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(※2022年4月16日、大幅加筆修正)
基本情報
タイトル | AeternoBlade II |
対応機種 | Steam/PlayStation4/NintendoSwitch/Xbox One |
販売 | CORECELL Technology(※欧州版はpqubeが担当) |
開発 | CORECELL Technology |
発売日 | ・2019年10月11日(PS4/Switch/XB1海外版)(※日本語非サポート)
・Steam版「Aeterno BladeII – Director’s Rewind」:2020年9月8日 ・Nintendo Switch日本版「Aeterno Blade II – Director’s Rewind」:2021年10月21日 |
対応言語 | 英語,フランス語,イタリア語,ドイツ語,スペイン語
Steam版「Director’s Rewind」以降で追加サポートされた言語:日本語,中国語(簡体字),中国語(繁体字),タイ語 ・Nintendo Switch日本版「Aeterno Blade II – Director’s Rewind」対応言語は字幕は日本語及び英語、音声は英語及びタイ語のそれぞれ2種類となっている |
備考 | PS4版はリージョンALL仕様につき、海外版も日本用プラットフォームでプレイ可能(※欧州版は日本語字幕無し) |
作品概要
※以下で掲載している画像は指定がないものを除き、PS4欧州版「AeternoBlade II」のものとなります。
「AeternoBlade II」はタイのディベロッパーCORECELL Technology(現CORECELL)が開発、販売を手掛けるゲーム作品。欧州版においてはPQubeがパブリッシャーを担当する。
爽快感溢れる連携剣技アクションと時間制御能力を駆使して攻略していくメトロイドヴァニアタイプの2DACTゲーム「AeternoBlade」の正統な続編で、PlayStation4など複数のプラットフォームで再登場。前作同様kickstarterのゴール達成により、完成が実現。
後発となるSteam版は様々な追加要素を加えた「AeternoBlade II:Director’s Rewind」として2020年より配信開始。
これに伴い、海外版各コンソールの方でもダウンロード購入版に限りバージョンアップによる無償アップグレードが可能に。(※日本国内からの購入の場合は要海外アカウント)
日本コンソール向けでの展開はここまで観られなかったが、2021年10月21日よりニンテンドーeショップにて「Director’s Rewind」の配信が開始(販売はCORECELL Technologyが兼任)。Nintendo Switchでも正式にプレイ可能となった。
オリジナル版からの変更点としては追加コンテンツに加え、インターフェースや細かいシステムの変更など。それに伴って画面情報も少し変化しているが、ゲーム本編に関しては同様のものとなっている。
詳しくは当ページの「補足:「Director’s Rewind」及び日本語字幕対応バージョンについて」項目を参照。
リンク:AeternoBladeII(CORECELL 公式サイト内)
日本版のシリーズ販売事情と沿革
(※上画像はPS4版体験版のものです)
第1作目にあたる前作「AeternoBlade」は同デベロッパーにより2014年にオリジナル版としてニンテンドー3DS版が海外向けにリリース。日本では「タイムアベンジャー」の邦題でダウンロード専売ゲームとして翌2015年に配信が開始(販売はアークシステムワークスが担当)。
以降、各種コンソール版も後にリリースされており、2021年5月からはNintendoSwitchでも原題である「AeternoBlade」としてダウンロード専売タイトルで配信中。こちらについては販売は開発元と同じくCORECELL Technologyが担当している。
