© 2023 Programancer
© 2023 Screenwave Media
基本情報
タイトル | Prison City |
対応機種 | Steam,Nintendo Switch|2,PlayStation4|5,Xbox Series S|X |
販売 | Retroware(Steam版,Xbox版),Screenwave Media(Switch版,PS4|5版) |
開発 | Retroware, Programancer |
発売日 | 2023年8月29日(Steam版)、2023年11月16日(各種コンソール版) |
対応言語 | 日本語, 英語, フランス語, イタリア語, ドイツ語, スペイン語, ポルトガル語, 韓国語, 中国語 (繁体字)
※Nintendo Switch 2(日本語・国内専用)では日本語でのみプレイ可(一部ソフト内で言語を変更できる場合あり) |
備考 | IARCレーティング:7+(暴力(軽度)) |
作品概要
「Prison City」はルーマニア・トランシルヴァニアに拠点を置くゲームスタジオRetrowareが開発を手掛けたゲーム作品。パブリッシングはRetroware兼任によるパブリッシャーProgramancerが担い、Nintendo Switch及びPlayStayionシリーズではアメリカ・ペンシルバニア州フィラデルフィアのScreenwave Mediaが担当。
本作のゲーム内容は8bitスタイルの2Dプラットフォーマー。元警官のハル・ブルーザーを操作して、デトロイトの街を暴力で支配する悪の組織「テクノ・テロリスト集団」鎮圧の極秘任務へと挑む。
投擲型武器”チャクラム”を利用したトリッキーな武器アクションや、8つのステージから攻略順をプレイヤーが自由に選択できる「ロックマン」風のゲームデザインが特徴。
外部リンク:Retroware(X(Twitter))
外部リンク:Programancer(X(Twitter))
外部リンク:Screenwave Media Games(X(Twitter))
ストーリー
(※ゲーム内オープニングパート、及び製品ページより要約)
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西暦[1994年]、デトロイトの放棄により、全住民が避難。 西暦[1995年]、デトロイト刑罰計画が発足。街は巨大な壁で囲われ、最も凶悪な犯罪者たちが終身刑として街へと放り込まれるようになる。街への出入り口は、重武装された資源調達用の列車のみ。 西暦[1997年]~[現在]、テクノ・テロリスト集団がデトロイト刑務所都市に蔓延り、囚人に武器を供給することで軍隊を組織している。
街全体が突破不可能な巨大刑務所と化したデトロイト。 事態を深刻に捉えたDCP署長は、元警官のハル・ブルーザーを呼び寄せる。 「この任務はお前にしか出来ない。街に潜入し、セキュリティエリアを占有するテクノ・テロリストの刑務官を全員蹴散らすんだ。」 斯くして、デトロイトの「魂」を取り戻すための戦いが、今ここに幕を開けたのだった―
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ゲームモード
選択可能な難易度
「Prison City」では4タイプの難易度から1つを選んでゲームをスタートできる。一度選んだ難易度はセーブスロット毎に紐づけられ、途中で変更することはできない。
イージー | ・残機無制限
・全体の難易度が低下 ・体力ゲージ増加 ・与ダメージ量増加 ・ピット(中間ポイント)から復活 ・敵の凶暴性の低下 ・パワーアップ率の上昇 |
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モダン | ・初期残機数5
・ピット(中間ポイント)から復活 ・敵が凶暴化 ・パワーアップ率のバランス調整 |
クラシック | ・初期残機数3
・与ダメージ量減少 ・敵が凶暴化 ・パワーアップアイテムの出現率/出現数が少なくなる |
カスタム | 設定をカスタムして本編をプレイ可能
※本モードではトロフィーは獲得できない |
ストーリーモードでは、全部で10のセーブスロットが用意されており、スロット毎にゲーム開始時の難易度やステージ進捗状況が記録される。
難易度はイージーからカスタムまでの計4種類。難易度毎の主な違いは上記表の通りで、クラシック難易度の場合はアイテムボックスの中身は開けてみるまで分からないといった特徴も見られる。
プレイ感覚や体感的な難しさは1つ切り替えるだけで顕著に表れるので、気軽に楽しみたい、というプレイヤーにはまずは「イージー」でのプレイがオススメだ。
