Saga of the Moon Priestess - プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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©Eastasiasoft Limited, Pixel Trash. All Rights Reserved.

 

基本情報

 

タイトル Saga of the Moon Priestess
対応機種 Steam/Nintendo Switch
販売 eastasiasoft
開発 Pixel Trash
発売日 2024年1月24日(Steam版)/2024年1月25日(Switch版)
対応言語 英語
備考 IARCレーティング:12+(性的ほのめかし)

※日本語非対応(ゲームプレイにおいては大きな影響はなし)

 

作品概要

 

「Saga of the Moon Priestess」はPixel Trashが開発を手掛けるゲーム作品。Steam、および各種コンソール版においてeastasiasoftがパブリッシングを担当。

本作のゲーム内容はゼルダライクのオーソドックスなアクションRPG。プレイヤーは月の女神と交信が可能な力を持った少女サリッサとなり、正体不明の存在によって攫われた若き王子の救出が目的となる。

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8bitスタイルのノスタルジックなサウンドとグラフィックが特徴で、ゲームの舞台となるルナリア王国では計5つのダンジョンが待ち受ける。道中で入手可能なアイテムを駆使して、全ての迷宮を攻略していこう。

 

なおe-shopの商品ページに記載がある通り、ゲーム内テキストは英語のみの対応で日本語はサポートされていない。

テキストが読めなくとも最低限のゲームプレイは可能となっているが、購入前には上記の点に注意が必要だ。

 

リンク:Saga of the Moon Priestess(itch.io内作品紹介ページ)

リンク:Pixel Trash( X(Twitter))

リンク:eastasiasoft(日本版公式X(Twitter)アカウント)

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン 移動
Lスティック 移動
Lボタン
ZLボタン
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン インタラクト、テキストを進める
Bボタン 選択中のアイテム(一部)を使用
Yボタン
Xボタン 槍攻撃
Rボタン
ZRボタン
+ボタン ポーズメニュー

 

 

ゲーム開始前に覚えておきたいポイント

 

ゲームセーブは女神像で

ゲームを進行する前にまず覚えておきたいのが、本作のゲームセーブの手順についてだ。

「Saga of the Moon Priestess」ではフィールド、及びダンジョンを含む屋内各所に点在する女神像(上画像)を“槍で攻撃する”ことでセーブが可能となっている。

 

女神像の顔アイコンと共に「Game Saved.」というテキストが見えたら無事セーブが完了。

一応ゲーム内では女神像を調べる度に上記の点に纏わる台詞が毎回表示されるのだが英語で綴られる分、テキストをしっかり読んでいない場合は内容を見逃してしまい易い。

なお、今作にはオートセーブ機能は用意されていないので、特にダンジョン探索前やゲーム終了前には必ず直近の女神像を触る癖をつけておこう。

 

ゲームオーバーについて

敵の攻撃を受けたり、穴や水へ落下する毎にサリッサはダメージを受けてしまい、ライフストックが全て失われた時点でゲームオーバー。

直後に「Continue?」といったテキストが表示されるが、特に選択肢が与えられているわけではなく、Aボタンを押すことで直近のセーブポイントからの再開となる。

再開時はライフが最大値の半分でスタートし、現在攻略中のダンジョン内が最後のセーブポイントだった場合はゲームオーバー前に倒した敵、及び破壊したオブジェクト状況が引き継がれた状態となっている。

 

画面の見方

 

メイン画面

①:ライフストック
②:装備中アイテム(一部アイテムはBボタンで使用)
③:所持金

 

ステータスメニュー

+ボタンでステータスメニューを呼び出し、装備可能なアイテムがある場合はアイテムリストからカーソルで選んでAボタンで装着を行おう。

装着可能なものは全登場アイテムの内の一部のみなので、実際に選んで1つずつボタンを押してチェックしてみるといいだろう。

 

マップ画面

フィールドマップ

ダンジョンマップ

-ボタンで地図を呼び出すことが可能。屋外ではルナリア全域、ダンジョン内では現在攻略中の迷宮内のマップがそれぞれ表示される。

ダンジョンマップは階段や扉など比較的細かい表記がある反面、フィールドマップは現在地が表示されるのみでこれといった特別な機能はなし。大体の現在位置を確認するくらいの気持ちで利用するのが望ましい。

 

登場武器

 

槍攻撃

サリッサの基本武器となる槍攻撃はXボタンで発動。

多くのゼルダライク作品とは異なり、攻撃の軌道が剣による振り払いではなく、前方正面への突き攻撃である点には気を付けたい。

 