探索型サイドアクション、いわゆる”メトロイドヴァニア”をしっかり踏襲したゲームデザインが目を惹く前作だったが、「II」ではそれらの点も含めてよりグレードアップ。メインの操作キャラクターは前作に引き続きフレイヤだが、今作ではストーリー進行に応じて一時的に操作担当キャラが切り替わる場面も登場する。人物ごとにそれぞれ使用武器が異なり、使い勝手も変化する点に注意したい。
ゲームの特徴
マップ探索といった基本的なゲームシステムに関しては前作から大きな変更はないが、前作で採用されていたステージ制は排除され、ストーリー進行についてはクエスト制へと変更となった。
また、純然なサイドビュー2Dアクションだった前作においても立体感を意識していたカメラワーク演出については、今作ではいわゆる2.5D寄りな見せ方へと更なる進化を遂げ、ステージ随所でより奥行きを感じさせる可変スクロール方式に進化。
判り易いところではゲーム序盤のフェリスで進行するパートで、上り坂を経てアナン要塞(The Anan Fortress)の領内へと入場する際に、上画面のようにカメラがグッと手前に引いて行き次第に城の外観が大写しになっていく、といった具合だ。
こうしたカメラワークによる演出は全編を通して頻繁に登場する。視点の動き方はシーン毎に決まっているがこの点を意識しながらステージ全体を見渡し、先へと続く通路を随時捜していく必要がある。
画面構成においての前作からの変更点は他にもあり、一部の中ボス戦など特定の戦闘パートではカメラが強制的に三人称の3D(サードパーソン)風視点へと切り替わる。
これによってアクションゲームとしてのシステムがサイドビュー時のものから360度方向に対応し、一時的に3Dアクションへと変化する仕組みだ。
Lスティック押し込みで視点正面の敵をターゲットロック。この最中はRスティックのカメラ操作がロックオン中の敵を中心に動くようになる。
ロックオン状態は攻撃する相手をしっかり狙いたい時には有用だが同時に後方確認がし辛くなるので、ロックのオンオフを切り替えながら上手く戦って行こう。
操作方法
「AeternoBlade II」では同じ効果を持つボタンは1つとしてなく、どれも操作した時の効果は異なる。
本シリーズの肝でもある時間操作アクションについてもそのバリエーションは豊かで、中には前作から続投のアクションであってもキーの割り当てが変更となったものもあったりと、ボタンをフルに扱う操作スタイルでやや操作が難解な印象を受ける。
各ボタンの効果をゲーム進行と共にしっかりと覚えていこう。
(※PlayStation4版)
DUALSHOCK4 | |
---|---|
左スティック | 移動 |
右スティック | (時計方向に回転)タイムリバース |
上ボタン | タイムマーカー設置/使用 |
左ボタン | ショートカット(左)使用 |
下ボタン | ショートカット(下)使用 |
右ボタン | ショートカット(右)使用 |
□ボタン | 立ち攻撃(攻撃1) |
△ボタン | しゃがみ攻撃(攻撃2) |
×ボタン | ジャンプ/決定 |
〇ボタン | キャンセル |
L1ボタン | レリックセット切り替え |
L2ボタン | (長押しで)タイムトリガー発動準備 |
R1ボタン | タイムブリンク |
R2ボタン | 打ち上げ攻撃 |
L3 | ターゲットロックオン |
R3 | アルティメイト(画面全体攻撃) |
OPTIONボタン | メニュー呼び出し |
タッチボタン | メインメニュー呼び出し/(長押し)全体マップ表示 |
攻撃アクションは基本的に立ち状態から□ボタンで立ち攻撃、△ボタンで下段攻撃を行うといったものになっている。
この2つのボタンの組み合わせや押す回数によって連続技が派生していくので、メニューから呼び出せる技表でしっかり確認しておこう。
また、R2ボタンでは打ち上げ攻撃を繰り出せる。効果が表れる敵は軽量な相手に限られるが、空中コンボへの起動技としても最適だ。
時間操作アクション
フレイヤを始めとしたプレイアブルキャラクター各位が持つ”時間を操る”各種能力は本シリーズでは欠かせないゲームシステム。