カスタム難易度設定
「カスタム」でプレイする場合は、ゲーム内の様々な設定を各項目別に調節することができる。
残機数の設定といった解り易いものから、チャクラによるアイテム引き寄せ可能の有無、シールドの無敵持続時間などかなり細かい設定が可能。本作が難しいと感じたら、これらの項目を自由に組み替えた上で挑んでみることでゲームクリアも見えてくるかもしれない。
操作方法
(※Nintendo Switch版)
JOY-CON(左) | |
上下左右ボタン | 【左or右】移動、【下長押し】しゃがむ、はしごを降りる、【上】はしごを登る |
Lスティック | |
Lボタン | (長押し中Yで)斜め下前方にチャクラムを発射 |
ZLボタン | |
-ボタン |
JOY-CON(右) | |
Rスティック | |
Aボタン | 攻撃 |
Bボタン | ジャンプ/(下を入力中)スライド |
Yボタン | チャクラム発射 |
Xボタン | |
Rボタン | (長押し中Yで)斜め上前方にチャクラムを発射 |
ZRボタン | |
+ボタン | ポーズ |
Bボタンで発動可能なアクションやチャクラムに関する派生アクションの操作は上記の表内では収まらないため、別項にて後述。
画面の見方
①:体力ゲージ | ④:グレネードスロット |
②:武器(チャクラム)ゲージ | ⑤:ミニマップ* |
③:チャクラムのパワーアップ段階 |
(*ミニマップはエリア切り替えの直後にのみ一時的に表示されます)
プレイヤーのアクション
移動/屈み
移動は方向キー。ジャンプはBボタンでそれぞれ操作が可能。
移動速度はかなりある一方、ジャンプの高度はあまり高くないため、銃弾などの飛び道具を回避するのには不向き。
ジャンプ/崖掴まり
ジャンプはBボタンで発動。ボタンの押し具合によって高度や飛距離が変化する。
また、空中で崖際に接触した状況下で方向ボタンを壁方向側の斜め上に入力しながらタイミングよくBボタンを押すことで、崖の縁に掴まることが出来る。一度掴まることでぶら下がり状態が維持されるため、方向ボタンから指を放しても落下する心配はない。
ただし判定が若干シビアなことから”狙い通りに掴めなかった”、といった形での失敗も多い。方向キーの入力、タイミング共に1回1回しっかりと心掛けよう。
はしごやフェンスへの掴まりと昇降
はしごやフェンス、レールがある場所では崖の縁と同じ操作を行うことで掴まることができる。これらオブジェクトの掴める部分は比較的広範囲で、フェンスであれば上下端の枠組の部分まで掴むことができるようになっているなど崖よりも移動に関する自由度が高い。
掴まり中はYボタンでチャクラムの発射が可能で、各方向への打ち分けにもしっかり対応。下方向に入力しながらBボタンで手を放しての落下も可能。下方向に入力していないと普通のジャンプになってしまう点に注意。
スライド
方向ボタンを下に入力中、Bボタンを押すことでスライド移動が可能。
攻撃判定はないが低姿勢での横移動アクションということで、狭い通路を潜ったり回避の手段として重宝するアクションだ。
チャクラムでの攻撃
Yボタンでチャクラムを発射。立ち/しゃがみ状態、空中時、掴まり中などあらゆる状況において使用可能で、ブーメランのように一定距離を飛んだ後はハルの手元へと帰ってくる。
基本的には射出時に各方向への入力操作を組み合わせる事で上画像のように8方向へと撃ち分けできるという特徴を持ち、射程は限られるものの連発が可能且つ多方向をカバーできるのがチャクラムの強みだ。
なお、Lボタン長押し中にYボタンを押すことで前方斜め上に、Rボタン長押し中にBボタンで前方斜め下にそれぞれ撃つことが可能。ボタンの組み合わせ操作に慣れる必要があるが、方向ボタン斜め押しが苦手というプレイヤーにとっては、こちらの操作の方が使い易いといった場合もあるだろう。
なお、チャクラムのダメージバランスはパワーゲージと密接的な関係があり、射出時はゲージが一定量減少したあと即座に元へと戻る。ゲージ残量が続く限りはチャクラムの連射も一応は可能となっている。
特にクラシックモードではこの影響が顕著で、連発状態を維持したままでいると1発辺りのダメージ量が大きく低下したままとなってしまう。敵に立ち向かう上で適切なダメージバランスを保つために、如何にゲージの増減をコントロールしていくかもエリア攻略のポイントとなっている。
(上級向けアクション)チャクラムの回転
チャクラム発射後、Yボタンの長押し中はチャクラムが一時的に空中で停止するが、この状態から方向ボタンを上または下に入力し続けることで円を描くようにチャクラムが最大180°回転させる事ができる。