ガントレット(持ち上げ&投擲)

岩やツボなどの傍に立ちAボタンで持ち上げ、再びAボタンで正面方向へと投げつける。

拾い上げるまでの間は大きな隙が出来るので、近くに敵がいる状況で使用する場合には警戒が必要だ。

 

爆弾

Bボタンで爆弾を1つ持ち上げた、その状態からAボタンで正面方向へと投げつける。最大ストック数は10。

爆風に敵をダメージを与える他、多様な使い方を持った頼れる武器アイテムの1つ。

一旦取り出すと、一定時間経過後に自動的に爆発するので、早めに放り投げておこう。

爆弾は取り出しと投げつけで使用ボタンが異なるので使用時は混同しないように要注意。

 

弓矢

正面に矢を発射。矢の最大ストック数は25本。

壁に的が掛けられているのを発見したら、このアイテムで射てみれば何かが起こる…?

 

炎の杖

正面に炎の玉を発射。炎は一定距離を飛んだ後に消える。

攻撃用として使えるだけでなく、トーチに火をともす効果を持っている。

 

スワップチェーン

使用者と対象物の位置を入れ替えるチェーン。飛距離が長く、画面の端から端まで届く。

ダンジョンやフィールドで菱形の結晶体を見かけたら、対象目掛けて使ってみよう。

 

不具合関連

 

地図アイテムの効果が不安定

各ダンジョンではマップ情報を全て開放する「地図」を入手することができるが、2014年1月現在、この地図の効果に纏わる問題点を確認している。

具体的には、”既に踏破済みとなった一部の部屋の情報が反映されていない”状態で、これはダンジョン内でゲームオーバーになるかフィールドに一度出て戻ってくるたびに再現される可能性が高い。

 

上記の症状によって地図アイテムそのものが余り意味を成さないものとなっており、効果が正常に機能するのは”入手直後から上記2つの条件を満たさない間のみ”という極めて限定的なのみという有様。

作中のダンジョンは何処も大した広さではないため、上述の問題は致命的とまではなり得ないが、マップを完全に埋めたいという一分のプレイヤーにとってはモヤモヤすること必至な現象であるのは確実で、アップデートによる修正を待ちたいところである。

 

ダンジョン紹介

 

ルナリア王国に点在する5つのダンジョンを以下で簡単に紹介。

 

Forest Cave(森の洞窟)

順番としては一番最初に攻略することになるダンジョンながらも、プレイ感覚に慣れていない序盤では少し苦戦する可能性も高い。

岩を持ち上げることができるグローブを入手しておこう。

 

Mountain Dugout(山の塹壕)

村の西側に位置する、岩壁に出来た洞穴がこの迷宮への入口だ。

ダンジョン内で入手可能な弓矢は遠隔用武器として重宝するだけでなく、特定のギミックを解除する上でも重要な逸品となる。

 

Desert Sanctuary(砂漠の聖域)

全面が砂地で覆われたがダンジョン。随所に見える水路の制御が攻略のポイントとなる。

ここで手に入れることができる爆弾は武器としては勿論、多様な使い方が可能なアイテム。たくさん持ち歩くことはできないが、頻繁にお世話になる事だろう。

 

Forgotten Gravesite(忘れられた墓地)

ルナリアの北部、仄暗さが漂う墓地の最奥部に佇むダンジョン。

随所で確認できる鏡には、迷宮内で入手可能な炎の杖を使ってみよう。

 

Frozen Ziggurat(凍えし聖塔)

酷寒の地に佇む凍てついた聖塔は、冒険の最後の舞台となるダンジョンだ。王子を攫ったという張本人は、この先に待ち受けているのだろうか?

ここで入手可能なスワップチェーンは特定の対象に向けて使うことで、サリッサとの立ち位置を入れ替えることができる。

 

攻略上のポイント

 

壁のヒビに注目

ヒビが入った壁を発見した際は、壁に沿って爆弾を設置してみよう。

『登場武器』の項目でも記した通り、本作の爆弾は使用直後は持ち上げた状態で出現するので、床に置きたい場合は一度Aボタンを押して放り投げる必要があることを忘れずに。

 

爆弾は重しとしても利用可能

 

地面に置かれた爆弾はオブジェクト1つ分の重しとしての利用が可能。この特徴は、特定の謎解きの場面で重要なテクニックの1つとなる。

ただし爆弾は床に置く際に必ず一度投げることになるので、飛距離や爆発までの時間も計算に入れた上で上手く活用してみよう。

 

