ラブラブスクールデイズ - プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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ⒸOTL Game
Published by Waku Waku Games.

 

 

基本情報

 

タイトル ラブラブスクールデイズ
対応機種 Steam/Nintendo Switch
販売 わくわくゲームズ
開発 OTL GAME
発売日 2023年2月6日(Steam版),2023年9月14日(Switch版)
対応言語 日本語, 英語
備考 IARCレーティング:16+(激しい言葉づかい)
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作品概要

 

「ラブラブスクールデイズ」(「Love Love School Days」)はOTL GAMEが開発を手掛けるゲーム作品。パブリッシング担当はわくわくゲームズ。

本作のゲーム内容は一人称視点によるホラーサバイバルスタイルのアドベンチャーゲーム。プレイヤーはギャルゲー世界の中に閉じ込められた主人公となり、執拗に追い詰めてくるヒロイン・桜咲(さぶき)マキナの追跡をかわしながら、現実世界への生還のため学校からの脱出を目指す。

 

恋愛ゲームの登場人物に囲まれるという一見華やかな設定とは裏腹にゲーム内容はガチガチのサバイバルとなっており、ランダム構造の校舎内を探索しながら各種アイテムを現地調達、時にマキナを退けながら

 

リンク:OTL GAM(X(Twitter))

リンク:わくわくゲームズ(X(Twitter))

 

ストーリー

 

(※商品ページの【ストーリー】より該当部分を引用)

脳波をシンクロしてゲームの世界に入ることができる、ゲームファン夢の次世代デバイス「ブレインリンク」が発売され、続々対応ゲームが発売されている世界。

人気恋愛シミュレーションゲーム「ラブラブスクールデイズ」もこのデバイスに対応。ついに人類は恋愛シミュレーションゲームの世界に入ることができるようになった。

 

しかもこのゲームはヒロインにAIが搭載されており自身で思考することが可能となっている。

ゲームで卒業となる最終日までプレイした主人公(あなた)だったが、メインヒロインの攻略に失敗。妥協してサブヒロインの「桜咲(さぶき)マキナ」を攻略することにした。

 

ゲームの中で永遠の愛を交わした二人だったが、節操のない主人公はメインヒロインの攻略に再度チャレンジすべく新規にゲームを始めようとする。

主人公の所業に嫉妬し、怒りに燃える桜咲マキナは自己学習でゲーム内データを改造したクリア後のゲーム世界へ、主人公を強引に引き込んでしまう。

 

あなたは再び現実世界へ戻ることはできるのだろうか。

 

 

 

操作方法

 

(Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン 左右:アイテムの選択、下:アイテムを捨てる
Lスティック 移動
Lボタン (長押し+移動で)走る
ZLボタン マップ表示
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック カメラ操作
Aボタン (対象の前で)インタラクト
Bボタン
Yボタン
Xボタン
Rボタン (長押し中)しゃがむ
ZRボタン
+ボタン メニュー呼び出し

 

 

開始方法と難易度の選択

 

タイトルメニュー項目の「ゲームを始める」、もしくは「オープニングをスキップ」のどちらかを選んでゲームスタート。後者は冒頭の下りを丸々飛ばしていきなり本編から開始可能となっているので、2回目以降のプレイで選ぶ事をおススメ。

ゲーム開始時には毎回、ゲーム難易度を設定することができる。選べる難易度は「簡単」、「ふつう」、「難しい」、「無理ゲー」の4種類で、主に消耗品アイテムの出現度や回復量などに大きく影響する。

 

ゲームの進め方

 

ゲームの目的

ゲームスタート直後、主人公が教室で目を覚ますところから本編は始まる。本作の目的は、ゲーム「ラブラブスクールデイズ」の舞台である”夜の校舎”の中から脱出することだ。

ただし、プログラムが歪められた影響で校舎内はダンジョン化しており、部屋割りの構造だけでなく、アイテムやNPCの配置などの各要素がゲーム開始毎にランダムで変化するようになっている。

主人公を執拗に追いかけ回して来る女の子、桜咲マキマの追跡を振りほどきつつ、体力が尽きる前に脱出の方法を探り、現実世界に生還しなくてはならない。

 

科目とタスク表示

画面左上には現在の”科目”名と、ゲーム進行における目下のタスクが常時表示されており、探索時はこれらを頼りに進行していく形になる。

どうやら、ダンジョン化した校舎では夜間の雰囲気を醸し出しつつも「授業時間」という設定になっているらしく、プレイ中は時間経過毎に授業科目が逐一切り替わる仕組みになっている。(現在授業中の科目は画面左上に表示される(上画像))

 

また、ゲーム内の授業データはマキナによって魔改造されており、一定の科目の時間では以下のような特別な効果が発生する。

科目名 効果
音楽 BGMがクラシックに変更
物理 足音が消える
科学 マキナのマテリアルが変化
運動会 マキナが常時走り状態になる

(※時間中は中野さんの実況付き)