通常射出時の軌道では届きにくいような位置にいる敵を狙いたい時、等の特殊な状況で活用が可能な上級者向けのテクニックだが、操作時の一手間や咄嗟には発動できない点なども含めて扱いが難しい。自由に使いこなせるようになるまでは、比較的安全な場面で使っていくのが望ましいだろう。
チャクラムのパワーアップ
各エリアに隠されたパワーアップアイテムを回収することでチャクラムの強化段階が1つ上昇。3つ集めるとパワーチャクラムへと進化し、武器自体の巨大化や威力の上昇、貫通性が伴うなど目に見える形でパワーアップを遂げる。
パワーチャクラム活性中は画面左上のアイテムアイコンが上記画像のように発光した状態となる。パワーアップ状態時はダメージを受けることで回収したパワーアップ用アイテムを1つ喪失するようになり、追加入手をしないまま合計3回ダメージを受けた時点でチャクラムは初期状態へと戻ってしまう。
グレネード(スペシャル攻撃)
Xボタンで発動。グレネードを投擲し、閃光及び爆発と共に画面全体の敵にダメージを与える。温存しておく事でボス戦でもダメージを与える上での有用な手段となる。
入手率はそう低くはないものの、グレネードは一度に1つしか所持できないという制限があるのでここぞという時に使いたい消耗品だ。
ゲームシステム
ゲージについて
画面左上に表示される2本のゲージの内、Pがライフゲージ、Wが武器であるチャクラムのエネルギーゲージをそれぞれ表している。
ライフゲージは敵からダメージを受ける毎に減少、武器ゲージは他作品で言うスタミナゲージのような仕様になっており、チャクラム射出時に一定量減少するが即時に上限まで回復する。チャクラムの威力はゲージ残量によって増減するため、回復の遅い「クラシック」モードでのプレイ中は特に運用に注意が必要。
両ゲージは各エリアの何処かに隠されているそれぞれの上限アップアイテム(上画像)を入手することで拡張が可能。入手後はエリア選択画面上にマークが表示されるようになるので、回収状況は一目で判るようになっている。
アイテムについて
ステージ各所に点在するアルファベットが刻まれたコンテナはアイテムボックスを表しており、チャクラムで破壊することで中からそれぞれに対応したアイテムが出現。一部のアイテムについては、敵撃破時にもランダムで出現する。
ただし難易度「クラシック」でプレイ中の場合に限り、全てのアイテムボックスの見た目が白色の普通のコンテナとなり、外観からでは中身が分からない仕組みになっている。
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ホットドッグ。
ライフゲージをその場で4メモリ分回復 |
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グレネードをストック。
1つのみ所有可能 |
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チャクラムのパワーアップ段階が1つ上昇
(※強化は3つ目の入手後に発生) |
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ハルの周囲にビット型のシールドを展開。効果持続時間は難易度に依存。
一定時間すべての攻撃から守ってくれると同時に敵への接触時にダメージを与える |
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残機を1つ追加
(※「イージー」モードでは出現しない) |
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体力ゲージが1メモリ分追加
(※特定のエリアでのみ入手可能) |
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武器ゲージが1メモリ分追加
(※特定のエリアでのみ入手可能) |
チャクラムのパワーアップ用アイテムは各エリアに必ず3つ隠されているが、出現ポイントは固定(「クラシック」モードではエリア毎に3つ固定)。入手しなくてもステージの攻略自体は可能だが、一度チャクラムが真価を発揮すれば強力無比な性能を誇る。
ただし、難易度を問わず追加入手無しに3回被弾した時点でパワーアップが失われ、初期状態に戻ってしまうという弱点がある。このため、長時間の運用を目指すためには極力攻撃を喰らわないことが重要となる。
ミス時の扱いについて
ハルのライフが0になった際の扱いは、難易度「イージー」の場合はその場での復活(落下死の場合は近くの足場から)となるが、それ以外の難易度では最後に立ち寄った「ピット」(上画像)からの再開、ボス戦突入後の場合はボス戦の仕切り直しとなる。
残機を全て失った場合はリトライ選択画面へと移行し、リトライを選択するとステージの最初からとなる。この際、NPCから受け取ったカードキーは没収されるため、再び入手する必要がある点には注意。
