ミアステール ~デズニフの遺跡~ - プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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©2021 DIGIMERCE Inc.

 

 

基本情報

 

タイトル ミアステール ~デズニフの遺跡~
対応機種 Steam/Nintendo Switch
販売 デジマース
開発 SUCCESS,スタジオ最前線
発売日 2021年4月15日
対応言語 日本語, 英語, フランス語, イタリア語, ドイツ語, スペイン語, ポルトガル語, ロシア語, 韓国語, 中国語 (簡体字), 中国語 (繁体字)
備考 CEROレーティング:B(12歳以上対象)(セクシャル、暴力)
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作品概要

 

「ミアステール ~デズニフの遺跡~」(「Myastere: Ruins of Deazniff」)はSUCCESS、及びスタジオ最前線が開発を手掛けるゲーム作品。パブリッシング担当は株式会社デジマース。

本作のゲーム内容はメトロイドヴァニアスタイルの探索2Dアクション。プレイヤーは王立特殊遺跡調査部に所属する調査隊員オーラ=モウキッシュを操作して、魔素”ミアステール”が漂う古代遺跡の調査へと向かっていく。

 

開発担当のスタジオ最前線はアクションパズル「海腹川背」シリーズや、1998年にPlayStationでリリースされたRPG「どきどきポヤッチオ」に参加している事で知られており、作中では前述の「海腹川背」シリーズ内のシステムをほぼそのまま受け継いだとされるワイヤーアクション要素が見られる。

銃と爆弾2つのタイプによる各武器を駆使しながら、フック式ワイヤーを壁や天井など至る所に引っかけて広大な遺跡内を縦横無尽に駆け巡る爽快なアクションが最大の特徴。また、本作のオリジナルサウンドトラックがSweepRecordより発売中だ。

 

リンク:Nintendo Switch | Steam ミアステール~デズニフの遺跡~ 公式サイト

リンク:【公式】『ミアステール ~デズニフの遺跡~』by 王立特殊遺跡調査部(X(Twitter))

リンク:スタジオ最前線(X(Twitter))

リンク:株式会社デジマース(X(Twitter))

 

ストーリー

 

(※商品ページの【ストーリー】より該当部分を引用)

 

20XX年 某国、暗い森。

この世界に発せられる瘴気を帯びた魔素「ミアステール」の発生源を、王国情報部が発見。

王国は、ミアステール発生源を調査する専門機関「王立特殊遺跡調査部」の派遣を決定した。

 

現場へ調査に向かった第三調査部調査隊員、オーラ=モウキッシュ

 

高濃度のミアステールによって動物は狂暴化し、現代技術もその力を失う。

さらに遺跡は“デズニフ”と揶揄される盗掘団の手で暴かれていた。

その惨状を目にしたオーラの心には静かに火が灯る。

 

襲いかかる苦難を振り払いながら調査は続き、

辿り着いた地中奥深くには、それまでとは異なる文明の遺跡が広がっていた。

神話の時代に鋳造されたリボルバーワイヤーは、オーラを助けるかのように輝きを増していくのだった。

 

深まる謎と世界を蝕むミアステールに阻まれ、オーラはまだ知らない。

地に堕ち、正史では語られることがなくなった“聖騎士団”の影を―

 

 

 

操作方法

 

(Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン プレイヤーの移動

(指定のある場所で↑入力で)扉の中に入る

Lスティック 同上
Lボタン フックショット(左上)
ZLボタン 弾丸変更
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック カメラスライド
Aボタン ショット/アクション
Bボタン ジャンプ
Yボタン フックショット
Xボタン 爆弾
Rボタン フックショット(右上)
ZRボタン 爆弾変更
+ボタン メニュー呼び出し

ワイヤーの操作タイプには”Standard”と”Technical”の2タイプが存在する。双方でプレイ感覚がまるで異なるので、始めてプレイする場合やワイヤーを活用するスタイルのアクションゲームに慣れてないというプレイヤーはStandardがおススメ。

 

難易度

 

タイトルメニュー>「Setting」の「Difficulty」から、ゲーム難易度を設定することができる。(このオプションは本編プレイ中では項目がなく、選ぶことができない)

選べる難易度は「NORMAL」、「HARD」、「ULTIMATE」の3種類。最上位にあたるULTIMATEは、攻撃を一度被弾した時点でゲームオーバーになる超絶難易度となっている。

 

ゲームシステム

 

