Battle Axe (バトルアックス)-Switch版- プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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©Battle Axe 2020. Developed by Henk Nieborg and Bitmap Bureau Ltd.

Licensed to and published by TOYBOX Inc.

 

基本情報

 

タイトル Battle Axe
対応機種 Steam/Nintendo Switch/PS4/X-box ONE
販売 Numskull Games(Steam版,X-box ONE版)

TOYBOX Inc.(Nintendo Switch版,PS4版)

開発 Bitmap Bureau
発売日 2021年4月23日(X-box ONE版)/2021年4月29日(Steam版)/2021年6月30日(Switch版/PS4版)
対応言語 日本語,英語,フランス語,ドイツ語,イタリア語,スペイン語,韓国語,オランダ語,ポルトガル語,中国語 (簡体字),中国語 (繁体字)
備考 ローカル2人同時プレイ対応

 

作品概要

 

「Battle Axe」(「バトルアックス」)はイギリス、サウサンプトンのゲーム開発チームBitmap Bureauによって開発されたゲーム作品。国内コンソール版においてはTOYBOX Inc.が販売を担当。同パブリッシャー内のコンセプト「TOYBOX Indies」内のタイトルとして選ばれている。

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ゲーム内容はクラシカルなアーケードスタイルの2Dアクションゲームで、コントローラーを持ち寄ればローカルでの2人同時プレイが可能。

本作の開発はkickstarterでのプロジェクトに始まり、goal達成によって配信、販売が実現した。ドットグラフィッカーHenk Nieborg*1氏が手掛ける高品質なドットグラフィックと、VGMコンポーザー松前真奈美*氏がBGM制作に参加しているのが本作の注目ポイントだ。

 

(*1:1990年よりグラフィッカーとして多数のゲーム製作に参加。主なタイトルに「Shantae: Risky’s Revenge(シャンティ:リスキー・ブーツの逆襲)」「ゼノクライシス」など)

(*2:カプコンのサウンドグループ「ALPH LYRA」の元メンバーでもあり、在籍時代には「ロックマン」「エリア88」「ファイナルファイト」などのBGMを担当。90年代以降にフリーランスとなった現在でも「Shovel Knight(ショベルナイト)」など幅広いゲーム作品に楽曲を提供している。)

 

リンク:Bitmap Bureau Ltd.(Twitter)

リンク:Henk Nieborg(ピクセルアート Twitter)

リンク:Manami Matsumae(ゲストコンポーザー Twitter)

リンク:Battle Axe(TOYBOX Indies 紹介ページ)

 

ストーリー

 

(紹介ページより該当部を引用)

 

古より、祖国メルキアは「エテルドレッド」に支配されていた。

エテルドレッドは7年ごとに選りすぐりの民を奴隷とし、恐怖を与え、見せつける事で彼らを掌握していた。

 

抗う事の出来ない恒久の闇…その闇を打ち砕くべく、勇者が選ばれる。

 

エルフ、ウィザード、戦士。彼らの冒険はとても険しく、危険に満ちている。

それでも彼らは、全ての民の希望を背負い、絶望の戦いに赴く。

 

 

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン 移動
Lスティック 移動
Lボタン
ZLボタン
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン 遠隔攻撃
Bボタン 近接攻撃
Yボタン 特殊技
Xボタン アイテム使用
Rボタン
ZRボタン
+ボタン ポーズメニュー呼び出し

「Battle Axe」の操作方式は遠隔/近接攻撃に特殊技、アイテムの4ボタン制で非常にシンプル。スティックによる特殊なコマンド入力といった複雑な操作は一切ないのでプレイし易いのは大きな特徴だ。

 

ゲームモード

 

「Battle Axe」には3種類のゲームモードが用意されており、それぞれで異なる特徴を持っている。

アイテム 備考
アーケード 魔術師エテルドレッド打倒を目指すスタンダードなゲームモード。全4面構成。
インフィニット 迷路状のステージを舞台にしたエンドレス制の専用モード。規定数の村人を救出後に出現するポータルに入るとレベルクリア。
ニューゲーム+ アーケードモード初回クリアで開放される上級者向けモード。アーケードに比べて各ステージの構造が大きく変化しており、敵の出現数や攻撃パターンがより一層激しくなっている。