ストーリー進行を通じてクロノブレード(本作内では”Aeterno Blade”)の所有者となる計3人のキャラクターが使用することができる。
下記では簡単な操作説明を踏まえながらそれらの能力についても解説していこう。
本作における方向キーは割り振りが独特で、上キーはその場にタイムワープマーカーを設置する効果を持つ。
これは離れた場所でもう一度キーを入力すると、瞬時にマーカーの場所へと移動することができるといった能力で、設置したマーカーは移動後に消滅するため、設置場所への1度きりの片道瞬間移動が可能といった特徴の能力だ。
上方向以外の3方向にはそれぞれあらかじめ登録したアイテムのショートカット使用ボタンが割り振られる。
といっても本作の消耗アイテムはポーション類ばかりで種類もそう多くはないので、 ほとんどの場面では回復ポーションが登録される機会が多くなることだろう。
L1キーの入力で発動可能なタイムブリンクはLスティックとの組み合わせで、タイムピリオドゲージを1つ消費して前方、あるいは後方へのダッシュによる高速移動を行う能力。
敵の攻撃を予測して緊急回避に使う事が可能で、発動時に各種攻撃ボタンを押すことでカウンターアタックへと派生することもできる。
敵の攻撃が眼前に迫るといった状況でL2ボタンを長押しすると周囲の動作がスローモーションになる「タイムトリガー」が発動。
そこから追加でボタンを押すことでタイムパリィやタイムドッジ(回避)といった危機回避ムーブを繰り出す高等テクニックへと派生する。
マナゲージを消費するので多用は禁物だが、これらを狙って発動できるようになればプレイヤースキルを一段上へと高めることができるはずだ。
4種類の時間操作アクション
以下の4種類の能力はいずれもL2を押した状態から特定のボタンや右スティックを操作することで発動可能な特に強力なもの。
以下ではその効果を簡単に紹介。
タイムトラベル(TimeTravel):L2長押し+□ボタン
ビデオの巻き戻し機能のように時間の流れを逆方向へと変換し、同時に移動物や敵の動作も巻き戻すことができる。
タイムストップ(TimeStop):L2長押し+△ボタン
およそ5秒間時間を静止させることができる。
シンプルな時間停止能力で、使い方も「敵や移動型障害物の動きを止める」といった具合で用途が判り易い。
タイムパラドックス(TimeParadox):L2長押し+〇ボタン
自分自身の行動を記録した後に経過した時間を記録前の状態へと戻し、元の時間軸で再生することができる能力。
再生時には自分のキャラの行動記録を攻撃判定を備えたゴーストとして反映され、能力をランクアップする事でゴースト数を増やすこともできる。
タイムリバース(TimeReverse):Rスティックを逆時計回りに軽く回す
クイックタイムリバース(QuickTimeReverse):L2長押し+Rスティックを逆時計周りに軽く回す
時間をおよそ数秒分巻き戻すことができる能力で前者はどこでも、後者はフレイヤのヘルスが0になった時限定(入力受付時間有)と使用可能なタイミングは異なる。
以上、本編内で操作キャラクター達が使用する時間操作能力を簡単に紹介してきたが、最初から無条件で習得しているタイムブリンクを除く6つの能力はゲーム進行と共に一つずつ習得していくことになる。
いずれの能力もその特性を把握した上で、適切な場面で正しい使い方をすることでパズル要素のある場面ではその謎を解き、戦いの場面では強大な相手を打ち破り勝利へと導くことができるだろう。
登場人物
以下では「AeternoBladeII」に登場する主要人物を簡単に紹介していく。フレイヤの項目では前作の事についても少なからず触れてあるが、詳細は割愛。
なお、日本語字幕に対応したバージョンではキャラクター名称がセリフ毎に微妙に異なっている事があるが、そちらについても別枠で合わせて記載している
フレイヤ(Fleyja)(※フレイジャ) |
本編主人公。 前作「AeternoBlade」において、宿敵であった闇の魔王ベラディムを打ち破った事でゼビル、キャロル兄妹の救助を経て新たな世界線で再び蘇った。 現在、故郷の村の警備員として平和な生活に戻っているが、新たな物語が始まろうとしていた。 |
