©2018 Elden Pixels
基本情報
タイトル | アルワの覚醒(Alwa’s Awakening) |
対応機種 | Steam/Nintendo Switch ほか |
販売 | フライハイワークス(Nintendo Switch版)/Elden Pixel(Steam版) |
開発 | Elden Pixels |
発売日 | 2017年2月3日(Steam版)/2019年1月10日(Switch版) |
対応言語 | 日本語,英語,フランス語,ドイツ語,イタリア語,スペイン語,ロシア語 |
備考 | CEROレーティング:A(全年齢対象) |
作品概要
「アルワの覚醒」(「Alwa’s Awakening」)はスウェーデンのゲームディベロッパーElden Pixelsによって開発されたゲーム作品。国内コンソール版においてはフライハイワークスが販売を担当。
ゲーム内容は3種類の魔法の使い方がカギとなる小規模なパズル要素を絡めた8bitテイストの探索型サイドアクションゲーム。プレイヤーは異世界からやってきた少女ゾーイとなり、滅亡の危機に瀕する王国アルワを救うことがこの冒険の目的だ。
本作は現行機向けに配信されている通常バージョン(今回紹介するNintendo Switch版もこちらに該当)に加え、『8-bitエディション』が存在している。
この8-bitエディションは、海外版ファミリーコンピューターにあたるNES用ゲームカートリッジとしてretro-bitパブリッシングにて数量限定でリリースされた他、欧州ゲームコンソール「Evercade」シリーズでもプレイが可能。こちらについては、同じElden Pixelsが販売する2Dアクションゲーム「Cathedral」(開発はDecemberborn Interectave)との同時収録と言う形で、ゲームカートリッジが2023年に販売されている。
(※本記事内で取り扱う「Alwa’s Awakening」に関する記載はいずれも通常版のものとなります。あらかじめご了承下さい)
リンク:Alwa’s Awakening(Elden Pixels official site内)
リンク:アルワの覚醒(Flyhigh Works official site内)
ストーリー
(紹介ページより該当部を引用)
かつて、アルワの国は、平和な国だった。 青く澄み渡る空と、鮮やかに輝く湖、そして、生き生きとした森が生い茂る、美しく豊かな場所であった。
人々は自由だった。 仲間を思いやる気持ちを忘れず、共にアルワの国のために、みんなで力を合わせて暮らしていた。
しかし、ある日、全てが変わってしまった。 アルワの国を我が物にしようと企む、悪しき者が現れたのだ。 その悪の名は、ヴァイカー。
ヴァイカーは武器は持たず、憎しみを力として、徐々に、人々を支配していった。 アルワの国には、彼の力に敵う者はおらず、その力から、逃れることは出来なかった。
ヴァイカーはガーディアンと呼ばれる者たちを率いて、各地にある宝玉を奪っていった。 宝玉と呼ばれるその宝石は、とても大きな力を秘めていた。 そして宝玉は、アルワの人々が、代々大切に守ってきたものでもあった。 宝玉を奪われた人々は、希望を失い、もはや誰もが、途方に暮れていた。
ヴァイカーの支配により、人々は苦しみ、アルワの国は、かつての輝きを失ってしまった。 空は曇り、湖は穢れ、森は枯れ果て、蝕まれていった。 宝玉を守っていた村は、全て滅ぼされ、人々の希望も失われた。 これが何世紀も続く、暗黒時代の幕開けであった。
しかし、今、変化が起きようとしている。 アルワの人々は再び立ち上がり、そして、希望を託す存在を求め、他の世界から、勇者を呼び寄せたのだ…!