インフィニットモードは他の2つとはルールが若干異なり、各レベル間ではショップのインターバル無しにシームレスに続いていく。アイテムの購入についてはステージ内に商人NPCが立っていることがあるので、そこでやり取りが可能だ。(※詳しくは下段の「ショップ」の項目で紹介)

 

キャラクター

「Battle Axe」のプレイアブルキャラクターは以下の3人。コントローラーが2つあればローカル2人同時プレイも可能。Nintendo Switch版の場合はJoy-Conの横持ち操作にも対応しているので、LとRのワンセットで即座に2人同時プレイが出来る。

また、キャラクターを選んでいる際にLスティックか方向キーの左右でカラー変更(各キャラ2色)が行える。

 

アイテム 備考

ルーニー

クラス:マローダー

武器:キャノン

初期ライフ数:5

移動速度:遅

フェイ

クラス:ダークエルフ

武器:ツインブレード

初期ライフ数:4

移動速度:速

アイアロ

クラス:ドルイド

武器:スタッフ

ライフ数:4

移動速度:普通

ルーニーは大砲の連発で派手に戦えるのがポイントだが、足の遅さが少々ネック。アイアロは強力な遠距離攻撃と瞬間移動を特殊技に持つかなりテクニカルなキャラクターとなっている。3人の内、クセが少なく使い易いのはダークエルフのフェイで、持ち前の機動力を駆使した直接移動で敵の攻撃を回避しやすい。ひとまずゲームクリアを目指したいという方はまずは彼女で本作に慣れてみるとよいだろう。

 

アクション

 

遠隔攻撃

3キャラ共に向いている方向へと一直線に発射し、連射も可能。パワーアップ(100gold、一回きり)を購入することで威力がより強力になる。

 

近接攻撃

連続入力で最大二段階のアクションへと変化(アイアロの攻撃モーションは1種類のみ)。パワーアップ(75gold、一回きり)を購入することで威力がより強力になる。

 

特殊技

スティックを任意の方向に倒しながら使うと移動しながらの発動が可能。キャラ毎に効果は大きく異なるが、タイプとしてはいずれも突進系のものが揃っている。

特殊技は3人ともノーコストで発動可能だが使用直後にはクールタイムが発生し、全身が白く光るまでの間は再使用ができない。アイアロはクールタイムがわずか1秒と短いので、連続でテンポ良く使っていくこともできる。

 

ゲームシステム

 

チェーンコンボ

「Battle Axe」では規定時間内に敵を連続で攻撃することでチェーンが発生。コンボが途切れた時点で累積分のコンボボーナスがスコアへと加算される。

画面左にある縦型の赤いゲージが上から下へと空っぽになるまでの間に敵、もしくは障害物に攻撃を加えることができればチェーン継続。対象を倒したり破壊する必要はなく、ステージを進めつつ攻撃を連続で命中し続けていくコース取りを行っていくのが長くチェーンを繋げていくコツだ。

 

アイテム

スロット内にアイテムが登録されている時、Xボタンで使用することができる。チキンに限り、ライフゲージが1以上減ってる際に取得した時はその場で効果が発動する(満タン時はスロットに入る)。

ステージ内でのアイテムの入手法は主に宝箱で、近接攻撃を加えることで開錠。開けた際には大量の金貨や宝石の他にチキン、爆弾、魔法の巻物などの消費型アイテムがランダムで単体出現することがある。

アイテムの獲得の際には注意点が1つあり、スロットに装着するタイプのアイテムは1個ずつしか持ち歩けないため、既にスロットにアイテムが入っていた場合は新たに手に入れたものと入れ替えられてしまう。

入れ替えた際にもともと持っていたアイテムは飛び出して、キャラの足元から少し離れた場所へと落下。この時にタイミング悪く、乗り越えられない障害物の反対側などの方向へと飛んでいった場合は回収不可能となってしまう。入り組んだ地形や足場が不安定な場所では特に、宝箱を開けたりアイテムを入れ替える方向には気を付けよう。