ステージでの目的
ボス部屋用のカードキーを持ったNPCを探す
各ステージでの最終目標はエリアボスを倒すことだが、ボスが出現する区画は扉で隔てられている。この扉は初期状態ではロックがかかったままで開くことができない。
プリズンシティの各エリアには区内管理を担当するNPCがおり、彼らは一様にカードキーを所持している。まずは管理担当者からカードキーを受け取るのがタスクとなる。NPCを発見したら方向ボタンを上に入力して、話しかけてみるといい。
カードキーの回収状況については、一度手に入れた後はゲームオーバー(※難易度「イージー」を除く)になるまでの間は受け継がれた状態となる。入手後は一直線にボス部屋を目指していこう。
エリアボスを撃破しよう
カードキーを入手し、目的となる扉のロックを解除したらいよいよボス戦の開幕となる。エリア毎に様々なボスキャラクターが登場、画面下部に表示される体力ゲージを全て削り取れば勝利となる。
各ボスはプレイ中の難易度やゲージ残量に応じてフェーズが切り替わり攻撃パターンが変化するのが特徴で、特に上位の難易度では残り1~数メモリになると何回も攻撃を当てないと削れないといった末期のねばりを見せる傾向にある。最後の最後まで決して油断せず、全力で挑むべし。
爆弾の設置(※特定の条件下のみ)
一部のステージ、及びゲームモードでは”C4(プラスチック爆弾)の設置”というシステムが登場。施設内に効果的なダメージを与えた上での破壊を目的としており、エリア内の何箇所かにC4をセット。以後は従来通り、ボス戦へと挑み勝利することがエリア踏破までの目標となる。
ステージの攻略条件にC4設置の必要がある場合、マップ画面上に専用のアイコンが表示されるのでこれを頼りに設置ポイントへと向かうと良い。配置済みのポイントは✔マークに変わるのでマップを開いた際はよく見ておこう。
プレイ後の感想
スクリーンショットからも伝わるように、「Prison City」は時代にして90年代前期辺りの作風と雰囲気を持つ横スクロールベースの2Dアクションゲームだ。そのゲームデザインはファミリーコンピュータ用タイトルで例えると「ロックマン」と「忍者龍剣伝」各シリーズを足したようなイメージで、若干の探索要素は含むがプレイ感覚についても概ね二作品に近いものとなっている。
ドットによって緻密に描き込まれた8bit風のグラフィックが特徴の一つで、サイケデリックなカラーリングも作中の退廃的な世界観設定と相性の良さを見せる。一転ボスキャラクターはハルと同じサイズのような人型タイプは少なく、ダイナミックな大型サイズのものが中心で迫力満点。Steamデモ版にも収録されていた冷蔵倉庫エリアのボス戦は、その面白い仕組みに注目必至だ。
ハルのメイン武器であるチャクラムは8方向に撃ち分けが可能というカバーに優れる反面、中距離射程型かつブーメラン仕様の軌道など使い心地に関してはクセが強い。難易度を高めるほどに、思ったほども大暴れできないのがストレスと感じるプレイヤーも少なくないはず。
開始前、及び本編プレイ中に難易度を自由に選べる事からプレイの選択幅は広いが、筆者は今回、意欲的にも初っ端から難度「クラシック」モードで挑んだこともあり、相当な苦戦を強いられることとなる。選択制の8つのエリア+αという「ロックマン」スタイルの構成によりステージボリュームもかなりのもので、オールクリア後の累計プレイ時間は9時間超えという大台を迎える結果となった。
その他、プレイヤー自身が細かな設定項目を自由に調節して組み立てられる難易度「カスタム」、クリア後に追加される特殊なゲームモードや実績機能などの多彩な機能を搭載。紹介するべき点は色々とあったものの生憎とそれら全てを記事内で取り扱う事は叶わなかったが、やり応えの高さについては申し分なし。
コアな2Dアクションゲーマーにとって非常に満足度の高い一本に仕上がっている。「Prison City」、是非お試しあれ。
評価
個人的スコア(10点満点中) | 8.5 |
---|
良い点
- 90年代前期の8bitアクションゲームを意識した、奥行きの深いサイド2Dアクションゲーム
- Raddland Studiosが手掛けるチップチューンによるOST
- 本編クリア後に追加されるものも含め、ゲームモードやコンテンツ要素が豊富
惜しい点
- メイン武器の軌道が特殊な事から操作の習熟やテクニカルな立ち回りが要求される
- 崖掴まりアクションの入力判定やタイミングが少しシビア
- 途中で挿入される各種ミニゲームがいずれも成功条件の難易度が高い
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