Water Margin – The Tale of Clouds and Wind -プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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基本情報

 

タイトル Water Margin – The Tale of Clouds and Wind*
対応機種 Steam,Nintendo Switch,他
販売 Piko Interactive LLC, Bleem!(Steam版)、QUByte Interactive(Switch版)
開発 同上
発売日 2019年7月4日(Steam版)、2022年12月8日(Switch版)
対応言語 英語

※日本語未対応(ゲームプレイには影響なし)

備考 IARCレーティング:12+(軽い暴力)

*Nintendo Switch版のイーショップでの商品名は『The Tale of Clouds and Wind (QUByte Classics)』となっている。

 

作品概要

 

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「Water Margin – The Tale of Clouds and Wind」(「水滸伝 – 風と雲の物語」)はPIKO Interactiveが販売を手掛けるゲーム作品。Nintendo Switch版ではQUByte Interactiveが販売を担当。

中国の人気作品『水滸伝』を題材にしたベルトスクロールアクションで、プレイヤーは3人の中から操作キャラを1人選び、全7ステージを順次攻略していく。

ローカルによる2人同時プレイに対応している。

 

90年代半ばに中国、台湾、香港のアジア圏でNever Ending Soft TeamよりSega Genesis用ソフト「水滸風雲傳」(Shui Hu: Feng Yun Zhuan)としてリリースされた本作は、後にPIKO Interactiveが版権を取得。

英語へのローカライズが行われ、2015年に同ハード用の非公式カートリッジソフトとして改めての製品化を果たす。

その後、SteamやNintendo Switchといった現代プラットフォームに移植されたことで、全世界に日の目を見ることとなった。

 

リンク:PIKO Interactive(Twitter)

リンク:QUbyte Interacive(Twitter)

 

ストーリー

 

(※オープニングデモをDeepLにより翻訳&手直し)

地の底より光が差し込み

天の精霊、地の悪鬼は立ち上がる

民の血は凍り付き

英雄たちは恐怖に震え上がる

 

滅びを求め、復讐に燃えるその勢力は、

梁山の勇猛な無法者たち

不滅の物語は、これより始まる

さあ、耳を澄まし、しかと聞け―

 

 

 

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン 移動
Lスティック 同上
Lボタン
ZLボタン (ZRと同時押しで)メニュー呼び出し
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン スペシャルアタック(※専用アイテムを1つ消費)
Bボタン 攻撃
Yボタン
Xボタン ジャンプ
Rボタン
ZRボタン (ZLと同時押しで)メニュー呼び出し
+ボタン ポーズ

 

操作キャラクター

 

史進(Shi Jin)

扈三娘(Hu Sanniang)

李逵(Li Kui)

攻撃力:普通 素早さ:普通

防御力:普通 ジャンプ力:普通

攻撃力:低い 素早さ:高い

防御力:低い ジャンプ力:高い

攻撃力:高い 素早さ:低い

防御力:高い ジャンプ力:低い

筆者的オススメキャラは素早さと武器のリーチに長けた扈三娘(こさんじょう)。

攻撃力は最弱ながら、攻撃判定の出の速さと長さによって敵の攻撃に対して競り負けにくい。

後半は火力不足で厳しい局面も出てくるが、ゲームクリアを目的とするだけならば、比較的達成し易い印象だ。

 

なお、キャラ選択画面の性能の説明には一部、実際に触ってみた時のものとズレがある箇所を確認している。(※上記の性能表記は修正済みのもの)

扈三娘の防御力は「高い」→「低い」、李逵の防御力は「低い」→「高い」、素早さは「高い」→「低い」が正しい説明になるものと思われる。

 

プレイヤーのアクション

 

移動

移動操作については、一般的な2D型ベルトスクロールアクションのシステムを踏襲している。

右、または左に方向キーやLスティックを2回操作後、押しっ放しにすると走ることができる。

ジャンプの跳躍力はキャラクター毎に一律固定されており、押し方による高度の調節はできない。

 

攻撃

Bボタンでは武器攻撃を発動。敵が攻撃範囲にいる場合は、連打することで攻撃アクションが派生していく。

連続攻撃は相手を圧倒する側面もあるが、一定数攻撃を加えると相手をダウンさせてしまうのが長所となり短所ともなる。

場面次第では、基本攻撃を一定間隔で繰り出し続け、ダウンを奪わずにライフを削り続ける、といった戦い方が有用な場面もある。上手く使い分けていこう。

ジャンプ中の攻撃も可能ではあるが、下方向への攻撃判定があまり強くないため、繰り出すのはオススメし辛い。

 

特殊操作

前方に方向キーもしくはLスティックを2回素早く操作した直後にBボタンを押すと、前方ダッシュしながらの攻撃が可能。

史進や李逵は技の発生がやや遅く、敵の攻撃がタイミング良く合わさった場合にあっさりと潰されやすい。

敵の不意な攻撃に備えて早めに発動し、あらかじめ技を置いておくという使い方が定石となる。

 

ゲームシステム

 

