレクション要素もあり繰り返し遊べる内容となっている。

 

悪い点

・難易度設定が無いため、アクションゲームが苦手な人は1面のボスで詰まってしまう可能性がある。
2023年5月のSteamの実績によると、1面のボスを倒したプレイヤーは47.6%、ラスボスを倒したプレイヤーは24.3%だった。

・ロックオン機能の性能が悪く、勝手にロックオンの対象が変わったり、ロックオンが解除されることがある。
このため、敵にとどめを刺し損ねて体力ゲージを回復されたり、目前の敵に隙をさらして攻撃を受けたりと不利な状況に陥ったりした。

・ゲーム内での体力ゲージと体勢ゲージの説明が不十分で分かりにくい。
ゲージの特性について理解するまで剣攻撃だけで敵を倒そうとしたため、雑魚キャラを倒すのにも時間がかかり、無駄に難易度が上がってしまった。

 

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次ページはステージ紹介となりネタバレとなる記述が含まれているので、読み進める上でご注意願いたい。

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