---|---|
バーナード(Bernerd)(※ベーナード) |
クロノシア王国の上級戦士。特定の区間で操作可能なプレイアブルキャラクターの1人。
強い義務感の持ち主で、オラクルの予言を受けてフェリックスと共に”悠久の要塞”へと旅立つ。フェリックスとロザリンとは幼馴染みの関係。 |
フェリックス(Felix)(※フレイリク) |
クロノシア王国の上級戦士で、バーナードとロザリンの幼馴染み。特定の区間で操作可能なプレイアブルキャラクターの1人。
王国を惨劇へと導く原因を突き止めるべく、バーナードと共に”悠久の要塞”へと旅立つ。 バーナードとは正反対の性格の持ち主で、王国に広く伝わるクロノス神を信仰していない。 |
ロザリン(Rosaline)(※ロサリーン) |
弓術と回復術に精通したクロノシア王国の王女。本編ゲームパートではサポートNPCとして期間限定で登場。
王国騎士として従属しているバーナード、フェリックスとは幼馴染みの関係。 |
上記の登場人物以外にも、旅商人ゼビルやその妹のキャロルが前作に引き続き登場している。
時間を操る力を有した3本の剣・エタールノブレイド*(AeternoBlade)それぞれの所有者が運命的な出会いを果たし、クロノシア王国、世界樹ユグドラシルが待つヴァルハラ、悠久の空間”エヴァーラスティングヴォイド”、といった様々な場を舞台に戦いは壮大さを増していく。
(*前作でフレイヤが使用していたものと同一の剣。「タイムアベンジャー」内及び「AeternoBlade」日本語字幕時の呼称は「クロノブレード」)
成長システム
「AeternoBladeII」では前作同様、豊富な成長システムが用意されているが、取り分け重要度が高いものとして装着アイテムであるレリックが挙げられる。
全部で70種類以上存在するレリックは、ヘルス(生命値)やATK(攻撃力)などフレイヤの各種基礎ステータスを強化するものから、時間操作能力使用中に効果を発揮するものなどその効果もさまざまだ。
レリックの装着は専用UIのレリックマネージャー(Relic Manager)から行うが、これは道中各所にあるセーブポイントで利用可能。
レリックのセットアップ画面ではセット1、セット2の2つの装着枠に1つのセット枠につき最大3つ、合計で6つまでレリックを一度に装着することができる。
組み合わせたレリックのセットは道中L1キーにていつでも自由に切り替えが可能だ。
そして各レリックは道中各所で入手可能なレリックパワーを注ぐことで、性能のアップを図ることができる。
パワー1つにつき1ポイント分を注ぐことができ、ゲーム進行に応じてチャージ可能な上限がアップ、最大で10段階まで増加するのでレリックパワーをくまなく探して1つでも多く入手しておきたい。
ステージ紹介
「AeternoBladeII」では全部で10のステージが登場。下記ではその内のいくつかを紹介していこう。
なお、前作にあったステージ毎のクリア評価システムは今回では撤廃されている。
Mystic Forest(奇妙な森)
The Anan Fortress(アナン要塞)
Everlasting Void(悠久の空間~エヴァーラスティングヴォイド)
Chronosian Ruin(廃墟クロノシア)
致命的な不具合
強制終了
本作プレイに熱中している際にストレスとなるのが、長時間連続プレイを続ける内にオーバーフローを起こし強制終了が発生するケースで、コンソール版ではPS4版、Nintendo Switch版「Director’s Rewind」のどちらでもこの現象を確認している。
定石のパターンとしてはプレイパートが30分~2時間連続で続いた後にデモシーンに突入する、といったタイミングでエラーでの強制終了、というパターンが一番多い。
パフォーマンスモードのオンオフの切り替えを行ったりと色々工夫はしてみても起こるため、プログラム側の問題と思われる。
防ぐ方法は今のところないのでこまめにセーブを行っておき、不意の強制終了に備えるしかない。
(モーションやカメラワークが忙しなく動く作品なので、負荷がかかりやすいのかもしれない?)