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操作方法
(※Nintendo Switch版)
JOY-CON(左) | |
上下左右ボタン | 移動、(下入力中)かがむ |
Lスティック | 移動、(下入力中)かがむ |
Lボタン | 魔法切り替え |
ZLボタン | |
-ボタン |
JOY-CON(右) | |
Rスティック | |
Aボタン | 杖で攻撃 |
Bボタン | ジャンプ |
Yボタン | |
Xボタン | 魔法使用 |
Rボタン | 魔法切り替え |
ZRボタン | |
+ボタン | ポーズメニュー呼び出し |
アクション
ジャンプ
高度の微調整はボタンを押す長さによって可能だがジャンプの性能は全編通して一律となり、機能向上アイテムは登場しない。高めのジャンプは天井に設置されたトゲに接触するシチュエーションが多く登場するため、繊細な操作が常に要求される。
かがむ
下キーを押している間、手を付いた低姿勢でかがむことが可能。
本作のかがみアクションは左右移動ができないタイプなので、上画像のような”移動型リフトとの併用”というような特殊な状況でない限りは、”狭い通路を低姿勢状態で抜ける”といった使い方はできない点に注意。
杖で攻撃
ゾーイの攻撃アクションは杖を使った打撃によるもので、ゲーム冒頭で手に入る「まほうのつえ」の取得が使用条件となる。敵にダメージを加えたり特定のブロックの破壊などが可能で、王国の何処かに隠された「サッターのほん」を入手することで攻撃力が2倍になる。
魔法
作中、全部で3種類存在する魔法はゲーム冒頭に登場する「まほうのつえ」と、各地に隠された宝石を手に入れることで初めて使用可能となる。使いたい魔法に対応したアイコンをLorRキーで選択し、方向キーの上とXボタンを同時に押せば発動。
いずれの魔法も魔法専用のゲージ(上画像)がフルチャージ状態の時に限って発動が可能で、再び使用するにはゲージが回復するのを待たなくてはならない。魔法によってゲージの回復速度は異なるので、その点にも要注意。
緑の宝石
緑の宝石は魔法のブロックを作ることができる。用途も複数あり、足場として利用したり、スイッチの重しとして利用したりとさまざまだ。
ゾーイのジャンプ性能は思いのほか頼りないので、飛び移り操作が必要な場面で飛距離や高度を少しでも稼ぐ上ではこの魔法は頻繁にお世話になる。また、精製したブロックは敵の特定の発射弾を防ぐ効果があり、陰に隠れれば身を守ることもできたりと戦闘でも役立つ側面もある。序盤から入手可能なこともあって、3種の内でも何かと出番が多い魔法でもある。
青い宝石
真上へと上昇する魔法のシャボン玉を精製することができる。シャボン玉は上に乗ることが可能で、緑の魔法で精製したブロックよりも高度を稼ぐことができる。ただし、強化していない状態では精製後、2キャラ分くらいの高さまで上昇した直後に消えてしまうため、初期状態での使い勝手はイマイチ。
この魔法の真価は強化後にこそ発揮され、天井に着くまで延々と高く昇っていくという極端な性能へと変化する。使用感と共に探索の自由度もグッと上がるものの、強化できるタイミングは普通に進めている場合かなり先になるので、強化アイテムを発見するまでの間は標準の効果で辛抱強く使っていくことになるだろう。
黄色い宝石
黄色い宝石では魔法攻撃が利用可能となる。魔法のアイコンと同じ⚡のマークが付いた扉に向かって発射すれば、これを開くことができるという効果も併せ持つ。上述の2つの魔法と異なり、性能の強化はなし。
攻撃手段としても使えるが敵を圧倒するような性能とは言い難く、再使用可能となるまでの所要時間が長い割に特別威力が高いというわけでもない。ただし一部のボス戦においてはダメージを与える上で必須の魔法なので、戦闘に組み込む際はよく狙いを定めてから発射するように心がけよう。
ゲームシステム
アシストモードシステム
タイトル画面の「せってい」からゲームプレイの様々な設定変更を行えるが、「アシストモード」の項目をオンにすると各種アシスト機能が発動。「オン」中に発動可能なアシスト機能はクイックリスポーン、地図上にアイテムの場所を表示、地図上に井戸の場所を表示の計3つで、それぞれの項目からオンとオフの切り替えが可能。
例を挙げると「地図上にアイテムの場所を表示」項目を「オン」に設定中の場合は、マップ画面起動時に上画像のようにまだ踏破していないエリアも含めたアイテムの位置が●のアイコンで表示されるようになる。
変更によるペナルティは無いので、特にプレイ上のこだわりがない場合はとりあえず全項目をオンにしておくことを推奨。この設定を行っておくだけでも本作のプレイアビリティはグンと向上する。本作のワンミスを誘発する場面は思いのほか多いので、同じエリアから即座にやり直しが可能なクイックリスポーンは快適にプレイするためにも必携だ。
※クイックリスポーン機能オン時の注意点
リスポーン地点は「前回隣接エリアから移動してきた際の座標とアクション状態」がそのまま記憶される。
例えば、マップ上で上下に隣接するエリアを跨いで一つ下のエリアへと落下状態で移動した場合、クイックリスポーン機能を使って再開すると、全く同じ座標から落下状態でスタートする。
仮にリスポーン場所の落下先が即死を引き起こすトゲへと直行するようなシチュエーションだった場合は、リスタート直後にすぐに回避操作で立て直しを行わないと再び即死、という連鎖が起きてしまうのでこういった事故を防ぐためにもエリア移動時のシチュエーションにはなるべく気を配るようにしたい。
青いオーブ
