八つ灯(やつあかり) ー プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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©2025 PULSMO,INC.

 

基本情報

 

タイトル八つ灯(やつあかり)
対応機種Steam,Nintendo Switch
販売PULSMO
開発PULSMO
発売日2025年8月7日
対応言語日本語, 英語
備考IARCレーティング:12+(恐怖)

 

作品概要

 

「八つ灯」(やつあかり/Yatsuakari)はパルスモ株式会社が開発、販売を手掛けるゲーム作品。

本作は一人称視点で展開する3Dスタイルの短編ウォーキングアドベンチャー。迷路のような構造になったフィールド探索を介して、内部に散りばめられた八つのロウソクを探し出して火を灯し、現地からの脱出を目指すのが目的となる。

 

真っ当な”8番ライク”な内容だった前作「八つ巡」(やつめぐり)に続くパルスモ製ホラーアドベンチャーの一作にあたり、今作でも音響効果を利用した仕掛けが登場することから、ヘッドホン装着によるゲームプレイが公式から推奨されている。

システム面では新たに字幕機能が追加。音声が流れる一部のシチュエーションにおいて、台詞の内容と共に画面上に表示されるようになっている。(この機能は設定からオンオフが可能)

なお、前作は多言語に対応していたが、本作における対応言語は2026年現在、日本語と英語のみとなっている。

 

リンク:パルスモ(X(Twitter))

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン
Lスティック移動/振り払う
Lボタン(長押し中Lスティック移動で)走る
ZLボタン同上
-ボタンメニューを開く/閉じる

 

JOY-CON(右)
Rスティックカメラ操作/振り払う
Aボタン火を灯す
Bボタン
Yボタン
Xボタン
Rボタン(長押し中Lスティック移動で)走る
ZRボタン同上
+ボタン設定画面

Rボタン(ZR、L、ZLも兼用)長押しの走り移動は左右移動時にカニ歩きの要領で、いわゆる”カニ走り”状態のまま移動する事が可能となっている。

 

ゲームの進め方

タイトル画面で「開始」を選択後、神社の正門扉を潜った入り口地点からゲームがスタート。前回プレイ時にゲームを中断した場合もここからの再開となる。

プレイヤーは神社の境内に何らかの形で閉じ込められてしまっている状況にあり、スタート地点後方にある正門扉は固く閉じられて引き返すことはできない。ゲームの目的はこの境内から脱出する方法を見つけるべく、数々の怪現象との遭遇に対して察知と回避を繰り返しながら散策を行う。

 

基本ルール

正面前方に見える石造りの大鳥居をくぐった先には”掟”が記された立て看板が設置されており、本作の基本ルールはこの看板に記された「掟」から確認できる。原文は以下の通り。

 

  掟

  蝋燭、八つ灯すべし。

  そののち、

  門扉へと戻り来たまへ。

                  八留主守神社

“異変を探す”といった目標については今作では成りを潜め、「八つのロウソクに火を灯してスタート地点に戻ってくる」と、ルール的には前作「八つ巡」より一層シンプルとなった。

探索中は時に恐怖を引き起こす現象や怪異的な存在といったものに遭遇することもあるので、それぞれに適した対策を施しながら正しく立ち向かって回避していこう。失敗を踏まえつつ繰り返し挑戦しながら、現象や怪異それぞれの遭遇ポイントを把握しておくといったことも攻略上重要となるだろう。

 

蝋燭について

スタート地点には出入口となる大きな扉と、中央に伸びた石畳の両脇に計8基の木灯籠が立てられている。この灯籠はフィールド内の何処かに配置された8つのロウソクとリンクしており、ロウソクに火を灯し終える事でそれに対応した灯籠にも火が灯る仕組みになっている。

 

ゲーム内の目的はこれら8基分の木灯籠(=フィールド内の8つのロウソク)全てに火を灯すことで開かれる扉をくぐって、周辺一帯から脱出することだ。ただし、探索の途中に1度でも怪現象に飲み込まれた場合はこの場所へと強制的に戻され、再び全ての火が消えた状態からのスタートとなってしまう。

また、せっかく灯したロウソクの火は怪現象によって消されてしまうこともある。この場合は、火を点けた直後に聴こえてくる音声がヒントになっているので、サインを見逃さないように。

 

怪現象に遭遇した際の対処について

フィールド探索中は道中で様々な怪現象が発生するが、中にはプレイヤーを直接的に驚かせようとする怪異も存在している。ただ通過するだけのものから、気配を察知した途端に執拗に追いかけてくるものまで、怪異毎に行動タイプも色々だ。

 

また、怪異の中にはこちらに直接干渉してくることで行動に制限を働きかけるものも登場する。上画像は突然仕掛けられる目隠しの悪戯で、両手で顔を覆われている間は一時的に身動きが取れなくなってしまう。