フレイヤ本体の消失
3Dアクションパート時、特定のタイミングでタイムスタンプを利用した際に地面に潜ってしまい、以降フレイヤの姿が見えなくなったまま被ダメージ判定が一切消える不死身状態になるという致命的なバグが見られる。
主には蛇型のボス戦、フェーズ3においてこの現象を数度確認している。
効果は恒久的で、後のゲーム進行においても延々と影響する。
このため直前のセーブデータをロードするまで解消しないので、もしこの現象に見舞われた場合はロード推奨だ。
補足:「Director’s Rewind」及び日本語字幕対応バージョンについて
(※画像:Nintendo Switch版「Director’s Rewind」より)
「Director’s Rewind」は「AeternoBlade II」の大型アップデート”ver2.0″以降に追加となった”新規レリック”などの様々なDLCをひとまとめにした”完全版”とも言えるバージョンにあたる。
それぞれ「オリジナルバージョン」(v1.0~)のSteam版、PS4、Nintendo Switch、X-box ONE(コンソール版はいずれも海外版)のダウンロード販売版を所有していたユーザーに関してはこの追加コンテンツ分が無償アップデートに対応していた。
今回レビューを行うに辺り、筆者が参考としたバージョンはPS4欧州パッケージ版だが、こちらは2021年現在字幕に対応している言語が英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語の5言語のみで日本語字幕には対応していない。
また、各種コンソールパッケージ版は、「Director’s Rewind」に含まれる追加コンテンツのアップデート(v2.0以降)の補償対象外となっているようなので、要注意。
以下では「Director’s Rewind」の追加点や変更点を紹介していこう。(※以下での紹介文は共にNintendo Switch国内版についてとなります)
ギャラリー
フルタイムレンダリングで描かれる本編のムービーデモを自由に閲覧可能なモードで、各ムービーはゲーム進行の際に一度視聴したものから順にアンロックされる。
本編でQTE操作が必要だった部分については一連の操作の必要はなく、完全に視聴に特化した形で見ることができる。
ドレスルーム
(※画像:Nintendo Switch版「Director’s Rewind」より)
本編に登場するキャラクター、フレイヤ、ロサリーン、キャロルのコスチューム(有料ダウンロードコンテンツ)の変更を行うことができる。
フレイヤに関しては前作でも水着コスチュームなどのDLCがあったのでもはや伝統といったところだが、コスチュームチェンジで気分を変えたくなった時に触ってみるのも一興だ。
新規レリック&ギミックの追加
オリジナル版ver2.0以降、及び「Director’s Rewind」では新規レリックが追加。更に一部のステージ内の特定のエリアにおいてレリックの設置場所として構造が変化している場所がある。
追加レリックの設置箇所についてはパズル要素が絡んだものが多く、フレイヤの時間操作能力を駆使しないと入手できないものも珍しくない。
その他
Nintendo Switch版「Dirctor’s Rewind」には設定の項目に「パフォーマンスモード」というものが搭載されている。
標準状態ではこの機能がオフになっているが、オンにすることで主にフレーム数の強化などパフォーマンス面での強化が図られ、より滑らかな動きでプレイすることができる。
解像度の関係上、他機種版よりは少しグラフィック面では見劣りしてしまうがこの機能のおかげでゲーム性については遜色ないものとなっている。
補足に関するまとめ
「AeternoBlade II」の日本語字幕対応バージョンを巡る事情に関しては少々複雑で、マルチプラットフォーム対応ながらも機種やリージョン毎に微妙に言語の対応状況が異なり安定していない。
2021年10月には、日本語字幕対応バージョンのNintendo Switch版「Director’s Rewind」が国内配信開始となったことで、購入にあたってはコンソールではSwitch版、PCプラットフォームではsteam版の「Director’s Rewind」という選択肢が最も無難なところに落ち着くだろう。
ただ、語尾や二人称などキャラクター毎の口調がセリフごとに統一感がなかったりと、オフィシャル自体の翻訳精度があまり高くはなく、物語に寄り添うためにはある程度プレイヤー側で別途補足する必要もあることを付け加えておく。(フレイヤやロザリンについては特に違和感を覚えた)
日本語字幕バージョンをプレイできる環境が国内コンソール版でもしっかり整った今、あえて欧州パッケージ版を購入する理由は薄いと思うが、もしもこれから該当する商品を購入予定という方は上記の点については一応ご注意を。