エクステンドボーナス

本作では使用キャラクター、難易度を問わず、50,000点獲得毎に残機が1人追加される仕様になっている。

ボス撃破後のリザルトでは、プレイ状況次第で大量の得点が加算されるので残機を増やす好機だ。

ただし、コンティニュー使用時にスコアは0に戻ってしまうので注意が必要。

 

ライフの回復

道中のタルを破壊することで各種アイテムが出現する。

アイテムの内、饅頭や肉といった食品類のものはいずれも回復アイテムになっており、形状が大きなアイテムは通常攻撃を加えると、小型のもの×3へと形を変える。

これは特に2人同時プレイ時に回復アイテムのシェア、といった使い方ができるシステムだ。

 

回復アイテム自体はプレイヤー側にその気はなくても、”攻撃を繰り出した際、うっかりアイテムに当たって小型化させてしまった”、という誤爆を起こし易い。

また、本作のアイテムはどれも、出現から10秒程度経過することで消えてしまう。

この仕様から、「あらかじめアイテムを出現させておき、ライフギリギリまで回収を控える」といった使い方ができないので、タル破壊からのアイテム回収は迅速に行うように心がけたい。

 

 

スペシャルアタック

お札、氷の結晶など、食べ物やお金以外の形状をしたアイテムはいずれもスペシャルアタック用のアイテムで、獲得毎に1つ分がストックされる。

ストック時には画面上部に種類に応じたアイコンで表示され、種類を問わず最大5つまで同時に持つことができる。

6個目以降はストックは行われず、入手タイミングが古いものが新しく手に入れたものに上書きされてしまうので、ストックする数は必ず5つ以内に収めるようにしたい。

 

Aボタンを1回押すと、所有しているスペシャルアタック用アイテムを選ぶ状態に切り替わる。

この状態で、方向キーかLスティックの左右で使いたいアイテムを選び、もう1度Aボタンを押すことで即座に発動。選ぶのが面倒、という場合はAボタンを素早く2回押せばすぐに使うことができる。

スペシャルアイテム各種は、全編を通して見るとそんなに出は悪くはないので、道中の敵連中を捌く際に梃子摺ってしまっているような状況では、温存は考えず思い切って使ってしまう判断も時には重要だ。

また、コンティニューした際には所有していたスペシャルアタックは全て消えてしまうので、残機がもうないといった状態にある時はなるべく早めに使い切ってしまおう。

 

コンティニューについて

コンティニューに必要となるCREDIT数は9で固定されており、使用回数や残機数調節によるゲームプレイ時のペナルティ要素は一切ない。

ステージが進むほど攻略は過酷な道のりとなるので、腕に自信がないプレイヤーは迷わず残機数は最大の4に調節しておくことをオススメ。

 

プレイ後の感想

以下では、「Water Margin – The Tale of Clouds and Wind」の感想を綴っていこう。

なお、本記事を書くに辺っての筆者のプレイ状況は、難易度「Tough Guy」、使用キャラ扈三娘、コンティニュー複数回使用による初回全面クリア後時点での感想となることをご了承頂きたい。

 

作品概要でも触れた通り、本作は16bitゲームハード”Sega Genesis(メガドライブ)”用タイトルとして、1994年にアジア圏限定で販売された同名タイトルがオリジナル版となる。

ローカライズ対応&移植版となる今作は、画面サイズの変更や各種フィルター機能、セーブ&ロード機能といった現代風な便利システムを新たに追加しつつ、90年代のテイストをそのままパッケージングした内容として現代に蘇った。

 

史進、扈三娘、李逵の3人のプレイアブルキャラは、題材の『水滸伝』をモデルにした各種ゲームタイトルを経験したことがあるプレイヤーにはお馴染みとなるキャラクター達。

個人的にはセガサターンで当時、よくプレイしていた対戦格闘ゲーム『水滸演武』(データイースト)に触れていたことが幸いとなり、「知っているキャラがいる」というだけでも本作は比較的取っ付き易かった。

 

全7面で構成される本作は、道中の敵のコンビネーションが絶妙で全ステージ制覇は中々に手強い。

プレイ中は、「一つの区画毎に現れる敵集団をいかにして切り抜けていくか」という緊張感を最後まで抱えながらプレイしていくことになる。

一番簡単な難易度「Grunt」では途中となる5面までしかプレイできず、ゲーム後半の突破においては腕に自信がない場合、連続コンティニューの覚悟も必要となるだろう。

 

各キャラを触ってみた上での操作感は、正面前方は問題ないもののキャラから見た上下幅に対する攻撃判定が狭く、複数の敵を巻き込んで攻撃することにおいては少々難しい印象を受ける。

ゲーム後半にかけては、体格は無関係にちょこまかと動き回るタイプの敵が増えて、こちらの攻撃が中々当たらない、といった場面も多い。

区画1つ辺りの突破も難しくなり、少しでも長く生き延びるためには、道中随所で入手できるスペシャルアタックをどのタイミングで使っていくか、といった戦略も重要となってくる。

 