画面の見方

:ミアステール濃度メーター 探索中エリアの”ミアステール”濃度に応じて変動。(ゲーム内での効果は特になし)
:HPゲージ 現在の体力。ゲージが全て尽きるとゲームオーバー。
:EXPゲージ ゲージが右側まで一杯になるとオーラがLvアップする。
:Lv 現在のLv値
:弾丸 現在選択中の弾丸と弾薬数(※表示上限は99だが、所持上限は999)
:爆弾 現在選択中の爆弾と所持数(※表示上限は99だが、所持上限は999)
:簡易マップ 赤い光点がオーラの現在値を示す

弾丸、及び爆弾の詳細な所持数はマップメニュー上の「Item」項目から直接確認することができる。

 

オーラのアクション

左右移動

← or →

はしごの昇降

or

ジャンプ(空中ジャンプ())

B

ショット攻撃

A

フック

Y(方向指定可)

しがみ付き~昇降

(足場の縁部分で)or

爆弾の使用

X

スライディング(

B

アイテムの切り替え

弾丸ZL爆弾ZR

各能力強化の条件を満たす事で習得)

ショット攻撃は少しだけAボタンを長めに押す事で、シリンダーに装填されている弾丸を全て放つようになっている。(例:画面左上の弾丸アイコンに弾が計4発込められている場合は4発連続発射する)

 

スキルゲージについて

スライディングや空中ジャンプ、爆弾の使用などの特定のアクションを使用する際は一定量のスキルゲージを消費する。スキルゲージは普段は非表示だが、該当アクション使用直後にオーラの足元に一時的に表示(上画像)されるようになっている。

失ったゲージは時間経過と共に回復していくが、特に空中ジャンプを連続で使用する際は運用に注意が必要だ。

 

ワイヤーの使い方と特性

オーラが使用するフック式ワイヤーは壁や天井等、遺跡内部の地形に引っかけることで時には移動時の補助に、時には急場を切り抜ける一手となる生命線にも等しいアクションだ。

Yボタンを押すことで射出が可能で、ワイヤーの長さはアップグレードを経る事で少しずつ増加していく。

通常は射出したい角度にLスティックを入力しながらYボタンで、計8方向に撃ち分けが可能となっているが、「よりダイレクトに斜め上方向に撃ちたい」という場合は、Yボタンを介さずにZLボタン、ZRボタンをそれぞれ単体で押すだけで左上、右上へと撃ちこむことができるので大変便利。

 

打ち出されたワイヤーはLスティック入力の加減によって固定されたポイントを軸に振り子動作や伸縮による微調整が可能となっており、使い方次第で劣悪な地形での壁登りをも実現可能なものとするだけの性能を秘めている。

【使用例(動画)】

ワイヤー操作は遺跡内部を徹底的に探索する上では極めて重要となるテクニックで、一部のボス戦でも大掛かりな攻撃を回避する上で大きな鍵となる。冒険を進めつつ、使い方を少しずつ指先と身体で覚えながら慣れていこう。

 

スニークキル

スニークキルはワイヤーを応用した文字通りの暗殺術で、ほぼ密着状態の至近距離からフックを命中させて相手に強力なダメージを与えることができる。

低耐久の相手であれば一撃で仕留められるため、雑魚相手になるべく弾丸を消費したくないような時には非常に便利。オーラを視界に捉えると反応を変えるデズニフの構成員を相手に使用する場合は、なるべく背面から狙うようにすれば一層効果的だ。

スニークキルは相手を問わず有効なアクションなのでボス戦でも利用可能だが、これだけで戦うのは少々ハードルが高いかも?

 

フックと燭台を利用した移動

一部のエリアで見られるオレンジ色の燭台の中にはワイヤーを引っかけることで上昇、あるいは下降する仕掛けを持ったものが存在しており、一定区間を利用するリフトとして活用することができる。

また射出時に燭台とワイヤーの長さや間隔を上手く調整することで、反動を利用した大きな跳躍が可能だ。ワイヤーの使い方に慣れてきた際には、上手く活用することで新たな道が拓けるかも?