中には雰囲気を変えるだけといった効果のものもあるが、概ねマキナに取って有利となるものが多いので、科目毎に警戒しておく必要があるだろう。

 

マップ機能

プレイ中は画面右上にミニマップが表示されるが、確認可能な範囲はかなり小さい。

より広域を確認したい場合は、ZLボタンを押す事で画面左側により大きなマップが表示されるようになる。表示を消したい時はもう一度ZLボタンを押せばOK。

使用において制限はないのでどんどん活用していこう。

 

マキナの追跡と対処

ヒロインのマキナは校内を常時徘徊しており、プレイヤーの気配に気づくや否やまっしぐらにこちらへと向かってくる。この時、特に対策を講じずに密着されてしまった場合は両手で殴打され、一定量のダメージを負ってしまう。(ダメージ量は難易度に応じて変動する)

ひとしきりダメージを負った後は主人公の手によって払いのけられ、その場に尻もちをついて一時的に無力状態に陥るが、比較的短時間で立ち上がって追跡を再開するようになる。大きなチャンスなので、彼女の視界内から全力で逃げてしまおう。

 

 

マキナは基本的にスタミナの概念を持たない”体力オバケ”であり、プレイヤーと違っていくら走ってもへばる事はない。中途半端に距離を取りながら逃げたところで振り切ることはできないので、あらかじめ何らかの形でマキナの隙を作った方が逃走の成功率は格段に上がる。

 

校舎内には対マキナ用のアイテムが色々と用意されている。以下はその一例と使い方。

プレゼント用アイテム(※選択状態で構えておくだけで効果がある) Xボタンで使用
ポケベル

携帯電話

ソックスキーパー

カメラ(マキナを画面内に収めながら)

食パン

ぶきみちゃん

 

上記リストの通りアイテムはカーソル指定しておくだけで効果を発揮するものと、別途ボタンを押す必要があるものとでそれぞれ使用方法が異なる。+ボタンのインベントリメニューで詳細や使い方を確認できるので、よく目を通しておこう。

(↑「好感度がアップした」とといった表記が出ているが、それによってしばらくの間は追跡の手が緩むか―、と言えば全くそんなことはなく、数秒も経過すると再び追いかけてくるようになる)

また、このメニュー機能はゲームの一時停止にも使えるので、マキナが目の前に迫ってきた時でも落ち着いてメニューを開いてから適切なアイテムを選択するといい。

 

アイテムによる対抗手段が手元に1つも無く後方には逃げ道もない― なんて場合は、カニ移動と走り移動を駆使して追跡を上手く躱す他ない。もしくは残り体力に余裕があるなら素直に一度叩かれておいて、直後のカウンターで無力状態に陥らせた上で全力で逃走、というのも一つの手だ。

 

マキナのバージョンアップ

探索時間が長くなると、突如画面上にMS-D〇S風のウィンドウが表示されることがあるが、これはマキナのAIがバージョンアップした事を表す警告となっている。

 

バージョンアップを経たマキナは新たな行動パターンを習得し、それまでになかったアクションを起こすようになる。

一例としては、突如電源の入ったブラウン管テレビの画面の中から這い出てくるように出現― といった某有名ホラー映画を彷彿とさせる型破りな出没を当たり前のようにこなしてくる。

「そんなのあり!?」と思わせるルール無用っぷりだが、彼女は「ラブラブスクールデイズ」を実行支配しているに等しい存在。あの手この手でプレイヤーの存在を消しにかかってくるのだ。

 

トラップと解除

廊下には時々、上画像のようなトラップが仕掛けられている場面に遭遇することがある。万一そのまま踏んでしまった場合は、何らかのマイナス効果を負う事になってしまう。

カメラの角度を調節しつつある程度の距離まで近づくと「トラップを解除」と表示されるので、円ゲージを100%になるまでAボタンを長押しして取り除いておこう。

どこからかマキナの独り言が聞こえてきた時は、高確率で何処かの床に仕掛けられたという証左だ。ただし、設置ポイントはプレイヤーの近くであるのか、ずっと遠い場所なのかは実際に探索してみるまでは分からない。足元に対する警戒を一層引き締めての移動を心掛けよう。

 

攻略上のポイント

 

メモには必ず目を通しておこう

ダンジョン化した校舎内では、マキナや各NPCが書き記したとされるメモを発見する事ができる。チャレンジ毎に発生する各ゲーム要素のランダマイズ化に伴いメモの配置場所も毎回ランダムだが、例外的にゲーム開始直後の”Read Me”メモ(上画像)だけは毎回必ず登場するようになっている。

 

一度確認したメモはアイテムメニュー上の「Document List」に登録され何度でも見返すことができるので、内容を頼りに一つ一つ脱出の手がかりを探っていこう。

 

矢印くんの活用

スタート地点の教室では毎回、合計20個の「矢印くん」というアイテムを入手することができる。

これはただ所持しているだけでは何の効果も持たないものだが、地面に落とす事で名前通り矢印の形をしたマーカーを地図上にセットすることが出来る。

 