同じ中国の時代物作品がモデルになっているベルトスクロールと言えば、カプコンの「天地を喰らう」シリーズを想起する方も多いことだろう。

作中でも象徴的な、”キャラクター毎の豪快な特殊攻撃”や”馬などの搭乗型キャラクター”といったゲーム要素は本作では見られず、アクションが単調気味になって少しこじんまりとした印象もある。

 

それでも本作はベルトスクロールゲームとしてのシステム部分がしっかり出来ており、致命的なバグも無く、16bitハード用のタイトルとして比較的高い完成度でまとまっている。

ローカル2人同時プレイに対応していることから接待用ソフトとしても申し分なく、この手のジャンルが好きというゲームファンにとっては見逃せない。

 

“版権購入を経ての過去作の復刻移植”ということで、本作は現代でよく見られる「過去ハード用タイトルとして2000年代以降に開発された新作」ではなく、90年代当時に作られた”真正の16bitゲーム作品”であるとも言える。Steam版は1,010円、Switch版は720円という、リーズナブルな価格設定も手に取り易く嬉しいポイントだ。

(一方で、1996年にGenesisでリリースされたオリジナル版は、スプライトやサウンドドライバなど他作品のゲーム内データを流用している等、“海賊版タイトル”としての側面もあったとのことだが…)

 

「Sega Genesis(或いはメガドライブ)用ソフトで、取り分けアジア圏のタイトルに興味がある。」

というかなりニッチな需要に応えたタイトルではあるが、ベルスクアクションゲームのファン、もしくはスクリーンショットの雰囲気から本作が気になったという方は、本作「Water Margin – The Tale of Clouds and Wind」を是非お試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) .0

 

良い点

  • 16bitハードでしっかりとプレイ可能なベルトスクロールで、元がSega Genesis用ソフトとして考えた場合、全体の質は高め
  • ローカル2人同時プレイに対応
  • 全7面とステージボリュームがある

 

惜しい点

  • シングルプレイ時の難易度が少々高く、先に進むほど敵のコンビネーションが厭らしくなる
  • 格闘系ベルトスクロールにおいて、比較的一般的なアクションとなる”掴み技”が見られない(一部のボスは使用してくる)
  • 最低難易度の「Grunt」では、全編の途中(5面)までしかプレイできない

 

 

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ステージ紹介

 

※人名や地名に関しては、DeepL翻訳やネット検索を駆使して独自に調べたものをまとめています。

筆者は『水滸伝』に関しては余り詳しくはないため、下記の翻訳には原作と比べて間違っている箇所が見られる場合があります。

お気づきの点が御座いましたら別途、コメントフォームよりお寄せ下さい。

 

Chapter 1

Mount Liang Surrounded by Forces(包囲された梁山)

北宋の宦官、童貫は梁山泊攻撃の指揮を執ることを決意。

騎馬隊8個師団と地上隊2個師団が、水滸の英雄達を脅かさんとしていた。

 

BOSS:童貫(Tong Guan)

 

Chapter 2

Grand Marshall Gao’s Attack on Mount Liang(高俅、梁山を攻撃す)

幾度に渡る進軍失敗を経て、高俅大尉は自ら軍の指揮役を名乗り出た。

湿地帯にはその数、13万にも及ぶ最強の戦士達が無数の船と共に待ち構えている。

この梁山への正面攻撃は、勇士たちを撤退へと追い込むことができるであろうか?

 

BOSS:彷徨える騎士(Knight-Errant)

 

Chapter 3

The Outlaws Crush the Liao(無法者、遼を砕く)

梁山攻撃の失敗の後、宋の皇帝は和平のために使節を送ることを余儀なくされる。

一方で、梁山の無法者たちは、ある条件付きで恩赦を受けられるのだという。

“遼の国境地帯で起こっている反乱の鎮圧に向けて、帝国軍を支援する。”

この作戦に成功すれば、恩赦によって政府の公職に就くことも叶うのだが…。

 

BOSS:近衛兵&守護兵(Imperial Guard&Imp. Protector)

 

Chapter 4

The Band of Heroes Attacks Jizhou(英雄の一団、冀州を襲う)

遼軍は冀州の城門を常に監視していた。

しかし、梁山の勇士がすでに城内に忍び込み、火を放っていることに気づいてはいなかった。

 

BOSS:天山勇(Tian Shanyong)

 

Chapter 5

Faceoff at Qingshi Valley(清渓の戦い)

前衛の盧俊義は致命的なミスを犯し、遼軍のひしめく清渓に侵入してしまう。

敵に包囲され、彼の命はとても危険な状態だ。

 

BOSS:山士奇(Shan Shiqi)&竺敬(Zhu Jing)

 

Chapter 6

Clash of Swords(交わり合う剣)

遼の将軍、劉譲は精鋭2万を率いて汝州へと向かった。

蹄の音は大地を揺るがし、天の使いはその接近に震え上がる。

 

BOSS:劉譲(Li Jinwu)

 

Final Chapter

Miraculous Triumph(奇跡の大勝利)

遼軍を粉砕した梁山の勇士とその部隊は、遼の首都・燕京に直接攻撃を仕掛けようとしていた。

 

BOSS:吳用(Wu Yong)

 

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