 

爆弾の使用

Xボタンで投下。地上、空中、はしごにしがみつきながらとあらゆる場面で使用が可能。バリケードの破壊においても必要な攻撃アクションとなる。

短時間で爆発する割に遠くに飛ばすことができないという特徴につき、対象の近距離や密着状態で使用するのが望ましい。

 

弾丸と爆弾の種類について

使用する武器弾薬の種類を銃弾の場合はZLで、爆弾の場合はZRボタンでそれぞれ切り替えることができる。弾丸、爆弾共にアイコン上での表示は99が最大数値となっているが、実際には999個まで所有が可能。

また、弾丸のアイコンはリボルバー式拳銃のシリンダー(弾倉)の形状で表されており、計6発分を発射後に自動的に装填。装填状態は弾丸の種類毎に管理される形になっている。

各種弾丸や爆弾は宝箱の入手や敵ドロップを通じて補充が可能だが、特にそれぞれの武器に特化したデズニフの構成員(※特定エリアにしかいない)は一度に複数の関連アイテムを落とそし易いので狙い目。手持ちが少なくなってきたら、彼らが出現するエリアに足を運んでみるといいだろう。

 

レベルアップ

敵を倒す毎に一定量の経験値を獲得。HPゲージ下にある黄色いゲージが右一杯まで満たされるとオーラがレベルアップ。レベル値に応じてHPの全快効果と併せて、最大HPを始めとしたオーラの各種ステータスが上昇する。

ボスがあまりにもタフでどうにも倒せない、という場合は推奨レベルから大きく開いている可能性が考えられる。レベルを上げてみることで倒し易くなる場合があるので、行き詰まったらこの点を意識してみるといいだろう。

 

オーラの能力のアップグレード

 

探索中に各種レリック(後述)の入手を通してオーラの特定の能力がアップグレードされる。

この内、ステータスに関連するものは以下の通り。

スキル名称 効果
ワイヤースキル ワイヤーの長さが伸びる
フックスキル 特殊な地形にフックがかかるようになる
パウダースキル 銃攻撃の威力が上昇
スキルゲージ最大値 スキルゲージが増加
スキルゲージ回復速度 スキルゲージの回復速度が上昇する

 

また、石碑の発見や一部のレリック、魔導書の入手を通じて以下のような特殊能力が備わる場合がある。

 

空中ジャンプ

ジャンプ中、あるいは滞空状態から更にジャンプすることができる。空中で1回実行毎にスキルゲージを1/2消費。使用可能なのは最大2回までで、使い方次第でトリプルジャンプも可能だ。

と言ってもオーラの跳躍力自体にそこまでの高さは望めず、計三回のジャンプによる高度をもってしても大した高さにはならない。より高い位置を目指す上ではフックワイヤーの活用が欠かせない。

 

NINJAスキル

NINJAスキルを習得する事で隠密能力が上昇し、しゃがみ状態の際にトゲや吊り天井など一部のトラップの危険度を下げる事ができる。

該当するトラップが多数仕掛けられている場面の探索においては頼りになるはずだ。

 

アイテム関連

 

武器

オーラが取り扱う武器の内、弾丸や爆弾に限定したもの。所持状況は「Item」メニューの「Armed」タブで確認が可能。

アイテム名 効果
ノーマルショット 標準的な性能の弾。
バックショット 射程は短いが、広範囲にヒットする弾。動物相手に特に有効。
メタルバレット 高い貫通力を持つ弾。硬い装甲を持つ相手に特に有効。
シルバーバレット 高い威力を持つ弾。魔物相手に特に有効。
ファイアバレット 当たった相手を炎上させる効果を持つ弾。
ボム 威力は低いが、衝撃で相手を吹き飛ばす効果を持つ爆弾。
グレネード 投げてから時間差で爆発する爆弾。
ワームボール ワームが大量に発生する球。
ファイアボム 当たった相手を炎上させる効果を持つ爆弾。
アトミックボム 非常に強力な威力と衝撃を持つ爆弾。

 

魔導書

古代の魔導書(グリモワール)に分類される書物の数々。入手時に特別な能力を授かることがある。

入手した各魔導書は「Item」メニューの「Grimoire」で確認が可能。残念ながら、中に記された内容を読むことはできない。

 

手記

遺跡内部の随所では、聖騎士団員が残したとされるいくつかの手記が見つかることがある。

回収したメモは「Item」メニューの「Memo」で確認が可能。目を通してみることで、この遺跡の背景を知る事ができるかもしれない―?