こうした状況では画面上に上画像のような”赤いアイコン”が表示されるので、L、またはRスティックを素早く左右に動かすことで振り払って脱出しよう。

 

ゲームの再スタートの仕様

本作では+ボタンメニューから「タイトルに戻る」を選択する事で、次回のゲーム開始時にはろうそくの点灯状態と配置が初期化される仕様となっている。

配置については単にろうそくの設置場所が変わるだけではなく、フィールド全体の構造も変化してしまう事になるので、現在の構造のまま攻略を目指したいのであればなるべく一気にプレイしてしまう事をおススメ。Nintendo Switch版をプレイする場合、ゲームの中断時にはスリープモードを活用するといいだろう。

 

プレイ後の感想

異変探し系ウォーキングシミュレーターとしてリリースされたパルスモのゲーム作品「八つ巡」を経て、その第2作目として登場したのが本作「八つ灯」だ。類似したタイトル名的にも前作との真っ当な姉妹作品になっているのかと思いきや、内容的には”異変探し”から”3D肝試し”へとゲーム性をガラッと変えての登場となった。

今作のゲームプレイを通じて特に印象的だったのがフィールドの広さだ。探索範囲がほぼ直線状の通路のみ、といった規模だった前作とは対照的に、「八つ灯」のフィールドはかなり広大で、構造としてはランダマイズ式の3Dダンジョンそのものと言ってもいいだろう。

そんなフィールドの探索においては、作中の時間帯が”灯りの少ない夜間”である事に加えて道中には目印となる要素が乏しいことから、方向感覚があまり芳しくないプレイヤーの場合は迷ってしまう可能性が極めて大きいと言えるだろう。

 

各種恐怖演出については、内容としては大人しい方ではありつつも前作に比べて能動的なものもいくつか含まれており、容赦なくプレイヤーを驚かせてくる。中には対処を誤ると容赦なくスタート地点に戻されて最初からやり直し、といった罠的な内容のものも含まれているので、難易度面では前作以上に手ごわくなっている。

“迷路のような3Dフィールドを探索して、怪異に一度も巻き込まれないようにしながら8本のろうそくを全て点灯してスタート地点に戻らなければならない”。ルールとしてはこの上なくシンプルなのだが、フィールド全体の構造の把握と怪異毎への対処法を熟知していなければ脱出は難しい。

 

フィールド脱出の鍵となるロウソクについてはサイズが小さい上に目立たない場所に配置されているケースも珍しくなく、暗がりというロケーションも相俟って見落としやすい。

ゲームプレイに慣れてきた頃であればまだしも、初回だと余程注意深く観察しないとほとんど見つけられないだろう。怪しいポイントを集中的に調べる上で、欲を言えば作中のカメラ操作にズームインアウト機能が欲しかったところだ。

また、ろうそくを探す上で視点移動の頻度も必然的に高くなっているので、万一、画面酔いし易いプレイヤーが本作に挑むという場合はその点においてくれぐれもご用心を。

 

なお、本作の直接的な前作に位置づけられる姉妹作品「八つ巡」(やつめぐり)は、同じ開発元であるパルスモ株式会社よりSteam、Nintendo Switch二つのプラットフォームで現在配信中。

こちらは「8番出口」に代表される典型的な異変探し型ウォーキングシミュレーターとなっており、「八つ灯」と比べても恐怖要素は幾分と抑えられているので直接的なホラーが苦手な方でも楽しめる一作だ。ゲーム性の違いなどを比較する上でも、本作と併せて遊んでみるのも一興となるだろう。

 

プレイ中は探索の心細さとフィールド内のあちこちに散りばめられた怪異各種のダブルパンチで、プレイヤーをしっかりと恐怖に陥れてくれる。トータルで見ても、ホラーゲームとしてかなり高い水準を持った一作と見ていいだろう。

なお、作品概要でも記した通り今作でも公式からはヘッドホンでのゲームプレイが推奨されている。臨場感を大事にしたいホラーゲームプレイヤーは是非装着した上でお楽しみ頂きたい。

一人称視点で展開する肝試し的な内容のゲーム作品に関心がある、という方は本作「八つ灯」を是非一度お試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中)7.5

 

良い点

  • 前作「八つ巡」から路線を変え、バーチャル肝試しのようなスタイルの作品へと変貌を遂げている
  • ゲームプレイのリスタートによって毎回配置が変わるランダム仕様
  • リーズナブルな価格設定

 

惜しい点

  • 終始ファーストパーソン視点で展開するゲームデザインにつき、画面酔い体質を持つプレイヤーは若干注意が必要(※本作は比較的負担は少な目)
  • 配置のさりげなさや光量の少ない夜間の屋外というロケーションも相俟って、ロウソクの発見自体が難しい
  • 登場する恐怖要素にはの比率が多く、そうした演出が苦手な人の場合は特に注意が必要

 

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