矢印くんはドロップした際、プレイヤーの向いていた方角が先端の指し示す方向に対応する形になっている。念のため地面に落とした後はマップ上に狙い通りに表示されているかどうか、確認しておくと尚良いだろう。

数に限りはあるが、広大なダンジョンにおいての道しるべとして非常に有用なアイテムなので、分岐点では特に優先的に設置して、目印として活用しよう。

 

ワープモジュールは緊急脱出の手段としても利用できる

ワープモジュールは一度訪れた重要な部屋や区画に一瞬で移動する事ができる便利アイテムだ。アイテムメニューを呼び出してからゆっくりと移動先を選んで即移動が可能で、マキナに迫られた際の緊急脱出用手段としても重宝する。

一度使うとなくなってしまう消耗品でもあるので、上記の特徴も踏まえてここぞという場面で使っていきたい。

 

プレイ後の感想

「ラブラブスクールデイズ」の魅力は、その余りにもコテコテなタイトルと3Dモデルのキャラクターを含むギャルゲー然とした表向きの見た目に反して、プレイヤーを180°裏切るそのゲーム内容にあると言っていいだろう。

ダイブ型の恋愛ゲーム「ラブラブスクールデイズ」を楽しんでいた主人公が、本命キャラの攻略を諦めて妥協の攻略対象として選んだキャラクターこそが、本作の元凶でもある桜咲マキナ。所謂『負けヒロイン』の大掛かりな逆襲劇を描いたサバイバルゲームが本作なのだ。

 

マキナの策略によって主人公が閉じ込められたのは、彼女に都合の良いように魔改造されてしまったゲーム「ラブラブスクールデイズ」のダンジョン化した校舎。マキナはこの世界で主人公の存在を消してしまおうと、あらゆる手段を使って何処までも追いかけてくる。

探索中は様々なNPCに遭遇することもあるが、大半が破損していたりエラーを起こしていたりとおかしな反応を見せる対象ばかり。修復する方法を見つける事で彼らが力になってくれるかもしれないが、その道筋も決して容易ではない。

 

ジャンル上はサバイバルホラーながらも舞台が恋愛ゲーム世界ということもあり、作中のビジュアルはNPCを含めて全体的にポップ寄りな傾向にある。

その分、ホラーゲーム的な怖さという面では一見そこまでの迫力を感じないのだが、視界の悪い校舎内をターミ〇ーターの如く追いかけて来るマキナの執拗さにプレイヤーは圧倒されること必至。

暗がりの奥から「み・つ・け・た」と愛嬌とも狂気ともつかない表情で、こちらに迫ってくる彼女の姿を見かけようものなら恐怖を感じずにはいられないだろう。

 

嫉妬の炎を燃え上がらせながらプレイヤーを容赦なく追い詰めるヒロイン・マキマの可愛らしくも恐ろしいキャラクター性も然ることながら、本作のインパクトはそれだけに留まらない。

作中では時間経過に応じて授業開始を告げるチャイムが鳴るようになっており、運動会の時間になるとどこからともなく謎のアナウンサー中野さんによる実況が始まったりと、ユニークなイベントが発生するようになっている。

また体育館では、某ハードアクションゲームのようなボス戦が登場したりと、唐突なパロネタ要素が飛び出してきたりするので侮れない。このいかにもな強敵に主人公が果たしてどう立ち向かっていくのかは、プレイしてみてからのお楽しみだ。

 

ホラーゲームというジャンルそのものの国内人気もあってか、先行リリースされたSteam版の評判は概ね好評な様子を窺わせている。

筆者の場合は生憎と一人称視点のゲームは体質的にどうしても長時間プレイ出来ないことから、全13通りもあるエンディング攻略については半ば断念してしまっている。とはいえゲーム内容に対する満足度自体は高く、身体にこそ軽度の画面酔いを何度も覚える羽目となったが気持ちの上では楽しくプレイすることができた。

 

国内開発ということでローカライズにおける懸念もなく、お求めやすい価格設定も相俟ってサバイバルホラー好きな方には一風変わったコンセプトを含めて楽しむことができるだろう。

“負けヒロイン”マキナの独裁による閉ざされたゲーム世界を舞台に、命懸けの鬼ごっこを楽しめる「ラブラブスクールデイズ」、是非お試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 8.0

 

良い点

  • 恋愛ゲーム×サバイバルホラーという新鮮味を帯びたジャンルの掛け合わせ
  • ゲームの舞台となる校舎はランダムによるマップ生成で、毎回新たなダンジョンへと変化
  • (Nintendo Switch版)新たなエンディングが追加要素として実装されている

 

惜しい点

  • 一人称視点のゲームにつき、プレイヤーの体質や体調次第で画面酔いを起こす危惧がある
  • リスタートポイントのような概念が無く、ゲームオーバー後は最初からやり直しとなる
  • アイテムが高さが低い棚の下段に設置されている際、クリック判定の関係でスムーズに回収できない事がある

 

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