アルワ王国全土に隠されており、総数は99個。標準サイズのものは1個相当、大サイズのものは攻撃を加えて割ることで標準サイズ×3へと変化する。
一定個数を集める毎にオーブレベルがアップし、最大5段階(99個全て集めると5段階に到達)まで上昇する。オーブレベルが高ければ高いほど、各ボス戦をオーブレベル分のダメージを与えた状態で開始可能。(3レベルならば、3ゲージ相当のダメージを与えることができる)
獲得個数はマップ画面で確認できるが、何処にあるかはアシストオンでも地図上に場所が表示されないため、実際に自分の足で見つけ出す必要がある。全エリアを隅から隅まで探してみよう。
灯火台(チェックポイント)
王国の随所に設置された灯火台(ゲーム内では「ともしび」表記)に隣接してAボタンを押すと、そのエリアがチェックポイントとして記録されると同時にゲームの進捗状態がセーブされる。
設置数は比較的多く、記録時にはライフも全快するので駆け込み寺感覚で利用可能。入口手前見える☆マークの壁が目印となっているので、通過する際にはなるべく小まめに灯火台に触っておくようにしたい。
ワープ
ワープポイントを利用するためには各ポイントに到着した後にワープ機能を発動して、アクティブ状態にする必要があるが、以降は発動済みのポイント間でファストトラベルがノーコストで実行可能。
ワープポイントの在処は王国全土に計6か所。全てアクティブにしておけば、探索にも便利だ。
宝玉
大きな力を持つといわれる宝玉はアルワ王国にとっての重要なアイテムで、その数は全部で4つ。いずれもヴァイカーにつき従う「ガーディアン」達の手によって奪われてしまった。
各宝玉はガーディアン1人がそれぞれ1つ持っているとされている。冒険を進める中、彼らとの直接対決は避けられないだろう。
アイテム
獲得後、持っているだけで効果が発生するアイテムを以下で紹介。(全6種類)
アイテム | 備考 |
---|---|
銅の硬貨 |
ある人物のところに持っていくと…? |
賢者の目 |
隠れているものが見えるようになる |
大きなカギ |
至高の山へと続く扉を開くカギ |
サッターの本 |
魔法の杖の攻撃力が2倍になる |
地図 |
現在の居場所を確認できる。
(地図は+キーで表示。踏破したエリアやボスの居場所なども併せてチェック可能。アシストの設定次第でアイテムや井戸の位置も表示される) |
空のビン |
各所にある古井戸で水を汲むことができる。他にも使い道が…?
(汲んだ水はライフを全て失った際に1度だけ全快状態へと回復する効果を持つ) |
空のビンで水を汲むことができる古井戸は、基本的に屋外のエリアにしか設置されていない。遺跡や建造物の中ではまず見かけることはないので、深い場所へと潜る上でいざという時の回復が欲しい時は事前に近場の古井戸で汲んでいこう。
プレイ後の感想
「アルワの覚醒」では3種類の魔法の使い方がまさしく攻略のカギで、終盤では1つの場面で3種類すべてを駆使する必要があるようなパターンも見られる。アクション構成はシンプルな反面、ボス戦は後半に登場する相手ほど魔法の使い方が重要になったりと、多少の歯ごたえもあり。
ローカライズに関しては基本的に良好で、ひらがなとカタカナ交じりで構成された余り大人びていない素朴なテキストは、幅広い年齢層に支持されそうな好意的なポイントだ。
ただ、長く遊ぶ内にアイテム収集率やマップ踏破率をコンプリートしても特にこれといった特典がないのは少々寂しいところで、作中には上記のアイテムの項目で紹介しているもの以外にも全部で3つ隠されている謎めいたアイテムやキーワードがそれぞれあるのだが、これらの用途についてよくわからないままなのは少々歯がゆさを感じる点だ。
(※今作については一応ゲームプレイにあたって、アイテム収集率及びマップ踏破率は100%となるまで可能な限りは隅から隅まで探索してはみたが、筆者がまだ全てを発見できていないだけの可能性もあるので悪しからず)
全体的にはスピードランやチェーンコンボ重視の近代的なテイストよりも、昔ながらのゆったりめで堅実に攻略していくタイプの8bit風アクションゲームが肌に合うというプレイヤーにこそ較的相性が良い作風となっている。クリアタイムなどの制約に縛られない適度なパズル要素が詰まった程よく難しいアクションゲームが好き、という方はお試しあれ。
なお、本作の物語はそのまま続編である「アルワの遺産」(Alwa’s Legacy)へと続いていく。こちらはSteamはもちろん、Nintendo Switchでも引き続きプレイ可能。グラフィック、アクション面でよりパワーアップした仕上がりとなっているので、ゾーイの更なる活躍を追いたい方は合わせて必見だ。
評価
個人的スコア(10点満点中) | 7.0 |
---|
良い点
- ファミコンやNES時代の作風に忠実な8bit風グラフィックとサウンド
- 3種類の魔法をベースに程よいパズル要素が加わった遊び応えのあるサイドアクション
- プログラムの安定性が高く、致命的なバグも観られない
惜しい点
- 探索アクションゲームとしてはレトロな作りでスピード感には乏しく、プレイヤーによってはゲーム展開が若干退屈に感じられる場合も
- 壁に偽装された隠し通路が思いもよらない箇所に設けられていることが多く、少々発見しづらい
- アシスト使用時にミスした際のリスタートポイントが”エリア移動を行ったそのままの場所”から開始されるため、エリアの移動状況によってはプレイアブル面で影響を与えている場面が稀に見られる
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