 

レリック

遺跡の内部に眠る遺物(レリック)。入手を経てオーラのレベルアップや新たなアクションの習得など様々な恩恵を受けることが出来る。

レリックは基本的にエリアボスが守っている事が多いが、回復薬や各種弾薬、古貨(下記で紹介)に混ざって宝箱の中に眠っている事も。

入手したレリックは「Item」メニューの「Relic」から確認できる。また、全てのレリックを発見する事である特典が解禁されるとか…?

 

古貨について

年代物とされる古い硬貨。遺跡内部に眠る遺物の一種で、全部で72種類存在している。

古貨は1つ1つ異なる色と名称を持っており、それぞれ”ソロモン72柱”を収める悪魔の名に因んだものとなっている。詳しくは以下のリンクを参照。

参考:ゴエティア – Wikipedia

 

回収分は「Item」メニューの「Collection」から一覧での確認が可能。

こちらもレリック同様に、全ての古貨を発見する事である特典が手に入るようだが…?

 

プレイ後の感想

「ミアステール ~デズニフの遺跡」ではメトロイドヴァニアのゲームシステムをベースに、「ピットフォール」シリーズのような遺跡探索2Dアクションを楽しむことができる。

取り分け最大の特徴となっているのが同じ開発元が手掛ける「海腹川背」シリーズからの流用と思しきワイヤーアクションで、これは奇しくも本家「メトロイド」シリーズの”グラップリングビーム”に通ずる部分もある。

クセの強い挙動や操作性もあって遊び手を大いに選ぶ印象を覚えるアクション要素だが、慣れれば”壁や天井が存在する限りほぼ何処でも駆け巡る事が出来る”程の自由度へと昇華され、ダイナミックな移動による操作感との相乗効果でエリア探索が病みつきになる事請け合いだ。

 

攻略上は冒険を通じて成長する主人公オーラの各種ステータス運用と、銃と爆弾という2タイプの武器を必要に応じて切り替えながら戦っていくのが重要なポイント。

メインの攻撃手段となる銃は連射が可能であると同時に、入力方向の指定によって最大8方向への攻撃に対応。使用する弾薬と敵キャラクターとの相性によって与えるダメージが変動するため、対象ごとに有効な弾を発見するといった戦略性もある。

一方の爆弾はダメージソースとしての利用以上に、バリケード等の障害物を排除、といった補助的な使い方による出番が多い。

 

難易度は標準的なNORMALから一撃即死のハードコアモードULTIMATEまでバリエーションに富んだ計3種類が用意されている。どれもゲーム展開自体に違いはないので、各自の腕に合った難易度を選んでおけば問題はない。

と言っても、最低難度のNORMALでもそれなりに歯ごたえがあり、特に各ボス戦は何度か戦ってみないと勝機を見いだせないような場面も見られる。育成やミスを繰り返しながら少しずつ相手の動きを観察する事で、撃破への対策も見えてくるはずだ。

 

一方、作中では2025年現在も改善されていない不具合が見られるといった難点を抱えている。特にエリア切り替え時にローディング状態から先に進まず、ソフトリセットが必要になる現象が度々発生するのが困りもの。万一遭遇した場合は速やかにHOMEボタンから終了後、ゲームを再起動する他無い。

また、エンディングの特定の場面で背景グラフィックが崩壊するといったクリア時の余韻が台無しになってしまう様な不具合も確認している。筆者の場合、最終ボスの撃破にはかなり手こずることになった分、激闘の果てに到達した結末が上記の不具合込みというなんとも頂けない心持で迎える結果となってしまった。

 

若干数ながら作り込みの甘い箇所が見られるのが惜しまれるが、基本に忠実なメトロイドヴァニアに「海腹川背」のワイヤーアクション要素を融合させることで、ダイナミックなアクション性と遊び応えを持った逸品となっている。

探索型2Dアクションに目がないという方は、本作「ミアステール ~デズニフの遺跡」を是非一度お試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 8.0

 

良い点

  • ダイナミックな移動を体感できる「海腹川背」風のワイヤーアクション(※操作に慣れる必要あり)
  • バリエーション豊かな3タイプの難易度
  • 攻略ルートが特に順序立てられていないため、ある程度自由な探索が可能

 

惜しい点

  • マップが広大であるにも関わらず、ファストトラベル機能が存在しない
  • (※Nintendo Switch版)エリア移動時、唐突にローディング画面のまま先に進まなくなることがある(要ゲームリセット)
  • (※Nintendo Switch版)エンディングの会話シーンで背景グラフィックが崩壊してしまう不具合が見られる(※確定で発生する現象)

 

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