特にしっかりと確保しておきたいのがポーションで、使用直後にライフが全快する優れた効果を持った逸品だ。ストックが可能なので必要なタイミングで飲むことができる。エルフェンのショップでは購入できず宝箱からのみ出現するアイテムなので、発見したら迷わずに確保しておきたい。

 

村人

ステージ各所には村人が隠れており、接触すると救助完了と同時に1,000ptsのボーナスがスコアに加算される。老若男女、顔ぶれは様々で名前もそれぞれ異なるが救助時の効果は一律同じ。ステージ毎に隠れている村人の数は異なるので、是非ステージを隅まで見回って全員を見つけ出してみよう。

 

ジェネレーター

各ステージ随所に設置されている三角錐型の仰々しいオブジェクトはエテルドレッドが配備したジェネレーターだ。破壊しない限りは進路がバリアで塞がれたまま先に進めない上に、敵の援軍が自動で呼び続けられる。

進路を阻む障害物の1つではあるのだが、敵を呼び続けるというジェネレーターの性質をうまく使うことでェーン数稼ぎやスコアアップを狙うチャンスともなる。

 

ステージリザルト

各ステージのボスを倒すとステージクリア時のリザルトが表示される。

総合的な成績でS~Eの6段階でランクが評価されるが、S評価の獲得判定はかなりシビア。ダメージを受けた回数や所要時間の比重がかなり大きいようなので、なるべくスピードクリアを重視しつつ敵の攻撃をしっかり避けるのが評価を高めるコツとなる。(※撃退数(KILLS)の高さはあまり関係ない?)

 

ショップ

最終面を除く各ステージクリア後には、どこからともなく旅商人エルフェンが現れてアイテムの購入が可能となる。手のアイコンを選ぶことで取引を終了し、次のステージが開始。

インフィニットモードでのショップは各レベル内の何処かに最初からエルフェンが出現しており(不在の場合もあり)、接触することで1度だけ利用が可能(メニューを閉じると同時に姿を消す)。

 

アイテム 備考

チキン

体力を1ゲージ分回復。購入時に即効果が発生。体力ゲージが満タンの場合はスロットに装着

魔法の巻物

画面全体にダメージ効果を発生させる攻撃魔法(いわゆるメガクラッシュ)。購入後、スロットに装着

体力アップ

体力の最大値を1ゲージ分アップ。最大で7ゲージまで拡張が可能。最大分まで購入した後は、同じ項目箇所に「爆弾」が出現して購入可能になる

スピードアップ

移動速度アップ

パワーアップ

近接攻撃の威力がアップ。購入は1度のみ可能

遠距離パワーアップ

遠距離攻撃の威力がアップ。購入は1度のみ可能

チキンは何度購入しても一律金貨5枚と比較的安価で、一度に複数個の購入も可能。微妙に余った端数分の金貨の使い道に注ぐのもいいだろう。

ステータスアップ系アイテムは基本的に1回のみの買い切り型だが、体力アップのみ2~3段階まで強化が可能。ただし、1回購入ごとに単価が少しずつ上昇していく。

ゲーム全編があまり長くはないため一度の来店で色々と買うことはできないが、先のステージを見越して有用なものを優先して購入していきたいところ。

 

プレイ後の感想

「Battle Axe」はクラシカルな、取り分け80年代後期~90年代前期のアーケードゲームのテイストを意識して作られた作品である事は、緻密に描き込まれた16bit調のドットグラフィックやサウンドからも伺えるが、特にサウンドにおいては本作でBGMを手掛ける松前氏が過去に楽曲を担当したゲームタイトル、取り分けカプコンのCPS-1対応作品を彷彿とさせられる。

今作の楽曲を耳にして筆者が真っ先に思い浮かんだタイトルがそんなCPS-1対応タイトルの1つである「マジックソード」(1991)で、西洋風ファンタジーな世界観と敵をサクサク倒しながらガンガン突き進めるゲーム性という2つの面において少なからず近しい要素を感じられた。

 