「キャラクターの口調がどうしてもイメージと違って落ち着かない」という方はストーリーを無理に追わず、いっそ英語のままで純粋なサイドアクションゲームと割り切ってプレイしてみるのも良いかもしれない。
プレイ後の感想
「AeternoBladeII」のシステムやアクション面を中心に紹介してきたが、ここからはグッドエンディングまでプレイを終えての感想を。
まずは探索型アクションゲームとして前作よりも総じて完成度が大きく向上。特に操作性に関してはフレイヤのアクションがより流麗なものに見直されており、操作中もカッコ良く立ち回れるのがとても心地よい。
時間制御能力を中心に据えたシステムについては前作に続きパズル要素とバトル面でのテクニックの両面にそれぞれ新要素を追加していながらも、難易度を自分の腕前に合わせた設定でプレイすれば決して難しくなりすぎないバランスに仕上げられている。
道中でも2種類以上の時間操作能力を駆使することで突破できるギミックエリアがいくつかあるので、各能力の特徴はゲームを進めるうえでしっかり理解していきたいところ。
本作では各アクションステージ以外にも、専用ステージの”エニグマタ”(Enigmata)が70箇所以上用意されていたりといったやりこみ要素が盛り込まれている。
エニグマタの内容はパズルに特化したものが多いが、中にはただレリックがポツンと1つ置かれているだけのものや、大型の敵と戦うボス戦ステージ相当となるものなど、内容もバリエーション豊かだ。
その他の演出面では主にボス戦後のムービーカットシーン中に割と唐突に挿まれるQTEシステムや、後半以降でゴーレムを操作して大型の敵とタイマンで殴り合うという専用モードが挿入されたりと、とにかく意欲的に色んなシステムを取り入れておりプレイヤーを飽きさせない。
一方で若干の不満点もいくつか目立つ結果となった。
本作の特徴的な2.5Dのカメラワークスクロール方式は背景もダイナミックに魅せる試みで筆者的には良好だったが、足場やトゲなどの即死オブジェクトの判定が一見では視認し辛い場面に何度か遭遇。
3D(三人称視点)モードについては初めこそ斬新さがあったものの、本作で無理に入れる必要性は感じられなかった。
(色々詰め込んでしまおうという開発側の欲張り姿勢の結果とも捉えられるが)
また上記項目でも触れた致命的な不具合がいくつかある点も、プレイにおけるストレスとなる。
特に強制終了問題に関してはプラットフォーム毎で発生頻度も大きく異なる。一番安定感のあるプラットフォームを1つ選ぶとすれば、Steam版が最も無難となるだろう。
より細かいところでは、マップ表示の際にステージとステージを繋ぐ進入口にそれと一目で判るシンボルが一切表示されないのも、気になる部分ではあった。
とはいえ、こうした不満点はいずれも「あえて言うなら」という程度のもので、上述の”致命的な不具合”に比べればいずれも許容範囲内のものに過ぎない。
改善希望な点は目立つものの、簡単なボタン操作だけで滑らか且つ流麗な連続技を繰り出せる本作のアクションは心地よく、手に馴染めば馴染むほどフレイヤ達を自由自在に扱える本作ならではの楽しさは前作以上に昇華されている。
手軽なアクションで手軽にチェーン数を稼ぎ、豪快に暴れることができる爽快感は純正アクションゲームファンに対して推せる1本だ。
ストーリーについては予備知識はなくとも本作単体でしっかり楽しめるようには出来ているが、一応前作からの続きとなっているのでより深く本シリーズを知りたいという方はまずは何れかのプラットフォームで1作目をプレイしてみよう。
(筆者的には、前作に関してはニンテンドー3DS版が一番洗練されたバージョンとして見ている)
CORECELL Technology渾身の真正メトロイドヴァニアの続編「AeternoBlade II」。
前作から更に進化した時間操作アクションと、パズル要素を備えたハイテンポ且つド派手な2Dアクションを本作を通してご堪能あれ。
評価
個人的スコア(10点満点中) | 8.5 |
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良い点
- カメラワークを始め、多彩な演出を意欲的に取り入れておりプレイヤーを飽きさせない工夫が見られる
- サイドアクションゲームとして安定した完成度。長すぎず短すぎない程よいボリューム
- チェーン受付入力時間には比較的余裕があり、コンボ連携をつなげ易い
惜しい点
- 今作で追加された新たな操作可能キャラクターの出番は限定的で、全編を通して見るとフレイヤの操作パートが大半を占めている
- ゲームデザインがサイドアクションとして完成されている分、3D操作パートに必要性を感じられない
- 継続プレイ時間が長くなるに連れて唐突な”強制終了”が発生する確率が高く、頻繁な再起動が必要となる