人魚の泉を探そう

特定のダンジョンでは、人魚が棲む泉を発見できることがある。彼女に近寄って話しかけると、その場でライフ全快の効果を受けられる

無償で何度でも利用可能なので、特にボス戦前に立ち寄っておけば戦いを有利に進めることができるだろう。

 

プレイ後の感想

インディーゲーム界隈では人気ジャンルの1つである「ゼルダライク」。本作「Saga of the Moon Priestess」はそんな中でも、よりシリーズ初期の作品に寄せた内容となっている。

本家に比べると冒険のスケールこそ小さいものの、8bit風のグラフィックや使用ボタンの少ないごく簡素な操作スタイル、ブロック単位で区切られたダンジョンの構造など、元祖「ゼルダの伝説」の経験者であればあの雰囲気を俄かに思い出す方もいることだろう。

 

今作は極めてスタンダードなゼルダライクとなっているが、全体の難易度自体はそこまで高くはない反面、戦闘での仕様については若干遊びにくさを感じられる部分も見られる。

まず、主人公であるサリッサの基本武器が槍であることが特徴的な点として挙げられる。この槍自体は作中で特別使いにくい武器というわけではないものの、両手で扱うといった点からか、主人公の装備品に盾が登場しない。

この点については奇しくも、先の記事にて紹介した「Ocean’s Heart」とも共通しているが、今作では各種武器やアイテムが持つ特性も含めて避ける、弾く、捌くといった防御系のアクションも一切備わっておらず、基本的に相手が繰り出す攻撃への対処法は直線移動による回避のみとなる。

 

また、移動方向が4方向のみであったり、移動速度の向上要素がゲーム内に登場しないといった点も回避が困難な一因となっている。被弾時の無敵時間がなく、敵の攻撃を連続で受けた場合はノックバックの繰り返しが起こったりと、反撃の隙を作りにくい点も戦闘時のストレスとなり易い。

基本武器となる槍での通常攻撃を除き、アイテムは全体的に発動が少々遅い傾向にあり、敵に向かって使う場合は余裕を持って狙わない限りは易々と潰されてしまう。

 

進捗状況の保存方法についても少し捻りを効かせた仕様となっており、ゲームデータの保存のために、”女神像を槍で攻撃”といった若干特殊な操作が必要となる。2024年発のゲーム作品としては珍しく、本作ではチュートリアル的な誘導要素が一切なく、この影響で”しばらくセーブ方法に気づかないままゲームを進めていた”という方が出ても不思議ではない。

あらかじめこの点を理解せずにプレイしている場合、ゲームオーバー時にスタート直後の状態(所持金0)まで一気に戻されてしまうといった事態も考えられるため、ゲームを進める前にはまずはこの点を必ず覚えておきたいところだ。

 

一方で、ゲームオーバーからのコンティニュー直後のペナルティが”ライフが最大値の半分になる”のみ、と余り厳しい制限は設けられておらず、小まめにセーブを行っていれば再開時の立て直しは比較的容易。

フィールドでは屋内/屋外の切り替えによって敵やオブジェクトが復活したりする反面、ダンジョンでは基本的にそのままの状態で残るようになっている。

このため、仮に探索時に取りこぼしがあった場合でもリトライに対するハードルが低いのは有難いポイントであると言える。

 

日本語をサポートしていないものの作中のテキスト総量は極めて少なめで、『誘拐された王子の救出に槍使いの少女サリッサが乗り出す』といったシンプル且つ王道なヒロイックファンタジーなので、物語の解釈において迷う点はそう多くないだろう。

 

操作性や各種仕様による戦い難さは若干気になるところではあるが、フィールド、ダンジョン共にコンパクトで全体の難易度は控え目。普通にプレイすれば5~6時間程度でクリア可能と程良いゲームボリュームとなっている。

小規模なアクションRPGを手短に遊びたい、というプレイヤーは本作「Saga of the Moon Priestess」をお試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 6.5

 

良い点

  • モチーフ元のシリーズ初期の作品をお手本にしたとされる、ゼルダライクスタイルのオーソドックスなアクションRPG
  • 8bitスタイルのノスタルジックなグラフィックとサウンド
  • 5時間程度でクリア可能な手軽なゲームボリューム

 

惜しい点

  • 日本語に対応していない(ゲームプレイ上での大きな影響はなし)
  • ゲームセーブの方法が若干特殊で、作中の英語テキストを適当に読み飛ばしていると気が付かない場合が考えられる
  • 操作キャラクターとなるサリッサに、防御用のアクションが備わっていない

 

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