計3種類用意されている各ゲームモードはいずれも全体的に少し高めの難易度になっており、歯ごたえをしっかり感じられる。当時のゲームセンターの筐体に並んでいそうな雰囲気に満ちた作りは、思わず「アーケードスティックでプレイしてみたい」と思わせるクオリティだ。

難点は1UP要素やコンティニューが搭載されておらず、連続クレジット投入(いわゆる連コイン)によるゴリ押しクリアが出来ない点。その仕様から、どのモードを選ぶ場合でも本編クリアを目指す上では純粋なプレイヤースキルを問われることになる。ただゲーム自体の動作は比較的軽くリスタートやリトライは手早く行えるので、ステージ構成や敵配置をしっかり覚えながら何度も挑戦していく内に自然と全面クリアも視野に入ってくるはずだ。

 

また各ゲームモードとは別に、プレイ中に色んな条件を満たすことで達成可能なアチーブメント(業績)システムも用意されているので、そちらの収集に勤しむのも本作の楽しみ方の1つ。トロフィーや実績システムにやり甲斐を感じるプレイヤーの諸氏は、是非繰り返しプレイしてじっくりと埋めていってみよう。

 

全4面から成る本作の全編ボリュームは1週辺り30分程度とちょっぴり短めだが、撃って叩いて突き進むというシンプル極まりないハック&スラッシュなゲーム性や当時のゲームセンターの雰囲気が好きな方には逸品となり得る作品。クラシカルなアーケードゲームファンにとってはビジュアル、サウンド、ゲームシステムいずれかの面で1つでも琴線に触れることがあったならば、迷わず本作「Battle Axe」を要チェックだ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 7.5

 

良い点

  • 80年代後期~90年代初期のアーケードゲームを彷彿とさせるゲームデザイン
  • ドットグラフィッカーのHenk Nierborg氏が手掛ける描き込まれたグラフィックと松前真奈美氏らによるBGM群
  • ライト~ハード層それぞれに合わせた3種類のモード

 

惜しい点

  • 1UPやコンティニューシステムといったワンプレイの継続に繋がる救済要素が一切搭載されていない
  • 遠距離攻撃の軌道が一貫して直線状に飛んでいくものしかなく、キャラ正面以外の方向から迫ってくる敵を咄嗟にカバーしにくい
  • メインモードである「アーケード」の全編が4ステージと短く、プレイヤーによってはボリューム面での物足りなさを感じる場合も

 

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ステージ紹介

 

以下ではアーケードモードの舞台となる各ステージをスクリーンショットを交えながら簡単に紹介していこう。

 

ステージ1:雲海の戦場

上空に浮かぶ緑豊かな大地がファーストステージでは、冒頭から登場するオークは全ステージを通して登場するモンスターで、徒党を組んで襲ってくる。

プレイヤーから一定の距離を取りつつ開いた口から弾を発射してくるホーネットは特に難敵。隙を見つけてこちらも遠距離攻撃で対抗しよう。

 

ステージ2:忘れられた廃鉱山

今では魔物の巣窟となっている廃鉱山。等間隔で炎を噴出してくる魔物の彫刻の柱はうっかりダメージを負い易い要注意なオブジェクトだ。破壊もできないので付近での戦闘は絶対に避けよう。

地中に潜りながら移動し、プレイヤーの近くまで来ると浮上してこちらに牙を向けてくるロックワームはこのステージ屈指の難敵。混戦時には最優先で倒したい。

 

ステージ3:ドラゴン砦

ドラゴンが住まうと伝えられる堅牢な砦。ステージボスまでの道のりは長く、道中の敵の攻撃も非常に激しいのでとにかく気が抜けない。

こちらを認識した直後に猛スピードで突進してくるバナレット(騎士)は最も注意すべき相手だ。

 

ステージ4:スコリア尖塔

最終ステージ。要注意モンスターはテレポート直後にこちらに向かって魔法攻撃を行ってくるウォーロック。出現場所を予測して速攻で撃退しよう。

屋外の最奥部まで進んだ先にあるポータルを抜けると、いよいよ魔術師エテルドレッドの本拠地へ。

 

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